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5章 もふもふいっぱい?
181.仲良くなる方法はいろいろあるね
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浄化といえばユキマル。ということで召喚です。自分でも浄化できるように、いつかスキルを覚えたいなぁ。
「【召喚】ユキマル!」
「ぴぅ!」
現れたユキマルが『寒いっ!』とプルプル震えた。端の方から氷のように固まっていってるように見えるのは――気のせいじゃないね!?
「これあげる!」
ユキマルにほかほかシールをくっつける。途端に元の姿を取り戻したから良かったぁ。このアイテムは効果絶大だ。
「ぴぅ」
「お礼はいらないよ。それより、また浄化をお願いしていい?」
「ぴぅ!」
任せて、と跳ねたユキマルが、光りながら狂雪獣の方へ転がっていった。
……そんな進み方するの? 雪深いから、跳ねて進むのは難しそうだとは思ったけど、また僕が飛んで連れて行っても良かったんだよ?
「ギュオッ」
転がり近づくユキマルに対して、狂雪獣が爪を向ける。攻撃を躊躇っているみたいで勢いはないけど、ユキマルに当たったら結構ダメージがありそう。
「危なっ――」
「ぴっ!?」
警告をしようとしたところで、ユキマルが跳ねて方向転換した。ユキマルの近く、スレスレの雪原に爪が突き刺さる。
そのことに怯えつつも、ユキマルは光ったまま狂雪獣の前足に触れた。
「ナイス! よく回避できたねー」
「ぴーぅ」
誇らしげに鳴くユキマルと、その近くできょとんとした表情で佇む狂雪獣を眺める。
狂雪獣の体色が、濃灰から白銀色に変わっていった。これは、浄化成功かな? よし、鑑定だー。
「――うんうん。バッチリ浄化できてる。君は銀雪狐っていうんだね」
鑑定結果を見て頷く。
銀雪狐は白銀色の大きな狐だった。寒い中で生きているだけあって、もっふもふだぞー。顔も賢そうで可愛いし、ファンができそう。
「キュオ」
「もう攻撃してこない? えっと、テイムできるかなー?」
魅了状態でも、岩砕熊のように確実にテイムできるわけではないようなので、ちょっぴり躊躇っちゃう。
まぁ、できなかったら、フードで友好度上げればいいんだけど。銀雪狐はなにが好物かな?
――なんてことを考えてたら、銀雪狐が近づいてきた。
ふんふん、と匂いを嗅がれるので、首を傾げる。僕、なんかおかしな匂いでもする?
「キュオ?」
「え、同族じゃないよ。うん、子どもの銀雪狐でもないけど――あ!」
銀雪狐からぼんやりと伝わってくる意思に答えてたら、ふと自分の格好を思い出した。
僕、今は子狐みたいな防寒具着てるんだった! そのせいで、銀雪狐は僕を同族の子どもなのかも、って考えてるみたい。でも、匂いが違うし、混乱させちゃってる。
とりあえず、一旦防寒具を脱いでみる。幸い、銀雪狐は吹雪を解除してくれてて、寒さが和らいでるし、ほかほかシールだけでなんとかなりそうだから。
「キュア!?」
「え、皮剥いでないよっ! 今まで服を着てただけ!」
とんでもない誤解をされちゃって、『大丈夫!?』と心配された。服っていう概念、伝わらない?
ペロペロと舐められるのを、甘んじて受け入れる。案外気持ちいい。ベトベトになるわけでもないし、マッサージされてる感じ。
「――僕は天兎なんだよー」
「キュオ」
銀雪狐は『あ、知ってる』と言って頷いた。天兎は霊峰に住んでる仲間っていう認識らしい。
もともと、銀雪狐は霊峰の上層部に生息してて、あまり人の前には現れないんだって。だから、資料に載ってなかったんだね。
「とりあえず、テイム試してみようかな」
なんとなく友好度が高い気がするので、テイムスキルを使ってみる。
銀雪狐の周囲をパァと光が走った。
〈野生の銀雪狐をテイムしました〉
「やったー! 新しいお友だち!」
成功したことを喜び、銀雪狐に抱きつく。驚きのもっふもふ具合! 気持ちいいよ~。
これまでと同じように名前を考えて、悩んだ末に『オギン』にした。銀色だからっていう安直さ。お色気担当ではないんだよ?
