異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

どうしてこうなった!?

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翌朝、俺は前日の大量の魔力消費の影響なんて全く感じさせないほど、とても清々しい目覚めだった。久々だね!

みんなで朝食を食べ、2台の馬車に乗って登校する。

どうやら完璧にミストさん達2人とは別行動をすることになったようだ。

朝食の席で話はしたが、こうやって別々の馬車に乗ってるので全く話をすることもない。

……俺、何の為に学校に入ったんだっけ???



学校に着いて教室に向かう途中で、スコットさん達4人と別れた。

スコットさんとリッキーには後で授業でも会えるんだけどね!



教室に着くと大きな声で元気にクラスメイトみんなに向かって挨拶をして、俺は窓際の真ん中くらいの席に座る。

ここはもう俺が座るとみんな思っているのか、その席の周囲だけぽっかりと穴が空いている。

……今はいないけど、これって王族3人組のために空けてないか?

一応挨拶はみんなも返してくれるので、ただのボッチというわけではなさそうだ。

俺は一つため息をつくと、頬杖をついて窓の外を眺めた。

そこからはどうやら中庭が見えるらしく、今の時間は日本でいうホームルーム的な時間らしくて誰もいない。

俺が席に着いてから少しすると、王族3人組が教室に入ってきた。

俺は3人にも挨拶をし、また窓の外を眺める。

「ねぇ、そんな風に窓の外を眺めていて何が楽しいの?」

ローラは俺に寄りかかるようにして同じく窓の外を眺める。……くっつきすぎだよ、君。

俺が何のリアクションもせずにいたからなのか、ローラは鼻息荒く「ふんっ!」と言うと席に戻った。

「お前なぁ……あからさま過ぎるんだよ!そんな見え見えの行動しても靡かねぇって。」

ローラの態度を見ていたセインはそう言って笑う。

それに対してローラは「うるさいわねっ!そんな事言わなくてもいいでしょっ!?そんなだからセインは女の子にモテないのよ!」と言い返し、それ以降2人で口喧嘩を始めてしまった。

「お前らいい加減しろよ?ほら、周りから注目されてるぞ?」

そう言ったのはクロードだ。さすが、よく見ている。

そう言われた2人は周りを見渡してからコソコソと席に戻った。


「はいっ、おはよう、みんな!!元気に登校してきたね?……実は今日の授業内容にだいぶ変更があるんだ。本来、本当は1限目だけが俺の授業だったんだけど、急遽2限目も俺の授業になったんだ。しかも、だ。聞いて驚くな?全校生徒が見学に来ることになった。」

少し興奮気味にマール先生はそう言った。

……え?何だって……?

今……『全校生徒』って、言ったか?

な……なんで???


俺が少しパニックになりかけていると、そのマール先生からさらなる爆弾発言が。

「シエルくん、先生も楽しみにしてるよ?頑張ってね!」

「……。」

弾けるような笑顔の先生の言葉に、俺は思い出した。

なるほど、昨日言っていた「練習試合」が、俺たちのクラスだけでなく全校生徒にも見学させるほどの大ごとになってしまったらしい。……マジかぁ。

「それにしても君たち『スノーホワイト』はあちこち国を越えて活躍しているんだね。先生、知らなかったよ。しばらく前には獣人の国ネシアで闘技大会に出てきたらしいじゃないか。前大会の優勝、準優勝者を差し置いて、君とスコットくんが優勝決定戦を戦ったって聞いたよ?スコットくんも学生の時でも先生より強かったのに、そんなに強くなったんだねぇ……!楽しみだなぁ、君たちの試合!」

先生は本当に心から楽しみにしているらしく、笑顔が止まらない。

クラスメイトも俺の方を見て色んな反応をしている。

……大半は好奇の目と疑惑の目だねぇ。


「じゃあ、早速移動しようか。スコットくんによると!みんながケガをしないように『前準備』をしないとならないんだろう?早めに行って準備をしないとね。」

先生はそう言うと、クラスの皆で修練場へと移動する。



修練場に着くとそこにはスコットさんとリッキーがいた。

2人は俺を見つけると近寄り、申し訳なさそうな顔で俺を見た。

「すまない、シエル。止められなかったんだ。」

近寄ってきたスコットさんの第一声はそれだった。

……多分、リリーさんがなんかやったんだと、俺は睨んでいる。

「じゃあとりあえず……座席を作るか?俺たちは無理だけど、お前なら余裕だろ?」

ニヤリと笑っているリッキーにそう言われた。

……いや、作るのは構わないんだけど、どのくらいの規模で作るのさ?

「そうだなぁ……真ん中には戦う場所のスペースを作るだろ?その1メートルほど離れた所から、ぐるりと8段くらいの階段状で良いんじゃないか?」

心を読んだらしいリッキーがそんな事を言う。

なるほどねぇ……じゃあそれで作ってみるか。

「マール先生、危険なのでクラスの皆と俺のそばに寄ってもらえますか?」

俺の言葉に肯定を返したマール先生は、皆を連れて修練場の真ん中へとやってくる。

俺はそれを見て、地面に手をつくと魔力を流し始め、その間に頭の中で作る場所と形をしっかりと想像しておく。

魔力が行き渡ったら、一気に土魔法で作り上げた。

「うわっ!?何だ、何だ!?急に座席が出来上がったぞ!?」

先生はとても驚いて周りを見渡す。

もちろんクラスメイトも同じだ。

「マール先生、座席ができたので皆と好きな場所に座っていて下さい。」

俺がそう言うと、まだ信じられないといった顔で俺を見ていた先生が、そのままの状態で皆を引き連れていく。……大丈夫か?



それから俺は、四方を囲む座席の前に正方形の結界を張る。

もちろん四方だけではなく、天井も床も張っておく。

「シエルく~ん!そんなに魔力使って、試合には響かないのか~い?」

座席に座っているマール先生が大きな声でそう言った。

俺は「全く問題ないです!」と答えると、なんとなく納得いっていない顔だが、頷いた。



準備が整った頃、チラホラと修練場に人がやってくる。

リリーさん達もやってきたが、なぜかとても嬉しそうだ。

「シエル~!頑張ってね!」

リリーさんから激励の言葉が飛んだ。

あれ?リリーさんはリッキーの応援じゃないの?

「あいつはな、俺よりお前を優先するんだ。前世からな。」

リッキーは苦笑いをして俺にそう言った。

……ごめん、山田。苦労をかけるね。

俺は口には出さないが、心でそう謝った。



さあ、もうすぐ2人との模擬試合が始まる。

ネシア以来の試合形式だから、俺も少しワクワクしている。

……武器はネシアと同じで模擬剣じゃなくて真剣かな?
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