異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第4章 ネシア国〜

大会4日目 2

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俺が『全く成長できない疑惑』に呆然としていると、転生組の4人はそんな俺に気づいたようだ。

「何を心配しているか何となく分かるが、ちゃんと少しずつ成長していたそうだから安心しろよ。ただ、他の人より物凄く成長が遅いだけだ。」

リッキーが俺の心を読んだのか、そう言って励ましてくれた。

でもそれって……俺がものすごい長寿だとして、それはこっちでのリッキー達との今生の別れも俺は経験しなければならないってことだよな?

それも辛いなぁ……。

俺がそれを考えていると、またもやリッキーが慰めるように頭を撫でてくれた。

「マ……じゃなくて、にぃに!それは心配いらないって言われたよ!あとで皆のステータスを見てみると良いんだって!」

俺が凹んでいた時、急にユーリが俺に教えてくれた。
……なんだか分からないが、調べればいいんだな?

宿に帰ったら見てみるかな。

それから俺たちは席を離れてお昼を買いに行き、戻ってきて席に座り、観戦しながら昼食をとった。


今日は午前中に3戦あり、午後からは今日の最終試合がある。

この最終試合にはヒューザが出場する。

どんな戦いを今回は見せるのか、とても楽しみだ!

前回見たのはクーガーとの戦いだったので、普通の試合はどんな感じなのかな?

「そろそろ本日の最終戦ご始まりますので、席にお戻りくださ~い!」

毎回試合の前に流れるアナウンスが流れると、今日の1回戦ではまだまだ席が開いていた観客席が、あっという間に満席になった。

おぉ~、これはヒューザ効果かな?

席が埋まると、またアナウンスが流れた。

「それでは、本日、大会4日目の最終試合、ヒューザ選手戦を始めたいと思いま~す!前回の試合の時も安定した強さを見せてくれたヒューザ選手!今回も圧倒的な強さを見せてくれるのか!?楽しみですね!……はいっ、準備が整ったそうですので、まずはヒューザ選手の入~場~!」

するとアナウンス後に入り口の扉からヒューザが1人で観客席に向かって手を振りながら舞台中央まで歩いてきた。

「はいっ、ではお次は挑戦者の登場で~す!」

そうアナウンスがあると、ヒューザと同じく1人で舞台中央まで歩いて行く猫獣人。……多分、猫?

かなり緊張しているらしく、たまに手と足が同じになったりしているのはご愛嬌だ。

2人が舞台中央に揃うと、「武器を構えてください!」とアナウンスがあった。


今回は2人とも爪装備らしい。

爪装備同士って戦いづらくないのかな?

そう思っていると、いきなり試合が始まった。

なるほど、お互いに猫科なだけあって身のこなしが凄いね!

あんなに体を曲げて避けたのにふらつかないんたね!?


どうやら2人は互いに両手で攻撃をしながら避けているので、なかなか試合が決まらない。

だがそのやり取りも長くなってくると違うようで、体力がある方が優位になっていく。

今回はやはりヒューザに軍配が上がりそうだ。

挑戦者はもうすでに肩で息をしつつ、避けるだけになっている。

するとそれを見たヒューザが一瞬の隙をついて後ろへ回ると首へ爪を突きつけた。

「そこまで!首への爪の寸止めにより、ヒューザ選手の勝利!」

審判の大きな宣言が会場に響くと、それをかき消すような大歓声が轟いた。

やっぱりヒューザは速さも体力も凄いね!

この分ならやっぱり決勝はスコットさんとすることになりそう。

俺はやっぱりスコットさんに勝って欲しいけど、そうなるとなあ……。

とにかくどうなるのかわからないけど、明日の試合頑張らないとね!



でもこれで明日の試合でそれぞれのグループで決勝に進む人が決まる。

今のところ、Aグループは俺とクーガー、Bグループはスコットさんとヒューザになる予感がする。

……だんだん緊張してきたぞ?まだ早いっていうのに。

俺がそんな事を考えていると、周りの座席はみんな帰ったのか空席になっていた。

「ほらシエル、帰るぞ?」

リッキーが俺にそう声をかけて手を引いてくれた。

……子供じゃないんだけど!?

まぁ、おかげで頭の中が自分の考えでグルグルしていようが皆とはぐれずに済んだけども!



闘技場から外に出るとまだ人がいっぱいいたが、俺達は真っ直ぐ宿へと向かう。

宿に着くと受付で夕飯を注文し、部屋へと向かった。

部屋に着くとユーリが「早く皆を鑑定してみたら?」とワクワク顔で詰め寄ってきた。

……一体、このテンションは何だ???


皆でフロアの中央にあるソファーに座ると、早速ユーリのリクエスト通りに4人を鑑定してみた。

……考えてみれば、こうやって鑑定するのは初めてかも?


すると驚くべきことが判明する。

とりあえず皆のレベルや体力や魔力なんかの数値は思ったより高かったが、問題はそこじゃない。


4人とも種族が『ハイヒューマン(転生人)』となっていたのだ。

どう考えても、多分最初は普通の人族だったと思う。

皆の両親が見た目、普通の人族だからだ。

種族欄に転生人とついているってことは、クリスマスの時に変わったんじゃないかと俺は予想した。

なるほど神様は俺が皆を見送り、ひとりぼっちにならないようにしてくれたんだろう。

これは今更ながら気づいた、神様からの『クリスマスプレゼント』だったのかもしれない。


しかもステータスを読み進めていくと、それぞれの最後にある『称号』の欄に前世の名前が書いてあった。

例えばスコットさんなら『紫惠琉の兄である悠騎の転生者』、エミリーさんは『紫惠琉の兄嫁である惠美の転生者』、リリーさんは『紫惠琉の姉である友梨佳の転生者』となり、リッキーは『紫惠琉の親友、姉の旦那である力也の転生者』となっていた。

俺はふと、そこで初めて気づいた。

リッキー、いや山田、名前が力也なんだね!?

あいつ『山田』でずっと通していたから、下の名前知らなかったよ!



なんだよ、山田。

前世でも『リッキー』だったんだな!
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