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5章 もふもふいっぱい?
162.冒険者モモです
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モンちゃんたちの家を出て、冒険者ギルドに向かう。
もちろん、途中で仙桃飴を入手したよ!
売ってたお店は『モンスターフード店』だった。いろんなモンスターが好む食べ物アイテムを売ってるらしい。
でも、店主さんが言うには、モンスターをテイムするなら自分で作った食べ物アイテムを使った方が成功する確率が高くなるんだって。
帰り際に、店主さんに「フード用の特殊レシピも売ってるから、また来てくれよ」とも言われた。
商売上手なんだからぁ! きっと利用させてもらうよ!
「ここが第三の街の冒険者ギルドかぁ」
到着した建物を観察する。
第三の街の中央付近にあった冒険者ギルドは、建物自体は周囲と似通ってるけど、出入りしてる人の多くが筋骨隆々で、ちょっと異質な雰囲気。
入口で立ち止まってたら、結構視線を感じる。敵だと思われて襲われないのはありがたいけど、視線が痛い。
ルトたちと一緒に来ればよかったなぁ。
二人に連絡してみたら、『今、温泉中だから行けない』って返事だった。
もしかして混浴?
……羨ましい! 僕も二人と温泉楽しみたかった! 浮き輪とか水鉄砲とか用意して突撃しちゃおうかな!?
一人でダンダンと地面を蹴って不満をぶつけてたら、冒険者たちから距離を置かれた気がする。
誰かが「天兎が荒ぶってるぅ。鎮まりたまえぇ!」ってお祈りポーズをしてた。
驚かせてごめん。だから、地面に膝つくのやめよう?
「騒がしいと思ったら……なにやってんだ、お前」
「ごめんちゃいっ」
「謝る気あるか?」
突然怖い声で話しかけられて、反射的に頭を下げる。
言葉は……まぁ、普通に噛んだんだよね! 恥ずかしいから指摘しないで!
そろっと視線を上げたら、厳ついおじさんが腕を組んで立ってた。
誰だろー? という疑問は、周囲の「ギルド長が出てきた!」という言葉で解決する。
「……なんでギルド長が出てくるの?!」
「お前が騒ぎを起こしてるからだが?」
「ごめんなさい!」
今度はちゃんと言えた。怒らないでよぉ。
「まぁ、お前が悪いわけじゃなくて、あいつらが騒ぎ過ぎだってことはわかったがな」
ため息をついたギルド長が、ポンポンと頭を撫でてくれた。これは許された感じ。
「――依頼受けに来たのか?」
「あー、うん、それもあるけど」
ガントさんに言われたことを思い出して、否定できなかった。第一目的は図書室の利用なんだけどね。
ギルド長は片眉を上げて訝しげな表情になったけど「そうか」と言ってスルーしてくれる。
「依頼はボードか受付カウンターで確認するといい」
そう教えてくれたと思うと、ギルド長が身を翻してギルドの中に入っていく。
慌てて追ってみたけど、もう中にはいなかった。瞬間移動かな!?
たむろしてる冒険者たちの視線を感じる。このギルドは酒場を併設してるらしい。
明るい内から酔っ払ってるのはどうなんだろう? 依頼を完了してるならいいのかな。
とりあえず、受付に行ってみよう。
運良く人が並んでなくて、受付のお姉さんに「こんにちは」と微笑みながら言われた。
「こんにちは~。衛兵長のガントさんに聞いた『結界の影響を受けにくいモンスター』のことを知りたいんだけど」
「その情報はこちらです」
カウンターに紙が載せられる。
書かれているのは三種類のモンスターについて。それぞれ『北の霊峰』『東の鉱山』『西のキーリ湖』で見つかったモンスターらしい。
北の霊峰エリアにいるのは【狂雪獣】というモンスターで、氷属性。
東の鉱山エリアにいるのは【狂岩獣】というモンスターで、岩属性。
西のキーリ湖エリアにいるのは【狂水獣】というモンスターで、水属性。
「……水属性はわかるけど、氷・岩属性なんて初めて見たなぁ」
しかも、各モンスターの名前に『狂』って付いてるのが気になる。これ、きっとなんか意味があるよね。
「——これ、詳しい情報あるの?」
「モンスターについては、二階の図書室でお調べください。依頼は『当該モンスターの討伐、並びに討伐証明アイテムの提出』になっています」
「討伐証明アイテムかぁ」
そういえば、モンスター倒してドロップアイテムを入手しても、錬金に使うばっかりだったなぁ。ギルドの依頼を達成するのも考えた方がいいかも。
「アイテムについても図書室で調べられますよ」
「はーい、行ってみるよ。——あ、お姉さんのお名前は?」
聞いてみたら、ニコッと微笑まれる。
「マリアです。よろしくお願いします」
「僕はモモだよ。今後色々聞くかもしれないから、よろしくね~」
「はい、ご遠慮なくどうぞ。討伐依頼を受諾しておきますか? 期限なしで、失敗ペナルティもありませんよ」
ちょっと考えてから頷く。
たぶんいつか倒すことになるでしょ。
「うん、お願い」
「ではギルド証を見せてください。——依頼受諾が完了しました。他の依頼も確認しますか?」
「今はやめとこうかな」
マリアさんが「そうですか」と頷く。
ここでの目的は達成したし、図書室に行くぞ~。
「マリアさん、またね!」
「はい、モモさんのご活躍を期待しております」
ふりふり、と手を振ったら、控えめに手を振り返してくれた。
離れてから、マリアさんの声で「天兎、激かわなんですけどっ!」と小さく叫ぶのが聞こえてきたのは、気のせいかな?
