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12章 美味しいもの大好き!
484.完成!
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建築タブレットを使って屋台の設計図を作成しました!
今回もウサギをモチーフにしてるけど、一番こだわったところは羽だよ。
「モモさん、見せてくださいよぉ」
「まだダメ~」
途中から設計図を見せるのをやめたせいで、タマモがすごく気になってるみたいだ。
でも、完成は見てのお楽しみにしたいから、まだ内緒。
しょんぼりとしてるタマモに、設計図が完成したことを告げて、次の作業を教えてもらった。
「……今回はイベント用の屋台なので、タブレット画面の端にある【特殊設備】をタッチしてみてください」
「おっけー。あ、なんかいろんなアイテムが出てきた」
指示された通りにタッチすると、見たことのないアイテムがたくさん表示された。
一番上に『今が旬!』という文字と共に、【グルメ大会用カウンター】というアイテムがイラスト付きで載っている。
このアイテムに『旬』って表現は合ってるのかな? 確かに今絶賛開催中のイベントに使用するアイテムだけども……
微妙な気分になりつつも、そのカウンターをタッチして選択する。
拡大されたイラストの横に、『五千リョウ』という値段の表示と『購入しますか?』のボタンが出てきた。
すぐさま購入したら、自動的に所持金から五千リョウが引かれる。購入したアイテムは、設計図の横にブロックと共に表示されていた。
「おお、いろいろ課金してデザインや機能を変えられそう」
「そうですね。でも、そこで選択できるものの多くはだいぶ高いので、デザインを変えるだけなら自力で設計した方がいいですよ。センスに自信がなければ、お金を出して買うのもありですけど」
「そうなんだねぇ」
タマモの解説にフンフンと頷きながら、購入したカウンターを設計した屋台に組み込む。
ピッタリだ。いい感じ~。
「完成!」
「では、最後に【建築開始】というボタンをタッチしてください」
建築タブレットの画面上にあるボタンをタッチ。
すると『【木材】✕95を消費して建築しますか? YES/NO』というポップが現れた。
「もちろんYES!」
ぺしっ、とタップしたら、作業台の上に載せていた建築シートが白い光を放ち始めた。
「──おお? なんか錬金術に似てるねぇ」
「そうですね」
タマモと二人で変化を見守る。
建築シート上に次々にブロックが現れたかと思うと、僕が作った設計図通りに積み重なり、次第に屋台の形になっていった。
屋台の屋根には羽のモチーフがあり、その周囲に小さなウサギのシルエットイラストが散りばめられている。実はスラリンたちのシルエットも隠してあるんだよ。みんな見つけてくれるかな?
カウンターがある下部にも同じようなイラストがあり、中央には『もふっとウサちゃん屋台』という文字。その文字の周囲は桃とお花のイラストで飾っている。
全体のカラーは、アイボリーとピンク色のツートーン。
ちょっと可愛い感じになりすぎちゃったかも? またルトとかに「男が使いにくい……」ってクレーム入れられちゃいそう。
まあ、僕はこれで満足だから気にしない!
