婚約破棄された公爵令嬢ですが、どうやら周りの人たちは私の味方のようです。

ましゅぺちーの

文字の大きさ
11 / 52

歓喜 ルパートside

しおりを挟む
「お坊ちゃま。旦那様がお呼びです。」


学園にいた俺にそう言ってきたのは公爵家の執事だ。


「分かった。すぐ行く。」


俺はすぐに公爵邸へと向かった。




公爵邸に着くと、俺は父上の執務室へと急いだ。


「父上、失礼します。」


中に入ると、父上が座っていた。


「ルパートか。」


「最近かなり頑張っているようだな。」


「はい。私は今まで自分がどれだけ愚かなことをしてきたのかようやく気付いたのです。大事な妹であるリリーシャと、愛する婚約者のルイーゼを傷つけてしまった。反省しています。」


「ようやく気付いたか。」


今思えば父上の廃嫡という決定は正しい判断だったと思う。


俺はそれだけのことをしていた。


「はい。私はあの時、リリーシャを糾弾するのではなく兄として守るべきでした。」


例え嫌がらせが事実だったとしても、悪いのは浮気した殿下なのではないか。


俺は婚約者であるルイーゼを愛するようになってからは、そう考えるようになった。


もしルイーゼが浮気していたらと考えると耐えられそうになかった。


「そうだな。」


俺がそう言うと父上は穏やかな顔をした。


「・・・ルパート、だいぶ反省しているようだな。私たちはお前が今どれだけ頑張っているかを知っている。」


その言葉を聞いた俺は父上に認められたような気がして嬉しかった。


「・・・お前をオブライト公爵家の嫡男に戻そうと思う。」


「・・・っ!それは本当ですか!?」


俺はその言葉に喜びを隠せなかった。


「あぁ、私たちは公爵家の嫡男としてお前が今までどれだけ頑張ってきたかを知っているからな。」


父上と母上はちゃんと俺を見ていてくれたんだ。


正直俺は両親に愛されていないと思っていた。


それはリリーシャも同じだろう。


だけど違った。


俺たちはちゃんと愛されていたんだ。


その事実に俺は嬉しくなった。


「ありがとうございます・・・父上・・・!」


俺がそう言うと父上はにっこりと笑った。


「誰にだって過ちはあるものだ。私たちはお前が更生したのだと信じるよ。」


父上・・・!


俺は軽い足取りで父上の執務室を出た。


すると前から母上が歩いてきた。


「母上・・・。」


「ルパート。」


母上は俺を見て穏やかな笑みを浮かべた。


「これからもオブライト公爵家の嫡男として頑張るのよ。」


「っ!・・・はい!母上!」



母上と話をした後俺は公爵邸へと出て学園へと向かった。


まずはルイーゼにこのことを報告しよう。


その後にリリーシャに直接謝罪しに行こう。


俺の努力が報われた。


そのことに俺は歓喜した。





―――――――――――――――――――――――


ルパート視点終了となります!


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結済み】妹の婚約者に、恋をした

鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。 刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。 可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。 無事完結しました。

【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜

早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~

畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。

【完結】婚約破棄された私が惨めだと笑われている?馬鹿にされているのは本当に私ですか?

なか
恋愛
「俺は愛する人を見つけた、だからお前とは婚約破棄する!」 ソフィア・クラリスの婚約者である デイモンドが大勢の貴族達の前で宣言すると 周囲の雰囲気は大笑いに包まれた 彼を賞賛する声と共に 「みろ、お前の惨めな姿を馬鹿にされているぞ!!」 周囲の反応に喜んだデイモンドだったが 対するソフィアは彼に1つだけ忠告をした 「あなたはもう少し考えて人の話を聞くべきだと思います」 彼女の言葉の意味を 彼はその時は分からないままであった お気に入りして頂けると嬉しいです 何より読んでくださる事に感謝を!

婚約破棄されたので、とりあえず王太子のことは忘れます!

パリパリかぷちーの
恋愛
クライネルト公爵令嬢のリーチュは、王太子ジークフリートから卒業パーティーで大勢の前で婚約破棄を告げられる。しかし、王太子妃教育から解放されることを喜ぶリーチュは全く意に介さず、むしろ祝杯をあげる始末。彼女は領地の離宮に引きこもり、趣味である薬草園作りに没頭する自由な日々を謳歌し始める。

残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください

mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。 「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」 大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です! 男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。 どこに、捻じ込めると言うのですか! ※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。

〖完結〗役立たずの聖女なので、あなた達を救うつもりはありません。

藍川みいな
恋愛
ある日私は、銀貨一枚でスコフィールド伯爵に買われた。母は私を、喜んで売り飛ばした。 伯爵は私を養子にし、仕えている公爵のご子息の治療をするように命じた。私には不思議な力があり、それは聖女の力だった。 セイバン公爵家のご子息であるオルガ様は、魔物に負わされた傷がもとでずっと寝たきり。 そんなオルガ様の傷の治療をしたことで、セイバン公爵に息子と結婚して欲しいと言われ、私は婚約者となったのだが……オルガ様は、他の令嬢に心を奪われ、婚約破棄をされてしまった。彼の傷は、完治していないのに…… 婚約破棄をされた私は、役立たずだと言われ、スコフィールド伯爵に邸を追い出される。 そんな私を、必要だと言ってくれる方に出会い、聖女の力がどんどん強くなって行く。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

処理中です...