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第6章 王都近くのダンジョン編
おかえりなさい、リーシェさん!
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翌朝、今度こそ外が明るくなった頃に目が覚めた。
テントの外にはチラホラと軍人さんがいて、それぞれのテントを片付け始めている。
俺も慌ててテントの中に戻り、まずはベッドを鞄に入れてから、テントをそのまま鞄に突っ込む。
それから結界を解除して、皆の朝食を作ろうとかまどの方へと歩いて行く。
その途中ですれ違った軍人さんの中にお酒の匂いをさせている人がいたので、ルークさんが言っていた人達なのだろう。
彼らにすれ違う時に「おはようございます」と声を掛けると、何だか気まずそうに「おはようございます」と返された。
……なんで?
とりあえず俺はそんな彼らのこともあるが、俺自身が久しぶりに胃に優しい物が食べたくなったので朝食は鶏肉入りの中華粥にしよう。
かまどに火を入れると寸胴鍋に水を張り、それを火にかける。
水が沸騰するまでの間にテーブルと調理器具、炊いてあるご飯、鶏肉、長ネギ、卵、顆粒の中華スープと鶏ガラスープの素を用意する。
あ、一応ガッツリ食べたい人用に改めてご飯も炊いておかなくちゃ!
炊飯器のスイッチを押してから、調理開始だ!
まだ沸騰しそうにないので、先に鶏肉を小さめの一口大に切り、まとめてボウルに入れておく。その時に軽く酒も揉み込んでおいた。
それから長ネギを斜めに細く刻んでいく。
小口切りでも良かったのだろうが、俺はやっぱりこっちの方がネギの存在感を感じられて好きだ。
それもボウルにたっぷりと用意しておく。
卵もボウルに割り入れて、軽くかき混ぜておく。
ここでポイントなのはあまりかき混ぜないことだ。
かき混ぜすぎると白身と黄身が混ざりすぎて彩りが単調になってしまうのだ。
ちょうどその頃になると寸胴鍋の水が沸騰してきたので、まずは鶏肉を入れてアクを取り除く。
アクがほぼ無くなったら今度は長ネギだ。
長ネギを入れてもアクがでてくるので、それを取り除いていく。
それが済んだら、俺の場合は卵を入れる。
ご飯を入れてからでも良いのだが、それだとせっかく白身と黄身が分かれているのに混ざりすぎてしまう。
先に鶏肉と長ネギが入っているお湯の中に卵を入れ、ゆっくりと菜箸で水を切るようにお湯をかき混ぜる。
すると花が咲くように白身と黄身がフワ~っとなるのだ。
それができたら中華スープと鶏ガラスープを使って味をつける。
ここで味見をして、何か物足りなければ金色のチューブタイプの中華調味料を少量足す。
ここまでできたら一旦別の鍋に三分の一ほど移し、ご飯をそのまま食べる人達用のスープにする。
寸胴鍋に残ったスープにご飯を入れてやゆっくりとだまができないようにかき混ぜていく。
ある程度おかゆらしくなってきたら完成だ。
ついでに昨日多めにちぎっておいたサラダを器に盛り、テーブルに並べる。
その頃には皆もすっかり起きてきていたので、昨日多めに焼いておいた焼肉を使っての焼肉丼を希望者には提供し、他の人には寸胴鍋に作った中華粥を提供する。
皆が食卓について『いただきます』をし、食べ始める。
「このトロッとした物は何ていう食べ物なんですか?とても美味しいですね!」
隣で食べていたルークさんが笑顔でそんな事を聞いてきた。
「『おかゆ』っていうんです。俺の故郷ではお酒を飲んだ翌朝や前日の夕飯をガッツリ食べた時なんかは胃を休める為に食べたりもしますね。」
「なるほど…、確かに消化は良さそうですね。でも肉や野菜も入っているので腹には溜まりそうですな。」
そんな事を言いながら、ルークさんはパクパクとおかゆを口に入れていく。……ちゃんと噛んでいるかい?
そして皆が満足するくらい食べると、テーブルなども全て俺の鞄に入れる。余り物は皆と一緒に食べよっと!
全て撤去して元の通りに戻すと、また昨日の場所へとみんな散らばった。
俺達もボス部屋前へと移動する。
そこまで来るとまたボスが復活していたので倒し、追加の魔石をゲットする。
今度は魔石の他にまたもや毛皮と、今度はどこかの骨がドロップした。
それを見たルークさんは「おや、珍しいものがドロップしましたね?」と言った。
「珍しいもの?」
「ええ、この骨ですが武器鍛冶をしてくれる所に持ち込んで剣を作ってもらうと、その剣身が氷属性の魔法を纏うんですよ。だから斬りつけるとその切り口から凍っていくんです。ですから時間停止のないマジックバッグ持ちの人にとってはなんとも便利なものなんですよ。」
なるほど、獲物を凍らせるから新鮮なうちに届けられる……と。確かにそれは便利かもね!
俺はそれらを鞄に入れ、骨はゴーダさんの所に持ち込んでみようかな?と考えた。
骨は複数あるので、俺、リッキー、スコットさんの分は間違いなくある。
他にも作りたい人には作っても良さそうだね!
そうしてボスを倒した頃、転移魔法陣の方が光りだした。誰かくるみたい。
しばらくすると光がやみ、2人の人影がこちらへとやってくるのが見えた。
2人だから、ちょっと予定より早いけどリーシェさん達かな?
近づいてきながら被っていたフードを取ると、その下には案の定リーシェさんとミラー騎士団長の顔があった。
「早かったですね?」
俺がそう声をかけると、リーシェさんは笑顔で「ただいま、シエルくん」と返してくれた。
2人は俺たちと合流すると、事の顛末を話してくれた。
……話によると、こうだ。
まず2人は勇者を城へと連れて行き、勇者の現状と罪状を国王へと報告。
すると国王はすぐさま勇者からその称号を剥奪し、牢へと連行させた。
どうやら国王の耳にもこれまでの勇者の行いが届いていたらしく、どう対処をしようかと思っていたところだったらしい。
『勇者』という称号を使い、様々なものや人、命を奪い続けていたのだから、そりゃあ耳にも入るよ、とリーシェさんは苦笑いをする。
今後勇者は牢から出られたとしても、重罪人が向かう場所へと送られて一生をそこで過ごすことになるそうだ。
その後、2人は聖剣の精霊がもう聖剣から出たがっている話をし、聖剣から分離してもいいかの許可を願い出た。
もちろん俺のことは内緒で、「聖剣が今までの勇者の行いによって愛想を尽かした」ということで話をしたらしい。
すると国王はこれにも快諾し、無事に聖剣から精霊は出ても良いことになった。
この300年ほどは次々と勇者が変わっている上に、今回のようにろくでもない者がなることもしばしばだった事もあり、「聖剣は人を見る目がないのでは?」と思われ始めていたのだそうだ。
「もしかすると本当は勇者じゃない者を勇者にして、つまらない気分を晴らすために遊んでいたのでは?」という話らしく、それならば下手に勇者を選ばれて国として大変な目に遭うよりも、精霊自身を解放して遊んできて欲しい、ということなのだそうだ。
とりあえずそれには条件をつけ、この国が大変なことになった時には手を貸してもらう事で話は纏まった。
昔と違い今は世界の国々が仲が良い状態なので(神聖法国を除く)、聖剣なんてものは必要ないのだ。
リーシェさんの話を聞き終わると、皆が苦笑いをした。
なぁ~るほど、なかなか国王というものも大変だねぇ。
でも俺も聖剣については同じ意見だ。
多分あの精霊とあの勇者は波長が合ったんだろう。
だから聖剣が抜けたのだ。
だが『本来の勇者』というものではなかった、という事なだけで、聖剣としては「つまらないから波長の合うやつと遊ぼう」とでも思ったに違いない。間違いなく。
あの精霊も神界でいたずらをして封じ込められた口だし、似た者同士だったのかもしれないね。
テントの外にはチラホラと軍人さんがいて、それぞれのテントを片付け始めている。
俺も慌ててテントの中に戻り、まずはベッドを鞄に入れてから、テントをそのまま鞄に突っ込む。
それから結界を解除して、皆の朝食を作ろうとかまどの方へと歩いて行く。
その途中ですれ違った軍人さんの中にお酒の匂いをさせている人がいたので、ルークさんが言っていた人達なのだろう。
彼らにすれ違う時に「おはようございます」と声を掛けると、何だか気まずそうに「おはようございます」と返された。
……なんで?
とりあえず俺はそんな彼らのこともあるが、俺自身が久しぶりに胃に優しい物が食べたくなったので朝食は鶏肉入りの中華粥にしよう。
かまどに火を入れると寸胴鍋に水を張り、それを火にかける。
水が沸騰するまでの間にテーブルと調理器具、炊いてあるご飯、鶏肉、長ネギ、卵、顆粒の中華スープと鶏ガラスープの素を用意する。
あ、一応ガッツリ食べたい人用に改めてご飯も炊いておかなくちゃ!
炊飯器のスイッチを押してから、調理開始だ!
まだ沸騰しそうにないので、先に鶏肉を小さめの一口大に切り、まとめてボウルに入れておく。その時に軽く酒も揉み込んでおいた。
それから長ネギを斜めに細く刻んでいく。
小口切りでも良かったのだろうが、俺はやっぱりこっちの方がネギの存在感を感じられて好きだ。
それもボウルにたっぷりと用意しておく。
卵もボウルに割り入れて、軽くかき混ぜておく。
ここでポイントなのはあまりかき混ぜないことだ。
かき混ぜすぎると白身と黄身が混ざりすぎて彩りが単調になってしまうのだ。
ちょうどその頃になると寸胴鍋の水が沸騰してきたので、まずは鶏肉を入れてアクを取り除く。
アクがほぼ無くなったら今度は長ネギだ。
長ネギを入れてもアクがでてくるので、それを取り除いていく。
それが済んだら、俺の場合は卵を入れる。
ご飯を入れてからでも良いのだが、それだとせっかく白身と黄身が分かれているのに混ざりすぎてしまう。
先に鶏肉と長ネギが入っているお湯の中に卵を入れ、ゆっくりと菜箸で水を切るようにお湯をかき混ぜる。
すると花が咲くように白身と黄身がフワ~っとなるのだ。
それができたら中華スープと鶏ガラスープを使って味をつける。
ここで味見をして、何か物足りなければ金色のチューブタイプの中華調味料を少量足す。
ここまでできたら一旦別の鍋に三分の一ほど移し、ご飯をそのまま食べる人達用のスープにする。
寸胴鍋に残ったスープにご飯を入れてやゆっくりとだまができないようにかき混ぜていく。
ある程度おかゆらしくなってきたら完成だ。
ついでに昨日多めにちぎっておいたサラダを器に盛り、テーブルに並べる。
その頃には皆もすっかり起きてきていたので、昨日多めに焼いておいた焼肉を使っての焼肉丼を希望者には提供し、他の人には寸胴鍋に作った中華粥を提供する。
皆が食卓について『いただきます』をし、食べ始める。
「このトロッとした物は何ていう食べ物なんですか?とても美味しいですね!」
隣で食べていたルークさんが笑顔でそんな事を聞いてきた。
「『おかゆ』っていうんです。俺の故郷ではお酒を飲んだ翌朝や前日の夕飯をガッツリ食べた時なんかは胃を休める為に食べたりもしますね。」
「なるほど…、確かに消化は良さそうですね。でも肉や野菜も入っているので腹には溜まりそうですな。」
そんな事を言いながら、ルークさんはパクパクとおかゆを口に入れていく。……ちゃんと噛んでいるかい?
そして皆が満足するくらい食べると、テーブルなども全て俺の鞄に入れる。余り物は皆と一緒に食べよっと!
全て撤去して元の通りに戻すと、また昨日の場所へとみんな散らばった。
俺達もボス部屋前へと移動する。
そこまで来るとまたボスが復活していたので倒し、追加の魔石をゲットする。
今度は魔石の他にまたもや毛皮と、今度はどこかの骨がドロップした。
それを見たルークさんは「おや、珍しいものがドロップしましたね?」と言った。
「珍しいもの?」
「ええ、この骨ですが武器鍛冶をしてくれる所に持ち込んで剣を作ってもらうと、その剣身が氷属性の魔法を纏うんですよ。だから斬りつけるとその切り口から凍っていくんです。ですから時間停止のないマジックバッグ持ちの人にとってはなんとも便利なものなんですよ。」
なるほど、獲物を凍らせるから新鮮なうちに届けられる……と。確かにそれは便利かもね!
俺はそれらを鞄に入れ、骨はゴーダさんの所に持ち込んでみようかな?と考えた。
骨は複数あるので、俺、リッキー、スコットさんの分は間違いなくある。
他にも作りたい人には作っても良さそうだね!
そうしてボスを倒した頃、転移魔法陣の方が光りだした。誰かくるみたい。
しばらくすると光がやみ、2人の人影がこちらへとやってくるのが見えた。
2人だから、ちょっと予定より早いけどリーシェさん達かな?
近づいてきながら被っていたフードを取ると、その下には案の定リーシェさんとミラー騎士団長の顔があった。
「早かったですね?」
俺がそう声をかけると、リーシェさんは笑顔で「ただいま、シエルくん」と返してくれた。
2人は俺たちと合流すると、事の顛末を話してくれた。
……話によると、こうだ。
まず2人は勇者を城へと連れて行き、勇者の現状と罪状を国王へと報告。
すると国王はすぐさま勇者からその称号を剥奪し、牢へと連行させた。
どうやら国王の耳にもこれまでの勇者の行いが届いていたらしく、どう対処をしようかと思っていたところだったらしい。
『勇者』という称号を使い、様々なものや人、命を奪い続けていたのだから、そりゃあ耳にも入るよ、とリーシェさんは苦笑いをする。
今後勇者は牢から出られたとしても、重罪人が向かう場所へと送られて一生をそこで過ごすことになるそうだ。
その後、2人は聖剣の精霊がもう聖剣から出たがっている話をし、聖剣から分離してもいいかの許可を願い出た。
もちろん俺のことは内緒で、「聖剣が今までの勇者の行いによって愛想を尽かした」ということで話をしたらしい。
すると国王はこれにも快諾し、無事に聖剣から精霊は出ても良いことになった。
この300年ほどは次々と勇者が変わっている上に、今回のようにろくでもない者がなることもしばしばだった事もあり、「聖剣は人を見る目がないのでは?」と思われ始めていたのだそうだ。
「もしかすると本当は勇者じゃない者を勇者にして、つまらない気分を晴らすために遊んでいたのでは?」という話らしく、それならば下手に勇者を選ばれて国として大変な目に遭うよりも、精霊自身を解放して遊んできて欲しい、ということなのだそうだ。
とりあえずそれには条件をつけ、この国が大変なことになった時には手を貸してもらう事で話は纏まった。
昔と違い今は世界の国々が仲が良い状態なので(神聖法国を除く)、聖剣なんてものは必要ないのだ。
リーシェさんの話を聞き終わると、皆が苦笑いをした。
なぁ~るほど、なかなか国王というものも大変だねぇ。
でも俺も聖剣については同じ意見だ。
多分あの精霊とあの勇者は波長が合ったんだろう。
だから聖剣が抜けたのだ。
だが『本来の勇者』というものではなかった、という事なだけで、聖剣としては「つまらないから波長の合うやつと遊ぼう」とでも思ったに違いない。間違いなく。
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