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38 本当の自分
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そしてついに、王宮で舞踏会が開かれる日となった。
私は朝からソワソワしていた。
(ほ、本当に大丈夫なのかな……)
あのドレスで舞踏会に行くと決めた日から不安な気持ちが無いわけではなかった。
しかし、絶対に大丈夫だと自分に言い聞かせていた。
だがこうして当日になってみると、必死で抑えていたその気持ちが今になってどっと押し寄せてくる。
「リーシェお義姉様……」
「エミリアさん、舞踏会が楽しみですわね」
「た、楽しみですか……?」
そんな私とは対照的に、何故かお義姉様は嬉しそうである。
そして、何故か突然私の腕をギュッと握った。
「さぁ、早く行きましょう!」
「行くってどこへですか!?」
「メイクアップです!」
「え、早くないですか!?まだ昼ですよ!?」
私は有無を言わせないというようなお義姉様に半ば強引に部屋へと連れて行かれた。
連れて行かれた先の部屋で私を待っていたのは、意外な人物だった。
「…………レイラ?」
「久しぶりね、エミリア」
何と、部屋にいたのはレイラだった。
(何でレイラがここに……?)
「レイラ、どうしてここに……」
「エミリア、それはまた後で話すわ。今はあなたの着替えが先よ」
「え、ええ……」
そこで私は、レイラの背後に見慣れない顔の侍女が数人控えていることに気が付いた。
「この方たちは……?」
「王宮の侍女たちよ。腕が一級品な人間を私が集めてきたの」
「お、王宮の……?」
全く理解が追い付かない。
私は今から何をされるのだろうか。
「悪いようにはしないから。そう不安にならないでちょうだい」
「……」
それからすぐにレイラは侍女たちに何やら指示をした。
何かを言っているのは確かだったが、今の私の頭にはまるで入ってこなかった。
「エミリア様、失礼いたします」
「あ、は、はい……」
何をされるのかまるで分からなかったが、とりあえずレイラを信じて彼女たちに身を任せることにした。
そしてそれからの侍女たちの行動は早かった。
「ブラシを持って来てちょうだい」
「はい、すぐに!」
「パウダーも準備しておいて」
「はい!」
「……」
さすがは王宮の侍女と言ったところだろうか。
仕事の手際が良く、テキパキ動いている。
「装飾品はもう決めてあるんです。これとこれと……」
部屋ではお義姉様が侍女たちに磨かれる私を見守りながらも、さっきから頭が追い付いていない私の代わりに色々と説明をしてくれた。
(お義姉様の言う助っ人ってレイラのことだったのね……)
横目でリーシェお義姉様を見ながら、今になってようやくそのことに気が付いた。
レイラなら事前に教えてくれても良かったのに。
――そして、二時間後。
「エミリア様、とってもお美しいです……!」
「……」
鏡の前に立った私は、完成した自分の姿を見て言葉を失っていた。
(こ、これが私……?)
今鏡に映っている私はいつも見ている自分よりも五歳は若く見える。
自分で言うのも恥ずかしいが、間違いなく美人の部類に入るだろう。
「エミリア、何て綺麗なの……!やっぱり私の目は節穴では無かったんだわ!」
「本当ですね、王妃陛下。私も驚きました」
部屋の隅にいたレイラとお義姉様も侍女たちに同調した。
(いや、私もびっくり)
赤いドレスに身を包んだ私は、以前の私と同一人物とは思えないほどに輝いていた。
「二人とも……私のためだけにわざわざこんなことを……?」
私がレイラとお義姉様の方を振り返って尋ねると、二人はさも当然といったように頷いた。
(二人とも……!)
