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6章 どたばた大騒動?
202.お店作り
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屋敷に帰ってきてから、早速オギンたちの寝床を二階に設置した。喚び出したらみんなも気に入ってくれてるみたい。
ピアが『ゆ~れ~る~』と楽しそうにハンモックで遊んでるのを見てから一階へ移動。
屋敷の中央部にある板の間スペースでは、すでにお店への改装工事が始まっていた。
作業してる人たちに挨拶しながら、工房に行く。中にはテーブルと椅子と本棚が備え付けられてる。
ここも快適な空間にしたいなぁと思いつつ、ストレージへと向かう。
ストレージの中は、これまでと変わらずたくさんの棚が並ぶ巨大な空間。
必要そうなアイテムを片っ端からアイテムボックスに詰めて、また工房へ。これからいろんなアイテムを作るよー。
「あ、スラリンとユキマル、見に来たの?」
二階で舟型ベッドを楽しんでいたはずだけど、僕を追ってついて来たみたいだ。『なに作るの?』と楽しそうにしてる二体に、「いろいろだよー」と答えて、作業台に錬金玉と錬金布を置く。
「まずはちゃぶ台かな」
さっきのカフェをイメージしたイートインスペースを作りたい。
錬金玉で探してみると、多種多様なテーブルのイメージが出てくる。多すぎて迷うなぁ。
「きゅぃ(これがいいよ)」
「ぴぅ(モモっぽいね)」
スラリンたちが指したのは、ミルクティーみたいな色の円形のちゃぶ台。側面に透かし彫りが施されててオシャレだ。ウサギと月がモチーフらしい。
「おお! 確かに僕っぽいね。これにしよう。材料は【木の枝】だけでいいみたいだし、たくさん作れそう」
地道に採集してたから、木の枝はたくさんあるよ。素材によって微妙に色味が変わるらしいので、白っぽい木の枝である【白美桃の木の枝】を使うことにした。
「【錬金スタート】!」
錬金術のキラキラ演出の後に、ミニチュアサイズのちゃぶ台(月兎モチーフ)が完成した。
早速和室に持っていって置いてみる。
大きさは四人用な感じかな。ここにテーブルクロスかランチョンマットを置いて、お花も飾ったらさらにオシャレだと思う。
「かわいーね」
「きゅぃ!(優しい色だね)」
「ぴぅ(モモみたい)」
「僕が優しいってこと?」
スラリンたちが『そうだよー』と頷いてくれた。嬉しい。
調子にのって、工房に戻ってからたくさん作っちゃった。全部で二十個。和室全部に置いたらちょうどいいかもしれない。
ちゃぶ台に合う一輪挿しやランチョンマットも作り、次々に部屋に設置していく。一気にカフェっぽくなった気がする。
「お花は農地で育てたやつを飾ろう」
スラリンたちが楽しそうに見て回っているのを眺めながら、うんうんと頷く。
まだなにか足りないなー、と思ったので、工房でライトや装飾品を作った。
ライトはウサギのシルエットが浮かび上がる行燈っぽいやつだ。和風な感じでいいでしょ。装飾品もウサギモチーフで統一してみた。
「僕のお店に来る人はウサギ好きな人が多いはずだしね」
ウサギ尽くしにしたけど、あからさまに可愛くするのは避ける。
第二の街にある一号店はウサギいっぱいで外観から可愛くしちゃったせいで、男の人が入りにくいっていうデメリットがあったんだ。だから、二号店は誰でも入りやすくしたい。
「――まぁ、ウサギをなくすのはできなかったけど、これくらいなら大丈夫でしょ」
「きゅぃ(モモ、クッションとかは置かないの?)」
「あ、そっか。座椅子とかあったらいいね」
スラリンに言われて、再び錬金術で作成。
ウサギの透かし彫りが入った座椅子とシンプルな座布団。いろんな色の座布団を作ったから、好みで選んで使ってもらおう。
全部設置した後は、奥の部屋で休憩。
さっき和菓子を食べたばかりだけど、小腹が空いたので桃のコンポートゼリーを食べることにした。ごろごろと桃が入っててうまうま。
スラリンたちも美味しそうに食べてくれてる。
