もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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5章 もふもふいっぱい?

188.わちゃわちゃ準備も楽しいね

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 ようやくテイマーになれたし、早速みんなと遊びたかったんだけど、タイムアップになっちゃった。
 ということで、ホームでログアウトした翌日。

「会場設備作り、がんばるぞー!」

 えいえいおー、と工房で気合いを入れる。
 農地に行ったら、もうおばけカボチャができてたんだよね。それに加えて、他の作物もいっぱい。これでハロウィン会場の設備を作るんだー♪

「――およ?」

 早速作業に取り掛かろうとした視界の端で、ピコピコと通知マークが見えた。タマモからの連絡だ。

――――――
タマモ:
ハロウィンパーティー、すごく楽しみです!
ペンライトを応用した装飾のご依頼、承知しました。
モモさんでも作成できるよう、光るアイテムに関するレシピを入手したので添付します。つ【錬金術レシピ】
使用する素材は買い取りカウンターに納品していますので、ぜひご活用くださいませ。
また、その他、会場設営に必要な素材がありましたらご連絡ください。
掲示板に掲載し、皆様に周知しますので。

タマモ:
追加です。
今回、会場の規模が広くなっているようですので、抽選の当選数を増やす予定です。
もし問題があるようでしたら、ご連絡くださいませ。
――――――

「おー、タマモは行動が早いなぁ」

 当選数増やすのかー。
 確かに、お店を貸し切って集まった時とは違って、今回は会場が広いもんね。できるだけたくさんの人に来てもらった方がいいかも。

「オッケーです、と」

 タマモに返事をしてから、添付されていた【錬金術レシピ】を開く。これ、自動で錬金玉に内容が転送されて、作れるようになるらしい。便利だねー。

「イルミネーションっぽいライトがある! これは作ろう」

 小さなライトが細い線で繋がった感じのアイテム【ガーランドライト】は、会場を飾るのにピッタリだ。たくさんの色を作れるみたいだから、彩り豊かで綺麗になりそう。

 タマモが納品してくれていた素材を回収して、早速作り始める。
 たくさんのガーランドライトに、おばけカボチャを使った遊具、普通のオレンジカボチャを使ったランタン、馬車道やおばけのマスコット、などなど。

 ひたすら作っては、アイテムボックスに収納して、ようやく作業が終わる。

「ふぃー……結構疲れたなぁ。これを設置するとなると、また時間がかかりそう」

 でも、がんばるぞー。
 というわけで、異空間(森)にレッツゴー。


◇◆◇ 


 異空間(森)に着いてから、まずするのは友だちを喚ぶこと。
 初めて、テイマーの特権を楽しむよー。

「【召喚】スラリン、ピア、ユキマル、ペタ、ショコラ」

 次々に姿を現した友だちを見て、ニコニコと笑う。バトルフィールド以外でも会えるようになって嬉しいよ。
 オギンは二足歩行や手を使った作業が苦手そうなので、今回はお休みです。

「きゅぃ?」
「今日はパーティー会場の設営をするから手伝ってね」

 ガーランドライトをスラリンたちに渡す。これの飾り方は、みんなの感性にお任せしようと思う。
 他にもカボチャのランタンなどの小さめな装飾品を地面に置いて示した。

「僕は大きな設備を設置していくから、みんなは細かい装飾をお願いするよ」
「ぴぅ!」

 気合いの入った声を上げたユキマルに続いて、スラリンもビシッと敬礼のような動きをする。ピアとペタとショコラはマイペースなのんびりやさんな感じで『りょーかいだよー』という返事だ。

 散っていくみんなを見送って、僕も設置作業を開始。
 まずはカボチャの馬車に馬車道と御者を設置だ。異空間の一番外側に沿うように馬車道を置いて、ぐるっと一周できるようにした。

「スラリン。この道を通る乗り物から、綺麗に見えるようにライトを設置してね」
「きゅぃ!」

 近くにいたスラリンに頼んでから、次の作業へ。
 奥まったところに、一番大きな遊具【おばけカボチャの観覧車】を設置する。おばけカボチャ六個がゴンドラになっていて、ゆっくり回転してるんだ。……どうやって動いてるのかはよくわからない。

 さらに、【おばけのメリーゴランド】や【おばけカボチャのコーヒーカップ】、【おばけカボチャのブランコ】などを設置。

「うーん、楽しい雰囲気だなー」

 見てるだけでワクワクしてくる。
 すると、ふわーと飛んでくるピアが見えた。ガーランドライトを持ってる。
 なにをするんだろうと観察してたら、おばけのメリーゴランドにオレンジ色や紫色で、ハロウィンらしいライトの装飾をし始めた。

「――え、めちゃくちゃセンスがいいんだけど!?」

 ピアの意外な才能が発覚したよ。
 観覧車の方を見たら、こちらも綺麗に装飾されてる。もともとハロウィンっぽい見た目だったけど、より華やかで楽しそう。
 夜になったらさらに綺麗なんだろうな。

「ぴぅぴぅ」

 ユキマルは『よいしょ、よいしょ』とカボチャのランタンを運んでいた。そして、ショコラが作ったらしい小さめの岩のようなオブジェに、ランタンを置いたり、小さめの光る花を飾ったり。

「二人とも、センス最高すぎない? というか、ショコラ、そういうの作れるんだ?」

 新たに小さな城のようなオブジェを、おそらくスキルを応用して作っていたショコラに聞いてみる。

「くまま」

 ショコラは『そうだよー』と答えて、作業を続けていた。
 ペタが小さな城の周囲に穴を掘る。そこに水が流し込まれると、なんだか幻想的な城ができあがった。ユキマルが城をライトで照らすよう装飾してくれたから、暗くなっても水面に城の姿が綺麗に映りそう。

「……みんな、僕よりセンスがいいのでは?」

 めちゃくちゃ、テーマパーク感が増してる。最高に綺麗だし楽しそう。映えるし。
 悔しくなったので、僕も装飾を足してみた。

「僕と言えばウサギ! ということで、ウサギの生垣、ウサギのオブジェ!」

 色んなところに設置したら、まるでウサギの住処に迷い込んだような、メルヘンな雰囲気になった。
 スラリンたちも喜んで、僕が置いたオブジェに合わせて装飾を加えてくれる。
 やっぱり最高な空間になってるね!

「よーし、後は、踊りを披露する舞台だけだ。ライトでの装飾は、引き続きみんなにお願いするよ」
「きゅぃ!」

 みんなを代表してスラリンが答えた。
 ここでパーティーをするって、楽しい予感しかしないね!

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