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第7章 新しい出来事
一体、どうなることか?
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リッキーの案内で着いたのはどうやら教務員室のようで、リッキーはその中に顔だけ突っ込んで室内の人に声をかけた。
「すみませ~ん、新入生を連れてきたんですが、どこで手続きすれば良いですか~?」
すると中にいた先生が近づいてきたらしく、笑顔でリッキーが会釈した。
「なんだ、聞いたことのある声だと思ったらリッキーじゃないか。その調子だと元気そうだな。そういえばお前と一緒に学校に来ていた3人は元気か?お前と4人の冒険者チームを作って活躍しているのをたまに耳にするぞ?」
その先生はリッキーに向かってそう言った。
「ええ、あいつらも元気してますよ。実はこの学校に俺の従兄弟2人とチームメンバーの1人を新入生として通わせることになったんですよ。チームメンバーの方は体験入学的な感じだって父が言ってました。」
「なるほど、それで『新入生を連れてきた』ってことなんだな?入学手続きは俺がしてやるから、中に入りなさい。」
リッキーと先生はそんな会話をし、中へと入っていく。
俺たちも慌てて中へと続けて入った。
教務員室の中は日本の学校でもよくあるような、先生同士が机を突き合わせて並べてある。
そして奥の方の壁には黒板的な物があり、そこにいろいろと書き込まれている。紙も貼ってあるね。
その先生は結構奥の方に自分の机があるらしく、どんどん奥へと歩いて行く。
そしてその黒板の目の前の机に来ると座り、引き出しから書類を何枚か取り出した。
「ほら、これが入学届だ。空いてる席に座って書きなさい。」
その先生はそう言い、近くにある机を勧めてきた。
俺もその1つに座り、書類を見る。
そこには名前、年齢、特技を書く場所がある。
おや、従魔の欄もあるのか……さすがにユーリは見せられないけど、セバスやゼフィアなら大丈夫かな?
俺が従魔の欄にゼフィアを書いていると、リッキーが「あいつはゼフィアを返してくれたのか?」と聞いてくる。……あ、引き取りに行くの忘れてた!
俺は仕方がなく従魔の欄には『ゼフィア』の名前を二重線で消し、『セバス』と記入する。
別に種族を書く欄はないので、これで良いだろう。
ちなみに特技の欄には剣術と魔法の両方を入れておく。
どんな魔法が使えるのかは書かなかったよ。
書いた書類を先生に渡すと、先生は首を傾げた。
……ん?何か問題でもあったかな?
「……君、従魔がいるのかい?」
その先生は俺にそう聞いてくる。あ~……そっち?
俺は頷き、「大きな狐の魔物です」と答える。
先生は少し考えた後で頷き、「むやみに連れ歩いたらだめだよ?」と言われた。
「この学校は貴族の子息子女がかなりの人数通っているんだ。その生徒の中には『平民は何でも言うことを聞かせられる』と考えている生徒もいるからね。……特に今年は、なぁ……。」
先生はそう言うと深い溜息をついた。
……あれ?これ、どこかで聞いたな?
俺が振り向いて後ろにいたミストさんたちを見ると、彼らは気まずそうな顔をして目を逸らす。……君たちも言っていたもんねぇ。
でも俺が「どこかで聞いた」っていうのは彼らの事じゃない。
どうやらそれにはリッキーも気づいたらしく、不思議そうな顔で先生を見た。
「『特に今年は』っていうの、聞かされたのはこれで2度目なんですけど。なんかあるんですか?」
リッキーに単刀直入に聞かれた先生は周りを見渡して誰もいないことを確認すると、ホッとした表情になる。
そして小声で「俺が言ったなんて言うなよ?」と前置きした。
「実は今年の新入生に、国王の正妃の第一子……つまりこの国の第一王子が入学してくるんだ。更には第二妃の第一子、第二子である第二王子と第一王女も同時に入学してくる。こちらは双子だ。彼らの中の2人……第一王子と第一王女が問題児なんだ。先ほど言った『平民は何でも言うことを聞かせられる』と本気で思っているらしい。だがそれとは対照的に第二王子はとても良い子に育ってくれたようで、頭も良く、皆とも穏やかな関係を築ける性格なんだそうだ。……はぁ、俺は教頭っていう立場にあるからまだ良いが、担任になる先生が心配だよ。こんな事なら早くダンジョンの方が落ち着いてリーシェ先生が帰って来てくれないと困るよ。」
その先生の話でいくつか分かったことがある。
まず1つ目に、この国の王族が3人も入学してくるらしい。
しかも『問題児』なんて言われているから、かなり厄介な人物なんだろう。
そして2つ目に、リーシェ魔法師団長はこの学校の教員をやっていることだ。
確かに以前彼からもそれらしき事を言われていたが、まさか教員をやっているとは思ってなかった。
そして3つ目に、まだリーシェさんはダンジョンから帰ってきていない、という事も分かったわけだ。
……一体ダンジョンの方はどうなっているんだろう?
