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第一章 ヨナン・グラスホッパー編
125. 決勝戦
しおりを挟む決勝進出の選手が出揃い、ついに決勝戦。
元々の下馬評通りの結果になって、カレンとアン姉ちゃんとの戦いとなった。
まあ、カレン達がカララムダンジョンに攻略に行く前までは、元々、カレンとアン姉ちゃんが、どっちが強いかで、学園中盛り上がってたし、みんなの期待通りの結果となったと言える。
会場では、相変わらず、アン姉ちゃんが、殺気をダダ漏れにし、それに感化されてしまってるカレンまでも、殺気ダダ漏れにしてしまってるので、試合が始まる前から失神者が続出する始末。
俺は、これではいけないという事で、会場を殺気を抑える防御ガラスの壁で覆い、やっとこさ、安心して観戦出来る環境を作り出す事に成功した。
大工スキルを持ってる俺が、カララム王国学園剣術祭の実行委員じゃなければ、一体、どうなってた事やら。この不測の事態を乗り越える事が出来るのは、俺しか居ないと思うし。
『あの……ご主人様……多分、ご主人様が居なければ、この剣術祭、ここまでレベルが高くならなかったと思いますよ。
そもそも、ご主人様がアレキサンダー君と2人で、カララムダンジョンを完全攻略した事を発端として、カレンさん達に火がついてしまった訳で、ご主人様がカララムダンジョンを攻略しなければ、例年通りの普通の剣術祭になってたと思います!』
鑑定スキルが、優等生ぶって指摘してくる。
絶対に、そんな訳ない。
これは、絶対に、イーグル辺境伯を祖とする血筋の問題なのだ。
やつらは、思い込んだら、何でも成し遂げちゃう性格をしている。
だって、絶対に止まらないんだもん。エリザベスやシスの働きぶり知ってるでしょ。
俺は、あんなに仕事好きの人達、見た事ないし。
やると一度決めたら、なんでもやり切るまで止まらないのだ。
そうして、トップバリュー商会も、トップバリュー男爵も潰し、アスカまでAV女優にしてしまった。
多分、アスカのエロ動画を市場に流したのは、俺の為。
俺の本当の妹のナナは、トップバリュー男爵の性〇隷にされていた。
それの意趣返しするには、どうしたら良いかと考えて、アスカのエロ動画を、敢えて市場に流したのだ。
普通なら、絶対に、この国の王子であるルイ王子の動画まで流さないと思うが、エリザベスは、目的の為ならやり切る女なのである。
例え、自分が所属する国の王族に敵対する事となったとしても、俺の為にやってくれたのだ。
やはり、エリザベスは凄い。ぶっ飛んでる。
本来なら、首が飛んでてもおかしくないのに、その辺は、政界への裏工作をしっかりやってたのだろう。
カレンと、アン姉ちゃんと、カトリーヌは、そのぶっ飛んでるエリザベスと同じ、イーグル辺境伯を祖とする血筋の女なのだ。
一度決めたら、止まる事など決してない。有言実行で、本来、不可能な筈のカララムダンジョン完全攻略を、たった1ヶ月間でやりきってしまったのである。
『ご主人様、凄い女の人達に、目をつけられてしまいましたね……』
なんか、鑑定スキルが、同情気味に言ってくる。
「まあ、俺としては悪い気はしないけど。みんな俺好みの顔というか、殆ど同じ顔してるし、実際は、性格みんな違うけど、芯の部分はみんな一緒。少し人情脆くて、頑張り屋さん。強くて甲斐性さえあれば、顔や身分関係なく、思わず股を開いてしまう、有り得ない性格。
どこの馬の骨かも分からない、俺の事を気に入ってくれて、貴族だというのに、思わず股開いちゃうんだぜ! しかも、働いてくれて金まで稼いでくれちゃうし!」
『あの……ご主人様……もっと良い言い方があると思います。
ご主人様の言い方だと、エリザベスさん達、男に金を貢ぐ、都合の良いビッチにしか聞こえませんから……』
「だな」
『だなじゃないです! 僕は、エリザベスさん達も、ご主人様と同様に好きなんですよ!
変な言い方すると、例え、ご主人様だって許しませんよ!』
「いやいやいや、だから、俺は、エリザベス達が好きだって! 誰が、エドソンが選んだ奥さんの血筋の女を嫌いになれるかよ!
あの、エドソンが選んだ女だぜ! 最高の女に決まってるだろうが!」
俺は、鑑定スキルに言い切ってやる。
そう。エドソンが選んだ女に間違いは無いのだ。
『まあ、確かに、お人好しを絵に書いたようなエドソンの奥さんになってしまうような、奇特な人がエリザベスさんですからね!』
「お前、エドソンを馬鹿にしてるのか?」
『ご主人様だって、エリザベスさん達の事を、直ぐに股を開くビッチだって、言ったじゃないですか!』
「ビッチて言ったのは、お前だろ!」
『そんな訳ないです! すぐに、僕のデータベースを調べれば、分かる事なんですからね! 僕は、自分の会話も全て記憶してるんですから、直ぐに、調べれば分かっちゃうんです!』
「なら、とっとと調べてみろよ!」
『言われなくても、直ぐ、調べますよ!て……本当だ……僕が、最初にエリザベスさん達の事、最初にビッチと言ってる……』
「だよな!」
とか、鑑定スキルと、楽しくワチャワチャやってると、いつの間にか、時間になってたようで、
「それでは、剣鬼カレン・イーグルVS剣姫アン・グラスホッパーとの決勝戦を開始する!」
グロリア先生の号令により、カララム王国学園剣術祭の決勝戦。
剣鬼カレン・イーグルVS剣姫アングラスホッパーとの試合が始まったのであった。
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