いつの間にかスラリンたちの他にも、オギンとショコラ、ピアも来ていたので、全員にスイーツを配った。ショコラは『チョコがいい~』と言うので、チョコマフィンです。
「美味しい?」
「くまま(チョコさいこー)」
「キュオ(桃って甘いのね)」
「もふ(うーまうーま)♪」
満足してもらえたようでなにより。
ほのぼのしながら庭を眺める。庭の奥は低い壁があって、その向こうには東の鉱山エリアがあるんだよなぁ。
もしモンスターが街に襲撃してくるなんてことになったら、この家は真っ先に被害を受けちゃいそうだし、対策を考えておきたい。
「うーん……なんかあるかなぁ」
錬金玉で検索。
でも、効果が高そうな防衛アイテムは素材のレア度が高い上に、見たことがないものばかりでどこで手に入るのかさえわからない。
「単純に壁を高くしたら、景観が損なわれちゃいそうだなぁ」
「キュオ(装飾したらいいんじゃない?)」
「装飾? それもありかも」
オギンの提案を真剣に考えてから、頷く。
とりあえず、魔力・物理攻撃どちらにも耐性がある素材で壁を作ろう。なにもないよりはいいはず。
早速工房に戻って、レシピを吟味してアイテム作成。
耐火効果があり、物理攻撃に強いレンガを積み重ねた壁を作ることにした。竹を使って壁を隠す感じにしたら、景観にあまり影響が出ないと思う。
「みんな、設置を手伝ってねー」
庭の奥に移動して、アイテムを地面に並べる。みんなで設置すればすぐ終わるはず。
レンガを運んで積み上げて、どんどんと壁を高くしていく。
ピアは浮いてるから、高所の作業が得意。オギンは跳躍力とバランス感覚が優れてるから、ひょいひょいと作成途中の壁の上を歩いてレンガを並べてる。
「くまま(よいしょー)」
ショコラがたくさんのレンガを一気に運んで、それをスラリンとユキマルが受け取り並べる。コンビネーションがいいね。
僕も黙々と作業をしてたら、あっという間に壁ができあがった。
屋敷の敷地側に竹を並べて壁を隠したら完成。ピアが竹にイルミネーションを施してるから、夜も綺麗だろうな。
「いい感じ! みんな協力ありがとね」
屋敷を守るためのアイテムは、商品作りと合わせて、継続してやっていこう。
ピアが『ゆ~れ~る~』と楽しそうにハンモックで遊んでるのを見てから一階へ移動。
屋敷の中央部にある板の間スペースでは、すでにお店への改装工事が始まっていた。
作業してる人たちに挨拶しながら、工房に行く。中にはテーブルと椅子と本棚が備え付けられてる。
ここも快適な空間にしたいなぁと思いつつ、ストレージへと向かう。
ストレージの中は、これまでと変わらずたくさんの棚が並ぶ巨大な空間。
必要そうなアイテムを片っ端からアイテムボックスに詰めて、また工房へ。これからいろんなアイテムを作るよー。
「あ、スラリンとユキマル、見に来たの?」
二階で舟型ベッドを楽しんでいたはずだけど、僕を追ってついて来たみたいだ。『なに作るの?』と楽しそうにしてる二体に、「いろいろだよー」と答えて、作業台に錬金玉と錬金布を置く。
「まずはちゃぶ台かな」
さっきのカフェをイメージしたイートインスペースを作りたい。
錬金玉で探してみると、多種多様なテーブルのイメージが出てくる。多すぎて迷うなぁ。
「きゅぃ(これがいいよ)」
「ぴぅ(モモっぽいね)」
スラリンたちが指したのは、ミルクティーみたいな色の円形のちゃぶ台。側面に透かし彫りが施されててオシャレだ。ウサギと月がモチーフらしい。
「おお! 確かに僕っぽいね。これにしよう。材料は【木の枝】だけでいいみたいだし、たくさん作れそう」
地道に採集してたから、木の枝はたくさんあるよ。素材によって微妙に色味が変わるらしいので、白っぽい木の枝である【白美桃の木の枝】を使うことにした。
「【錬金スタート】!」
錬金術のキラキラ演出の後に、ミニチュアサイズのちゃぶ台(月兎モチーフ)が完成した。
早速和室に持っていって置いてみる。
大きさは四人用な感じかな。ここにテーブルクロスかランチョンマットを置いて、お花も飾ったらさらにオシャレだと思う。
「かわいーね」
「きゅぃ!(優しい色だね)」
「ぴぅ(モモみたい)」
