もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

476.思わぬ疑惑…!

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 トアさんが「アタイはクリアできるアイテムをほとんど持ってなかったのよね」と言う。

 僕は「ゲームを始めてからまだあんまり時間が経ってないし、所持アイテム数が少ないのはしかたないよ」と応じながら、アイテムボックスからポイポイとアイテムを取り出した。

 ここで納品するものは、一覧に載っている中でも、あまり使用することが少ないアイテムに限定する。
 僕は自分で生産作業をするし、なくなったら困るアイテムも多いから。

 ほとんど不要物処理な感じになったけど、ナーグがキラキラと目を輝かせて喜んでるみたいだからいいでしょ。それなりにレアアイテムも出してるし。

 僕と同じく、ヤナも「あ、これは出せますねー。でも、料理に使えるアイテムなのかな?」と不思議そうにしながらアイテムを取り出していた。

「うぅ……僕は【虹鮫レイボーシャークの髭】しか渡せないです……」

 ぷる君がしょんぼりしながら不思議なアイテムを出す。

「にゃにゃ!? 超レアアイテムにゃ! キミ、いい漁師であるにゃあ」

 ナーグが驚いた様子で耳をピンッと立て、虹鮫レイボーシャークの髭を凝視した。
 僕も聞き覚えがないアイテムが気になって鑑定してみると、レア度☆5のアイテムだとわかった。ぷる君、すごーい!

 ……でも、鮫って髭があるんだ? って首を傾げちゃったよ。どんなモンスターなんだろう?

「えへへっ、そうですか? たまたま見つけて、死闘の末にゲットしたんですよー」

 ぷる君が嬉しそうに説明する。
 死闘……文字通り死ぬ覚悟をしながら戦ってゲットしたってことだろうなぁ。そのアイテムをあっさり渡すなんて、ぷる君は優しいね。

「それは凄いのであるにゃ──にゃにゃっ、こっちは【闇外套アークマントのモヤ】じゃないかにゃ!?」
「そうっす。黒いモヤがキューブ状の寒天みたいになってるっていう、ちょっと意味わかんないアイテム!」

 ヤナが出したアイテムも、ナーグが喜ぶものだったらしい。

 それにしても、不思議なアイテムがあるものだね。僕ももっとモンスターと戦って、積極的に素材を集めてみた方がいいかなぁ。
 錬金術士としても、料理人としても、素材は必須だしね。

「にゃにゃ、こ、これは──天兎アンジュラパの綿毛! 滅多に見つからない素材であるにゃ!」
「うん、僕が毛づくろいして取ったやつね」

 一番気軽に手に入るアイテムに大げさな反応をされて、ちょっとしょんぼりとしちゃった。
 もうちょっと苦労して手に入れたアイテムも出したから、そっちを褒めてほしかったなぁ。

 まあ、綿毛も、生産作業で使うけど、ナーグがどんな反応をするか気になって出したものだから、ちゃんと驚いてもらえて嬉しいんだけどね。

「たくさんアイテムをくれてありがとにゃー♪ お礼をするにゃ!」

 僕たちがアイテムを出す手を止めたところで、ニコニコと笑ったナーグが壁際の棚に駆け寄っていく。そして、そこから取り出した満腹度回復アイテムを僕たちにポイポイと渡してきた。

 心ばかり、と言っていただけあって、そのお礼は金額的には大したものではなさそう。
 でも、ナーグが作ったものが美味しいことは知ってるから、すっごく嬉しい!
 スラリンたちにも食べさせてあげよう♪

〈シークレットミッション【長靴猫ナガグツニャンコのお悩みを解決しよう】を三十回クリアしました。十回特別報酬【錬金料理包丁】、二十回特別報酬【錬金料理平鍋】、三十回特別報酬【錬金料理深鍋】が贈られます〉

 ふあっ!?
 なんかもらったー!

 驚きのあまりポカンとしながらアナウンスを聞き終えて、報酬を確認する。

——————
【錬金料理包丁】レア度☆☆☆☆☆
 非常に優秀な錬金術士によって作られた料理用包丁
 使用すると、作製される料理の質が上がりやすくなる

【錬金料理平鍋】レア度☆☆☆☆☆
 非常に優秀な錬金術士によって作られた料理用平鍋(フライパン)
 使用すると、料理スキル【焼く】の調理時間が半分になり、作製される料理の質が上がりやすくなる

【錬金料理深鍋】レア度☆☆☆☆☆
 非常に優秀な錬金術士によって作られた料理用深鍋
 使用すると、料理スキル【煮る】の調理時間が半分になり、作製される料理の質が上がりやすくなる
——————

 追加の特別報酬が豪華すぎじゃない!?
 ナーグにあげたアイテムのほとんどが、レア度の低いものだったから、ちょっと申し訳なくなっちゃうよ。

 ……まあ、でも、ナーグからもらってるわけじゃないし、遠慮なく使わせてもらおう、と。
 質がよくなった料理がどんな味なのか、作るのが楽しみだなー♪

 ルンルンとしていると、ナーグと目が合った。
 何か言いたげな顔をしてる。

「どうしたのー?」
「にゃあ……キミたちは優秀な冒険者のようだから、追加でお願いしたいことがあるにゃあ」
「追加のお願い?」

 それはなんぞや?
 お願いされなくても、リストに載ってるアイテムは、これからできる限り納品しようとは思ってるけど。
 だって、追加報酬が最高だもん! 料理人なら、誰もが欲しがるよね~。次に何をもらえるかな。

「実は、我輩は猫生で一度は作ってみたいと思い続けてきた料理があるにゃ」
「猫生……人生の言い換えかな……?」

 関係ないところに引っかかりつつ、ナーグの話を聞く。

 ナーグ曰く、長靴猫ナガグツニャンコ族には幻のレシピというものが代々語り継がれているらしい。
 それは大変美味な料理らしいけど……作るためには、幻の食材が必須なのだとか。

「──ゆえに、キミたちには、その幻の食材をとってきてもらいたいのであるにゃあ」
「おー、壮大なミッションっぽいねぇ」

 ナーグのお願いを聞き終えて、僕はヤナたちと顔を見合わせた。
 どーしよっか?

 アリスちゃんはよくわかってない顔でニコニコしてて──あ、ほっぺたにクリームついてる。取ってあげるよー。

 僕がアリスちゃんとイチャイチャしてたら、ヤナがぷる君とコソコソ話した後、そっと黄色のカードを差し出してきた。

「モモさん、ロリコンにイエローカードです……」
「僕はロリコンじゃないよー!」

 プンプンと怒って抗議する僕に、ヤナとぷる君は心の底から不思議そうに「「えっ、違うんですか?」」と異口同音で呟いた。

 まさか、冗談じゃなく、本気でロリコンだと思われていたの……!?

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