もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

480.大会に向けて準備!

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 タマモにグルメ大会での投票についてのお願いをチャットで連絡したら、すぐさま『周知しておきます!』と返事があった。
 やっぱりタマモはこういうところでは頼りになるよねー。

 ルンルンとしながら農地に向かい、収穫作業をパパッと終わらせる。
 ここで採れる食材を使ってメニューを考えたいなぁ。モンスター素材だと数を集めるのが大変だし、それは最小限にしたい。

 メニューを考えるのは時間がかかりそうだし、それは後回しにして、グルメ大会に向けた次の準備にとりかかる。
 必要なのはグルメ大会用の屋台。
 これは、普通のカウンターじゃなくて、専用のものを設置しておく必要があるらしい。

「うーん、一から作るか、それとも持ってる屋台を改装するか……」

 悩みながら、アイテムボックスから屋台を取り出して眺める。
 僕が商売を始めた当初にお世話になった屋台で、うさ耳付きのデザインにこだわったし愛着がある。
 グルメ大会以外でまた使うかもしれないし、これを改装してから戻すと考えると、ちょっぴり躊躇っちゃう。

「──やっぱり、一から作るかな」

 屋台を仕舞う。またいつか活躍してもらうからねー。
 ということで、イベント用の屋台作りに取り掛かろう。

 屋台を作るには大工さんに頼む必要がある。
 これが結構お金がかかるのだ。一応、イベント用屋台は普通の屋台より安めに作ってくれるらしいけど、デザインにこだわったら結局高価になる。

「可愛さには手を抜きたくないし……お金はあるけど……」

 むむ、と悩んでから、ふとタマモがもふもふ愛ランドに作った巨大な展望台を思い出した。
 あれはウサギの耳を模してて可愛いかったな。
 そういうのを作れるってことは、がんばれば屋台も自力で作れるんじゃないかな?

「目指せ、大工さん?」

 パチパチと目を瞬かせながら呟く。
 大工なウサギさんって可愛いのでは? みんなのお役に立てるようになるかもだし? なかなかいい考えな気がする!

「よーし、そうとなったら、屋台を作る方法を調べなきゃ」

 とりあえずタマモに連絡。
 先輩大工さんだからね。

——————
モモ:
 イベント用の屋台を自分で作りたいんだけど、作り方教えてー

タマモ:
 え、作るんですか!? さすがモモさん! こだわりがありますねー
 自分で建築作業をするなら特殊な木材が必要ですよ
 もふもふ愛ランドで採取できるので、まずは【伐採】スキル獲得を目指しましょう!
 伐採に必要なのは【斧】です
 あ、もちろん、私が確保している木材をお渡ししてもいいんですが……モモさんなら、自分でしたいですよね?
——————

 即座に返ってきた連絡を読みながらフンフンと頷き、最後の問いに『うん! 伐採から自分でやってみるね!』と返事をした。
 どうせ作るなら、一から自力でやった方が楽しそうだからね。

 それにしても、もふもふ愛ランドでは特殊な木材を採取できるのかぁ。
 意外とあの島ではレア素材が入手できるのかな?
 木を伐採するついでに、アイテム探しもしてみようっと。

「まずは斧だね」

 普通は鍛冶士とかに頼むのかもしれないけど、僕には錬金術があるから、これも自力で作れるはず。
 ということで、錬金玉と錬金布を取り出してレシピ検索をしてみる。

「斧~斧~……あなたが落としたのは金の斧~銀の斧~それとも桃色の斧かな~」

 有名なフレーズをアレンジして、歌うように呟きながらレシピを眺めた。
 斧という名前がつくアイテムは無数にある。多すぎじゃない?

 普通の【鉄の斧】とか【銀の斧】とかはともかく、【不思議な斧(?)】って名前のアイテムは、もはや斧なのかも疑わしい。
 説明を読んでみても『木を切れる……かもしれない』って書いてあって、首を傾げたくなっちゃう。どっちなの。そこが一番重要でしょ!

 タマモからの『木材を用意した後は、建築作業の仕方をお教えしますので、またご連絡ください!』という連絡に『わかったー。ありがとう! またね』と返事をしてから、再びレシピを眺める。

 とりあえず、木材を採取できればいいんだから、ノーマルな斧でいいかなぁ。

「おや……? 桃の斧があるじゃん」

 気になるアイテム名を発見して、すぐさま詳細を確認してみた。
 全体的に桃色の斧だ。本物の桃っぽくピンクからアイボリーのグラデーションになってるのが面白い。
 これ、僕に似合いそう!

「斧を担いでる姿はちょっとダサいだろうなぁって思ってたけど、これならセーフ!」

 いついかなる時も、アイドルとして完璧な姿でいたいからね。持つアイテムの見た目にもこだわるよ。

 桃の斧は性能的には鉄の斧よりちょっといい程度で、使用可能回数は十回の使い捨て。
 一応、消耗品の使用可能回数を回復させるスキルは持ってるけど、それもクールタイムがあるし、斧自体をいくつか作っておいた方がよさそう。

「ルンルルルンルン♪」

 鼻歌を歌いながら果樹園にしている農地の一画に移動する。
 桃の斧を作るには桃の枝が必要らしい。これは、農地にたくさん植えている桃の枝を使えばよさそう。

「【採集】!」

 桃の枝にタッチしてスキルを発動。
 それを繰り返せば、あっという間にたくさんの桃の枝をゲットできた。

「錬金布に桃の枝と鉄を載せてー」

 必要な素材はこれだけ。
 パパッとセットして、「【錬金スタート】!」と唱えると、イラストで見た通りのアイテムを作製できた。

——————
【桃の斧】レア度☆☆ 品質:高
 桃の枝を使って作られた斧
 普通の斧より切れ味がよく、失敗しにくい
——————

 高い品質で作れたから、効果がちょっぴり上がってる。ラッキー。
 これを量産して──次は木の伐採に行くぞ~♪

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