モンスター空間(草原)はオギンに適した環境じゃないみたいだから、入れないことを選択。早く違うモンスター空間を手に入れたいなぁ、と思いながらオギンが消えるのを見送った。
〈レアモンスターを五種テイムしました。その功績により、称号【希少種集め】が贈られます〉
称号!? なんか久しぶりな気がする~。
他のプレイヤーたちはどれくらいの数の称号を入手してるのかな?
そんなことを考えながら、称号の詳細を確認。
称号【希少種集め】の効果は『出現頻度の低いモンスターと出会いやすくなる』だった。
「……さらにレアモンスターばっかりの集団にしようとしてる?」
レアがレアじゃなくなる気がするんだけど。レアとは?
でも、きっとありがたいことなんだろうな。たぶん。
とりあえずそう思っておくことにして「うん」と頷く。
「あとは報告したらミッションクリアだねぇ」
そうとなれば、街に帰ろう――と転移スキルを使う前に、再びアナウンスが聞こえてくる。
〈モンスターを六体テイムし、テイマー職レベル0で保有可能なモンスターの最大数に達しました。詳細は追加されたヘルプをご確認ください〉
「ふぁっ!?」
なんですと?
言われた通りヘルプを確認してみる。
テイマーは職業レベルによって、保有できるモンスターの数が変わるらしい。テイマーの職に就いてない人は、テイマー職レベル0としてモンスターを六体保有できるんだって。
他のモンスターをテイムしたい場合は、職業レベルを上げるか、既にテイムしてるモンスターとお別れ――システムメニューのフレンドモンスター欄に『お別れ』という選択肢があった――する必要がある。
「いやいや、せっかく仲良くなれた子とお別れするとかムリー!」
ということは、次にモンスターをテイムしたい場合は、テイマーの職に就かないといけないってことだ。
テイマーになるために必要なミッションは、あとは『サブリングを入手する』ことだけ。
現在、イベント交換用ドロップアイテムは千五百個ほど集まってるから、もうちょっと頑張らないとね。
「早くテイマーになって、街でもみんなと遊ぶぞー」
俄然やる気が出てきた。僕ならできる、やってやるぞー!
「【召喚】ユキマル!」
「ぴぅ!」
現れたユキマルが『寒いっ!』とプルプル震えた。端の方から氷のように固まっていってるように見えるのは――気のせいじゃないね!?
「これあげる!」
ユキマルにほかほかシールをくっつける。途端に元の姿を取り戻したから良かったぁ。このアイテムは効果絶大だ。
「ぴぅ」
「お礼はいらないよ。それより、また浄化をお願いしていい?」
「ぴぅ!」
任せて、と跳ねたユキマルが、光りながら狂雪獣の方へ転がっていった。
……そんな進み方するの? 雪深いから、跳ねて進むのは難しそうだとは思ったけど、また僕が飛んで連れて行っても良かったんだよ?
「ギュオッ」
転がり近づくユキマルに対して、狂雪獣が爪を向ける。攻撃を躊躇っているみたいで勢いはないけど、ユキマルに当たったら結構ダメージがありそう。
「危なっ――」
「ぴっ!?」
警告をしようとしたところで、ユキマルが跳ねて方向転換した。ユキマルの近く、スレスレの雪原に爪が突き刺さる。
そのことに怯えつつも、ユキマルは光ったまま狂雪獣の前足に触れた。
「ナイス! よく回避できたねー」
「ぴーぅ」
誇らしげに鳴くユキマルと、その近くできょとんとした表情で佇む狂雪獣を眺める。
狂雪獣の体色が、濃灰から白銀色に変わっていった。これは、浄化成功かな? よし、鑑定だー。
「――うんうん。バッチリ浄化できてる。君は銀雪狐っていうんだね」
鑑定結果を見て頷く。
銀雪狐は白銀色の大きな狐だった。寒い中で生きているだけあって、もっふもふだぞー。顔も賢そうで可愛いし、ファンができそう。
「キュオ」
「もう攻撃してこない? えっと、テイムできるかなー?」
魅了状態でも、岩砕熊のように確実にテイムできるわけではないようなので、ちょっぴり躊躇っちゃう。
まぁ、できなかったら、フードで友好度上げればいいんだけど。銀雪狐はなにが好物かな?