てっきりあのまま収束に向かったと思っていたんだけど……。
こちらの方は俺が学校に通っている間にスコットさん達に調べてもらわないとね。
なんだか一気に不穏な気配がする学園生活だが、問題なくやり過ごせると良いなぁ……。
「すみませ~ん、新入生を連れてきたんですが、どこで手続きすれば良いですか~?」
すると中にいた先生が近づいてきたらしく、笑顔でリッキーが会釈した。
「なんだ、聞いたことのある声だと思ったらリッキーじゃないか。その調子だと元気そうだな。そういえばお前と一緒に学校に来ていた3人は元気か?お前と4人の冒険者チームを作って活躍しているのをたまに耳にするぞ?」
その先生はリッキーに向かってそう言った。
「ええ、あいつらも元気してますよ。実はこの学校に俺の従兄弟2人とチームメンバーの1人を新入生として通わせることになったんですよ。チームメンバーの方は体験入学的な感じだって父が言ってました。」
「なるほど、それで『新入生を連れてきた』ってことなんだな?入学手続きは俺がしてやるから、中に入りなさい。」
リッキーと先生はそんな会話をし、中へと入っていく。
俺たちも慌てて中へと続けて入った。
教務員室の中は日本の学校でもよくあるような、先生同士が机を突き合わせて並べてある。
そして奥の方の壁には黒板的な物があり、そこにいろいろと書き込まれている。紙も貼ってあるね。
その先生は結構奥の方に自分の机があるらしく、どんどん奥へと歩いて行く。
そしてその黒板の目の前の机に来ると座り、引き出しから書類を何枚か取り出した。
「ほら、これが入学届だ。空いてる席に座って書きなさい。」
その先生はそう言い、近くにある机を勧めてきた。
俺もその1つに座り、書類を見る。
そこには名前、年齢、特技を書く場所がある。
おや、従魔の欄もあるのか……さすがにユーリは見せられないけど、セバスやゼフィアなら大丈夫かな?
俺が従魔の欄にゼフィアを書いていると、リッキーが「あいつはゼフィアを返してくれたのか?」と聞いてくる。……あ、引き取りに行くの忘れてた!
俺は仕方がなく従魔の欄には『ゼフィア』の名前を二重線で消し、『セバス』と記入する。
別に種族を書く欄はないので、これで良いだろう。
ちなみに特技の欄には剣術と魔法の両方を入れておく。
どんな魔法が使えるのかは書かなかったよ。
書いた書類を先生に渡すと、先生は首を傾げた。
……ん?何か問題でもあったかな?
「……君、従魔がいるのかい?」
その先生は俺にそう聞いてくる。あ~……そっち?
俺は頷き、「大きな狐の魔物です」と答える。
先生は少し考えた後で頷き、「むやみに連れ歩いたらだめだよ?」と言われた。
「この学校は貴族の子息子女がかなりの人数通っているんだ。その生徒の中には『平民は何でも言うことを聞かせられる』と考えている生徒もいるからね。……特に今年は、なぁ……。」
先生はそう言うと深い溜息をついた。
……あれ?これ、どこかで聞いたな?
俺が振り向いて後ろにいたミストさんたちを見ると、彼らは気まずそうな顔をして目を逸らす。……君たちも言っていたもんねぇ。
でも俺が「どこかで聞いた」っていうのは彼らの事じゃない。
どうやらそれにはリッキーも気づいたらしく、不思議そうな顔で先生を見た。
「『特に今年は』っていうの、聞かされたのはこれで2度目なんですけど。なんかあるんですか?」
リッキーに単刀直入に聞かれた先生は周りを見渡して誰もいないことを確認すると、ホッとした表情になる。
そして小声で「俺が言ったなんて言うなよ?」と前置きした。
「実は今年の新入生に、国王の正妃の第一子……つまりこの国の第一王子が入学してくるんだ。更には第二妃の第一子、第二子である第二王子と第一王女も同時に入学してくる。こちらは双子だ。彼らの中の2人……第一王子と第一王女が問題児なんだ。先ほど言った『平民は何でも言うことを聞かせられる』と本気で思っているらしい。だがそれとは対照的に第二王子はとても良い子に育ってくれたようで、頭も良く、皆とも穏やかな関係を築ける性格なんだそうだ。……はぁ、俺は教頭っていう立場にあるからまだ良いが、担任になる先生が心配だよ。こんな事なら早くダンジョンの方が落ち着いてリーシェ先生が帰って来てくれないと困るよ。」
その先生の話でいくつか分かったことがある。
まず1つ目に、この国の王族が3人も入学してくるらしい。
しかも『問題児』なんて言われているから、かなり厄介な人物なんだろう。
そして2つ目に、リーシェ魔法師団長はこの学校の教員をやっていることだ。
確かに以前彼からもそれらしき事を言われていたが、まさか教員をやっているとは思ってなかった。
そして3つ目に、まだリーシェさんはダンジョンから帰ってきていない、という事も分かったわけだ。
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てっきりあのまま収束に向かったと思っていたんだけど……。
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