異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

これからの事

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それから俺達は揃って教務員室から玄関へむかい、帰宅のためにリッキーの家の家紋がついている馬車に乗り込む。

ちなみにミストさん達は先に別な馬車で帰宅することになっている。……完全に俺とは別行動なんだよね。


俺は完全に馬車に乗り込んでから、セインの話やリーシェさんの話を4人に話して聞かせる。

「なるほど……そんな事があったんだな。」

「でも、ある意味ちょうど良かったんじゃね?この国としては次代はクロードが良いだろうし、『勇者だとバラす』と言ったセインは失脚する。聖剣がなくなるならシエルも勇者だといつバレるか怯えなくて済む。それにシエルのことを国王に話せば、なおさら俺たちのことを守ってくれるようになるだろうからな。」

リッキーはそう言ってニヤリと笑った。


……まぁね。

それは間違いない未来となるだろう。

でも……聖剣や勇者の代わりになりうる『守護者』的なものはどうするんだろう……。

あの精霊は解放すれば間違いなく俺に取り憑くだろうし、そんな力はなさそうな雰囲気だから『自分がいなくても守ってくれる』的な何かをできる気がしない。

……まぁ、一応本人(本精霊)に聞いてはみるけどね。


そんな話をしている間にリッキーの屋敷に到着し、順番に降りる。

出迎えてくれた執事さんにリッキーは「夕食まではシエルの部屋にみんなでいるから、何かあったらそこに来てくれ」と伝え、そろって俺の部屋へとやってきた。


「どうする、シエル?国王にお前のことを話すのか?」

ユーリを鞄から出してやっている俺に向かって、リッキーは聞いてきた。

う~ん……俺としては話しても良いかな?とは思ってはいる。

だけど、ユーリのことも話す事になるなら、もう少し慎重になったほうが良いだろう。

……っていうか、ミラー騎士団長、どこまで周りに口を滑らせているんだろう?


「ミラー騎士団長は案外口が軽かったな。まさかセイン達にバラすなんてな。」

俺の心を読んだリッキーがそう言う。……確かに。

「あまり親しくなさそうな王子たちにも話すくらいだ。身内には話してしまっているんじゃないのか?」

スコットさんが呆れた顔でリッキーに話しかける。

リッキーも「あり得るな」と眉間にしわを寄せる。

「ダンジョンで会った時以降あいつに会ってないけど、あいつに家族っているのかな?あ、もちろん親は存在するんだろうけど、妻や子はいるのかな?って意味だ。」

リッキーはあの時のミラーさんを『見た』時、心の中はほとんどは任務のことだったらしいが、かすかに妻子の事を想っているようなところもあったらしい。

でもはっきりとはしてなかったので、そういう発言になったようだ。

どうせ国王の件で明日以降リーシェさんに話を聞くから、その時ついでに聞いてみようかな。



「それで……どうだった、授業?」

リッキーは頭にポンッと手を置くとそう聞いてきた。

俺がブスッとした顔でだんまりを決め込んでいると、リリーさんが笑いながら「凄かったわよ?」と話し出す。

俺の初めての授業でのやらかしを聞いた2人は、呆れつつも笑ってくれた。

「なるほどなぁ。だから放課後に俺達と合流した時に目をうるうるさせてたのか。自分でも『失敗した』とは思ってるんだろ?でもな、それくらいしないとこの学校ではつけあがって命令してくる奴もいるからな、セインのように。あいつはお前の弱みを握っているって思ってるからお前がどんなに強かろうと手出ししてくるが、大体の奴はそれだけ能力の違いを見せつければ、お前が貴族であろうがなかろうが『別次元の存在』だと思って舐めてかかることはない。明日は剣術の授業もあるから、その時もしっかりと見せつけないとな!」

リッキーが俺の頭に乗せた掌でグリグリと撫でてくる。

「じゃあ……明日は俺達2人と模擬試合でもするか?間違いなくお前だけでなく俺達2人も舐められる事はなくなるだろうがな。」

「それ、良いな!明日マール先生に提案してみようぜ!」

何故か2人だけでそんな事を決めてしまった。

……俺の意思は?まぁ、別に良いけどね?


「良いなぁ~。私も見学に行きたいくらいだわ。……行っちゃ駄目かしら?」

「……駄目に決まってるでしょ。私達が見に行きたいって言ったら、リーシェさんも見たいって言うに決まってるもの。そうなったら、その時の授業の生徒まで見学に来ることになるじゃない。」

「……。」

「駄目よ、先生にこっそり頼みに行くのは。分かったわね?」

エミリーさんはさすが一緒にいた時間が長いからか、黙った途端に釘を差した。

……でも姉さんなら言うだろうなぁ……。


まぁ1年だけじゃなく他の学年も俺たちに手出しできないと理解してもらうには、見学で実力を見てもらうのもありなのかな?と思わなくはない。



その時、ずっと天井を見ていたユーリが俺の方を見た。

「……ねぇ、にぃには明日戦うの?」

「そうなると思うけど……どうした?」

「鞄、邪魔じゃない?」

「確かにあの大会の時もそうだったが、邪魔にはなるだろうな。」

「じゃあさぁ……鞄の形、変えちゃう?」

ユーリは「エヘッ!」と笑ってそう言った。


……えっ?

鞄の形を変え……る?

……変えられるの!?


俺は思わずそう叫んだ。

皆も同じこと言ったから、俺と同じく相当驚いたはずだ。


えっ、マジで鞄の形を変えられるの!?

どうやって!?
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