46 / 54
幸せ リサside
しおりを挟む
あたしはすぐに馬車に乗って故郷へと戻った。
久しぶりの故郷。
王都に比べるとだいぶ華やかさに欠ける場所だ。
しかりあたしにはもうここしか行くあてがなかった。
だから仕方なく戻ってきたのだ。
あたしは可愛いし、きっとみんなまたあたしを受け入れてくれるはず。
この時のあたしはそう信じて疑わなかった。
しかしこの後、それはあたしの勘違いだったのだと気づく。
あたしはそのまま男爵邸へと向かった。
王宮、高位貴族の本邸を見てきたあたしにとってはかなり小さく感じた。
だけど仕方ないわ。
あたしは男爵邸の門の前にいた衛兵に声をかけた。
「ちょっと、あなた!」
衛兵は無表情のままあたしの方を見た。
「・・・」
そのまま口を開かずにじっとあたしを見ている。
無礼なやつね!あたしの問いかけに答えないつもり!?
あたしはそんな衛兵にイラついて文句を言った。
「ちょっとあなた!あたしを無視するんじゃないわよ!」
すると衛兵は面倒くさそうに口を開いた。
「・・・何の御用でしょうか?」
どこまでも無礼な男だ。
あたしを怪訝な目で見ている。
「あたしよ!リサよ!男爵家に戻ってきてあげたのよ!今すぐこの家の息子にそれを伝えてちょうだい!」
あたしはそう言った。
しかし衛兵は動こうとはしない。
それどころかあたしに侮蔑の眼差しを向けている。
しばらくして口を開いた。
「・・・リサ?あの罪人のか?」
「・・・え?」
今、この男あたしのことをなんて言ったの?
罪人って言ったわよね?
「ど、どういうことよ、罪人って!あたしは罪人なんかじゃない!あなた、この男爵家に仕えているんでしょう?主人の息子の妻を罪人って言うだなんて不敬だわ!」
この男、後で男爵令息に言いつけてやる!
「たしかに前にお坊ちゃまの婚約者だったリサとかいう女がいたな。しかしその女は今この男爵領では罪人扱いだ。」
衛兵は声を荒げたあたしに対してそう言った。
「ざ、罪人扱いですって・・・?」
あたしは自分が罪人扱いされていると聞いて衝撃を受けた。
そ、そうよ・・・。
な、何かの間違いよきっと・・・!
あたしはそう思うことで何とか平静を保っていた。
「ああ。お坊ちゃまをたぶらかし、男爵家の金で散財した挙句、勝手に婚約を破棄して男爵家を出て行った大罪人だ。」
ぐっ!!!
それって紛れもなくあたしじゃない・・・!
ということは、まさかこの衛兵の言っていることは全て本当のことで、あたしは本当に男爵領では罪人扱いされているということなの・・・?
ショックを受けているあたしに衛兵は冷たい声で告げる。
「命が惜しければさっさと男爵領を出て行くんだな。お坊ちゃまがお前がやったことに非常にお怒りだ。当然だよな。お前のせいで男爵家は困窮しているんだから。もしかしたらお前を殺すかもしれない。」
不敵な笑みを浮かべて衛兵はそう言った。
「・・・!」
あたしは怖くて身体が震えた。
嫌!
殺されたくない!
あたしはその場から逃げるように立ち去った。
あたしはただただ走り続けた。
このまま男爵領を出よう。
あの衛兵はもしかしたらあたしが男爵邸に訪れたことを男爵家の人たちに伝えるかもしれない。
そうしたらあたしは終わりだ。
あたしはそう考えながら走った。
しかし、ふとあたしは故郷に住んでいる両親のことが気にかかった。
最後に話したのはずっと前だ。
二人は今、何をしているんだろう・・・?
あたしはそれが気になり、かつて住んでいた村へ立ち寄ることにした。
あたしはまた馬車で村まで向かった。
両親はあたしと男爵令息の結婚に乗り気じゃなかった。
身分が違いすぎるって。
あの頃のあたしは裕福な暮らしがしたい一心で男爵令息のプロポーズを受け入れたのよね。
ふとあたしは村での生活を思い浮かべた。
決して裕福とは言えない環境だった。
綺麗なドレスも着れないし、宝石やアクセサリーだって頑張って働いても買うことなど出来なかっただろう。
仕事をしなければ食べていくことが出来なかったし、あたしはそんな環境が嫌だった。
貴族令嬢を見てはいつも羨ましく思っていた。
あの人たちは仕事なんてしなくていい。
ただ美しいドレスを着て舞踏会やお茶会に参加するだけで平民よりもよっぽど贅沢な暮らしが出来る。
・・・だけど。
今になって思う。
あの時、男爵令息のプロポーズを受け入れて村を出た判断は本当に正しかったのか。
もしかしたら間違っていたんじゃ・・・。
村での生活は大変だった。
畑仕事は疲れるし、身の回りのことは何でも自分でやらなければならなかった。
それでも―
あたしは一人じゃなかった。
あたしにはあたしを愛してくれる両親がいたし、村のみんなだってあたしに優しく接してくれた。
その時、あたしの目から涙が溢れ出た。
ううっ・・・!
