もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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4章 錬金術士だよ?

125.強いって思われたい

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 ルトたちとレベリングの予定を立てた翌日。
 早めにログインして、アイテム作りをすることにした。といっても、どんなアイテムがあるといいのかな?

「とりあえず、バトル用のアイテムとか、回復薬とか?」

 素材はたくさんある。お店の買い取りシステムで、色々と募集しておいたから。すぐにそれにこたえて、たくさんの素材を入れてくれる人たちに感謝です。

「僕は攻撃系のスキルが少ないし、それを補うアイテムを――」

 レシピを検索してて思い出した。スキルと言えば、報酬でもらったスキルリストがまだ二つ残ってるな、って。

 スキルリストは、リストに載ってるスキルを一つ入手できるっていうアイテム。
 もらった時に一つは詠唱破棄スキルを入手するために使ったんだけど、その後、存在を忘れてた。

 僕って、貴重なものは大事にするあまりにしまい込んじゃうタイプなんだよね。たぶん。

「……使っちゃう?」

 攻撃系のスキルは持ってて損がないはず。早めに入手して、育てていくのが良いと思う。自力で入手できるスキルだったら、スキルリストを使うのはもったいなく感じちゃうんだけど。

 とりあえずスキルリストを確認してみることにした。
 魔力攻撃系じゃなくて、物理攻撃系のスキルも一つくらい持っててもいいかなぁ。黄金のブレスレットで、物理攻撃力も高くできるし。

「うーん……【乱れ蹴り】は気になる」

 体術系スキルの一つに、乱れ蹴りっていうのがあった。足蹴スキルはもう持ってるけど、連続攻撃になるの強そうだよね。ウサギって、蹴り技を使うイメージがあるし。飛翔フライスキルとの相性も良さそう。

「でも、これは自力で入手できそうだなー」

 言うなれば、連続して足蹴すればいいんでしょ? 繰り返してたら、いつの間にかスキルをゲットできてそう。
 というわけで、これにスキルリストを使うのは却下。

「――となると、【嵐蹴り】?」

 次に気になったのも蹴り技。小さな手でパンチするより、足で攻撃する方が絶対効果あるもん。

 嵐蹴りは、嵐属性の魔力攻撃に足蹴の物理攻撃を合わせた感じのスキル。両方の要素を持ってるのは便利でしょ。嵐属性は複合属性の一つで、簡単に手に入れられるものじゃないし。

「取っちゃう? え、どうしよう?」

 こういうところで、優柔不断になっちゃうんだよなー! もっと良いスキルあるかもって思ったら、躊躇って決断できない。

 でも、ひと通りスキルリストを眺めても、気になった攻撃系のスキルは嵐蹴りだけなんだよ。僕、剣とか使うつもりないし。

「――うー、いいや、取っちゃえ! どうせ、もう一つスキルリストあるし!」

 勢いで嵐蹴りを取得した。ついでに、残ったスキルリストはしばらく使わないでおこうと決める。
 今後、絶対欲しいって思ったスキルが出てきた時に、スキルリストがないってことになったら悲しいから……。

「うーん、どんなスキルなのか気になるぅ……」

 ステータスのスキル欄を眺めて葛藤する。
 この後、ルトたちとレベリングに行くんだから、そこでスキルの確認ができるとわかってる。でも、せっかくスキルを入手できたんだし、すぐに確認したいって思うのは当然だよね。

「ちょっとだけ——」

 アイテム作りをしようと思って早く来たんだけど、スキルを試してみたくてしかたなくて、お出かけすることにした。南の密林の方は転移ピンですぐ行けるし、パッと行って確認して、サッと帰ってくれば問題なし!


◇◆◇ 


 南の密林に到着して、ひと気のないところまで飛翔フライで進む。そこで大食蛇イータスニーと遭遇した。

「ここで会ったが百年目ー」

 あ、ペニーのセリフを言っちゃった。気合い入れるのにちょうど良かったんだ。

 シャーッ! と威嚇してくる大きな大食蛇イータスニーを見据えて、早速スキルを使ってみる。
 黄金のブレスレットで物理攻撃力を上げてるし、結構なダメージになるんじゃないかな?

「【嵐蹴り】!」

 飛翔フライスキルで飛んでから、スキルを発動。足が風に包みこまれるような感覚があった。

 ――ドンッ!

「ふあっ!?」

 ぶつかった衝撃音は予想以上に大きかった。木をなぎ倒すように後退した大食蛇イータスニーを見て、目を見開いて驚いちゃう。

 嵐蹴りスキル、もしかしてすごく強い?

「シャー……」

 衝撃の余り脳震とうを起こしたのか、大食蛇イータスニーがふらふらしながら近づいてくる。体力バーは赤色で、もう瀕死状態。

「【足蹴】!」

 飛翔フライスキルから蹴り技を放つのが効率良すぎる。助走なしで最大威力を与えられるんだもん。
 あっさりと光になって消えていった大食蛇イータスニーを見送り、達成感を味わった。

 魔術で倒すのはファンタジーって感じでワクワクする。でも、物理で倒すのも、ストレス発散って感じがして楽しい!
 特に僕はリアルだと運動が得意じゃないし、そういうところをスキルが補助してくれてるから快感っていうか――。

「いや、僕は戦闘民族じゃないんだけどね。バトルジャンキーにはならないよ!」

 興奮に呑まれそうになったのを感じて、ブンブンと頭を振りながら宣言。危ないところだった。
 ほのぼのうさぎから、戦闘民族的うさぎへのキャラ変は、ちょっと嫌だ。タマモたちからも悲鳴が上がりそうだし。

「――スキルの確認はできたし、帰還しよ!」

 そろそろアイテム作成をがんばらないといけない時間だったから、慌てて転移スキルを使う。
 ルトたちの前で嵐蹴りスキルを使ったら、どういう反応をもらえるか、ちょっと楽しみだ。

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