「僕が優しいってこと?」
スラリンたちが『そうだよー』と頷いてくれた。嬉しい。
調子にのって、工房に戻ってからたくさん作っちゃった。全部で二十個。和室全部に置いたらちょうどいいかもしれない。
ちゃぶ台に合う一輪挿しやランチョンマットも作り、次々に部屋に設置していく。一気にカフェっぽくなった気がする。
「お花は農地で育てたやつを飾ろう」
スラリンたちが楽しそうに見て回っているのを眺めながら、うんうんと頷く。
まだなにか足りないなー、と思ったので、工房でライトや装飾品を作った。
ライトはウサギのシルエットが浮かび上がる行燈っぽいやつだ。和風な感じでいいでしょ。装飾品もウサギモチーフで統一してみた。
「僕のお店に来る人はウサギ好きな人が多いはずだしね」
ウサギ尽くしにしたけど、あからさまに可愛くするのは避ける。
第二の街にある一号店はウサギいっぱいで外観から可愛くしちゃったせいで、男の人が入りにくいっていうデメリットがあったんだ。だから、二号店は誰でも入りやすくしたい。
「――まぁ、ウサギをなくすのはできなかったけど、これくらいなら大丈夫でしょ」
「きゅぃ(モモ、クッションとかは置かないの?)」
「あ、そっか。座椅子とかあったらいいね」
スラリンに言われて、再び錬金術で作成。
ウサギの透かし彫りが入った座椅子とシンプルな座布団。いろんな色の座布団を作ったから、好みで選んで使ってもらおう。
全部設置した後は、奥の部屋で休憩。
さっき和菓子を食べたばかりだけど、小腹が空いたので桃のコンポートゼリーを食べることにした。ごろごろと桃が入っててうまうま。
スラリンたちも美味しそうに食べてくれてる。
いつの間にかスラリンたちの他にも、オギンとショコラ、ピアも来ていたので、全員にスイーツを配った。ショコラは『チョコがいい~』と言うので、チョコマフィンです。
「美味しい?」
「くまま(チョコさいこー)」
「キュオ(桃って甘いのね)」
「もふ(うーまうーま)♪」
満足してもらえたようでなにより。
ほのぼのしながら庭を眺める。庭の奥は低い壁があって、その向こうには東の鉱山エリアがあるんだよなぁ。
もしモンスターが街に襲撃してくるなんてことになったら、この家は真っ先に被害を受けちゃいそうだし、対策を考えておきたい。
「うーん……なんかあるかなぁ」
錬金玉で検索。
でも、効果が高そうな防衛アイテムは素材のレア度が高い上に、見たことがないものばかりでどこで手に入るのかさえわからない。
「単純に壁を高くしたら、景観が損なわれちゃいそうだなぁ」
「キュオ(装飾したらいいんじゃない?)」
「装飾? それもありかも」
オギンの提案を真剣に考えてから、頷く。
とりあえず、魔力・物理攻撃どちらにも耐性がある素材で壁を作ろう。なにもないよりはいいはず。
早速工房に戻って、レシピを吟味してアイテム作成。
耐火効果があり、物理攻撃に強いレンガを積み重ねた壁を作ることにした。竹を使って壁を隠す感じにしたら、景観にあまり影響が出ないと思う。
「みんな、設置を手伝ってねー」
庭の奥に移動して、アイテムを地面に並べる。みんなで設置すればすぐ終わるはず。
レンガを運んで積み上げて、どんどんと壁を高くしていく。
ピアは浮いてるから、高所の作業が得意。オギンは跳躍力とバランス感覚が優れてるから、ひょいひょいと作成途中の壁の上を歩いてレンガを並べてる。
「くまま(よいしょー)」
ショコラがたくさんのレンガを一気に運んで、それをスラリンとユキマルが受け取り並べる。コンビネーションがいいね。
僕も黙々と作業をしてたら、あっという間に壁ができあがった。
屋敷の敷地側に竹を並べて壁を隠したら完成。ピアが竹にイルミネーションを施してるから、夜も綺麗だろうな。
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屋敷を守るためのアイテムは、商品作りと合わせて、継続してやっていこう。
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