――なんてことを考えてたら、銀雪狐が近づいてきた。
ふんふん、と匂いを嗅がれるので、首を傾げる。僕、なんかおかしな匂いでもする?
「キュオ?」
「え、同族じゃないよ。うん、子どもの銀雪狐でもないけど――あ!」
銀雪狐からぼんやりと伝わってくる意思に答えてたら、ふと自分の格好を思い出した。
僕、今は子狐みたいな防寒具着てるんだった! そのせいで、銀雪狐は僕を同族の子どもなのかも、って考えてるみたい。でも、匂いが違うし、混乱させちゃってる。
とりあえず、一旦防寒具を脱いでみる。幸い、銀雪狐は吹雪を解除してくれてて、寒さが和らいでるし、ほかほかシールだけでなんとかなりそうだから。
「キュア!?」
「え、皮剥いでないよっ! 今まで服を着てただけ!」
とんでもない誤解をされちゃって、『大丈夫!?』と心配された。服っていう概念、伝わらない?
ペロペロと舐められるのを、甘んじて受け入れる。案外気持ちいい。ベトベトになるわけでもないし、マッサージされてる感じ。
「――僕は天兎なんだよー」
「キュオ」
銀雪狐は『あ、知ってる』と言って頷いた。天兎は霊峰に住んでる仲間っていう認識らしい。
もともと、銀雪狐は霊峰の上層部に生息してて、あまり人の前には現れないんだって。だから、資料に載ってなかったんだね。
「とりあえず、テイム試してみようかな」
なんとなく友好度が高い気がするので、テイムスキルを使ってみる。
銀雪狐の周囲をパァと光が走った。
〈野生の銀雪狐をテイムしました〉
「やったー! 新しいお友だち!」
成功したことを喜び、銀雪狐に抱きつく。驚きのもっふもふ具合! 気持ちいいよ~。
これまでと同じように名前を考えて、悩んだ末に『オギン』にした。銀色だからっていう安直さ。お色気担当ではないんだよ?
モンスター空間(草原)はオギンに適した環境じゃないみたいだから、入れないことを選択。早く違うモンスター空間を手に入れたいなぁ、と思いながらオギンが消えるのを見送った。
〈レアモンスターを五種テイムしました。その功績により、称号【希少種集め】が贈られます〉
称号!? なんか久しぶりな気がする~。
他のプレイヤーたちはどれくらいの数の称号を入手してるのかな?
そんなことを考えながら、称号の詳細を確認。
称号【希少種集め】の効果は『出現頻度の低いモンスターと出会いやすくなる』だった。
「……さらにレアモンスターばっかりの集団にしようとしてる?」
レアがレアじゃなくなる気がするんだけど。レアとは?
でも、きっとありがたいことなんだろうな。たぶん。
とりあえずそう思っておくことにして「うん」と頷く。
「あとは報告したらミッションクリアだねぇ」
そうとなれば、街に帰ろう――と転移スキルを使う前に、再びアナウンスが聞こえてくる。
〈モンスターを六体テイムし、テイマー職レベル0で保有可能なモンスターの最大数に達しました。詳細は追加されたヘルプをご確認ください〉
「ふぁっ!?」
なんですと?
言われた通りヘルプを確認してみる。
テイマーは職業レベルによって、保有できるモンスターの数が変わるらしい。テイマーの職に就いてない人は、テイマー職レベル0としてモンスターを六体保有できるんだって。
他のモンスターをテイムしたい場合は、職業レベルを上げるか、既にテイムしてるモンスターとお別れ――システムメニューのフレンドモンスター欄に『お別れ』という選択肢があった――する必要がある。
「いやいや、せっかく仲良くなれた子とお別れするとかムリー!」
ということは、次にモンスターをテイムしたい場合は、テイマーの職に就かないといけないってことだ。
テイマーになるために必要なミッションは、あとは『サブリングを入手する』ことだけ。
現在、イベント交換用ドロップアイテムは千五百個ほど集まってるから、もうちょっと頑張らないとね。
「早くテイマーになって、街でもみんなと遊ぶぞー」
俄然やる気が出てきた。僕ならできる、やってやるぞー!
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