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ゆるり

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4章 錬金術士だよ?

154.るんるんるん♪

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 迷彩小竜カモフラミニドラゴンが光となって消える……と思ったけど、地中に吸い込まれていった。どういうこと?

「これ、もしかして、討伐しきってないってことか」
「討伐できてないの?」
「ああ。体力を削られて撤退したけど、またこのバトルエリアに入り直したら、全快状態で現れるってことだな」

 ルトの説明によると、何度でもボスを倒せるようにするための処置らしい。ゲームらしい感じだね。
 僕は第三の街が開放できたなら、それでいいや。もう一度挑むことはない気がするし。

〈ワールドミッション達成報酬として、称号【開放せし者】、スキル【ステルス】、アイテム【コレクションリング】【森カプセル】を入手しました。――すでに同一称号を保有していたため、称号が【開放王】に進化します〉

 称号が進化ってあるの!?
 元々の効果は『種族レベルが上がりやすくなる』だったけど、進化して『種族・職業レベルが上がりやすくなる』に変わってた。いいねー。

 それに【ステルス】スキルがゲットできたのも嬉しい。ソウタが使ってるの見て、羨ましかったんだよ。
 リリに忍者の格好を作ってもらおうかな?

 アイテムのコレクションリングは、持ってたら採集・採掘スキルで得られるアイテム数を二倍にする効果があるんだって。たくさん素材を集めて、錬金するのが捗りそうだな~。

 森カプセルは『異空間(森)を所有空間に展開できる。モンスター空間(森)を作る素材にもなる』んだって。

 ホームとか農地とか、プレイヤーが所有してる場所に森カプセルを置いたら、異空間(森)に行けるようになるらしい。採集とかできるのかな?

 でも、今後テイムするモンスターが増えるなら、モンスター空間を作る材料にした方がいいかも。

迷彩小竜カモフラミニドラゴンを退治しました。経験値とアイテム【迷彩小竜カモフラミニドラゴンの皮】【迷彩小竜カモフラミニドラゴンの牙】を入手しました。ダウン報酬として【ドラゴンアイの結晶】を入手しました〉

 なんかいっぱいアイテムをもらった。これでなにを作ろうかな? 特に、ドラゴンアイの結晶はなにを作れるか気になる!

〈種族レベルが26、魔術士レベルが14になりました。種族固有スキル【天からの光梯子アンジュレイラダー】を獲得しました。火魔術スキルがレベル3になり、【火炎放射フレイムラジエーション】を習得しました。投擲スキルがレベル4になりました〉

 怒涛の勢いでレベルアップとスキルを習得のアナウンスが来て、びっくりしちゃった。

 久しぶりの種族固有スキル【天からの光梯子アンジュレイラダー】は、なんと『パーティー全体の状態異常を回復する』だった。ずっと欲しかったスキルだよ!
 一度使うとクールタイムが五分で、使う状況は考える必要があるけど、絶対役に立つよね。

 火魔術レベル3で覚えた魔術【火炎放射フレイムラジエーション】は、敵一体に対して火の矢ファイアーアローの三倍のダメージを与える強力な効果がある。
 クールタイムが長めだから、他のスキルと組み合わせて使うのがいいんだろうなぁ。

「モモも良い感じで成長したか?」

 ルトが嬉しそうな顔をしてた。その横でリリもにこにこしてる。迷彩小竜カモフラミニドラゴンは経験値がうまうまだったみたいだね。

「うん! レベルアップだけじゃなくて、種族固有スキルも覚えたよー」
「お、どんな効果だ?」
「パーティー全体の状態異常回復!」
「最高じゃん」
「え、私も状態異常を回復させるスキル覚えたよ」
「リリも?」

 どうやらリリは治癒士として成長して、回復ヒールスキルのレベルアップで異常解除デバフリリースを覚えたらしい。

「――むむぅ、僕のスキルのすごさが霞む~」
「いや、モモのはパーティー全体に効果あるんだろ? リリが覚えたのは一人にしか効果ないし、クールタイムを考えて、モモのと使い分けできたらいいじゃん」
「そう? それならいいや!」

