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29.推しは尊い
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「孔雀ぅぅぅ~…」
「くぅちゃぁぁーーん!」
セフィロス…アカネよ…感動しているのは分かるが、筋肉ムッキムキの大男と、これまた筋肉ムキムキの猫耳くねくねオッサンがハンカチを握りしめて泣いている光景はちょっと…いや、かなり異様な光景だぞ。
本人達は声を押し殺して泣いているつもりだけどダダ漏れダダ聞こえだからな?
嬉しいけど恥ずかしい…。
周囲の人間は呆れたり、微笑ましそうに見守っていたり、クスクス笑っていたりするが2人はお構いなしだ。あの2人がなぜあそこまで感動しているのか理解しているから恥ずかしいけど嫌な気持ちにはならない。
俺と母があの夜、生還できたのは本当に奇跡だった。
目が覚めて落ち着いてから聞かされたことだった。
俺はあの時、無自覚に闇魔法を使って母を救ったようだった。
光魔法だったらこんなことにはならなかったんだろうが俺は光魔法にあまり適性がない。使えるには使えるんだがコントロールがうまくいかないというか
あの日、咄嗟に使ったのはまだ適性があった闇魔法だったようだ。
だが闇魔法に関してはまだ全然訓練も勉強もしておらず、無意識に発動したせいか代償が大きかったのだ。
その代償のおかげで今、やたらと注目されているわけだが。
舞台の上で生徒代表として兄上が新入生に激励と歓迎の言葉をかけ、終わった時に祝福の風と光を降り注いだ。さすが兄上!素晴らしいパフォーマンスとコントロール。俺を含めたほとんどの人間が感動している。
視界の端に風で揺れる真っ白な髪の毛が目に入った。
そう、俺は頭髪の色がすっかり抜けて白髪になったのだ。
この世界に白髪(しらが)以外でこんな髪色はないため異常な見た目なのだ。
俺は俺と母の命を救った代償とはいえ、勲章のようなものだから気にしてないしむしろ銀髪っぽくてカッコいいなとすら思っている。
まぁ髪色だけじゃないからより異様な見た目になってしまっているせいで初対面の人を驚かせてしまうんだけどな。
兄上と学園長のありがた~いお言葉を聞いて、各自教室へ向かう。
この学園は大きく貴族と平民クラスに分かれているが、一部の優秀な平民は貴族と同じクラスになる。
貴族クラスの中でも上から成績順に分かれていて、俺は一番上のクラスだ。そう!俺は何気に優秀なのだ!まぁ、2回目っつーチートあるけど。。
ただなぁ…このままだと飛び級でご入学された紅玉と同じクラスになるんだよなぁ
…こんなことなら手を抜けば良かった。
俺が元王族ってことは周知の事実だし、周りも気ぃ使うよなぁ。
さらには紅玉があんな態度じゃ周りもより緊張するだろうし。
「ぬぬぅ…」
『くじゃー!困ってるの?』
『助けたげよかー?』
『アップルパイよこせ。そしたら助けてやるぞ』
周りでハエのようにブンブン飛んで好き勝手にキャッキャ言っている妖精は無視だ。
『あ!なんかいい匂いするぅ~!』
『本当だぁ!』
『いい匂い。喰わせろ』
約一名不穏なセリフを吐きながら俺よりも先に我先にと教室へ入っていく。
「いい匂い…?質のいい魔力を持っている人がいるんかな」
教室に入ってその姿を見た瞬間心臓が止まりそうになった。
蒼玉!…と、レティシアちゃん!
一番に目に飛び込んできたのは今も昔も俺の最推しである蒼玉!はわぁ~カッケェぇえ!俺とは違う純粋なキラキラと陽の光で輝く髪を後ろで一つに結って流している。スラリとした長身にカッチリとした騎士服が無茶苦茶似合っていて鼻血が出るかと思った。
いい女オーラ全開で自分の席に座っているレティシアの後ろにひっそりと立っているのだが全然ひっそり出来ない感じがたまらない!!
数年ぶりに見たレティシアは本当に良い女で、あんな子が俺の前世の婚約者だったなんて贅沢にも程があると思った。
隠しきれない豊満なおっぱいは首元までしっかり覆ったハイネックのドレスでは全然隠しきれない。きゅっとくびれたウェストに、パン!と張ったヒップ。まさに西洋版峰不二子。まじで垂涎ものなけしからんスタイルである。
勝気な印象を与える少し吊り気味の大きな瞳は切れ長の二重で更に気が強そうに見える。形の良い鼻筋にぷっくりとした赤い唇。すっべすべな陶器肌。
ほんのりと色づく頬が艶っぽい。
いやまじでなんで俺は不満だったんだろうな?無茶苦茶いい女!
顔だけじゃなく、彼女は才色兼備を地でいくタイプだ。
ちょっとだけ魔法が苦手なのはご愛嬌である。
その隙はむしろ彼女の魅力を引き立てている。
うん、俺にはマジで勿体無い子だな。王族抜けて正解だったわ。
今生では彼女とは友人になれたら嬉しいな。
贅沢だろうか。だが、良き友人として彼女を支えることができたら嬉しい
…シナリオはだいぶ改変されたが彼女が「悪役令嬢ポジション」であることには変わりないと思うし、事情を知っている俺がサポートできれば冤罪が生まれないよう立ち回れたらと思う。
とはいえ今どんなシナリオで動いているか分からないから対応できるとはいえないのだが…。
ボケーっと2人に見惚れていたらこちらを見た蒼玉と目が合った。
その瞬間、バチっと何かが弾けたような衝撃を受けて思わず目を張ると、向こうも目を見開いているのが分かる。
推しと目があったことで受けた衝撃かと思ったんだが、俺だけが勝手に受けたものではないことが分かって戸惑う。
「くぅちゃぁぁーーん!」
セフィロス…アカネよ…感動しているのは分かるが、筋肉ムッキムキの大男と、これまた筋肉ムキムキの猫耳くねくねオッサンがハンカチを握りしめて泣いている光景はちょっと…いや、かなり異様な光景だぞ。
本人達は声を押し殺して泣いているつもりだけどダダ漏れダダ聞こえだからな?
