もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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4章 錬金術士だよ?

149.みんなでやっちゃえー

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 リリが投げた麻痺ボムは、やはりボスには効果が薄いようだ。でも、麻痺薬を使ったことのあるムギたち曰く、薬よりボムの方が効果が大きいらしい。

 なので、麻痺ボムの増産決定! これはたくさん作れるから、お店でも売っちゃおう。みんなの攻略の役に立つと嬉しいな~。

 次にソウタが試したファイアボムは、事前の鑑定結果通り、小象タイニーエレフに当たると大きな火炎が生じた。

 与えるダメージ量は火の矢ファイアーアローより大きいかもしれない。小象タイニーエレフに火属性攻撃は効果抜群という影響があるとはいえ、なかなか良いアイテムだと思う。

 これも、素材が手に入り次第作りためておこう。

 ソウタが投げたファイアボムに続いて、ムギがパウダーボムを投げる。パウダーボムが小象タイニーエレフに当たった途端、白い粉塵が広がったと思うと、すぐに着火して爆発した。

 ボンッという爆発音に、ちょっとびびっちゃう。僕、聴覚が鋭敏なんだよ……。

「にゃ!?」

 ムギが爆風で吹き飛ばされそうになっていた。地面に爪を立てて身を屈め、なんとか凌げたみたいだけど。

「うわっ!?」

 ムギの近くにいたソウタが吹き飛ばされるのを見て、素早く飛んでキャッチする。飛行技術と速度は、このメンバーの中で僕が一番なんだよー。

「大丈夫?」
「はい! モモさん、ありがとうございます」
「いえいえー。この辺で降ろすねー」

 再度バトルに挑むソウタを見送り、小象タイニーエレフを観察する。

 パウダーボムは大きな小象タイニーエレフを後退させるほどの効果はなかったけど、怯んだのか攻撃が一瞬止まったのは良いことだね!

 使用する際に自分が吹き飛ばされないよう、注意が必要ってわかったのも収穫だ。

「アイテムの試用はこれくらいでいいだろ。――お前ら、全力で攻撃するぞ。持ってるアイテムは使いきっていい!」

 ルトの号令と共に、様々なスキルが小象タイニーエレフに向けられる。
 もちろん僕も攻撃したよ。この機会に火魔術を鍛えようと思って、火の矢ファイアーアローを主に使っていく。

 ……みんなが羽を生やして飛んでるから、ちょっとメルヘンな光景に見えるけど、実際は小象タイニーエレフをタコ殴りしてるんだよなぁ。
 でも、小象タイニーエレフは一方的にやられるほど弱くないから、かろうじて僕たちが卑怯な感じには見えないし、良しとしよう。

「あ、ついでに投擲スキルの習得を目指そうかな?」

 というわけで、火の矢ファイアーアローで攻撃しながら、泥遊びスキルで小象タイニーエレフの行動阻害をして、さらに拾った石を投げつけてみた。……ますますいじめてるみたいに見えそうなのが、ちょっといただけないけど。

「……石がない」

 しばらく続けてたら、手近なところに石がなくなったので、さらに投げるものを求めてアイテムボックスを探る。すると、宝石強化スキルの習得を目指した際の副産物である【ゴミ】が出てきた。ストレージに仕舞い忘れてたみたい。

「これでもいっか」

 というわけで、振りかぶって投げる。ちょっと重かったけど、小象タイニーエレフに近いところから投げたら無事にぶつかった。

「ダメージ量もゴミみたい?」

 小象タイニーエレフの体力バーが削れてない気がする。でも、気にしない。僕の目的は、投擲スキルのゲットだからね。なので次々と投げてみる。

「ラストアタックは誰が行く?」

 そうこうしてたら、小象タイニーエレフの体力がゼロに近づいたみたい。ルトの呼びかけに、ツッキーが「俺が行く!」と答えた。転移スキル取得を目指すなら必要だよね。

「がんばれ」
「おう! ――これで最後だ。【月光刃ルナスラッシュ】!」

 ツッキーの前足が小象タイニーエレフに叩きつけられて、斬撃のような白銀の爪攻撃が体力を削りきった。

 小象タイニーエレフが光となって消えていく。

小象タイニーエレフを倒しました。経験値とアイテム【小象タイニーエレフの牙】【小象タイニーエレフの皮】【木魔石】【土魔石】を入手しました〉
〈行動蓄積により投擲スキルを習得しました〉

 お! 狙ってたスキルをゲットできた。魔石も二種類もらえたし、嬉しい!

「よっしゃー! 転移スキルゲット!」
「あたいもだにゃ!」
「僕もです!」

 希少種会三人が嬉しそうに話してる。

「おめでとー!」
「モモのアイテムのおかげだにゃ。支援率がいつもより上がって、ギリギリ基準に達したにゃ」
「そうなんだ? アイテムが役立って良かったよー」

 渡したアイテムは使い切っちゃったらしいけど、再度小象タイニーエレフと戦う必要はないだろうし問題ない。迷彩小竜カモフラミニドラゴン戦用のアイテムはちゃんと僕が確保してある。

「みなさん、お疲れ様ですー。なんというか……めちゃ強かったですね!」

 ヤナが近づいてきた。
 僕はともかく、ルトや希少種会の三人は小象タイニーエレフの攻撃タイミングを読んで、的確に攻撃したり避けたりしてたから、きっと勉強になっただろうな。

「お前はすぐに挑戦すんのか?」
「いえ……やっぱ俺一人じゃ無理っぽいんで、パーティーメンバーを募って、レベリングしてから挑戦してみます」
「……思いの外、堅実だな?」
「バカだと思われてました?」

 ヤナからジトッとした視線を感じたのか、ルトが目を逸らした。

「いや、モモの友だちだから、考えなしに動くタイプだと思ってた」
「それ、ブーメランになりかねないの、どう思ってます?」
「悪かった」
「即謝るくらい断固拒否なの、ウケる!」

 カタカタ、と骨を動かして笑うヤナに、会話を聞いてたリリがちょっと引いてる。見た目怖いよね。中身愉快なんだけどね。

 それにしても、すごく心外なこと言われてた気がするんだけど? 会話に口を挟む隙がなくて、否定しそこねた。悔しい!

「モモたちはすぐに第三の街目指すにゃ?」
「そうだね。とりあえず一回、エリアボスに挑戦してみるかな」
「一回でクリアできたらありがたいんだけどな」

 ルトが肩をすくめた。まぁ、気負わずに、まずは敵の情報を集めるつもりでがんばってみよう。あわよくば倒せたらいいね!

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