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第8章 国立学校編
少しは学校に馴染んできたかな?
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あの日から1週間が経った。
その間、国王からの『聖剣喪失』の発表もなく、王族3人組の婚約者選定がまだ難航しているのもあって、暫くは相変わらずの毎日だった。
だが、どうやらローラは国王に「シエルを自分の婚約者にしろ」という事を言いに行ったようだ。
その事については以前国王が言っていたように、リーシェさん同席の上での話し合いになったらしい。
その結果、国王からは「あれほど『スノーホワイト』には関わるなと言っていたはずだ。それなのに『婚約者に』とは何事だ?」とかなり叱られたらしい。
その翌日には丸一日機嫌が最高潮に悪かったので、一旦は諦めざるを得なかったのだろう。
それからはそんな発言もなく、俺としてはそっちの意味では穏やかな学園生活を送れている。
だがこの前の模擬試合のこともあってか、あちこちの部活動から勧誘の声がかかって、それはなかなか躱すのに一苦労している。
まぁ、部活動っていっても剣術クラブや格闘クラブ、魔術師クラブ、魔法陣研究会とかだから、日本でいう『部活動』より実践に近い集まりだ。
剣術や格闘は国の騎士団方面、魔術師はそのまま魔法師団方面、魔法陣は生活を豊かにする魔道具を作る魔道具師方面に進む人が多いそうで、そもそもが自分たちの将来の勉強の為に入っているんだろうな。
そんな彼らが自らの能力を高めるために俺を自分たちの部に入れて、いろいろな能力を得ようとと思っているのだろう。
でも俺は別にこれ以上時間を割きたくないから、どれにも入る予定はないのだ。
今日も登校して教室に入るまでの間にそれぞれの部活の人が声をかけてきたが、俺はいつも「入る気ないから!」と言って断りまくっている。
なんとか教室に入ると、クラスメイトは憐れみの目で俺を見てきた。……早くこの勧誘なくならないかなぁ。
俺はため息をつくといつもの席へと向かう。
この頃になるとみんな各自座る席が決まってきていて、俺がいつも座る場所はちゃんと開けてくれている。
そして、その周りには王族3人が座るのがデフォになりつつある。……まぁ、変に絡んでこなければ気にしないけどね。
「今日も大変だったな?」
そう声をかけてきたのは眉尻を下げたクロードだ。
彼は俺がいつも勧誘に苦労している事を知って、よく一緒に行動してくれるのだ。
そうすると大抵の人は勧誘を諦めてくれる。
……まぁ部長クラスはそれでも来るけどね?
「そりゃああんなに目立てば目をつけられるに決まってるじゃないか。」
そう言って呆れた顔をしたのはセインだ。
彼もまた、国王から何らかのお達しがあったらしく、俺に対して強気な上から目線で来ることはあまり無くなってきた。
どうやら『奴隷』の扱いをする予定だったのが、『友人』へとシフトしたのかもしれない。
「だから早く私のものになってしまえばいいのよ。そうすれば誰も手を出せないもの。」
そう言ってウフフと笑っているのは王族3人組の最後の1人、ローラだ。
積極的には来なくはなったが、彼女だけはいまだにこうやって何かあるとアプローチしてくる。
……まぁ、あの時みたいに上から目線で命令してくることがなくなっただけでも、だいぶ日常が過ごしやすいけどね。
そんな会話をしていると、今日の1限目の授業の講師が教室に入ってきた。
今日の最初の授業は、この世界のいろいろな国のことを教えてくれる『世界史』のような授業だ。
担当は教頭のクロニカ先生だ。
彼はリッキー達の時にも『世界史』やこの国の歴史について授業をしていたらしい。
「おはよう、みんな。今日は現代の『クレイン国の周囲にある国』について勉強しよう。」
クロニカ先生はそう言うと黒板に自分が持ってきた巨大な紙を貼る。
そこには世界地図のようなものが描かれていて、周囲の国との位置関係などが一目でわかるようになっていた。
このクレイン国は以前グリーさんが説明してくれたように、この大陸を歪な『X』で区切ったうちの北側にある。
区切っているものは巨大な森や川だ。
『X』の西側はかの神聖法国で、南側がフュサカ、東側がネシアだ。
……まぁ、この『X』の形は均等ではなくて極端に神聖法国が小さいんだけどね。
そしてこのクレイン国の王都はちょうど国の真ん中ほどにあり、俺が一番最初にこの世界に来た街『ローラン』はフュサカとの境にある森にほど近い。
『スノービーク』はちょうどこの大陸の最北端にある『竜の住む場所』に広がる森の手前に存在している。
こうやって見ると、案外クレイン国も大きな国なんだな、と分かる。
この前行ったネシアはこうやって地図で見るとクレイン国よりも領土は小さく、並んでいるようだ。
クロニカ先生の話では「国王は竜人の獣人で、国柄としては血の気の多い者が大半だ」とのことだ。
実際に行ってみて分かったのは「娯楽があまりなく、『闘技大会』がとても人気である」事で、そこからもクロニカ先生のいう「血の気が多い」事が分かる。
この大陸で一番大きい国はヒュサカで、とても平べったい形をした国だ。
まだ行ったことはないが、クロニカ先生によると「とても優れた魔道具職人がたくさんいる国」だそうで、あちこちの国から魔道具について学ぼうと留学してくる者が後を絶たないんだって。
他にもいろいろ学んだけど……俺としてはまだ見ぬ『ヒュサカ』に行くのがとても楽しみになったよ!
