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6章 どたばた大騒動?
214.嬉しい悩みです
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テイムモンスターみんなの装備を用意した後は、西のキーリ湖に向かった。
とりあえず、パーティメンバーは僕とスラリン、ユキマル、ペタ、ショコラだ。力を合わせてがんばるぞー。
「スラリン、回避からの体当たり! 巻きついて拘束!」
「きゅぃ(逃さないぞー)」
「ユキマル、回復を使って!」
「ぴぅ(はーい!)」
道中の敵に、スラリンが攻撃した後まとわりつく。敵が暴れて振りほどこうとしても、べったりとくっついたスラリンは離れない。
アクセサリーの効果で防御力が上がってるし、ユキマルが回復をかけてあげてるから、スラリンの拘束はまだまだ続けられそうだ。
これで拘束系のスキルを覚えさせられたらいいなーと思ってるんだけど、どうだろうね?
「ペタは水噴射! ショコラは岩槍!」
「くるる(いけー)」
「くまま(ブスッとしちゃうぞー)」
ペタとショコラは気合いを入れてるんだろうけど、ちょっとのんびりした雰囲気だった。でも、二体の攻撃は強力だから、ギャップを感じる。
「スラリン、ペタからの水を吸い込んで、敵に吐き出して!」
「きゅーい!(やってみる!)」
ダンジョンで見た動きを指示で再現させてみた。これでスキルを習得できたら儲けもの。
ペタの水を吸収して膨らんだスラリンは、勢いよく敵に吐き出す。ペタの水噴射ほどの威力はないけど、ダメージは与えられてるみたいだ。
繰り返し指示をして、敵を倒す。
道中の敵程度なら、問題なく戦えそうだ。
「まだスキルは習得できないね」
さすがにたった一戦ではなんの成果もない。
というわけで、キーリ湖まで諦めず様々な行動を指示してスキル習得を目指すことにした。
◇◆◇
キーリ湖に到着するまでに何度モンスターと戦ったことか。
キラキラと光を反射する湖面が見えてきたところでモンスターを倒すと、これまでの討伐アナウンスとは違う言葉が聞こえてきた。
〈スラリンがスキル【まとわりつく】【発射】を覚えました〉
〈ユキマルがスキル【範囲回復】を覚えました〉
思わず目を見開く。
「え、すごい! スラリンとユキマル、新しいスキルを覚えられたね!」
「きゅぃ(わーい! これで、もっと活躍できるよね!)」
「ぴぅ(たくさん回復できるようになったー!)」
スラリンとユキマルが飛び跳ねて喜ぶ。それをペタとショコラが緩い拍手で祝福した。
スラリンが覚えたスキル【まとわりつく】の効果は、『敵の体にへばりつき、行動を阻害する。スキル使用中はダメージを受けにくくなる』というもの。【発射】の効果は、『体内に取り込んだものを勢いよく発射し、ダメージを与える』らしい。
ユキマルの【範囲回復】の効果は『味方パーティの体力を30回復させる』んだって。
これは、回復を一定回数使用したことで覚えたらしい。
努力の成果が出ると嬉しいなー。
ルンルンと鼻歌を歌っていると、新たなアナウンスが聞こえてくる。
〈スラリンのレベルが20になったことにより、進化が可能になりました〉
ハッと息を飲んでスラリンを凝視する。
進化……! これを待ち望んでいたんだ。スライムの進化はレベル20で解放されるのか。
「えっと、メニューからスラリンを選んで――」
フレンドモンスター欄からスラリンの詳細情報を出してみると、これまで見たことがない【進化】という項目ができていた。
その項目を選択してみる。
「おー、こういう感じで進化先の選択肢が出てくるのかー」
ズラッと進化先の名前が並ぶ。でも、灰色の文字で『???』と表示されているものが多い。おそらくこれは進化するための条件が達成できてないんだろう。
現在選択できるのは白字で表示されたモンスター名だけのようだ。
「えっと【ラージスライム】【フィッシャースライム】【トラップスライム】【セイクリッドスライム】に進化可能なのか」
スクロールしてモンスター名を確認した。
おそらくラージスライムがスライムの通常進化先だ。進化すると、今より物理攻撃力のステータスが高くなるらしい。サイズも大きくなるから、吸収・分解できる対象が増えそうだ。
フィッシャースライムはレア種。スキル【漁】を覚えてるから発現した進化先だと思う。進化すると、水属性になり、水中での素早さが上がるらしい。
この種が存在してるってことは、スライムが漁をするのって、モンちゃんが言うほど変なことではないんじゃないかな? 単に、そうやってスライムを育てる人が珍しかっただけで。
トラップスライムもレア種。闇属性のスライムで、罠やデバフ系のスキルを覚えやすく、ステータスは器用さや精神力が高い。
セイクリッドスライムもレア種。光属性のスライムで、回復や浄化などのスキルを覚えやすく、ステータスは魔力攻撃力や精神力が高い。
ユキマルのホワイトスライムとの違いがいまいちわからない。試してみるのは面白そうだけど。
「うーん……どうしよう?」
どれに進化しても、今より強くなるのは間違いない。
でも、まだ解放されてない進化先も気になるんだよなぁ。
「きゅぃ(なにを迷ってるの?)」
「スラリンの進化先だよー」
「きゅいー(僕はよくわからないけど、詳しい人に相談してみたら?)」
「そっか……うん、そうだよね! モンちゃんに聞いてみるよ」
スラリンもすぐに進化したいっていう感じじゃなかったから、判断は一旦保留ということで。
今はもっとバトルがんばって、できることを増やそう!