お父さんとお母さんに会いたい・・・!
会って今すぐ抱きしめてもらいたい・・・!
どうしてあたしはこんな大事なことを忘れていたのだろう。
あの頃のあたしは小説の中でよくある”平民と王子の身分違いの恋”に憧れていた。
本当に大事なものはすぐそばにあったのに―
朝起きて、畑仕事をする。
仕事が終わったらお父さん、お母さんと一緒に食事をとる。
休みの日には男爵領の中心街に遊びに行く。
たまに家族みんなでご飯を食べに行く。
当たり前の日々だと思っていたのに・・・
これがあたしにとっての幸せだったのだ。
お父さん・・・!お母さん・・・!
あたしは自分が大きな間違いを犯してしまったことにようやく気付いた。
あたしの幸せは王子様と結婚することじゃなくて家族と過ごすことだったのだ。
しばらくして村に着いたあたしはすぐに両親と住んでいた家へと向かった。
「お父さん!お母さん!」
扉を思い切り開けたあたしに家にいた両親は驚いた顔をした。
「リサ!?」
あたしは両親を見て涙が止まらなくなった。
あたしはそのまま両親に抱き着いた。
「お父さん・・・お母さん・・・ごめんなさい・・・!」
そして幼い子供のようにわんわん泣いた。
両親は何も言わず、そんなあたしの頭を撫でてくれた。
しばらくして、お父さんが口を開いた。
「・・・リサ。お前が男爵家で散財して家を出て行ったと聞いた時はひどくショックを受けた。しかし私たちはお前を信じていたよ。自分が犯した間違いに気づいてくれることを。」
お父さん・・・。
「たとえ罪を犯したとしても私たちにとってリサは可愛い子供よ。」
お母さん・・・。
「どうせ”あたしならもっと高みを目指せる!”って思って調子に乗ったんだろ?」
この声は・・・!
声のする方を振り返ると、あたしの予想通り扉の外にジャックがいた。
相変わらず嫌なヤツ・・・
でもその嫌味が今は何故だか嬉しい。
あたしはしばらく両親に抱き着いたまま泣き続けた。
「お父さん!お母さん!行ってきます!」
その後、あたしは両親と共に男爵家へ謝罪に行き、散財した分を働いて返すことで何とか許しを得た。
「いってらっしゃいリサ。最近かなり長い時間働いてるけど大丈夫なの?」
お母さんが心配そうにあたしに尋ねた。
「平気よ!こう見えてタフだから!」
あたしは今畑仕事以外にも街のパン屋で働いている。
パン屋での仕事が終わったらいつも教会へ寄り、懺悔をしている。
あたしがやったことは最低なことだ。
何人もの人の人生を壊してしまった。
特に・・・
あたしは王太子殿下の婚約者だった美しい女性を思い浮かべた。
エレン様・・・。
あたしが彼女にしたことは到底許されることではないだろう。
もちろん他の貴族たちにしたことも許されないことだが。
あたしはこの罪を一生背負いながらこの先の人生を生きていくんだ。
それがあたしに出来る彼らに対する唯一の贖罪だから―
久しぶりの故郷。
王都に比べるとだいぶ華やかさに欠ける場所だ。
しかりあたしにはもうここしか行くあてがなかった。
だから仕方なく戻ってきたのだ。
あたしは可愛いし、きっとみんなまたあたしを受け入れてくれるはず。
この時のあたしはそう信じて疑わなかった。
しかしこの後、それはあたしの勘違いだったのだと気づく。
あたしはそのまま男爵邸へと向かった。
王宮、高位貴族の本邸を見てきたあたしにとってはかなり小さく感じた。
だけど仕方ないわ。
あたしは男爵邸の門の前にいた衛兵に声をかけた。
「ちょっと、あなた!」
衛兵は無表情のままあたしの方を見た。
「・・・」
そのまま口を開かずにじっとあたしを見ている。
無礼なやつね!あたしの問いかけに答えないつもり!?
