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4章 錬金術士だよ?
126.レベリングに出発だー
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色々とアイテムを作成していたら、錬金術士としてのレベルとスキルレベルが上がった。やったね!
「おい、モモ、そろそろ行くぞ」
「はーい! 準備万端だよ」
工房に呼びに来たルトに返事をして、椅子からぴょんと飛びおりる。
作ったアイテムは全部アイテムボックスに収納――しようとして、衝撃的なことに気づいてしまった。たくさんの種類を作りすぎて、アイテムボックスに入りきらない!
「――がびーん……」
「なに古典的な落ち込み方してんだよ」
呆れた顔で近づいてきたルトの背後に、不思議そうな表情のリリも見えた。
斯々然々と説明してみる。アイテムの取捨選択が難しいんだよ。どれも必要を感じて作ったし、今後のことも見据えて試してみようって用意したんだから。
「それなら私たちも分担して持っていけばいいんじゃない?」
「だな。説明聞いたら、結構バトルで役立ちそうだし」
「え、リリとルトはアイテムボックスに余裕あるの?」
あっさりと提案されたから首を傾げちゃう。アイテムボックスって、わりと容量小さめだった気がするんだけど。
「私たちはアイテムボックスに課金して、現時点での最大容量になってるから」
「つーか、初期容量のままのやつの方が珍しいぜ」
「そうなの!?」
思わずポカーンと口を開けちゃった。
そっか、みんなアイテムボックスに課金してるんだ……。僕も必要になれば課金しよう、って思ってはいたんだけど、これまで容量についてあんまり困ったことなかったし、忘れてたんだよね。
「――次ログアウトした時、課金しておく」
「ま、小遣いに余裕あんなら、してもいいんじゃね? 今後ずっと役立つし」
ルトに言われて頷いておく。
大丈夫。それくらいの課金ができる程度のお小遣いはあるよ。
とりあえず今は、リリとルトの厚意に甘えて、アイテムを分担して持ってもらった。
空腹度回復系アイテムは食料ボックスを使って、アイテムボックスの一枠におさめられるのがありがたい。
「それじゃ、行きましょ。北でいいよね?」
「いいだろ」
「えっ……僕、行ったことないよ?」
いきなり初見のバトルフィールドに行くのかぁ。レベリング目的なのに?
ちょっと戸惑ったけど、リリとルトはもう慣れたバトルフィールドだから大丈夫って言うし、信じることにした。
僕は防御力が高いし、回復力もあるから問題ないでしょ、っていう楽観的な考えがあることは自覚してる。
いざとなればピアを召喚して、意地でも死に戻りを回避するんだ。たくさんのアイテムを持ってるから、失くしたくないもん。
◇◆◇
「さて、やって来ました、北の森林~」
「なんでナレーション入れてんだ?」
ルトに不思議そうに言われた。僕のこれは気にしないでほしい。気持ちの切り替えと、テンションを上げるためにやってるだけだから。
「んー、気分」
「適当な返事だな」
呆れてるルトの横でリリがクスクスと笑ってる。
そんな二人の反応を横目で確認しつつ、バトルフィールドを眺めた。
鬱蒼とした森林だ。南の密林より背の高い木が多い。針葉樹かな。あと、ちょっと気温が低めかも。南はじめじめとしてたけど、北は重い空気で静まってる感じ。北国っぽい?