嬉しいけど恥ずかしい…。
周囲の人間は呆れたり、微笑ましそうに見守っていたり、クスクス笑っていたりするが2人はお構いなしだ。あの2人がなぜあそこまで感動しているのか理解しているから恥ずかしいけど嫌な気持ちにはならない。
俺と母があの夜、生還できたのは本当に奇跡だった。
目が覚めて落ち着いてから聞かされたことだった。
俺はあの時、無自覚に闇魔法を使って母を救ったようだった。
光魔法だったらこんなことにはならなかったんだろうが俺は光魔法にあまり適性がない。使えるには使えるんだがコントロールがうまくいかないというか
あの日、咄嗟に使ったのはまだ適性があった闇魔法だったようだ。
だが闇魔法に関してはまだ全然訓練も勉強もしておらず、無意識に発動したせいか代償が大きかったのだ。
その代償のおかげで今、やたらと注目されているわけだが。
舞台の上で生徒代表として兄上が新入生に激励と歓迎の言葉をかけ、終わった時に祝福の風と光を降り注いだ。さすが兄上!素晴らしいパフォーマンスとコントロール。俺を含めたほとんどの人間が感動している。
視界の端に風で揺れる真っ白な髪の毛が目に入った。
そう、俺は頭髪の色がすっかり抜けて白髪になったのだ。
この世界に白髪(しらが)以外でこんな髪色はないため異常な見た目なのだ。
俺は俺と母の命を救った代償とはいえ、勲章のようなものだから気にしてないしむしろ銀髪っぽくてカッコいいなとすら思っている。
まぁ髪色だけじゃないからより異様な見た目になってしまっているせいで初対面の人を驚かせてしまうんだけどな。
兄上と学園長のありがた~いお言葉を聞いて、各自教室へ向かう。
この学園は大きく貴族と平民クラスに分かれているが、一部の優秀な平民は貴族と同じクラスになる。
貴族クラスの中でも上から成績順に分かれていて、俺は一番上のクラスだ。そう!俺は何気に優秀なのだ!まぁ、2回目っつーチートあるけど。。
ただなぁ…このままだと飛び級でご入学された紅玉と同じクラスになるんだよなぁ
…こんなことなら手を抜けば良かった。
俺が元王族ってことは周知の事実だし、周りも気ぃ使うよなぁ。
さらには紅玉があんな態度じゃ周りもより緊張するだろうし。
「ぬぬぅ…」
『くじゃー!困ってるの?』
『助けたげよかー?』
『アップルパイよこせ。そしたら助けてやるぞ』
周りでハエのようにブンブン飛んで好き勝手にキャッキャ言っている妖精は無視だ。
『あ!なんかいい匂いするぅ~!』
『本当だぁ!』
『いい匂い。喰わせろ』
約一名不穏なセリフを吐きながら俺よりも先に我先にと教室へ入っていく。
「いい匂い…?質のいい魔力を持っている人がいるんかな」
教室に入ってその姿を見た瞬間心臓が止まりそうになった。
蒼玉!…と、レティシアちゃん!
一番に目に飛び込んできたのは今も昔も俺の最推しである蒼玉!はわぁ~カッケェぇえ!俺とは違う純粋なキラキラと陽の光で輝く髪を後ろで一つに結って流している。スラリとした長身にカッチリとした騎士服が無茶苦茶似合っていて鼻血が出るかと思った。
いい女オーラ全開で自分の席に座っているレティシアの後ろにひっそりと立っているのだが全然ひっそり出来ない感じがたまらない!!
数年ぶりに見たレティシアは本当に良い女で、あんな子が俺の前世の婚約者だったなんて贅沢にも程があると思った。
隠しきれない豊満なおっぱいは首元までしっかり覆ったハイネックのドレスでは全然隠しきれない。きゅっとくびれたウェストに、パン!と張ったヒップ。まさに西洋版峰不二子。まじで垂涎ものなけしからんスタイルである。
勝気な印象を与える少し吊り気味の大きな瞳は切れ長の二重で更に気が強そうに見える。形の良い鼻筋にぷっくりとした赤い唇。すっべすべな陶器肌。
ほんのりと色づく頬が艶っぽい。
いやまじでなんで俺は不満だったんだろうな?無茶苦茶いい女!
顔だけじゃなく、彼女は才色兼備を地でいくタイプだ。
ちょっとだけ魔法が苦手なのはご愛嬌である。
その隙はむしろ彼女の魅力を引き立てている。
うん、俺にはマジで勿体無い子だな。王族抜けて正解だったわ。
今生では彼女とは友人になれたら嬉しいな。
贅沢だろうか。だが、良き友人として彼女を支えることができたら嬉しい
…シナリオはだいぶ改変されたが彼女が「悪役令嬢ポジション」であることには変わりないと思うし、事情を知っている俺がサポートできれば冤罪が生まれないよう立ち回れたらと思う。
とはいえ今どんなシナリオで動いているか分からないから対応できるとはいえないのだが…。
ボケーっと2人に見惚れていたらこちらを見た蒼玉と目が合った。
その瞬間、バチっと何かが弾けたような衝撃を受けて思わず目を張ると、向こうも目を見開いているのが分かる。
推しと目があったことで受けた衝撃かと思ったんだが、俺だけが勝手に受けたものではないことが分かって戸惑う。
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