一体、どんな魔道具があるのかな~?
その間、国王からの『聖剣喪失』の発表もなく、王族3人組の婚約者選定がまだ難航しているのもあって、暫くは相変わらずの毎日だった。
だが、どうやらローラは国王に「シエルを自分の婚約者にしろ」という事を言いに行ったようだ。
その事については以前国王が言っていたように、リーシェさん同席の上での話し合いになったらしい。
その結果、国王からは「あれほど『スノーホワイト』には関わるなと言っていたはずだ。それなのに『婚約者に』とは何事だ?」とかなり叱られたらしい。
その翌日には丸一日機嫌が最高潮に悪かったので、一旦は諦めざるを得なかったのだろう。
それからはそんな発言もなく、俺としてはそっちの意味では穏やかな学園生活を送れている。
だがこの前の模擬試合のこともあってか、あちこちの部活動から勧誘の声がかかって、それはなかなか躱すのに一苦労している。
まぁ、部活動っていっても剣術クラブや格闘クラブ、魔術師クラブ、魔法陣研究会とかだから、日本でいう『部活動』より実践に近い集まりだ。
剣術や格闘は国の騎士団方面、魔術師はそのまま魔法師団方面、魔法陣は生活を豊かにする魔道具を作る魔道具師方面に進む人が多いそうで、そもそもが自分たちの将来の勉強の為に入っているんだろうな。
そんな彼らが自らの能力を高めるために俺を自分たちの部に入れて、いろいろな能力を得ようとと思っているのだろう。
でも俺は別にこれ以上時間を割きたくないから、どれにも入る予定はないのだ。
今日も登校して教室に入るまでの間にそれぞれの部活の人が声をかけてきたが、俺はいつも「入る気ないから!」と言って断りまくっている。
なんとか教室に入ると、クラスメイトは憐れみの目で俺を見てきた。……早くこの勧誘なくならないかなぁ。
俺はため息をつくといつもの席へと向かう。
この頃になるとみんな各自座る席が決まってきていて、俺がいつも座る場所はちゃんと開けてくれている。
そして、その周りには王族3人が座るのがデフォになりつつある。……まぁ、変に絡んでこなければ気にしないけどね。
「今日も大変だったな?」
そう声をかけてきたのは眉尻を下げたクロードだ。
彼は俺がいつも勧誘に苦労している事を知って、よく一緒に行動してくれるのだ。
そうすると大抵の人は勧誘を諦めてくれる。
……まぁ部長クラスはそれでも来るけどね?
「そりゃああんなに目立てば目をつけられるに決まってるじゃないか。」
そう言って呆れた顔をしたのはセインだ。
彼もまた、国王から何らかのお達しがあったらしく、俺に対して強気な上から目線で来ることはあまり無くなってきた。
どうやら『奴隷』の扱いをする予定だったのが、『友人』へとシフトしたのかもしれない。
「だから早く私のものになってしまえばいいのよ。そうすれば誰も手を出せないもの。」
そう言ってウフフと笑っているのは王族3人組の最後の1人、ローラだ。
積極的には来なくはなったが、彼女だけはいまだにこうやって何かあるとアプローチしてくる。
……まぁ、あの時みたいに上から目線で命令してくることがなくなっただけでも、だいぶ日常が過ごしやすいけどね。
そんな会話をしていると、今日の1限目の授業の講師が教室に入ってきた。
今日の最初の授業は、この世界のいろいろな国のことを教えてくれる『世界史』のような授業だ。
担当は教頭のクロニカ先生だ。
彼はリッキー達の時にも『世界史』やこの国の歴史について授業をしていたらしい。
「おはよう、みんな。今日は現代の『クレイン国の周囲にある国』について勉強しよう。」
クロニカ先生はそう言うと黒板に自分が持ってきた巨大な紙を貼る。
そこには世界地図のようなものが描かれていて、周囲の国との位置関係などが一目でわかるようになっていた。
このクレイン国は以前グリーさんが説明してくれたように、この大陸を歪な『X』で区切ったうちの北側にある。
区切っているものは巨大な森や川だ。
『X』の西側はかの神聖法国で、南側がフュサカ、東側がネシアだ。
……まぁ、この『X』の形は均等ではなくて極端に神聖法国が小さいんだけどね。
そしてこのクレイン国の王都はちょうど国の真ん中ほどにあり、俺が一番最初にこの世界に来た街『ローラン』はフュサカとの境にある森にほど近い。
『スノービーク』はちょうどこの大陸の最北端にある『竜の住む場所』に広がる森の手前に存在している。
こうやって見ると、案外クレイン国も大きな国なんだな、と分かる。
この前行ったネシアはこうやって地図で見るとクレイン国よりも領土は小さく、並んでいるようだ。
クロニカ先生の話では「国王は竜人の獣人で、国柄としては血の気の多い者が大半だ」とのことだ。
実際に行ってみて分かったのは「娯楽があまりなく、『闘技大会』がとても人気である」事で、そこからもクロニカ先生のいう「血の気が多い」事が分かる。
この大陸で一番大きい国はヒュサカで、とても平べったい形をした国だ。
まだ行ったことはないが、クロニカ先生によると「とても優れた魔道具職人がたくさんいる国」だそうで、あちこちの国から魔道具について学ぼうと留学してくる者が後を絶たないんだって。
他にもいろいろ学んだけど……俺としてはまだ見ぬ『ヒュサカ』に行くのがとても楽しみになったよ!
一体、どんな魔道具があるのかな~?
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