僕の農地は北区にあるけど、北の森林に続く門をくぐったのは初めてだ。高い壁の外って、こんな感じになってたんだなぁ。
「結構プレイヤーが多いね?」
まだ森に入ってないのに、すでにたくさんのプレイヤーの姿が見えた。みんなモンスターを探してうろついてるみたい。
「この辺にいるのは、あんまり実力がない連中だろうな。ダメージ負っても、死に戻りする前に街中に戻れるし。モンスターはそれなりに強くて、経験値をたくさんもらえる。レベリングするには最適だ」
「あ、そういうこと。みんなよく考えるんだねぇ」
よく観察したら、近場でうろついてるプレイヤーは、ソロか少人数パーティーが多いことに気づいた。最前線には行けないくらいの実力ってことだろうな。
「私たちはもっと奥に行くよー」
「えっ……僕、あんまり実力ないよ?」
この辺をうろついてる人たちとさほど変わらないと思うんだけど。奥まで行ったら危ないんじゃないかなぁ。
ちょっと及び腰で言ったら、ルトに呆れた顔をされた。ついでに頭を叩かれそうになったので、慌てて避ける。
「お前は素のステータスが高ぇし、アイテムのこと考えたら十分戦えるだろ。ギリギリのやつらの敵を奪うんじゃねぇよ」
「……そういうものなんだ?」
僕の知らないバトルの流儀があるらしい。強い人が弱いモンスターを狩り尽くすんじゃないぞ、みたいな。
もしかして、ヤナやムギたちとはじまりの街周辺のモンスターを討伐したのはダメだったかな?
「初心者のレベリングに付き合うのは問題ないよ。特定のドロップアイテムを狙って、弱い敵を狩りに行くのも。むやみやたらに弱いところでばかり戦うなってこと」
リリが説明を追加してくれて納得。他のプレイヤーにも配慮しながら遊びましょうね、ってことだね。
「りょうかーい。じゃあ、もうちょっと奥に行こっか。二人がフォローしてくれるなら大丈夫だよね」
「お前が用意したアイテムを考えたら、たいしてフォローも必要なさそうだけどな」
「私もそう思うー」
リリがルトにすかさず同意したけど、僕は首を傾げる。
そんなに効果的なアイテムを作ったつもりはないよ? 今作れる最大限の効果を持つアイテムだとは思うけど。
「お前は、店の買い取り機能とファンの高いバトルセンスのおかげで、普通じゃありえないくらいたくさんの、レアな錬金術素材に恵まれてることに気づいた方がいい」
ルトに半眼で睨まれた。
え、そんなにとんでもない素材があったの? とりあえず、レア指定されてる素材を、色々と買い取り品に設定してただけなんだけど……。
「おい、モモ、そろそろ行くぞ」
「はーい! 準備万端だよ」
工房に呼びに来たルトに返事をして、椅子からぴょんと飛びおりる。
作ったアイテムは全部アイテムボックスに収納――しようとして、衝撃的なことに気づいてしまった。たくさんの種類を作りすぎて、アイテムボックスに入りきらない!
「――がびーん……」
「なに古典的な落ち込み方してんだよ」
呆れた顔で近づいてきたルトの背後に、不思議そうな表情のリリも見えた。
斯々然々と説明してみる。アイテムの取捨選択が難しいんだよ。どれも必要を感じて作ったし、今後のことも見据えて試してみようって用意したんだから。
「それなら私たちも分担して持っていけばいいんじゃない?」
「だな。説明聞いたら、結構バトルで役立ちそうだし」
「え、リリとルトはアイテムボックスに余裕あるの?」
あっさりと提案されたから首を傾げちゃう。アイテムボックスって、わりと容量小さめだった気がするんだけど。
「私たちはアイテムボックスに課金して、現時点での最大容量になってるから」
「つーか、初期容量のままのやつの方が珍しいぜ」
「そうなの!?」
思わずポカーンと口を開けちゃった。
そっか、みんなアイテムボックスに課金してるんだ……。僕も必要になれば課金しよう、って思ってはいたんだけど、これまで容量についてあんまり困ったことなかったし、忘れてたんだよね。
「――次ログアウトした時、課金しておく」
「ま、小遣いに余裕あんなら、してもいいんじゃね? 今後ずっと役立つし」
ルトに言われて頷いておく。
大丈夫。それくらいの課金ができる程度のお小遣いはあるよ。
とりあえず今は、リリとルトの厚意に甘えて、アイテムを分担して持ってもらった。
空腹度回復系アイテムは食料ボックスを使って、アイテムボックスの一枠におさめられるのがありがたい。
「それじゃ、行きましょ。北でいいよね?」
「いいだろ」
「えっ……僕、行ったことないよ?」
いきなり初見のバトルフィールドに行くのかぁ。レベリング目的なのに?
