異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

あの教会は……?

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「ところでクロニカ先生~。1つ質問があんだけど、良い?」

急に目の前に座っているセインが手を挙げたと思うとそう言った。……ん?どうしたんだろ?

「良いですよ、何ですか?」

「いやさ~、以前神聖法国がヤバいって父上から聞いていたんだけど、とうなったのさ?」

「なるほど……確かにあの国は他国に攻め入って来ることがありますからね。うちの国にも国境沿いではよく小競り合いがあるって言われています。でも風の噂ではあの国は今現在、機能してないという話もありますし……どんな状態なんでしょうね?あの国に特殊で、旅人や商人はほとんど寄りつかないですから、何かあってもすぐには発覚しないんですよね。」

クロニカ先生はそう言うと首を傾げながら考え出す。

……俺、しばらく前のあの国知ってるけど、流石に『真実』を語るわけにはいかない。

まさかあの国の『女神』と言われていた存在が邪悪に染まった『女神』だったとか、高位神官が全て魔物だったとかは口が裂けても言えない。


そこまで考えて、ふと気づいた。

あの『神父』……っていうかあの教会は、どの神の宗教なんだろう?って。

格好が『神父』だから神職だろうと思ってはいたけど、一体どの神の事を祀っているのかは知らない。


通常この国の主な宗教は創造神を祀っている所だ。

たまにこの世界を任されている『女神を祀っている宗派もあるが、ごく少数だ。

だから何も気にせず「創造神を祀っているんだろう」と思い込んでいたが、それにしては教会の所に創造神のマークが無かった。


俺がそんな風に自分の考えに没頭しているうちに、クロニカ先生とセインの話もどんとん進み、いつの間にか宗派の事についての話になっていた。

「そういえばうちの国の主教は創造神を祀っているところだったよな?」

「そうですね、我々の国はほぼその教団です。」

「……ほぼ?」

うんうん、と頷くクロニカ先生にそう言ったセイン。

「ええ、『ほぼ』で間違いないですね。例えばネシアに近いところならそちらにいる女神を信仰しますし、同じくヒュサカに近ければそちらの女神を信仰しているようです。そして、神聖法国に近いところは侵攻されて彼の国の女神を信仰するよう強制されているようです。」

淡々と言うクロニカ先生だが、言った内容はちょっと引っかかる言い方だ。

ネシアとヒュサカは良いとして、神聖法国の場合は侵攻されての強制なんだね。

でもこの王都では主教が創造神を信仰しているなら、あの教会も間違いなく創造神を信仰しているはずだ。……確証はないけどね。



そんな話を2人がしている間に授業終了の鐘が鳴る。

クロニカ先生は皆に授業終了を告げると教室を退室していった。

「ねぇ……君たちは王城の近くにある教会って行ったことある?」

俺は思い切ってセインとローラにもそう声をかけた。

すると2人はとても驚いた顔をした後、少し嬉しそうな顔をする。

「俺とローラは1回も行ったことはないな。なんかさぁ……あの神父、近くにいると気持ちが悪くなるんだよな。」

「そうよねぇ~。私たちが母様のいる部屋にいた時に1度だけ、あの神父が訪ねてきたことがあるの。その時母様にその神父が話しかけているだけで気分が悪くなってきて。あまりに酷いからセインが『気分悪いから出て行け!』って言って部屋から閉め出したのよねぇ~。」

「そうそう!母様はそこまで顔色は悪くなかったけど、それでも顔を顰めていたりしたから具合は悪かったんじゃねぇかな。」

2人がそんな事を言っているが、クロードはきょとんとした顔をしているので知らなかったのだろう。

「え?その時、俺はいたか?」

クロードのその質問に、少し考えていたセインは首を横に振る。

「いや、その時は俺、ローラ、母様の3人しかいなかったな。」

「クロードは部屋にいなかったから、いつものように図書館にいたんじゃない?」

「……それ、いつ頃だ?」

「ん~……今から2年くらい前じゃないか?ほら、お前が俺たちの代表として教会の祭りに参加した年があっただろ?あの年だよ。その時以外は俺達は神父に1度も会ってない……っていうか、避けていたから。」

「そうよね。またあんな風に気持ち悪くなるのは嫌だものね。」

2人はクロードにそう言った。

……なるほど、同じ年に3人共に接触したんだね。


「その気持ち悪さはどうなったの?」

俺は2人に、その後体調不良はなかったか聞いてみたが、2人とも「よくわからない」と答えた。

む~……あの神父の『隷属の魔法』、2人にかかっているのか調べたいんだけど、誰が分かるかな?

いや、俺でも鑑定で調べられるけど、勝手に調べるのはちょっとね。自分が気分悪くなる。

かといって俺が鑑定スキルを持っていることはできる限り秘密にしておかなければならないから3人にカミングアウトするわけにいかない。

俺が迷っている間は黙っていたので、「どうしたんだ、黙り込んで?」とクロードに、聞かれた。

「いや、ちょっとね……。あ、そうだ、リーシェさんなら2人の体調が悪くないか診てもらえるから、放課後にでも診てもらわない?」

「……クロードは良いのかよ?」

「クロードはしばらく続いていた頭痛が良くなったりして体調が良くなっているみたいだから診てもらわなくても大丈夫。むしろ2人の体調が気になるよ。」

俺が2人にそう言うと、2人はなんだかこそばゆいような顔をしだした。……なんで?


「……まぁ、それくらいなら時間を割いてやっても良いぜ?」

「そうよねぇ~。わざわざ私たちの時間を割いてあげるんだから、感謝しなさいよ?」

そう言ってローラは上から目線で言ってきた。……お前、診てもらわなくていい気がしてくるよねぇ?

俺が内心イラッときていると、クロードが肩をポンポンと叩いてきた。……分かっているよ、ありがとう。


とりあえず2人に放課後リーシェさんに診てもらうことを約束したが……どんな結果になるだろうね?
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