もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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3章 商人への道?

95.もふふわサクッとね

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 リリとルトに手伝ってもらって、素材いっぱい。商品をたくさん作って、次回の営業に備えるぞ~。

「羊毛で作れるのは……おっ、ぬいぐるみっぽいものあるじゃん!」

 錬金玉でレシピ検索したら、目を引くものがあった。なになに――?

「【夢見る羊】? 死に戻りによりステータス半減した際に、これを持ってログアウトすると、三十分でステータスが回復する――すごいじゃん!」

 これって、治療院みたいな効果ってことだよね。アイテムでも対応できるなら、この方が便利なんじゃないかな。三十分ログアウトするのは、休憩としてちょうどいいし。

「これは作るしかないね。他に必要な素材は【木魔石】と……【ライフ花】? 知らないアイテム……」

 今は作れないみたい。
 とりあえず、ライフ花を調べるために掲示板で検索してみる。誰かみつけてないかなぁ。

「あ、ヒットした」

 スレタイは【アイテム】みつけた素材情報を共有しましょう【収集】だ。
 これによると、ライフ花は北の森林奥でまれにみつかるらしい。

 錬金術以外にも調薬で【ライフ薬】を作れるんだって。体力0になったパーティメンバーに使うと、全回復させる効果があるみたい。すごくない!? 蘇生薬ってことだよね。

「これは、みつけるの難しそうだ……」

 レア度が高いアイテムは、基本的に入手が大変なんだよねぇ。
 別のアイテム作るか。レシピ検索……――あ、僕の綿毛と一緒に検索したら、新しいレシピ出てこないかな?

 ふと思いついて、錬金布に綿毛を足してみる。

「お! 出てきた! っていうか、でもこれ、綿毛単品と同じのような?」

 ぬいぐるみ大中小など、見覚えがあるものがズラリと並ぶ。なにが変わったのかな、と念入りに調べて気付いた。必要な素材の数が違う。

 カミラにあげたぬいぐるみ(大)は綿毛が10個も必要だったけど、今回は羊毛×7、綿毛×3になってる。ということは、綿毛を節約できる!

 せっせと毛繕いはしてるんだけど、なかなか溜まらないんだよね。羊毛の方が集めやすい。東の牧草地にたくさんいる夢羊ドリームトンからドロップするから。

「ブローチとかは元々綿毛一個だったから、変更なしかぁ」

 とりあえずぬいぐるみを作ってみよう。
 錬金布に羊毛を7個と綿毛を3個のせる。僕の錬金布にのせられるのは、三種類までだけど同一種なら結構たくさん積み増しできるのが助かる。最大いくつまでなのかわからないけど。

「錬金スタート! ……錬金術もレベル上げしたいなぁ」

 呟きながら完成品を眺める。
 僕をデフォルメした感じのぬいぐるみ。触り心地はカミラにあげたのとそっくり……いや、弾力がちょっと増してるかな?
 全部ラビットファーでできてるのとはやっぱり違うけど、これくらいの硬さの方が僕は好みかも!

「可愛い」

 ぬいぐるみのお腹をぽんぽんと叩く。僕より大きいうさぎのぬいぐるみ。ベッドにもできそう? 安定感ないけど。

 テーブルの上に寝かせて、飛び乗ってみる。なかなか良い感じ。ぎゅーっと抱きしめたら、なんだか安心感が……――。

「――はっ、うっかり寝ちゃうところだった!」

 飛び起きて、ぷるぷると頭を振る。このぬいぐるみ、危険だぞ!

「あ、でも、子ども向けにはいいかも?」

 イザベラちゃん、ずっと僕のこと抱っこしてたし、こういうぬいぐるみも好きそうだよね。プレゼントしちゃおう! 寂しさも紛らわせられるんじゃないかな?

「そういえば、ぬいぐるみはどんな効果があるんだろう?」

 僕の全鑑定スキルで見ても、特別な効果はわからない。シシリーに見てもらおうっと。
 そうとなれば、商品を量産して会いに行かないとね。

「ぬいぐるみを量産するのは難しいかなぁ」

 うさぎモチーフアイテムは補充してもすぐ品切れになっちゃう。需要に供給が追いついてないんだよね。やっぱり暫くは、綿毛1個で作れるアイテムを作るべきだな。

「ブローチとピアス量産だ~」

 綿毛の数的に、それぞれ十五個ずつしか作れないけど。
 最近、街中で付けている人を見かける。僕のファンなのかなぁって嬉しくなっちゃうんだよね。単に、効果を求めてるだけかもしれないけど。

「よし、うさぎモチーフアイテムはこれで終わり! 後は、麻痺薬を増産して――」

 効果があるらしいので、たくさん作って売っちゃおう。
 麻痺薬の他にも様々な商品を作った後、料理に移る。やっとパンを作れるぞー!

「パロさんのレシピ通りに作るべし!」

 じゃじゃーん、と取り出したレシピを見ながら作業する。パンって作るの大変なんだねぇ。
 材料混ぜて、発酵させて、成形して、焼く!

「――良い匂い!」

 パンってどうしてこんなに美味しそうな匂いなんだろう。お腹が空いちゃうよ。というわけで早速食べてみる。

「うまっ! もちもちふわふわ! バターの香りがいいねぇ。さすが青乳牛サファカウのミルク」

 高級品は伊達じゃない。満足です。
 でも、商品にするなら、もうちょっと工夫をしたいよね。丸パンだけって購買意欲をそそらない気がする。

「惣菜系と甘い系で作ろう。惣菜系は、たまごフィリングとかソーセージとか……」

 レシピ登録した丸パンを量産してから、中に挟むものを作る。
 たまごフィリングは緑玉鶏エメコックの卵で作ったよ。味が濃くてうまうま。ソーセージは市販品。燻製のスキルがあるから、いつか材料を揃えて自作に挑戦してみたいなぁ。

 甘い系は、フルーツサンドかな。果物いっぱいあるし。ホイップクリームはクリームチーズを混ぜて一工夫。果物の甘さを引き立てる感じにしてみた。僕って天才では? 自画自賛です。

「やっぱりうさぎモチーフは必須だよね!」

 型抜きでりんごをうさぎ型にして、それぞれにのせる。かわいい!

「あ、パイも作れそうだし、挑戦してみよう」

 材料をボウルに入れて混ぜたり伸ばしたり——と繰り返したら、具材を包んで焼いて完成。りんごのコンポートを入れて、アップルパイにしてみた。シナモンないけど。

「――サクッと、ふわっと、そしてじゅわ……」

 一口食べた瞬間に至福の味わいが広がる。うまうま。これは売れるぞ……! 量産だー!

 そんな感じでアイテムを作り続けてたら、いつの間にか、窓から日差しが入ってきてた。
 僕が作業を始めたのは夕方頃だったんだけど、朝になっちゃったみたい。

「商品補充しに行かなきゃ!」

 そろそろ開店時間なはず。
 急いで荷物をまとめてホームを飛び出す。

 今日は久しぶりに店番もしようかなー。そろそろ第二回写真撮影回の計画も煮詰めないといけないし。タマモに連絡をとってみよう。

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