異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
319 / 529
第7章 新しい出来事

解決方法?

しおりを挟む

「解決するにしたって、どうすればいいんだよ……。」

リッキーがため息をついてそう言う。

そうだよね、この話って国王に今の段階で話してはダメな案件なの?

国王に話して『次の王』を指名してしまうっていう手もあると思うんだけど?

その事をリーシェさんに伝えると、「今の段階でそれをするとクロード様の命が狙われる」と言われた。

「これは国王と私、宰相しか知らないんだけど……実はしばらく前から国王の命を狙って毒を仕込まれたり、道具に細工をして事故死に見えるような工作をされているんだ。これはまだ誰が犯人なのかは分かっていない。それをした犯人すら見つからないのだから、大元の犯人も見つからないんだ。」

リーシェさんはその場にいる人にしか聞こえないような小声で話をする。

そっか、国王は命を狙われていたんだ……。

だからパーティーでリーシェさんにわざわざ『毒の判定』をお願いに来たんだね。

よく小説では見かける話だけど、そんな事を実際にされてるとは思わなかったよ。

リーシェさんの話だと、今の所は何とか未然に防がれているんだけど、自分がまた学校に戻るとなかなかそれも難しくなるかもしれないとの事だ。


……ん?

毒や怪我を治す、もしくは未然に防ぐ魔導具って……俺、作れるじゃん!

俺はまだまだある『例の石』を一握り取り出す。

「……ん?それは何だい?」

リーシェさんは俺の取り出した石を見て不思議そうな顔をする。

「これはスコットさん達の婚約の時に4属性竜の長達が『祝福』してくれた時に空から降ってきた物なんですよ。ルーシェさんに言わせると『魔石と同じで魔導具に加工できる』との事で……実は親しい人達にこんな物を作ったんです。」

俺はそう言って、胸元からネックレスを取り出す。

リーシェさんはそれを暫くじっと見る。

その顔は徐々に驚きの表情へと変わった。

「シエルくん!それって……!」

「ええ、これなら毒にも対応できるし、例え身体の何処かを損傷したとしても即死でない限りは即座に回復します。さらには皆の話だと健康的な身体にもなるようですよ?」

リーシェさんの驚きの声に、俺はしっかりと答えた。

「それは凄いね!それに……その材料を取り出したってことは、もしかしてこれから作ってくれるってことなのかい?」

リーシェさんは期待のこもった目で俺に聞いてくる。

もちろん俺は頷いた。

……あ、もう一握り石を出すか。

石を追加で取り出した俺は、皆が見ている目の前で手慣れた調子で、手早く下処理をしていく。

リーシェさん一家だけではなく、スコットさん達も作るところは初めて見るので、とても興味津々のようだ。

「……そうやって作っていたのね。あんな硬い石がそんな水飴みたいに軟らかくなるなんて……信じられないわ。ねぇ……少し触っても良い?」

とても不思議そうな顔のリリーさんがそんな事を言ったが、さすがに国王にあげる品だからそれは遠慮してもらった。他の品を作った時に触らせてあげるね!

下処理が終わり、形を整える段階でリーシェさんに一応、形の希望を聞いてみた。

リーシェさんの話では、可能なら周りから身につけていることが分からない、もしくはつけていても違和感のない物が良いとの事だった。

急に魔導具を身に着けだすと、敵から警戒されて相手の尻尾を掴めなくなるらしい。

う~ん……ブレスレットの方が服に隠れて見えなくなるかな?

さすがにネックレスはこの前の国王は身につけてなかったし。

かといって指輪だと仄かに光る指輪って結構目立つよね?


と、いうわけで、この石はブレスレットにすることになった。

俺はネシアの友人たちに贈ったブレスレットを思い出し、サイズ調整機能も入れることにした。

とりあえず下処理をした石を2つに分け、それぞれブレスレットの形に整える。

この段階で伸び縮みするようにイメージしてもう一度捏ねておくのを忘れてはいけない。


そして形を整えたブレスレットの内側に英語で「This person is the king」と記入してみた。

それを見た4人は吹き出し、爆笑する。

……わかりやすくていいじゃないのさ。こっちの人、わからないし。


そしてもう一つには「This person is the next king」と記入する。

すると4人はハッとした顔で俺を見た。

そう、このもう一つのブレスレットは次期国王と決めた者に渡すものだ。

現在の国王が命を狙われるのならば、『次代の国王』と決められた者も狙われる。それを前提にして作ってみたのだ。

それに、これを渡した時点でもう世継ぎは決まるのだから

別に宣言をわざわざしなくても良いので、渡された人はそのことが周りにバレるまでは普通に安全だ。

とりあえず形を整えたので、最後に魔法を注入する。

やはり入れる魔法はみんなのと同じに「瀕死でも即時に回復できるような魔法」で自動で発動するものにした。

そしてこれに関しては今まで作ったものに関しては病気なんかも治してくれることは分かってはいたが、一応「病気や体調不良にも効く様に」というイメージも一緒に付与しておく。

そして追加で「勝手に結界で防御してくれる」というイメージも付与した。……盛り盛りになったね?



それら全てをイメージして魔力を込めたこの2つの品は、アクセサリー作りでは今までにないほどの魔力消費を伴ったが、それだけ能力の高い品が出来上がったことだろう。


後で知ったことだが、俺が真剣に作業をしているのを見ていたリーシェさんは、目を見開いたまま一挙手一投足、僅かでも見逃さないよう注視していたんだそうだ。



そして完成した品をリーシェさんに手渡す。

リーシェさんの手は少し震えていた。……どうして?

「……シエルくん、本当にこれを国王に差し出すのかい?」

リーシェさんは真剣な顔でブレスレットを見つめながらそう聞いてきた。

「ええ、渡してください。ただし、誰から受け取ったのかは内緒ですからね?」

「ああ、それはもちろん秘密にする予定だ。これは絶対に秘密にしなければならない。君たちも、お前達も、この場にいる皆はこの事を他の誰にも話してはいけないよ?良いね?」

リーシェさんは真剣な表情で皆を見渡し、そう言った。

みんなもリーシェさんのただならぬ雰囲気を感じ取って、真剣な表情で頷く。


……え?

一体、何があってリーシェさんはそんな事を言っているんだろう?
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...