「いい感じー」
「はわわ……かわゆい! うさ耳屋台も素敵でしたけど、羽のモチーフもいいですねぇ。あ、ラッタンのシルエット発見!」
タマモは早速屋根に描かれているシルエットの中からラッタンのものを発見したらしい。
おめでとー。ご褒美はないけど。
「可愛い! さすがモモさん!」
「センス抜群! 天使ちゃんみたいな雰囲気が最高!」
「天に羽ばたいていっちゃいそうですねぇ」
作業しながら僕を観察していたみんなからもお褒めの言葉をもらった。嬉しいなぁ。
こうして屋台が完成したら、グルメ大会をもっとがんばろう、ってやる気が湧く。次はメニューを考えなきゃ。
「一回収納して……また出す」
アイテムボックスに入れてから、床に置き直す。
店主側──カウンターの裏──には、僕が立てるように台を作ってあるから、飛ばなくてもお客さんと顔を合わせられるんだよ。
その台の上に立って、カウンターの仕組みを確認。
グルメ大会用のカウンターは、最大二種類のメニューを各千個まで置けるようだ。普通のカウンターより種類が少なくなってる分、一度に置ける数が増えてるみたいだね。
千個の料理を用意するのは大変そうだなぁ、と思いながら屋台を再び収納する。
「タマモ、教えてくれてありがとう! おかげでいい屋台を作れたよ」
「いえいえ、モモさんのお役に立てて光栄です」
ニコニコと微笑むタマモが、「あ、そうだ」と言葉を続けた。
「──ミュージックビデオがもうすぐ完成しそうなのですが、今週末辺りに配信を開始する感じでいいですか? リアルとゲーム内の両方の動画配信システムにアップするつもりなんですけど」
「いいよー。仕上がりは、そっちで確認するね」
「事前にお知らせしなくていいんですか?」
「うん。タマモのセンスを信頼してるから」
楽しみだなー、と思いながら僕が答えたら、タマモが感動した様子で「モモさんからの信頼……! これは期待を上回るものにしないと!」と呟き、気合いを入れている。
これから、また動画編集に取り掛かる感じかな。いい出来になるまで、よろしくお願いしまーす。
「できたー!」
マルの声が聞こえた。
ずっと真剣な顔で作業していて、ようやく完成したらしい。
作業台の上には真新しい屋台が……あれ? これ、屋台……?
「猫が座ってる姿にしか見えないよ……?」
巨大な白猫がおすわりしていて、その胴体部分に屋台のカウンターとかがある感じ。
屋台と言うより、大きなオブジェにお店が付属してる感じ。だいぶ独特。
「僕のセンス、結構普通だったかもしれない……」
屋台という概念をぶち壊すマルに、ちょっと悔しくなっちゃった。
巨大なウサちゃんの形のお店でもよかったかなー?
……いや、ルトにほっぺた引っ張られそうだから、やらなくて正解だ。
今回もウサギをモチーフにしてるけど、一番こだわったところは羽だよ。
「モモさん、見せてくださいよぉ」
「まだダメ~」
途中から設計図を見せるのをやめたせいで、タマモがすごく気になってるみたいだ。
でも、完成は見てのお楽しみにしたいから、まだ内緒。
しょんぼりとしてるタマモに、設計図が完成したことを告げて、次の作業を教えてもらった。
「……今回はイベント用の屋台なので、タブレット画面の端にある【特殊設備】をタッチしてみてください」
「おっけー。あ、なんかいろんなアイテムが出てきた」
指示された通りにタッチすると、見たことのないアイテムがたくさん表示された。
一番上に『今が旬!』という文字と共に、【グルメ大会用カウンター】というアイテムがイラスト付きで載っている。
このアイテムに『旬』って表現は合ってるのかな? 確かに今絶賛開催中のイベントに使用するアイテムだけども……
微妙な気分になりつつも、そのカウンターをタッチして選択する。
拡大されたイラストの横に、『五千リョウ』という値段の表示と『購入しますか?』のボタンが出てきた。
すぐさま購入したら、自動的に所持金から五千リョウが引かれる。購入したアイテムは、設計図の横にブロックと共に表示されていた。
「おお、いろいろ課金してデザインや機能を変えられそう」
「そうですね。でも、そこで選択できるものの多くはだいぶ高いので、デザインを変えるだけなら自力で設計した方がいいですよ。センスに自信がなければ、お金を出して買うのもありですけど」
「そうなんだねぇ」
タマモの解説にフンフンと頷きながら、購入したカウンターを設計した屋台に組み込む。
ピッタリだ。いい感じ~。
「完成!」
「では、最後に【建築開始】というボタンをタッチしてください」
建築タブレットの画面上にあるボタンをタッチ。
すると『【木材】✕95を消費して建築しますか? YES/NO』というポップが現れた。
「もちろんYES!」
ぺしっ、とタップしたら、作業台の上に載せていた建築シートが白い光を放ち始めた。
「──おお? なんか錬金術に似てるねぇ」
「そうですね」
タマモと二人で変化を見守る。
建築シート上に次々にブロックが現れたかと思うと、僕が作った設計図通りに積み重なり、次第に屋台の形になっていった。
屋台の屋根には羽のモチーフがあり、その周囲に小さなウサギのシルエットイラストが散りばめられている。実はスラリンたちのシルエットも隠してあるんだよ。みんな見つけてくれるかな?