もちろん、途中で仙桃飴を入手したよ!
売ってたお店は『モンスターフード店』だった。いろんなモンスターが好む食べ物アイテムを売ってるらしい。
でも、店主さんが言うには、モンスターをテイムするなら自分で作った食べ物アイテムを使った方が成功する確率が高くなるんだって。
帰り際に、店主さんに「フード用の特殊レシピも売ってるから、また来てくれよ」とも言われた。
商売上手なんだからぁ! きっと利用させてもらうよ!
「ここが第三の街の冒険者ギルドかぁ」
到着した建物を観察する。
第三の街の中央付近にあった冒険者ギルドは、建物自体は周囲と似通ってるけど、出入りしてる人の多くが筋骨隆々で、ちょっと異質な雰囲気。
入口で立ち止まってたら、結構視線を感じる。敵だと思われて襲われないのはありがたいけど、視線が痛い。
ルトたちと一緒に来ればよかったなぁ。
二人に連絡してみたら、『今、温泉中だから行けない』って返事だった。
もしかして混浴?
……羨ましい! 僕も二人と温泉楽しみたかった! 浮き輪とか水鉄砲とか用意して突撃しちゃおうかな!?
一人でダンダンと地面を蹴って不満をぶつけてたら、冒険者たちから距離を置かれた気がする。
誰かが「天兎が荒ぶってるぅ。鎮まりたまえぇ!」ってお祈りポーズをしてた。
驚かせてごめん。だから、地面に膝つくのやめよう?
「騒がしいと思ったら……なにやってんだ、お前」
「ごめんちゃいっ」
「謝る気あるか?」
突然怖い声で話しかけられて、反射的に頭を下げる。
言葉は……まぁ、普通に噛んだんだよね! 恥ずかしいから指摘しないで!
そろっと視線を上げたら、厳ついおじさんが腕を組んで立ってた。
誰だろー? という疑問は、周囲の「ギルド長が出てきた!」という言葉で解決する。
「……なんでギルド長が出てくるの?!」
「お前が騒ぎを起こしてるからだが?」
「ごめんなさい!」
今度はちゃんと言えた。怒らないでよぉ。
「まぁ、お前が悪いわけじゃなくて、あいつらが騒ぎ過ぎだってことはわかったがな」
ため息をついたギルド長が、ポンポンと頭を撫でてくれた。これは許された感じ。
「――依頼受けに来たのか?」
「あー、うん、それもあるけど」
ガントさんに言われたことを思い出して、否定できなかった。第一目的は図書室の利用なんだけどね。
ギルド長は片眉を上げて訝しげな表情になったけど「そうか」と言ってスルーしてくれる。
「依頼はボードか受付カウンターで確認するといい」
そう教えてくれたと思うと、ギルド長が身を翻してギルドの中に入っていく。
慌てて追ってみたけど、もう中にはいなかった。瞬間移動かな!?
たむろしてる冒険者たちの視線を感じる。このギルドは酒場を併設してるらしい。
明るい内から酔っ払ってるのはどうなんだろう? 依頼を完了してるならいいのかな。
とりあえず、受付に行ってみよう。
運良く人が並んでなくて、受付のお姉さんに「こんにちは」と微笑みながら言われた。
「こんにちは~。衛兵長のガントさんに聞いた『結界の影響を受けにくいモンスター』のことを知りたいんだけど」
「その情報はこちらです」
カウンターに紙が載せられる。
書かれているのは三種類のモンスターについて。それぞれ『北の霊峰』『東の鉱山』『西のキーリ湖』で見つかったモンスターらしい。
北の霊峰エリアにいるのは【狂雪獣】というモンスターで、氷属性。
東の鉱山エリアにいるのは【狂岩獣】というモンスターで、岩属性。
西のキーリ湖エリアにいるのは【狂水獣】というモンスターで、水属性。
「……水属性はわかるけど、氷・岩属性なんて初めて見たなぁ」
しかも、各モンスターの名前に『狂』って付いてるのが気になる。これ、きっとなんか意味があるよね。
「——これ、詳しい情報あるの?」
「モンスターについては、二階の図書室でお調べください。依頼は『当該モンスターの討伐、並びに討伐証明アイテムの提出』になっています」
「討伐証明アイテムかぁ」
そういえば、モンスター倒してドロップアイテムを入手しても、錬金に使うばっかりだったなぁ。ギルドの依頼を達成するのも考えた方がいいかも。
「アイテムについても図書室で調べられますよ」
「はーい、行ってみるよ。——あ、お姉さんのお名前は?」
聞いてみたら、ニコッと微笑まれる。
「マリアです。よろしくお願いします」
「僕はモモだよ。今後色々聞くかもしれないから、よろしくね~」
「はい、ご遠慮なくどうぞ。討伐依頼を受諾しておきますか? 期限なしで、失敗ペナルティもありませんよ」
ちょっと考えてから頷く。
たぶんいつか倒すことになるでしょ。
「うん、お願い」
「ではギルド証を見せてください。——依頼受諾が完了しました。他の依頼も確認しますか?」
「今はやめとこうかな」
マリアさんが「そうですか」と頷く。
ここでの目的は達成したし、図書室に行くぞ~。
「マリアさん、またね!」
「はい、モモさんのご活躍を期待しております」
ふりふり、と手を振ったら、控えめに手を振り返してくれた。
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