私の口角が自然と上がったのに気付いたのか、レイラとお義姉様が私に笑い返した。
「……」
不思議とその笑顔を見ていると、舞踏会でどんなことがあっても乗り越えていけるようなそんな気がした。
私は本当に仲間に恵まれている。
「……ありがとう、レイラ、お義姉様。それに、貴方たちも」
私は心からの笑みを浮かべながら今回の件に協力してくれた全ての人間にお礼を言った。
私は朝からソワソワしていた。
(ほ、本当に大丈夫なのかな……)
あのドレスで舞踏会に行くと決めた日から不安な気持ちが無いわけではなかった。
しかし、絶対に大丈夫だと自分に言い聞かせていた。
だがこうして当日になってみると、必死で抑えていたその気持ちが今になってどっと押し寄せてくる。
「リーシェお義姉様……」
「エミリアさん、舞踏会が楽しみですわね」
「た、楽しみですか……?」
そんな私とは対照的に、何故かお義姉様は嬉しそうである。
そして、何故か突然私の腕をギュッと握った。
「さぁ、早く行きましょう!」
「行くってどこへですか!?」
「メイクアップです!」
「え、早くないですか!?まだ昼ですよ!?」
私は有無を言わせないというようなお義姉様に半ば強引に部屋へと連れて行かれた。
連れて行かれた先の部屋で私を待っていたのは、意外な人物だった。
「…………レイラ?」
「久しぶりね、エミリア」
何と、部屋にいたのはレイラだった。
(何でレイラがここに……?)
「レイラ、どうしてここに……」
「エミリア、それはまた後で話すわ。今はあなたの着替えが先よ」
「え、ええ……」
そこで私は、レイラの背後に見慣れない顔の侍女が数人控えていることに気が付いた。
「この方たちは……?」
「王宮の侍女たちよ。腕が一級品な人間を私が集めてきたの」
「お、王宮の……?」
全く理解が追い付かない。
私は今から何をされるのだろうか。
「悪いようにはしないから。そう不安にならないでちょうだい」
「……」
それからすぐにレイラは侍女たちに何やら指示をした。
何かを言っているのは確かだったが、今の私の頭にはまるで入ってこなかった。
「エミリア様、失礼いたします」
「あ、は、はい……」
何をされるのかまるで分からなかったが、とりあえずレイラを信じて彼女たちに身を任せることにした。
そしてそれからの侍女たちの行動は早かった。
「ブラシを持って来てちょうだい」
「はい、すぐに!」
「パウダーも準備しておいて」
「はい!」
「……」
さすがは王宮の侍女と言ったところだろうか。
仕事の手際が良く、テキパキ動いている。
「装飾品はもう決めてあるんです。これとこれと……」
部屋ではお義姉様が侍女たちに磨かれる私を見守りながらも、さっきから頭が追い付いていない私の代わりに色々と説明をしてくれた。
(お義姉様の言う助っ人ってレイラのことだったのね……)
横目でリーシェお義姉様を見ながら、今になってようやくそのことに気が付いた。
レイラなら事前に教えてくれても良かったのに。
――そして、二時間後。
「エミリア様、とってもお美しいです……!」
「……」
鏡の前に立った私は、完成した自分の姿を見て言葉を失っていた。
(こ、これが私……?)
今鏡に映っている私はいつも見ている自分よりも五歳は若く見える。
自分で言うのも恥ずかしいが、間違いなく美人の部類に入るだろう。
「エミリア、何て綺麗なの……!やっぱり私の目は節穴では無かったんだわ!」
「本当ですね、王妃陛下。私も驚きました」
部屋の隅にいたレイラとお義姉様も侍女たちに同調した。
(いや、私もびっくり)
赤いドレスに身を包んだ私は、以前の私と同一人物とは思えないほどに輝いていた。
「二人とも……私のためだけにわざわざこんなことを……?」
私がレイラとお義姉様の方を振り返って尋ねると、二人はさも当然といったように頷いた。
(二人とも……!)
私の口角が自然と上がったのに気付いたのか、レイラとお義姉様が私に笑い返した。
「……」
不思議とその笑顔を見ていると、舞踏会でどんなことがあっても乗り越えていけるようなそんな気がした。
私は本当に仲間に恵まれている。
「……ありがとう、レイラ、お義姉様。それに、貴方たちも」
私は心からの笑みを浮かべながら今回の件に協力してくれた全ての人間にお礼を言った。
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