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第二章 ハウエバー系 第901辺境惑星 編
48. 新生ウッドペッカー騎士爵領
しおりを挟むなんか、完全にお尋ね者になってると知って、ちょっとショックを受けたが、結局はそうなると解っていたので、落ち着いる自分が居る。
まあ、既に、サヤがグレイ帝国を打ち負かす為に、901惑星の防御力を上げてくれてたお陰もあるのだけど。
だって、世界樹の下にある工場見たら、一体、コイツは、誰と戦争する気なんだ?と、思ったもん。
俺が、この世界で俺TUEEE無双する為だと言われても、どう考えても過大戦力だったしね。
サヤが敢えて、宇宙空間でグレイ帝国を迎える為の戦艦を揃えてないのも、絶対にグレイ帝国を欺く為だと思われるし。
グレイ帝国も、901惑星の戦力を調査し、把握してると思うけど、絶対に、世界樹の下に隠された、グレイ帝国と戦争できる程の兵器が隠されてるとは、絶対に知らないと思うし。
たかだか、辺境惑星観察宇宙船一隻を、確実に殲滅できる兵力を投入するぐらいだと思う。
グレイ帝国の軍隊じゃなくて、銀河警察を派遣したのも、完全にグレイ帝国の見誤りだと思うしね。
俺が、世界樹の下の工場で、チラッと見ただけでも、グレイ帝国の超弩級サラミ級戦艦レベルの超最新鋭戦艦が、5隻は完成してたからね。
全宇宙を統べるグレイ帝国でも、サラミ級戦艦は10隻しかいないというのに。
しかも、その戦艦は、全宇宙に配備されて散らばっており、1箇所に集まる事など皆無。
901惑星の脅威を認めて、グレイ帝国が本腰入れて攻め来たとしても、せいぜいサラミ級戦艦は2隻ぐらいしかやって来ないと思うし。
それを考えると、901惑星の戦力が、どれ程のものか解るというものだ。
そんでさ、ココ最近500年間くらいは、サヤが命令しなくても、エルダードワーフの2人が、勝手に兵器をバンバン作ってたんだと。やっぱり、あの2人の物作り狂いも、相当ヤバいよね……
2人は、ウッドペッカー騎士爵領のインフラ整備してるんだけど、帰らずの森を相当開拓して、俺の領地、とんでもない大きさになってんだから。
そんでもってさ、勝手に帰らずの森側から入れないように、いつもの、ツルツルピカピカのグレイメタル合金の壁で覆っちゃってるし。
あの2人、もう、グレイメタル合金を隠す気なんか更々無いし。
領民も、見た事もない金属だというのに、伝説のエルダードワーフのする事だからと、何とも思ってないんだよね。
本当に、ウチのエルダードワーフは、この世界で、どんだけ伝説の行いをしてたんだよ?て、話だよね。
まあ、絶対に、サヤの命令で動いてたのだと思うけど。
そんでさ、数ヶ月経ったんだけど、俺の領地、本当にとんでもないからね。
一応、中世ヨーロッパ風に仕上げられてるけど、中身は全て、グレイ帝国と地球の便利な所を取って作られている。
何故に、グレイ帝国より科学力が劣る地球の技術を使ってるかというと、それは、901惑星の知的生命体が、人類だから。グレイ種族とは、そもそもの生活の仕方が全然違うのである。
そんでさ、元々、帰らずの森があった場所なんかには畑とかもあって、品種改良した野菜とか作物とかが植えられてたりする。
領民達には、全てエルダードワーフが作った新しい家に住んで貰い、新しい仕事にも付いて貰う。
もうさ、うちの領民に決定権などないよ。
そもそも、領民が少な過ぎるから、やらせる事が沢山あるのだ。
全て、作業用ロボにやらせても良いのだが、ほら、やっぱり、世界観とかあるじゃん。
エルダードワーフ達も、ウチの領地の大改造が終わると、興味が無くなったのか、作業用ロボも撤収して、すぐに世界樹の下の工場に帰っていったし、広大な畑の世話とか、領民がやるしかなくなったのだ。
まあ、領民の立場から見ると、新しくて、大きな最新鋭設備が整った家をタダで貰えるし、肥沃な畑を貰えるしで、嬉しそうだったので良かったのだけど。
そのせいもあるかな?
俺、領民に完全に領主と認められたみたい。
俺を見ると、街に住むお婆ちゃんとか、『ありがたや、ありがたや』と、拝んで来る始末。
普通に街の中を歩くだけで、『領主様。いつもありがとうございます!』と、挨拶されちゃうんだよ。
母さんとかも、『あらあらまあまあ、ヨツバも立派な領主になって!』と、褒めてくれるしね。
少しは、母さん孝行出来たかな?
「全ては、僕の手柄ですよ!」
まあ、俺が嬉しそうにしてると、サヤはドヤ顔で、俺に仕事ぶりをアピールしてくるし。
「確かに、この環境を整えたのは、お前の手柄だな! まあ、最初は、俺の父親がスグ死んじまったり、ハプニングも色々あったけど、俺的には、母さんが喜んでくれてるだけでも、満足してるよ!」
そう。俺は、今迄、苦労して俺を育ててくれた母さんが、少しでも楽しそうにしてるのを見るだけで、とても嬉しいのだ。
うちの父さんに恥辱され、しかも、敵国に拉致られ(母さんは、白馬の王子様が迎えに来てくれたと、本気で思っている)、それなのに、旦那が死んでも、右も左も分からない敵国に居続け、俺を護りながら女手一つで、苦労して育ててくれたのである。
「そのご主人様のお母さんを選んだのも、この私ですからね!
ご主人様のお母さんを選ぶには、性格も含めて、とても苦労したんですから!
何代も前から、家の家風(悪い子が育たないような清く正しい家風)とかも、バレないように横槍入れて作り上げ、ご主人様のお母さんを、あのフワフワした良家のお嬢様に仕上げあげたんですから!」
「お前は、本当に、どこまでやってんだよ……」
「私は、ご主人様の為なら何だってやりますよ?知らなかったんですか?」
「うん。多分、知ってた……」
まあ、何となく解ってたが、最新鋭AIサヤの暴走は、俺の知らない所でも、留まる事を知らないようであった。
ーーー
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