あたしはそんな衛兵にイラついて文句を言った。
「ちょっとあなた!あたしを無視するんじゃないわよ!」
すると衛兵は面倒くさそうに口を開いた。
「・・・何の御用でしょうか?」
どこまでも無礼な男だ。
あたしを怪訝な目で見ている。
「あたしよ!リサよ!男爵家に戻ってきてあげたのよ!今すぐこの家の息子にそれを伝えてちょうだい!」
あたしはそう言った。
しかし衛兵は動こうとはしない。
それどころかあたしに侮蔑の眼差しを向けている。
しばらくして口を開いた。
「・・・リサ?あの罪人のか?」
「・・・え?」
今、この男あたしのことをなんて言ったの?
罪人って言ったわよね?
「ど、どういうことよ、罪人って!あたしは罪人なんかじゃない!あなた、この男爵家に仕えているんでしょう?主人の息子の妻を罪人って言うだなんて不敬だわ!」
この男、後で男爵令息に言いつけてやる!
「たしかに前にお坊ちゃまの婚約者だったリサとかいう女がいたな。しかしその女は今この男爵領では罪人扱いだ。」
衛兵は声を荒げたあたしに対してそう言った。
「ざ、罪人扱いですって・・・?」
あたしは自分が罪人扱いされていると聞いて衝撃を受けた。
そ、そうよ・・・。
な、何かの間違いよきっと・・・!
あたしはそう思うことで何とか平静を保っていた。
「ああ。お坊ちゃまをたぶらかし、男爵家の金で散財した挙句、勝手に婚約を破棄して男爵家を出て行った大罪人だ。」
ぐっ!!!
それって紛れもなくあたしじゃない・・・!
ということは、まさかこの衛兵の言っていることは全て本当のことで、あたしは本当に男爵領では罪人扱いされているということなの・・・?
ショックを受けているあたしに衛兵は冷たい声で告げる。
「命が惜しければさっさと男爵領を出て行くんだな。お坊ちゃまがお前がやったことに非常にお怒りだ。当然だよな。お前のせいで男爵家は困窮しているんだから。もしかしたらお前を殺すかもしれない。」
不敵な笑みを浮かべて衛兵はそう言った。
「・・・!」
あたしは怖くて身体が震えた。
嫌!
殺されたくない!
あたしはその場から逃げるように立ち去った。
あたしはただただ走り続けた。
このまま男爵領を出よう。
あの衛兵はもしかしたらあたしが男爵邸に訪れたことを男爵家の人たちに伝えるかもしれない。
そうしたらあたしは終わりだ。
あたしはそう考えながら走った。
しかし、ふとあたしは故郷に住んでいる両親のことが気にかかった。
最後に話したのはずっと前だ。
二人は今、何をしているんだろう・・・?
あたしはそれが気になり、かつて住んでいた村へ立ち寄ることにした。
あたしはまた馬車で村まで向かった。
両親はあたしと男爵令息の結婚に乗り気じゃなかった。
身分が違いすぎるって。
あの頃のあたしは裕福な暮らしがしたい一心で男爵令息のプロポーズを受け入れたのよね。
ふとあたしは村での生活を思い浮かべた。
決して裕福とは言えない環境だった。
綺麗なドレスも着れないし、宝石やアクセサリーだって頑張って働いても買うことなど出来なかっただろう。
仕事をしなければ食べていくことが出来なかったし、あたしはそんな環境が嫌だった。
貴族令嬢を見てはいつも羨ましく思っていた。
あの人たちは仕事なんてしなくていい。
ただ美しいドレスを着て舞踏会やお茶会に参加するだけで平民よりもよっぽど贅沢な暮らしが出来る。
・・・だけど。
今になって思う。
あの時、男爵令息のプロポーズを受け入れて村を出た判断は本当に正しかったのか。
もしかしたら間違っていたんじゃ・・・。
村での生活は大変だった。
畑仕事は疲れるし、身の回りのことは何でも自分でやらなければならなかった。
それでも―
あたしは一人じゃなかった。
あたしにはあたしを愛してくれる両親がいたし、村のみんなだってあたしに優しく接してくれた。
その時、あたしの目から涙が溢れ出た。
ううっ・・・!
お父さんとお母さんに会いたい・・・!
会って今すぐ抱きしめてもらいたい・・・!
