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5章 もふもふいっぱい?
187.ついにこの日が
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「あ、そういや、サブリングの使い方の話だったな」
「そうだよ! これ、装備できないみたいなんだよね。アクセサリーとして認識されてないっぽいんだ。どいうこと?」
本題に戻って、モンちゃんに尋ねる。ヘルプにも説明がなかったんだよねー。
「サブリングは指に入るなら身につけることもできるが、本来の用途は職業に付けることなんだよ」
「意味がわかんない」
「あー……とりあえず、こっち来い」
モンちゃんに連れられて向かったのは、道場みたいな場所だった。奥に神棚のようなものがある。
その棚の前まで連れて行かれて、そこにあった台の上にサブリングを載せるよう促された。
「ここでサブリングを捧げて、メイン職にサブ職を紐づけしてもらうよう祈るんだ」
「あ、そういう感じの儀式のものだったんだ?」
サブリングをマジマジと見つめてから、言われた通りにしてみる。
両手を合わせて『サブ職、お願いしまーす』と考えながら南無南無と祈った。……南無南無はなんか違う気がするけど、まぁいいでしょ。
そうしたら、なんだかぽわっと体が温かくなる感じがした。
「――おお? ステータスオープン」
確認してみると、『戦闘職:魔術士』『生産職:錬金術士』の横に、指輪のようなマークと空白ができてる。
「できたか? ステータスの空白のところをタッチしたら、現時点で選択可能のサブ職を一つ設定できる。一度設定したら、王都の転職所に行かないと変更できないから慎重にな。まぁ、お前はテイマーになるって決めてんだろうけどな」
「もちろん! 設定してみるね」
ポチッと空白に触れたら、ズラッと職業名が並んだ。ほとんどが灰色になってる。選択できるのは白色で表記されてるものだけみたいだ。
僕が今サブ職として選択できるのは、戦闘職では『体術士』『治癒士』『テイマー』『ボム戦士』、生産職では『料理人』『薬士』『釣り人』『アクセサリー作成専門士』だった。
「――生産職も選べるの?」
「一つのサブリングで戦闘職か生産職どちらかのサブ職一つだな。生産職のサブ職も欲しけりゃ、またサブリングを手に入れろ」
「なるほど。終わりがなさそう……」
たくさんの職業を眺めてポツリと呟く。文字通りのオールラウンダーになるためには、どれほどの数のサブリングが必要なんだろう。
まぁ、僕はとりあえず今テイマーになれればいいし――。
「設定完了!」
ぽちっとサブ職:テイマーを選択した。
〈サブ職に『テイマー』が設定されました。サブ職では、一部職能が制限されます〉
おっと?
詳細を確認してみると、サブ職がテイマーの場合は『テイムモンスターが体力0になると、再召喚可能になるまで一時間かかります』と書かれていた。
メイン職がテイマーの場合、『テイムモンスターが体力0になると、バトル終了後一時間、テイムモンスターのステータスが半減します』となってたから、結構違うね。
「――まぁ、街を連れ歩けるなら問題なし!」
僕の第一目的は、みんなで遊ぶことなので。サブ職:テイマーで十分だ。
〈テイマーの専門スキル【テイム】が授与されます。――すでに同一スキルを保有しているため、【テイム】レベルが2に上がりました〉
「スキルレベルが上がるのはラッキー♪」
どうやれば上がるのかなって思うくらい、全然上がらなかったからなぁ。
テイムスキルのレベルが上がると、成功率が上がるらしい。……僕、そんなにテイムで苦労したことないぞ? レベル1でも十分凄いのでは?
〈〈プレイヤーによって、ワールドミッション『サブ職に就く』が達成されました〉〉
ワールドアナウンスだー。正直、来ると思ってた。
〈ワールドミッション達成報酬として、称号【迷走中】アイテム【SP20Pチケット】が贈られます〉
……迷走中?
アイテム効果は説明を見なくてもなんとなくわかる。SP を20P自由に割り振れるんでしょ。
でも、迷走中っていう称号は、聞こえが悪くない?
むぅ、と思いながら詳細を確認する。
――――――
称号【迷走中】
初めてサブ職を入手したプレイヤーに贈られる称号。
サブ職のレベルが上がりやすくなる効果がある。
『あなたはまだ道半ば。迷いながら進む先に、望む未来が現れるでしょう』
――――――
効果は、すっごく良いんだよなぁ!
