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5章 もふもふいっぱい?
164.友だち候補決定!
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資料を読みながら、ライリーさんに質問して、テイムしたいモンスターを絞ってみた。
この街の周辺はたくさんの種類のモンスターがいるみたいで、ひと通り見るだけでも結構時間がかかったよ……。
「テイム希望モンスターのトップ3、発表します!」
「楽しみですねー」
いつの間にか僕と同じテーブルについてたライリーさんが、拍手で盛り上げてくれた。僕たち、すごく仲良くなった気がする。
「ナンバー1は――【白翠獅子】!」
「いきなりレア度の高いモンスターですね」
「うん。でも、街中で会って、惹かれちゃったんだよねー」
頭すりすりしてもらったの、嬉しかった! ライオンっぽい見た目で、カッコよくて可愛くて、もっふもふで、最高だったんだよー。
白翠獅子は西のキーリ湖周辺に生息してるらしいけど、遭遇するのは稀って資料に書いてあった。
木属性モンスターで睡眠のデバフスキルを持ってるらしい。攻撃力も高い。
でも、他者への攻撃性はあまりなくて、僕の方から攻撃しなければ、食べ物で友好度を上げてテイムできそう。
好きな食べ物は『メロンパン』らしいよ。……野生下では食べられないものだよね?
「では次は?」
「ナンバー2は――【星栗鼠】!」
「おや。すこしレア度が下がりましたね。戦闘力があまりないモンスターですけど」
「でも、採取や採掘を一緒にしてくれるんでしょ?」
「確かに、その点は特殊ですね」
ライリーさんが納得した感じで頷く。
星栗鼠はスキルとして【採取】と【採掘】を持ってるらしいんだ。一緒に行動したら、自然と素材が集まるんじゃないかな、と思ってテイムを考えてる。
見た目も、僕より小さいリスっぽいし、尻尾がもふもふしてて可愛いし、タマモたちにも人気が出そうなんだよね! 一緒にダンスできたら嬉しい。
「そして、最後。ナンバー3は――【ホワイトスライム】!」
「……スライムですか?」
パチパチと目を瞬かせて意外そうにしてるライリーさんに「うん」と頷く。
「ホワイトスライムはスライムのレア種でしょ?」
「ええ。光属性のモンスターですね」
「つまり明かりになる!」
「……そういう理由でテイムしようとする方は初めて見ました」
笑われちゃった。
でも、ホワイトスライムってすごいんだよ? 光属性の攻撃スキルを持ってるとは確認されてないんだけど、【泡光】っていうスキルで、半径五メートルの範囲を照らせるんだもん。
アイテムを使えば暗闇の中でも行動できるとはいえ、毎回消費するのはもったいない気がしちゃうんだよねぇ。
しかも、ホワイトスライムは暗い場所でいち早くモンスターを察知・警告できる固有スキル【警戒色】を持ってるんだ。絶対頼りになるはず!
ホワイトスライムをテイムしたい理由はそれだけじゃなくて――。
「それに、僕はすでにスライムをテイムしてるから。二体以上スライム種をテイムしてたら、特殊進化できる可能性があるんでしょ?」
これが今回資料を読んで初めて知った情報。
モンスターは一定レベルに達すると、種族を変えることができる。たいてい強い種に変わるから、進化って呼ばれてるんだ。
スライムは特に進化先が多様で、経験によって進化できる選択肢が変わるらしい。
二体以上スライムをテイムしてると特殊な進化先が発現するって情報を見た瞬間、もうスライムをテイムするしかないなって思ったんだよね。
「なるほど。スライムは育てると強くなると聞きますから、案外良い考えかもしれませんね」
ライリーさんが感心した表情で頷いた。
僕、ほのぼのしてて、なんも考えてなさそうに見えると思うけど、ちゃんと頭を働かせてるんだよー。
「――そういえば、モモさんは今後、進化を目指すんですか?」
「うん?」
資料を片付け始めたところで、ライリーさんが首を傾げた。
僕が進化?
……そういえば、僕もモンスターの一種だから、進化できるのか!