カウンターがある下部にも同じようなイラストがあり、中央には『もふっとウサちゃん屋台』という文字。その文字の周囲は桃とお花のイラストで飾っている。
全体のカラーは、アイボリーとピンク色のツートーン。
ちょっと可愛い感じになりすぎちゃったかも? またルトとかに「男が使いにくい……」ってクレーム入れられちゃいそう。
まあ、僕はこれで満足だから気にしない!
「いい感じー」
「はわわ……かわゆい! うさ耳屋台も素敵でしたけど、羽のモチーフもいいですねぇ。あ、ラッタンのシルエット発見!」
タマモは早速屋根に描かれているシルエットの中からラッタンのものを発見したらしい。
おめでとー。ご褒美はないけど。
「可愛い! さすがモモさん!」
「センス抜群! 天使ちゃんみたいな雰囲気が最高!」
「天に羽ばたいていっちゃいそうですねぇ」
作業しながら僕を観察していたみんなからもお褒めの言葉をもらった。嬉しいなぁ。
こうして屋台が完成したら、グルメ大会をもっとがんばろう、ってやる気が湧く。次はメニューを考えなきゃ。
「一回収納して……また出す」
アイテムボックスに入れてから、床に置き直す。
店主側──カウンターの裏──には、僕が立てるように台を作ってあるから、飛ばなくてもお客さんと顔を合わせられるんだよ。
その台の上に立って、カウンターの仕組みを確認。
グルメ大会用のカウンターは、最大二種類のメニューを各千個まで置けるようだ。普通のカウンターより種類が少なくなってる分、一度に置ける数が増えてるみたいだね。
千個の料理を用意するのは大変そうだなぁ、と思いながら屋台を再び収納する。
「タマモ、教えてくれてありがとう! おかげでいい屋台を作れたよ」
「いえいえ、モモさんのお役に立てて光栄です」
ニコニコと微笑むタマモが、「あ、そうだ」と言葉を続けた。
「──ミュージックビデオがもうすぐ完成しそうなのですが、今週末辺りに配信を開始する感じでいいですか? リアルとゲーム内の両方の動画配信システムにアップするつもりなんですけど」
「いいよー。仕上がりは、そっちで確認するね」
「事前にお知らせしなくていいんですか?」
「うん。タマモのセンスを信頼してるから」
楽しみだなー、と思いながら僕が答えたら、タマモが感動した様子で「モモさんからの信頼……! これは期待を上回るものにしないと!」と呟き、気合いを入れている。
これから、また動画編集に取り掛かる感じかな。いい出来になるまで、よろしくお願いしまーす。
「できたー!」
マルの声が聞こえた。
ずっと真剣な顔で作業していて、ようやく完成したらしい。
作業台の上には真新しい屋台が……あれ? これ、屋台……?
「猫が座ってる姿にしか見えないよ……?」
巨大な白猫がおすわりしていて、その胴体部分に屋台のカウンターとかがある感じ。
屋台と言うより、大きなオブジェにお店が付属してる感じ。だいぶ独特。
「僕のセンス、結構普通だったかもしれない……」
屋台という概念をぶち壊すマルに、ちょっと悔しくなっちゃった。
巨大なウサちゃんの形のお店でもよかったかなー?
……いや、ルトにほっぺた引っ張られそうだから、やらなくて正解だ。
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