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11章 夏の海ではしゃいじゃお
419.盛りだくさんの夏だよ
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ゲームにログインして、ふわっと意識が浮上する──と同時に、ペタのつぶらな瞳と目が合った。
パチパチと瞬く目を見ながら、ポンと手を叩く。
「あ、そういえば、珍しくペタが屋敷でお留守番したいって言ってたんだったねー」
「くるる(うん。おはよー)」
「おはよー。こっちで問題はなかった?」
「くるる(なかったよー)」
ペタと話しながら、よいしょっと体を起こして背伸びをする。
寝てたわけじゃないけど、なんとなくベッドから出る前ってこうしたくなるんだよね。
近寄ってきたスラリンやユキマルたちとも挨拶して、窓の外を見る。
青空に白い雲があり、夏らしい日差しを感じた。
「今日もいい天気! 冒険日和だね」
「にゃ(なにするにゃ?)」
「ルトたちと海中窟ダンジョンに行く予定だよー。約束の時間まで、まだ時間があるけど」
「にゃっ(ダンジョン! ヒスイも行くにゃ!)」
ヒスイがキラッと目を輝かせるのを見て、思わず笑う。
相変わらずヒスイはバトル好きだねぇ。
強くなりたいっていう思いが強いんだよね。そういうところも可愛いんだけどさ。ルトと気が合いそう。
「わかってるよー。後で、一緒にバトルするメンバーを決めようね」
「にゃ(水中バトルに適したメンバーがいいと思うにゃ)」
「そうだねー」
水属性相手なら、やっぱり風属性が効果的だけど、それはヒスイしかいないし、不利にならないタイプは──なんてことを考えながらストレッチをする。
最近は天兎に教えてもらった動きを練習するのが習慣になってるんだ。それをするためにも、まずは体の調子を整える必要があるんだよ。
いい感じに体がほぐれたら……
「えーいっ、とりゃ、ほほほーい!」
三回ものを投げるような動きをする。
これが天兎的『病気を治すスキル』に必要な動きらしいんだよねぇ。何度繰り返しても、全然スキルを習得できる気がしないけど。
反復練習してたら、いつか覚えられるんじゃないかな! ……という希望を持ってがんばってます。
「きゅぃ(モモかっこいいよー)」
「ぴぅ(様になってると思うよ)」
スラリンとユキマルが褒めてくれたけど、だいぶお世辞が入ってると思う。
だって、わりと間抜けな感じだって自覚があるもん。
「くるる(投擲の練習?)」
僕の習慣を初めて見たペタが、首を傾げて聞いてくる。
それになんと答えればいいものやら。この動きで病気を治せるって意味分かんないもんねー。実際、今は動きを真似てるだけだし。
「……違うよ」
とりあえずそう答えて、ノルマとして自分に課している一連の動き十回をこなした。
今日もスキルはゲットできなかったよぉ……。
ちょっぴりしょんぼりしていたら、ふと視界の隅で通知アイコンが光っているのが見えた。
なんかお知らせかな? 色的に運営さんからの連絡だと思うんだけど──
「およ?」
通知を開いた途端、複数のタイトルが表示されて、首を傾げちゃった。
今日は随分とお知らせが多いね?
一個ずつ確認してみる。
――――――
『第三陣プレイヤーが参加開始しました!』
諸事情で遅くなっていましたが、ようやく本日より第三陣プレイヤーが参加することになりました。
新規サーバーが三十増えると同時に、既存サーバーにも希望者を割り振っています。
ぜひ新人さんと仲良くしてくださいね!
また、第三陣プレイヤー参加を祝い、全プレイヤーの取得経験値二倍キャンペーンを実施します。開催期間は二週間です。
この機会にレベル上げに励んでくださいませ。
――――――
「おお! やっと第三陣が参加するんだ?」
もうすぐ、と言われてからだいぶ間があいたけど、運営側になにか問題があったのかな。ともかく、無事第三陣が参加できるようになってよかった!
新しいお友だちができるといいなー♪ 新たに希少種を選んだ人いるかな?
取得経験値二倍キャンペーンも嬉しい!
ちょうど進化を目指してレベリングに励もうと思ってたし、ダンジョンに挑む予定だったからね。いい感じにレベリングできそう。
ニコニコしながら次のお知らせを開く。
――――――
『シーズンイベント【海のモンスター襲来!】が開始しました』
夏と言えば海!
ということで、夏のシーズンイベント【海のモンスター襲来!】が始まります。
開催期間は一ヶ月です。
海や浜辺などのバトルフィールドで水属性モンスターが活発に行動しています。
襲ってくるモンスターを倒すと、シーズンアイテム【白き貝殻】と【虹色の貝殻】をドロップします。
シーズンアイテムを集めて、豪華景品と交換しましょう!
――――――
「シーズンアイテム? 夏イベントってことかー。今回はしっかりバトルする必要がありそうだなぁ。海中窟ダンジョンに挑むし、ちょうどいいのかも?」
果たして、ダンジョンモンスターもシーズンアイテムをドロップしてくれるのか……わからないけど、期待しておこう!
ルトは海獣の卵からモンスターが孵って可愛がってるみたいだし、テイマーになるためにサブリングを欲しがるかも。
僕もテイマー仲間を増やしたいし、協力しようっと。
他のお知らせがバグ修正などなのを確認して、通知を閉じる。
そろそろダンジョンに挑むメンバーを決めないとね!