「――え、天兎ってどんな進化先があるの?」
読んだ資料には書かれてなかったはず。というか天兎に関する情報自体が少なかったんだけど。
改めて資料をめくって、天兎の項目を探す。
――――――
【天兎】
北の霊峰に生息するモンスター。鑑定スキルが効かないため、詳細情報は不確定。
小さな羽を持つウサギ型のモンスターで、通常人に攻撃してくることはない。だが、群れで暮らしており、一度攻撃すると全ての個体から攻撃し返される。非常に仲間意識が強いモンスターだと推定される。
攻撃された者は「いつの間にか死に戻っていた……」と話す。攻撃スキルの詳細不明。
コップいっぱいの仙桃ミルクを渡すと病を癒してくれるが、そのスキル・機序の詳細は不明。
神秘的なモンスターとして、獣人種兎族が崇拝対象にしている。
――――――
情報はこれだけ。めちゃくちゃ特殊な種族らしいってことくらいしかわからない。
「進化先の情報はありませんが、モンスターなので進化可能だと思いますよ? よければ、進化先含め、スキルなどの情報も提供していただけると嬉しいのですが」
ライリーさんがニコッと笑う。
でも、僕はあははーと笑って目を逸らすしかない。
だって、僕を天兎として一括りにするのは間違ってるだろうし。覚えてるスキルは野生の天兎とまるで違うはず。
種族固有スキルは今のところ唯一の野生との共通点になるのかな。
「そうだねー、気が向いたら」
「……残念ですねぇ」
じぃっと見つめられたけど、黙秘です! 僕からの情報が図鑑に載って、間違ってたら申し訳ないし。
「――まぁ、モンスターはレベル20~50くらいで進化可能になるらしいので、モモさんの今後に期待しておきますね」
天兎情報の入手を全然諦めてないライリーさんがちょっぴり怖かった。
そんな観察するような目をしないでよぉ……!
「期待はともかく……僕をもふもふしとく?」
こんな時は自慢の毛で懐柔だー!
「します」
即答だった。
にぎにぎ握手。ライリーさんが嬉しそうに微笑む。
僕の毛、魅了効果が付与されてるのでは? と思うくらいな劇的な変化だ。
この調子で僕の観察は忘れてほしいなー。
この街の周辺はたくさんの種類のモンスターがいるみたいで、ひと通り見るだけでも結構時間がかかったよ……。
「テイム希望モンスターのトップ3、発表します!」
「楽しみですねー」
いつの間にか僕と同じテーブルについてたライリーさんが、拍手で盛り上げてくれた。僕たち、すごく仲良くなった気がする。
「ナンバー1は――【白翠獅子】!」
「いきなりレア度の高いモンスターですね」
「うん。でも、街中で会って、惹かれちゃったんだよねー」
頭すりすりしてもらったの、嬉しかった! ライオンっぽい見た目で、カッコよくて可愛くて、もっふもふで、最高だったんだよー。
白翠獅子は西のキーリ湖周辺に生息してるらしいけど、遭遇するのは稀って資料に書いてあった。
木属性モンスターで睡眠のデバフスキルを持ってるらしい。攻撃力も高い。
でも、他者への攻撃性はあまりなくて、僕の方から攻撃しなければ、食べ物で友好度を上げてテイムできそう。
好きな食べ物は『メロンパン』らしいよ。……野生下では食べられないものだよね?
「では次は?」
「ナンバー2は――【星栗鼠】!」
「おや。すこしレア度が下がりましたね。戦闘力があまりないモンスターですけど」
「でも、採取や採掘を一緒にしてくれるんでしょ?」
「確かに、その点は特殊ですね」
ライリーさんが納得した感じで頷く。
星栗鼠はスキルとして【採取】と【採掘】を持ってるらしいんだ。一緒に行動したら、自然と素材が集まるんじゃないかな、と思ってテイムを考えてる。
見た目も、僕より小さいリスっぽいし、尻尾がもふもふしてて可愛いし、タマモたちにも人気が出そうなんだよね! 一緒にダンスできたら嬉しい。
「そして、最後。ナンバー3は――【ホワイトスライム】!」
「……スライムですか?」
パチパチと目を瞬かせて意外そうにしてるライリーさんに「うん」と頷く。
「ホワイトスライムはスライムのレア種でしょ?」
「ええ。光属性のモンスターですね」
「つまり明かりになる!」
「……そういう理由でテイムしようとする方は初めて見ました」
笑われちゃった。
でも、ホワイトスライムってすごいんだよ? 光属性の攻撃スキルを持ってるとは確認されてないんだけど、【泡光】っていうスキルで、半径五メートルの範囲を照らせるんだもん。
アイテムを使えば暗闇の中でも行動できるとはいえ、毎回消費するのはもったいない気がしちゃうんだよねぇ。
しかも、ホワイトスライムは暗い場所でいち早くモンスターを察知・警告できる固有スキル【警戒色】を持ってるんだ。絶対頼りになるはず!