 ルトにフォローしてもらったので、素直に受け入れる。今後もルトたちとのパーティーで活躍するぞー。

「話は歩きながらできるし、第三の街に向かおうぜ」

 ニッと笑ったルトが、ワクワクとした感じで前方を指さす。
 迷彩小竜カモフラミニドラゴンが消えた後には、石畳で舗装された街道が森の中に現れていた。

「これ、迷彩小竜カモフラミニドラゴンが隠し森を作る前にあったっていう街道かな?」
「あ? なんだそれ?」

 周囲を警戒しながら進み、その間に以前聞いた話を教える。これを聞いたのは、仮想施設の受付さんからだったなぁ。

「相変わらず、モモはNPCと仲良いね」
「そういうとこで得た情報、掲示板に載せろとは言わねぇから、俺に言え」

 ルトにジトッと睨まれた。そんなに重要な情報でもないし、良くない? フレーバーテキストって感じだよ、きっと。

 ちょっと目を逸らしながらテクテクと歩く。
 この道、モンスターが現れないのかな? それなら嬉しいんだけど。

「……もしかして、商人たちが使う小道と同じ感じで、モンスターが現れにくいのかな?」

 受付さん曰く、この森林には商人たちが使う小道があるらしいんだよね。そこはエリアボスと戦わずに通れる道で、モンスターは現れるらしいけど、少人数で通るなら支障がない程度の襲撃数っぽいんだ。

 そんなことをルトたちに教えたら、再度「今後そういう情報を入手したら、俺に報告しろ!」と念を押された。はい、今後気をつけますー。

「あ、見て! 壁があるよ!」

 不意にリリが歓声を上げた。
 街道の先に高い壁がある。あそこが第三の街だろうな。

「どんな街だろうねー?」
「楽しみだな」

 るんるん、と鼻歌を歌いながら飛ぶ僕の横で、ルトもワクワク感を隠しきれない感じで呟いた。

「じゃあ、私が一番乗りしちゃおうかな!」
「はっ? おい、それはなしだろ!」

 悪戯っ子みたいな笑みを浮かべて駆け出したリリの後を、ルトが慌てて追いかける。
 二人とも楽しそう。初めてのワールドミッション達成と新たな街開放でテンションが上がってるみたい。

「僕を置いてかないで~」

 なんだか僕も楽しくなって、急いで二人の後に続いた。
 第三の街の探索が楽しみだ。どんな出会いが待ってるのかな? きっと、もっと楽しくなるんだろうな!


******

◇ステータス◇
モモ
種族:天兎アンジュラパ(26)
職業:魔術士(14)、錬金術士(5)
称号:【あなたと仲良し】【採集ダイスキ】【スライムキングを尻に敷く】【愛し愛される者】【初物好き】【芸の道を行く者】【解き放つ者】【友だちたくさん】【もふもふ教・教祖兼アイドル】【世話焼き】【開放王】

【ステータス】〈〉内は装備・テイムモンスターによる変化値。
体力:168
魔力:213
物理攻撃力:30〈+20〉
魔力攻撃力:37〈+35〉
防御力:45〈+23〉
器用さ:21
精神力:18〈+12〉
素早さ:30
幸運値:19〈+25〉

〈スキル〉スキルリスト;2
◯パッシブスキル
魔力攻撃力強化、魔術詠唱速度向上、魔力自動回復、体力自動回復、決死の覚悟、自由曲芸、神級栽培、詠唱破棄、ターン

◯戦闘系
火魔術(3)——火の玉ファイアーボール火の矢ファイアーアロー火炎放射フレイムラジエーション
水魔術(2)——水の玉ウォーターボール水の槍ウォーターランス
風魔術(1)——風の玉ウィンドボール
木魔術(3)——木の玉ウッドボール木の罠ウッドトラップ木の鞭ウッドウィップ
土魔術(2)——土の玉アースボール土の槍アースランス
歌唱(1)——意気高揚、飛翔フライ(4)、聴覚鋭敏、テイム(1)、召喚(3)、気配察知(6)、見切り、回避(4)、花舞、泥遊び(1)、ステップ、ジャンプ、足蹴、嵐蹴り、投擲(4)、ステルス(1)

◯耐性系
麻痺耐性(1)、笑撃耐性(1)、毒耐性(1)、混乱耐性(1)

◯回復系
天からの祝福アンジュブレス(2)、天の祈りアンジュプレ(2)、天からの光梯子アンジュレイラダー(1)

◯収集系
採集(4)、採掘(3)、釣り(4)、全鑑定(3)

◯生産系
錬金術二級、宝石強化、調薬
料理(4)
 1.焼く、煮る、揚げる
 2.混ぜる、オーブン焼き、燻製
 3.炊く、冷やす、成形
 4.発酵、淹れる、伸ばす

◯遊び系
跳び芸、玉乗り、毛繕い

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