異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
174 / 529
第4章 ネシア国〜

俺の身体って?

しおりを挟む

「……?お前……なんか身体、おかしくないか?魔力の通りが悪いな。何でだ???」

パニアさんはそう言うと、首を傾げて考え込んだ。

……あれ?魔力がかなり弱かったんじゃなく、俺の身体がおかしかった?

するとそれに対する答えはドラゴンチームのグリーさんが教えてくれた。

「それはやな、シエルさんの身体の組織は他の人の組織とは違うて『密度』っちゅうもんが高いんや。例えば他の人が中身スカスカのパンだとして、シエルさんは隙間の無い石みたいっちゅう事なんよ。その技は身体の中にある『隙間』に魔力を流してズタズタにするんやで?せやからそういうもんが通る隙間がないなら、効き目が悪いっちゅう事や。」

……なるほど、何故かは分からないが、俺の身体は『特別製』なんだね?やっぱり異世界人だからか?

リッキー達は『中身』は異世界人だけど、『外側』はこっちの世界のものだもんね。

そこら辺に違いがあるのかもしれない。

俺は1人で納得をしてうんうんと頷いていると、リッキーが苦笑いをしてこちらを見ていた。

どうやら傍目にはおかしな仕草に見えてるって言いたいんだろう。

とりあえず俺はそれを気づかなかったことにして、例の技のやり方を何となく予想した。

確かに身体の『中身』には魔力が入ってこなかったが、当てた瞬間に何かが勢いよく入ってきたのは気づいた。

何となくできるような気はする。

でもやっぱり俺も試してみなければ正解なのかどうかわからないわけだが……俺の魔力はもしかして身体と同じく『特別製』だったりしないか?

だとしたら危険だし、試しに誰かにやるわけにもいかないよね。

俺がそう考えて少ししょんぼりしていると、アースさんが何となく俺の考えている事に気付いたんだろう。

こちらを見て「俺が相手をやろうか?」と言ってくれた。

「でも……万が一があると……。」

「大丈夫だ。俺達は人外の竜だぞ?通常の姿でも人族達とは違って『密度』は高い。その上、今は人化しているからさらに『密度』が高くなっているから気にするな。お前と同じく、あまり怪我をすることはないと思うぞ?」

そこまで言われると、さすがにお願いするしかないだろう。

俺はアースさんの隣に座って、先ほどと同じく拳を当てるようにする。

その時に拳に自分の魔力を少しだけ溜めて、当てた瞬間に相手の体の中に溜めておいた魔力を勢いよく流し込むようなイメージでやってみた。

するとアースさんは一瞬だけ痛そうな顔をしたが、身体には何ともなさそうだった。

「どうですか?これで合ってます?」

「ああ、それで良いはずだ。あとは相手の魔力に合わせて流し入れる量を調整すると良い。」

良かった、それで合っていたんだね!

俺は一安心して、ホッと息を吐き出す。
どうやら自覚はなかったが、相当体に力が入っていたんだろう。
だってこんなことで相手の体を傷つけるのは嫌だからね。

……でも、クーガーには加減はするけど容赦はしないぞ?

「凄いね、こんなにすぐにできるようになるなんて。お前……シエルだっけか?すごく才能あるよな。」

俺とアースさんのやり取りを見ていたバニアさんがそんな事を言う。

そしてリオンさんも「そうだよな、俺が使った剣技もあっさりと見切って自分なりにアレンジしただろ?あの時、俺、会場にいたんだよ。」なんて言ってきた。

えっ、あの時会場にいて気づかれてたの!?

かなり小さい魔力で打ち出したはずだったんだけど、やっぱり光はあったから気づいたのかもね。

とりあえず俺はクーガー対策の策は習得できたし、クーガーが何であんなに人族嫌いなのかも理由が分かった。

だからこれでいいかと思って帰ろうと言いかけた時、リッキーがバニアさんに話しかけた。

「……一つ聞かせてもらって良いか?ラブさん…だったっけ?彼女は今どこに住んでいるのか分かるか?」

「そうだなぁ……あれから住んでいる場所を変えて無ければ、クレイン国の王都に住んでいるはずだ。旦那は『ゼネラル商会』っていう結構大手の商会の代表だ。たまたま俺たちの護衛していた商会がネシアで仕入れたものをそのゼネラル商会に卸すのに付き合ったことがあってな。その時に『運命の出会い』をしたんだ。これは獣人の中でもなかなか出会えないもので、本能で分かるんだ。一生のうちに出会えれば幸運だと言われている。この国では万が一に結婚した後で『運命の出会い』をした場合のみ、重婚を認められている。もちろん双方にその相手が現れたら、その時は離婚をして互いの『運命の出会い』の相手と再度結婚ができるんだ。それ以外の離婚は認められていない。だから獣人は慎重に相手を見極めるやつが多くて、晩婚になりがちなんだよ。」

なるほど、知られざる獣人の本能と国の制度だね!

「でもそのラブさんの場合みたいに、相手が獣人じゃなかった場合はとうなんです?こちらが『運命の出会い』と思っていても、相手はそんなの感じないんじゃないですか?」

「そう思うだろ?ところがどっこい、実は相手が人族だろうが亜人だろうが、獣人であるこちらが『運命の出会い』だと認識した時点で相手もそう感じるようになる香り?が出るらしく、相手以外はその香りに気づかないらしい。これはラブと番相手に聞いたから間違いないと思う。」

えっ、そんな事あるの!?驚きだね!
これもまた、新しい獣人の事実だ!


あれ……?

でももし人族の夫婦のどちらかが獣人の『運命の出会い』の相手だった場合、どうなるのかな!?

兄さんたち、大丈夫!?

俺はふとそう思いはしたが、心の中の不安感を気づかなかったことにした。

だって2組ともラブラブ?夫婦だった頃がある熟年?カップルだから、大丈夫だよね!
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...