ちょっと戸惑ったけど、リリとルトはもう慣れたバトルフィールドだから大丈夫って言うし、信じることにした。
僕は防御力が高いし、回復力もあるから問題ないでしょ、っていう楽観的な考えがあることは自覚してる。
いざとなればピアを召喚して、意地でも死に戻りを回避するんだ。たくさんのアイテムを持ってるから、失くしたくないもん。
◇◆◇
「さて、やって来ました、北の森林~」
「なんでナレーション入れてんだ?」
ルトに不思議そうに言われた。僕のこれは気にしないでほしい。気持ちの切り替えと、テンションを上げるためにやってるだけだから。
「んー、気分」
「適当な返事だな」
呆れてるルトの横でリリがクスクスと笑ってる。
そんな二人の反応を横目で確認しつつ、バトルフィールドを眺めた。
鬱蒼とした森林だ。南の密林より背の高い木が多い。針葉樹かな。あと、ちょっと気温が低めかも。南はじめじめとしてたけど、北は重い空気で静まってる感じ。北国っぽい?
僕の農地は北区にあるけど、北の森林に続く門をくぐったのは初めてだ。高い壁の外って、こんな感じになってたんだなぁ。
「結構プレイヤーが多いね?」
まだ森に入ってないのに、すでにたくさんのプレイヤーの姿が見えた。みんなモンスターを探してうろついてるみたい。
「この辺にいるのは、あんまり実力がない連中だろうな。ダメージ負っても、死に戻りする前に街中に戻れるし。モンスターはそれなりに強くて、経験値をたくさんもらえる。レベリングするには最適だ」
「あ、そういうこと。みんなよく考えるんだねぇ」
よく観察したら、近場でうろついてるプレイヤーは、ソロか少人数パーティーが多いことに気づいた。最前線には行けないくらいの実力ってことだろうな。
「私たちはもっと奥に行くよー」
「えっ……僕、あんまり実力ないよ?」
この辺をうろついてる人たちとさほど変わらないと思うんだけど。奥まで行ったら危ないんじゃないかなぁ。
ちょっと及び腰で言ったら、ルトに呆れた顔をされた。ついでに頭を叩かれそうになったので、慌てて避ける。
「お前は素のステータスが高ぇし、アイテムのこと考えたら十分戦えるだろ。ギリギリのやつらの敵を奪うんじゃねぇよ」
「……そういうものなんだ?」
僕の知らないバトルの流儀があるらしい。強い人が弱いモンスターを狩り尽くすんじゃないぞ、みたいな。
もしかして、ヤナやムギたちとはじまりの街周辺のモンスターを討伐したのはダメだったかな?
「初心者のレベリングに付き合うのは問題ないよ。特定のドロップアイテムを狙って、弱い敵を狩りに行くのも。むやみやたらに弱いところでばかり戦うなってこと」
リリが説明を追加してくれて納得。他のプレイヤーにも配慮しながら遊びましょうね、ってことだね。
「りょうかーい。じゃあ、もうちょっと奥に行こっか。二人がフォローしてくれるなら大丈夫だよね」
「お前が用意したアイテムを考えたら、たいしてフォローも必要なさそうだけどな」
「私もそう思うー」
リリがルトにすかさず同意したけど、僕は首を傾げる。
そんなに効果的なアイテムを作ったつもりはないよ? 今作れる最大限の効果を持つアイテムだとは思うけど。
「お前は、店の買い取り機能とファンの高いバトルセンスのおかげで、普通じゃありえないくらいたくさんの、レアな錬金術素材に恵まれてることに気づいた方がいい」
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