ホワイトスライムをテイムしたい理由はそれだけじゃなくて――。
「それに、僕はすでにスライムをテイムしてるから。二体以上スライム種をテイムしてたら、特殊進化できる可能性があるんでしょ?」
これが今回資料を読んで初めて知った情報。
モンスターは一定レベルに達すると、種族を変えることができる。たいてい強い種に変わるから、進化って呼ばれてるんだ。
スライムは特に進化先が多様で、経験によって進化できる選択肢が変わるらしい。
二体以上スライムをテイムしてると特殊な進化先が発現するって情報を見た瞬間、もうスライムをテイムするしかないなって思ったんだよね。
「なるほど。スライムは育てると強くなると聞きますから、案外良い考えかもしれませんね」
ライリーさんが感心した表情で頷いた。
僕、ほのぼのしてて、なんも考えてなさそうに見えると思うけど、ちゃんと頭を働かせてるんだよー。
「――そういえば、モモさんは今後、進化を目指すんですか?」
「うん?」
資料を片付け始めたところで、ライリーさんが首を傾げた。
僕が進化?
……そういえば、僕もモンスターの一種だから、進化できるのか!
「――え、天兎ってどんな進化先があるの?」
読んだ資料には書かれてなかったはず。というか天兎に関する情報自体が少なかったんだけど。
改めて資料をめくって、天兎の項目を探す。
――――――
【天兎】
北の霊峰に生息するモンスター。鑑定スキルが効かないため、詳細情報は不確定。
小さな羽を持つウサギ型のモンスターで、通常人に攻撃してくることはない。だが、群れで暮らしており、一度攻撃すると全ての個体から攻撃し返される。非常に仲間意識が強いモンスターだと推定される。
攻撃された者は「いつの間にか死に戻っていた……」と話す。攻撃スキルの詳細不明。
コップいっぱいの仙桃ミルクを渡すと病を癒してくれるが、そのスキル・機序の詳細は不明。
神秘的なモンスターとして、獣人種兎族が崇拝対象にしている。
――――――
情報はこれだけ。めちゃくちゃ特殊な種族らしいってことくらいしかわからない。
「進化先の情報はありませんが、モンスターなので進化可能だと思いますよ? よければ、進化先含め、スキルなどの情報も提供していただけると嬉しいのですが」
ライリーさんがニコッと笑う。
でも、僕はあははーと笑って目を逸らすしかない。
だって、僕を天兎として一括りにするのは間違ってるだろうし。覚えてるスキルは野生の天兎とまるで違うはず。
種族固有スキルは今のところ唯一の野生との共通点になるのかな。
「そうだねー、気が向いたら」
「……残念ですねぇ」
じぃっと見つめられたけど、黙秘です! 僕からの情報が図鑑に載って、間違ってたら申し訳ないし。
「――まぁ、モンスターはレベル20~50くらいで進化可能になるらしいので、モモさんの今後に期待しておきますね」
天兎情報の入手を全然諦めてないライリーさんがちょっぴり怖かった。
そんな観察するような目をしないでよぉ……!
「期待はともかく……僕をもふもふしとく?」
こんな時は自慢の毛で懐柔だー!
「します」
即答だった。
にぎにぎ握手。ライリーさんが嬉しそうに微笑む。
僕の毛、魅了効果が付与されてるのでは? と思うくらいな劇的な変化だ。
この調子で僕の観察は忘れてほしいなー。
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