どうしてあたしはこんな大事なことを忘れていたのだろう。
あの頃のあたしは小説の中でよくある”平民と王子の身分違いの恋”に憧れていた。
本当に大事なものはすぐそばにあったのに―
朝起きて、畑仕事をする。
仕事が終わったらお父さん、お母さんと一緒に食事をとる。
休みの日には男爵領の中心街に遊びに行く。
たまに家族みんなでご飯を食べに行く。
当たり前の日々だと思っていたのに・・・
これがあたしにとっての幸せだったのだ。
お父さん・・・!お母さん・・・!
あたしは自分が大きな間違いを犯してしまったことにようやく気付いた。
あたしの幸せは王子様と結婚することじゃなくて家族と過ごすことだったのだ。
しばらくして村に着いたあたしはすぐに両親と住んでいた家へと向かった。
「お父さん!お母さん!」
扉を思い切り開けたあたしに家にいた両親は驚いた顔をした。
「リサ!?」
あたしは両親を見て涙が止まらなくなった。
あたしはそのまま両親に抱き着いた。
「お父さん・・・お母さん・・・ごめんなさい・・・!」
そして幼い子供のようにわんわん泣いた。
両親は何も言わず、そんなあたしの頭を撫でてくれた。
しばらくして、お父さんが口を開いた。
「・・・リサ。お前が男爵家で散財して家を出て行ったと聞いた時はひどくショックを受けた。しかし私たちはお前を信じていたよ。自分が犯した間違いに気づいてくれることを。」
お父さん・・・。
「たとえ罪を犯したとしても私たちにとってリサは可愛い子供よ。」
お母さん・・・。
「どうせ”あたしならもっと高みを目指せる!”って思って調子に乗ったんだろ?」
この声は・・・!
声のする方を振り返ると、あたしの予想通り扉の外にジャックがいた。
相変わらず嫌なヤツ・・・
でもその嫌味が今は何故だか嬉しい。
あたしはしばらく両親に抱き着いたまま泣き続けた。
「お父さん!お母さん!行ってきます!」
その後、あたしは両親と共に男爵家へ謝罪に行き、散財した分を働いて返すことで何とか許しを得た。
「いってらっしゃいリサ。最近かなり長い時間働いてるけど大丈夫なの?」
お母さんが心配そうにあたしに尋ねた。
「平気よ!こう見えてタフだから!」
あたしは今畑仕事以外にも街のパン屋で働いている。
パン屋での仕事が終わったらいつも教会へ寄り、懺悔をしている。
あたしがやったことは最低なことだ。
何人もの人の人生を壊してしまった。
特に・・・
あたしは王太子殿下の婚約者だった美しい女性を思い浮かべた。
エレン様・・・。
あたしが彼女にしたことは到底許されることではないだろう。
もちろん他の貴族たちにしたことも許されないことだが。
あたしはこの罪を一生背負いながらこの先の人生を生きていくんだ。
それがあたしに出来る彼らに対する唯一の贖罪だから―
282
あなたにおすすめの小説
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
【完】婚約者に、気になる子ができたと言い渡されましたがお好きにどうぞ
さこの
恋愛
私の婚約者ユリシーズ様は、お互いの事を知らないと愛は芽生えないと言った。
そもそもあなたは私のことを何にも知らないでしょうに……。
二十話ほどのお話です。
ゆる設定の完結保証(執筆済)です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/08/08
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
今から婚約者に会いに行きます。〜私は運命の相手ではないから
ありがとうございました。さようなら
恋愛
婚約者が王立学園の卒業を間近に控えていたある日。
ポーリーンのところに、婚約者の恋人だと名乗る女性がやってきた。
彼女は別れろ。と、一方的に迫り。
最後には暴言を吐いた。
「ああ、本当に嫌だわ。こんな田舎。肥溜めの臭いがするみたい。……貴女からも漂ってるわよ」
洗練された都会に住む自分の方がトリスタンにふさわしい。と、言わんばかりに彼女は微笑んだ。
「ねえ、卒業パーティーには来ないでね。恥をかくのは貴女よ。婚約破棄されてもまだ間に合うでしょう?早く相手を見つけたら?」
彼女が去ると、ポーリーンはある事を考えた。
ちゃんと、別れ話をしようと。
ポーリーンはこっそりと屋敷から抜け出して、婚約者のところへと向かった。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
冷遇する婚約者に、冷たさをそのままお返しします。
ねむたん
恋愛
貴族の娘、ミーシャは婚約者ヴィクターの冷酷な仕打ちによって自信と感情を失い、無感情な仮面を被ることで自分を守るようになった。エステラ家の屋敷と庭園の中で静かに過ごす彼女の心には、怒りも悲しみも埋もれたまま、何も感じない日々が続いていた。
事なかれ主義の両親の影響で、エステラ家の警備はガバガバですw
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる