異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第6章 王都近くのダンジョン編

25階層のフィールドフロア

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気合を入れてから23階層へとやってきたが、やはりそこも石壁に囲まれた通路だった。

魔物の量も下の階層よりは少ないがやはりいつも出てくる量よりもかなり増えているそうだ。

そんな通路を、魔物を屠りながらどんどん進む。

下の階層で俺が開発?した魔法が案外便利だと分かったのでどんどん使っていき、みんな総出でドロップ品拾いをしながら小走りで進んでいる。

「……それにしてもその魔法、連発しても平気なのか?」

俺が魔法を何回も使っていると、さすがに心配になってきたらしいスコットさんが声をかけてきた。

「大丈夫だよ。この魔法、案外結界よりも魔力を使わなくて済むから楽なんだよ。それに枯渇しそうだったらちゃんと休むから安心して?」

俺はドロップ品を拾いながらスコットさんにそう言った。安心してよ、兄さん。

スコットさんはそれを聞いてもまだ心配そうに、「無理はするなよ?」と言って頭を撫でてきた。


「……ねぇ、私の目の錯覚かもしれないんだけど、ゼフィア……なんか大きくなってない?」

同じくドロップ品を拾っていたリリーさんが、ちょうど目の前を走っていったゼフィアを見て訝しそうな顔になった。……えっ、そうなの?

「ゼフィア、ちょっとこっちにおいで?」

俺は自分の拾ったドロップ品を鞄に入れると、口にいっぱいドロップ品をくわえていたゼフィアが走り寄ってきた。

ゼフィアの口からドロップ品を受け取って鞄に入れると、ゼフィアを抱き上げてみた。

……あ、あれ?確かに大きくなっているかも?

俺が覚えているゼフィアのサイズは片手に乗るほどの大きさだった。

でも今は片手ではもう無理で、両手を合わせた所に乗るほどの大きさになっている。

「多分レベルが上がっていくシエル様の魔力量が増えるのと同時に、ゼフィアに送られる魔力量も増えているのだと思いますよ?現に私に送られてくる魔力量も増えていますし、それに伴ってだんだん力が漲ってきています。もしかするとよくは分からなくても私の見た目も変化しているのかもしれませんね?」

そう言ったセバスは狐の姿のまま自分の身体を見た。

なるほど、そんな事が起こっているんだね?

俺の場合スキルに『経験値倍化』っていうのがあるから、こんなに大量の魔物を一気に倒したせいでものすごい勢いでレペルが上がっているのかも……?

自分のステータスがどうなっているのかはもう怖くて見れないね。

「そっか、俺の魔力でお前も成長しているんだな。そのうち普通に話せるようになると良いな。」

俺はゼフィアを両手で目の前に持ち上げると、目線を合わせてそう話しかける。

すると突然ゼフィアが「主様、もう話せますぅ~!」と叫んだ。えっ!?もう話せるようになったの!?

「これは驚いた。もう話せるようになったんですね?幾分早い気が致しますが……そこはやはりシエル様の魔力で急激な成長をしているのかもしれませんね。」

セバスはそう言いながら、首から下げたマジックバッグにドロップ品を入れた。

……そうかな?やっぱり、そうなのかな?

「成長していくのは嬉しいけど、私のポケットに収まらなくなるのはちょっと寂しいわ。シエル、ゼフィアを入れる何かを作ってくれないかしら?できればいつもみたいに上着の中に隠せるような物が良いわね。」

リリーさんが俺にそんな事を言ってきた。

……上着の中に隠せる物?

どんな感じをお望みなんだろう?

でも……これからゼフィアはどんどん大きくなっていくだろうに、いつまで服の中に隠しておくつもりなんだろう?

とりあえずリリーさんに何か考えておくと伝え、俺たちは先に進むことにした。



それから途中で食事休憩を挟みつつどんどん進み、夕飯前には25階層へと辿り着いた。

辿り着いた先のフロアはやはりフィールドフロアで、今までの魔物から予想してはいたけど、階段を上がった瞬間から森の中だった。

何だかエルフの森に急に戻ってきたような気がするなぁ。

「何だか故郷に帰ってきた気がするねぇ。このダンジョンには何度か来ているけど、このフロアだけはいつもそんな感覚になるよ。」

そうリーシェさんが言う。

やっぱり地元の人もそんなふうに感じるんだね。


それから俺たちはまずは休憩所を目指して小走りに進む。

このフィールドフロアはたとえ魔物が集団でいたとしても、フロア自体が広いのであまり出くわさないことが多いのだ。



程なくしてそれほど遠くではなかった休憩所に着き、一息をつく。

もうすでに日はかなり傾いていて、休憩所の結界は発動していた。

休憩所の中には俺たちの他には誰もいない。

軍人さん達も1番上にいるのが22階層なので、この上にいる人がいるとしたら、それは高ランク冒険者だけだろう。

「流石にここまで来ると冒険者はいないな。」

「ああ、俺たちだって以前来た時は最高で20階層までだったじゃん?あの時より個人のレベルはかなり高くなってはいるけど、さすがにこの『変換期』はきついと思わね?」

「それはそうだな。ならば並の高ランク冒険者では逃げ出すか、あるいは……ってところか。みんな無事にこのダンジョンから逃げ出せていれば良いんだが……。」

ここに着くなり辺りを見渡していた2人がそんな事を言っている。

でも……確かにそうだよね。

ここに来るまでにもかなりの魔物を討伐してきた。

それでも魔物は次々と湧いてくる。

俺でもこれが通常の状態ではないと、明らかに分かるほどだ。

もしこれが通常ならあまりに命の危険が高すぎて、このダンジョンには人が全く寄り付かないだろう。

「そういえばリーシェさん、このダンジョンって何階層まであるか知ってます?」

俺は多分知っていそうなリーシェさんに聞いてみた。

「30階層までだったかな。もしこの『変換期』で階層が増えたなら、最上階の階数は変わっているかもしれないけどね。」

少し考えたリーシェさんはそう答えてくれた。

……なるほど、あと5階層なんだ。



「……お前がまだ全然平気なら、踏破しても良いんだぜ?」

リッキーが俺の心を読んで、そう答える。

「えっ、良いの?みんな、早く帰りたいんじゃないの?」

「……そりゃあ、早く帰りたいのは間違いないさ。だがな『あと5階層』と言われたら、余裕あるなら踏破しても良いかな?って思うだろ?」

「……。」

俺は無言で他のメンバーを見る。

するとみんなも無言で頷いてくれた。

そっかぁ……皆が『行っても良い』って行ってくれるなら……行っとく?
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