でも、おみくじの内容みたいな言葉はなに? そしてやっぱり、称号名が誤解を招く! 僕は迷走してないよ!
「……テイマーになれたからいいや」
称号やアイテムはおまけだと思おう。
そう自分を納得させてから、モンちゃんを見上げる。
「これでお前もテイマーの仲間入りだな」
「うん。これからもよろしくね」
ニコッと笑って握手をする。
「他のサブ職を入手すると、戦闘スタイルの幅が広がる。挑戦してみる価値はあるぞ」
「そうだねー、気が向いたら?」
実は体術士とか、ちょっと興味がある。足蹴とか嵐蹴りとか、蹴り技使うの楽しいから。
そう思いながら頷いたら、またアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション『オールラウンダーへの道』が開始しました。新たにサブ職を二つ入手しましょう〉
……わぁい。一つが終わったと思ったら、早速新たに始まったよー。オールラウンダーと聞いた時から、なんとなくこうなる気がしてたけど。
それにしてもサブ職二つかー。
たぶん、一つのシーズンイベントで一つのサブリングが限界だから、ミッションを達成するのは結構先のことになりそう。
「今後、週一回テイマー講習に参加できるようになる。十回参加すると、テイムスキルのレベルが上がるぞ」
「え、ほんとに?」
〈ミッション『テイマーを極める』が開始しました。テイマー講習出席簿は、ステータスの職業欄から確認できます〉
ステータスの職業欄『テイマー』を選択すると、十個の枠があるカードがポップアップした。一回講習に参加すると、枠一つにスタンプが押されるらしい。
次回の講習日時も表示されてるから、こまめにチェックする必要があるね。
「――わかったよ! 時間がある時、受けに来るね」
「おう。モモが一流のテイマーになれるよう、育ててやる」
ニッと笑ったモンちゃんに、僕も笑顔を向ける。
まぁ、僕、テイマーになったのは、みんなと一緒に遊びたかったからだし、あんまりテイマーとしての上達は考えてなかったんだけど。モンちゃんが言うなら、がんばってみようかな。
「そうだよ! これ、装備できないみたいなんだよね。アクセサリーとして認識されてないっぽいんだ。どいうこと?」
本題に戻って、モンちゃんに尋ねる。ヘルプにも説明がなかったんだよねー。
「サブリングは指に入るなら身につけることもできるが、本来の用途は職業に付けることなんだよ」
「意味がわかんない」
「あー……とりあえず、こっち来い」
モンちゃんに連れられて向かったのは、道場みたいな場所だった。奥に神棚のようなものがある。
その棚の前まで連れて行かれて、そこにあった台の上にサブリングを載せるよう促された。
「ここでサブリングを捧げて、メイン職にサブ職を紐づけしてもらうよう祈るんだ」
「あ、そういう感じの儀式のものだったんだ?」
サブリングをマジマジと見つめてから、言われた通りにしてみる。
両手を合わせて『サブ職、お願いしまーす』と考えながら南無南無と祈った。……南無南無はなんか違う気がするけど、まぁいいでしょ。
そうしたら、なんだかぽわっと体が温かくなる感じがした。
「――おお? ステータスオープン」
確認してみると、『戦闘職:魔術士』『生産職:錬金術士』の横に、指輪のようなマークと空白ができてる。
「できたか? ステータスの空白のところをタッチしたら、現時点で選択可能のサブ職を一つ設定できる。一度設定したら、王都の転職所に行かないと変更できないから慎重にな。まぁ、お前はテイマーになるって決めてんだろうけどな」
「もちろん! 設定してみるね」
ポチッと空白に触れたら、ズラッと職業名が並んだ。ほとんどが灰色になってる。選択できるのは白色で表記されてるものだけみたいだ。
僕が今サブ職として選択できるのは、戦闘職では『体術士』『治癒士』『テイマー』『ボム戦士』、生産職では『料理人』『薬士』『釣り人』『アクセサリー作成専門士』だった。
「――生産職も選べるの?」
「一つのサブリングで戦闘職か生産職どちらかのサブ職一つだな。生産職のサブ職も欲しけりゃ、またサブリングを手に入れろ」
「なるほど。終わりがなさそう……」
たくさんの職業を眺めてポツリと呟く。文字通りのオールラウンダーになるためには、どれほどの数のサブリングが必要なんだろう。
まぁ、僕はとりあえず今テイマーになれればいいし――。
「設定完了!」
ぽちっとサブ職:テイマーを選択した。
〈サブ職に『テイマー』が設定されました。サブ職では、一部職能が制限されます〉
おっと?
