もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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6章 どたばた大騒動?

213.みんなを強化?

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 ペタにどんなアクセサリーが良いか聞いてみると、「くるる(首に飾るものがいい)」という答えが返ってきた。

 首に着けるなら、ネックレス系かな。リボンとか、チョーカーみたいな感じも良さそう。

「んー……どれかなー」
「くるる(これ)」
「うん? 【濃紺のリボン】?」

 首飾りのレシピをスクロールしていると、ペタが一つのアクセサリーを指した。蝶々結びされたリボンだ。

 濃紺色は一瞬地味じゃないかなぁと思ったけど、効果が良いし、ペタが選んだものだし、と作ってみる。
 材料は【紺貝ネイビシェル】と【絹】らしい。どっちの素材も持ってたから良かったー。アイテムを買い取りに出してくれた人、ほんとありがと。

「おお? 綺麗!」

 実際に出来上がったリボンは、レシピ上で見るよりすごくキラキラしていた。濃紺色なんだけど、虹色の粉を散りばめたみたいに光を反射して輝いてる。ペタ、センスあるね!

「着けてあげるね」
「くるる(ありがとー。可愛い?)」

 ペタの首の後ろに大きな蝶々結びがある。まるでペタがラッピングされたように見えるけど、それがよく似合っていた。

「可愛いよー」
「くるる(それなら嬉しい)」

 ご満悦そうに頷くペタを、僕もにこにこと笑って眺める。
 ちなみにアクセサリーの効果は『魔力攻撃力+10、精神力+10、水属性攻撃の効果上昇』だ。呪い対策にもいいんじゃないかな?

「次はショコラだよー」
「くまま(カッコいいのがいい)」
「可愛いのじゃなくて?」
「くまー(うん。それに、鎧の邪魔にならないやつかなー)」
「そっか。ショコラはスキルで岩の鎧を纏えるもんね」

 以前見た姿を思い出して納得する。
 邪魔にならないものは、頭部のアクセサリーかな。でもスラリンとユキマルに作ったアクセサリーはあんまり似合わない気がする。

 とりあえず、頭部アクセサリーで土属性に補正のあるレシピを抽出してみた。
 ガッツリと頭を覆う形の防具みたいなものはあるけど、それを普段から着けているショコラは見たくないので即却下。他には――

「あ、このイヤリングはどう?」

 たくさんのレシピから選び出したのは、トゲトゲしたイヤリング。ちょっとイカツイ感じがするけど、ショコラのテディベア的可愛さと合わせて、意外と似合う気がする。

「くまま(いいねー)」
「じゃあ作るね」

 気に入ってもらえたようなので、早速作成。
 効果は『物理攻撃力+8、魔力攻撃力+10、精神力+5、土属性攻撃の効果上昇』だ。ショコラもペタと同じく精神力低めなステータスだから、底上げは大事。

 出来上がったイヤリングをショコラに着けてあげると、予想以上にマッチしてた。なんかロックな感じがしていい。ロック属性だし? ……ダジャレです、ごめんなさい。

「くまー(カッコいい?)」
「うん、すごくカッコいいよ! 一緒にロックバンドする?」
「くまま(しないよー)」
「断りが早い! ショコラ、たまに冷たいよね?」

 ハロウィンパーティーではノリノリでドラム叩いてくれたじゃんー! と訴えてみるも、ショコラは『それはそれ。これはこれー』と言う。

 ロックバンドのなにがいけないの? もしかして、どうしてもロック=岩って連想しちゃってるのが伝わってる? ショコラはダジャレNGかな?

 しょんぼりとしてたら、オギンが慰めるように鼻先でつついてきた。
 ……いや、これ、慰めてるんじゃなくて、『早く私のも作って』って催促してるだけか。

「オギンのも作るよー。どんなのがいい?」
「キュオ(私はキラキラしてるものが好きよ)」
「キラキラかー」

 どこに着けるかは希望がないようなので、腕輪タイプで探してみる。オギンは爪で攻撃することがあるし、その時に腕にキラキラしたアクセサリーがあったら綺麗だと思うんだ。

「――おお? これはどう?」

 見つけ出したレシピは【六花のバングル】だった。銀色の輪っかに、雪の結晶のような形の透明な石がついてる。
 効果は『物理攻撃力+10、魔力攻撃力+10、精神力+5、氷属性攻撃の効果上昇』だ。ただでさえステータスもレベルも高いオギンが、さらに強化されること間違いなし!

「キュオ(あら、いいわね)」
「じゃあ作るよ。――【錬金スタート】!」

 ピカッと光を放って完成したバングルをオギンの右腕にはめる。……もっふもふの毛に埋もれてる気がするけど、ちらっと見えるのがむしろオシャレかも?

「キュオ(ふふ、なんだか吹雪を起こしたくなるわね)」
「やめてよ?!」

 ぎょっとしながら制止する僕に、オギンは『うふふ』と笑った。
 この屋敷で吹雪を起こされたら、雪で埋もれちゃう。……あれ? 雪化粧された庭も風流かも?

「――いや、ダメダメ。ご近所迷惑!」

 ぶんぶんと頭を振って、疼いた好奇心を鎮めた。

「キューオ(冗談よ)」
「オギン、世話焼きお姉さんなだけじゃなかったんだね……」
「キュオ(たまには楽しいでしょう?)」

 ジトッと見つめる僕を眺め、オギンは愉快そうに目を細めた。そういうちょっと意地悪なところも、なんだか好きです。

「きゅぃ(ピアはどうするの?)」
「あ、そうだね。えっと、スラリン、交代してくれる?」
「きゅ(いいよ!)」

 優しいスラリンをモンスター空間に戻して、ピアを召喚する。
 現れたピアはふわふわと浮かんで不思議そうにレシピを眺めた。

「ピアのアクセサリーも作ろうと思うんだけど――」

 言いながら、ふと『ピアにアクセサリーって必要なのかな?』と思った。だって、ピアは僕たちの中で一番強いし、万が一の場合じゃないとバトルに召喚することないと思うし。

「もふ(ピカピカ光りたい)」
「……ハロウィンパーティーでも思ったけど、ピアって独特なセンスがあるよね」

 会場を飾り付けるのはすごく上手だったけど、ミラーボールみたいにピカピカ光るのを楽しんでたのはちょっと理解できない。

 まぁ、ピアがそうしたいと言うなら、新しくアクセサリーを作らなくても、ハロウィンパーティーで使ったのを付けてあげればいいのかも?

「これでいい?」
「もふ(これ好きー)」

 大した効果のないアイテムだけど、ピアが満足そうに電飾を纏っていたので、それでいいことにした。

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