パチパチと瞬く目を見ながら、ポンと手を叩く。
「あ、そういえば、珍しくペタが屋敷でお留守番したいって言ってたんだったねー」
「くるる(うん。おはよー)」
「おはよー。こっちで問題はなかった?」
「くるる(なかったよー)」
ペタと話しながら、よいしょっと体を起こして背伸びをする。
寝てたわけじゃないけど、なんとなくベッドから出る前ってこうしたくなるんだよね。
近寄ってきたスラリンやユキマルたちとも挨拶して、窓の外を見る。
青空に白い雲があり、夏らしい日差しを感じた。
「今日もいい天気! 冒険日和だね」
「にゃ(なにするにゃ?)」
「ルトたちと海中窟ダンジョンに行く予定だよー。約束の時間まで、まだ時間があるけど」
「にゃっ(ダンジョン! ヒスイも行くにゃ!)」
ヒスイがキラッと目を輝かせるのを見て、思わず笑う。
相変わらずヒスイはバトル好きだねぇ。
強くなりたいっていう思いが強いんだよね。そういうところも可愛いんだけどさ。ルトと気が合いそう。
「わかってるよー。後で、一緒にバトルするメンバーを決めようね」
「にゃ(水中バトルに適したメンバーがいいと思うにゃ)」
「そうだねー」
水属性相手なら、やっぱり風属性が効果的だけど、それはヒスイしかいないし、不利にならないタイプは──なんてことを考えながらストレッチをする。
最近は天兎に教えてもらった動きを練習するのが習慣になってるんだ。それをするためにも、まずは体の調子を整える必要があるんだよ。
いい感じに体がほぐれたら……
「えーいっ、とりゃ、ほほほーい!」
三回ものを投げるような動きをする。
これが天兎的『病気を治すスキル』に必要な動きらしいんだよねぇ。何度繰り返しても、全然スキルを習得できる気がしないけど。
反復練習してたら、いつか覚えられるんじゃないかな! ……という希望を持ってがんばってます。
「きゅぃ(モモかっこいいよー)」
「ぴぅ(様になってると思うよ)」
スラリンとユキマルが褒めてくれたけど、だいぶお世辞が入ってると思う。
だって、わりと間抜けな感じだって自覚があるもん。
「くるる(投擲の練習?)」
僕の習慣を初めて見たペタが、首を傾げて聞いてくる。
それになんと答えればいいものやら。この動きで病気を治せるって意味分かんないもんねー。実際、今は動きを真似てるだけだし。
「……違うよ」
とりあえずそう答えて、ノルマとして自分に課している一連の動き十回をこなした。
今日もスキルはゲットできなかったよぉ……。
ちょっぴりしょんぼりしていたら、ふと視界の隅で通知アイコンが光っているのが見えた。
なんかお知らせかな? 色的に運営さんからの連絡だと思うんだけど──
「およ?」
通知を開いた途端、複数のタイトルが表示されて、首を傾げちゃった。
今日は随分とお知らせが多いね?
一個ずつ確認してみる。
――――――
『第三陣プレイヤーが参加開始しました!』
諸事情で遅くなっていましたが、ようやく本日より第三陣プレイヤーが参加することになりました。
新規サーバーが三十増えると同時に、既存サーバーにも希望者を割り振っています。
ぜひ新人さんと仲良くしてくださいね!
また、第三陣プレイヤー参加を祝い、全プレイヤーの取得経験値二倍キャンペーンを実施します。開催期間は二週間です。
この機会にレベル上げに励んでくださいませ。
――――――
「おお! やっと第三陣が参加するんだ?」
もうすぐ、と言われてからだいぶ間があいたけど、運営側になにか問題があったのかな。ともかく、無事第三陣が参加できるようになってよかった!
新しいお友だちができるといいなー♪ 新たに希少種を選んだ人いるかな?
取得経験値二倍キャンペーンも嬉しい!
ちょうど進化を目指してレベリングに励もうと思ってたし、ダンジョンに挑む予定だったからね。いい感じにレベリングできそう。
ニコニコしながら次のお知らせを開く。
――――――
『シーズンイベント【海のモンスター襲来!】が開始しました』
夏と言えば海!
ということで、夏のシーズンイベント【海のモンスター襲来!】が始まります。
開催期間は一ヶ月です。
海や浜辺などのバトルフィールドで水属性モンスターが活発に行動しています。
襲ってくるモンスターを倒すと、シーズンアイテム【白き貝殻】と【虹色の貝殻】をドロップします。
シーズンアイテムを集めて、豪華景品と交換しましょう!
――――――
「シーズンアイテム? 夏イベントってことかー。今回はしっかりバトルする必要がありそうだなぁ。海中窟ダンジョンに挑むし、ちょうどいいのかも?」
果たして、ダンジョンモンスターもシーズンアイテムをドロップしてくれるのか……わからないけど、期待しておこう!
ルトは海獣の卵からモンスターが孵って可愛がってるみたいだし、テイマーになるためにサブリングを欲しがるかも。
僕もテイマー仲間を増やしたいし、協力しようっと。
他のお知らせがバグ修正などなのを確認して、通知を閉じる。
そろそろダンジョンに挑むメンバーを決めないとね!
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