詳細を確認してみると、サブ職がテイマーの場合は『テイムモンスターが体力0になると、再召喚可能になるまで一時間かかります』と書かれていた。
メイン職がテイマーの場合、『テイムモンスターが体力0になると、バトル終了後一時間、テイムモンスターのステータスが半減します』となってたから、結構違うね。
「――まぁ、街を連れ歩けるなら問題なし!」
僕の第一目的は、みんなで遊ぶことなので。サブ職:テイマーで十分だ。
〈テイマーの専門スキル【テイム】が授与されます。――すでに同一スキルを保有しているため、【テイム】レベルが2に上がりました〉
「スキルレベルが上がるのはラッキー♪」
どうやれば上がるのかなって思うくらい、全然上がらなかったからなぁ。
テイムスキルのレベルが上がると、成功率が上がるらしい。……僕、そんなにテイムで苦労したことないぞ? レベル1でも十分凄いのでは?
〈〈プレイヤーによって、ワールドミッション『サブ職に就く』が達成されました〉〉
ワールドアナウンスだー。正直、来ると思ってた。
〈ワールドミッション達成報酬として、称号【迷走中】アイテム【SP20Pチケット】が贈られます〉
……迷走中?
アイテム効果は説明を見なくてもなんとなくわかる。SP を20P自由に割り振れるんでしょ。
でも、迷走中っていう称号は、聞こえが悪くない?
むぅ、と思いながら詳細を確認する。
――――――
称号【迷走中】
初めてサブ職を入手したプレイヤーに贈られる称号。
サブ職のレベルが上がりやすくなる効果がある。
『あなたはまだ道半ば。迷いながら進む先に、望む未来が現れるでしょう』
――――――
効果は、すっごく良いんだよなぁ!
でも、おみくじの内容みたいな言葉はなに? そしてやっぱり、称号名が誤解を招く! 僕は迷走してないよ!
「……テイマーになれたからいいや」
称号やアイテムはおまけだと思おう。
そう自分を納得させてから、モンちゃんを見上げる。
「これでお前もテイマーの仲間入りだな」
「うん。これからもよろしくね」
ニコッと笑って握手をする。
「他のサブ職を入手すると、戦闘スタイルの幅が広がる。挑戦してみる価値はあるぞ」
「そうだねー、気が向いたら?」
実は体術士とか、ちょっと興味がある。足蹴とか嵐蹴りとか、蹴り技使うの楽しいから。
そう思いながら頷いたら、またアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション『オールラウンダーへの道』が開始しました。新たにサブ職を二つ入手しましょう〉
……わぁい。一つが終わったと思ったら、早速新たに始まったよー。オールラウンダーと聞いた時から、なんとなくこうなる気がしてたけど。
それにしてもサブ職二つかー。
たぶん、一つのシーズンイベントで一つのサブリングが限界だから、ミッションを達成するのは結構先のことになりそう。
「今後、週一回テイマー講習に参加できるようになる。十回参加すると、テイムスキルのレベルが上がるぞ」
「え、ほんとに?」
〈ミッション『テイマーを極める』が開始しました。テイマー講習出席簿は、ステータスの職業欄から確認できます〉
ステータスの職業欄『テイマー』を選択すると、十個の枠があるカードがポップアップした。一回講習に参加すると、枠一つにスタンプが押されるらしい。
次回の講習日時も表示されてるから、こまめにチェックする必要があるね。
「――わかったよ! 時間がある時、受けに来るね」
「おう。モモが一流のテイマーになれるよう、育ててやる」
ニッと笑ったモンちゃんに、僕も笑顔を向ける。
まぁ、僕、テイマーになったのは、みんなと一緒に遊びたかったからだし、あんまりテイマーとしての上達は考えてなかったんだけど。モンちゃんが言うなら、がんばってみようかな。
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