とりあえず、パーティメンバーは僕とスラリン、ユキマル、ペタ、ショコラだ。力を合わせてがんばるぞー。
「スラリン、回避からの体当たり! 巻きついて拘束!」
「きゅぃ(逃さないぞー)」
「ユキマル、回復を使って!」
「ぴぅ(はーい!)」
道中の敵に、スラリンが攻撃した後まとわりつく。敵が暴れて振りほどこうとしても、べったりとくっついたスラリンは離れない。
アクセサリーの効果で防御力が上がってるし、ユキマルが回復をかけてあげてるから、スラリンの拘束はまだまだ続けられそうだ。
これで拘束系のスキルを覚えさせられたらいいなーと思ってるんだけど、どうだろうね?
「ペタは水噴射! ショコラは岩槍!」
「くるる(いけー)」
「くまま(ブスッとしちゃうぞー)」
ペタとショコラは気合いを入れてるんだろうけど、ちょっとのんびりした雰囲気だった。でも、二体の攻撃は強力だから、ギャップを感じる。
「スラリン、ペタからの水を吸い込んで、敵に吐き出して!」
「きゅーい!(やってみる!)」
ダンジョンで見た動きを指示で再現させてみた。これでスキルを習得できたら儲けもの。
ペタの水を吸収して膨らんだスラリンは、勢いよく敵に吐き出す。ペタの水噴射ほどの威力はないけど、ダメージは与えられてるみたいだ。
繰り返し指示をして、敵を倒す。
道中の敵程度なら、問題なく戦えそうだ。
「まだスキルは習得できないね」
さすがにたった一戦ではなんの成果もない。
というわけで、キーリ湖まで諦めず様々な行動を指示してスキル習得を目指すことにした。
◇◆◇
キーリ湖に到着するまでに何度モンスターと戦ったことか。
キラキラと光を反射する湖面が見えてきたところでモンスターを倒すと、これまでの討伐アナウンスとは違う言葉が聞こえてきた。
〈スラリンがスキル【まとわりつく】【発射】を覚えました〉
〈ユキマルがスキル【範囲回復】を覚えました〉
思わず目を見開く。
「え、すごい! スラリンとユキマル、新しいスキルを覚えられたね!」
「きゅぃ(わーい! これで、もっと活躍できるよね!)」
「ぴぅ(たくさん回復できるようになったー!)」
スラリンとユキマルが飛び跳ねて喜ぶ。それをペタとショコラが緩い拍手で祝福した。
スラリンが覚えたスキル【まとわりつく】の効果は、『敵の体にへばりつき、行動を阻害する。スキル使用中はダメージを受けにくくなる』というもの。【発射】の効果は、『体内に取り込んだものを勢いよく発射し、ダメージを与える』らしい。
ユキマルの【範囲回復】の効果は『味方パーティの体力を30回復させる』んだって。
これは、回復を一定回数使用したことで覚えたらしい。
努力の成果が出ると嬉しいなー。
ルンルンと鼻歌を歌っていると、新たなアナウンスが聞こえてくる。
〈スラリンのレベルが20になったことにより、進化が可能になりました〉
ハッと息を飲んでスラリンを凝視する。
進化……! これを待ち望んでいたんだ。スライムの進化はレベル20で解放されるのか。
「えっと、メニューからスラリンを選んで――」
フレンドモンスター欄からスラリンの詳細情報を出してみると、これまで見たことがない【進化】という項目ができていた。
その項目を選択してみる。
「おー、こういう感じで進化先の選択肢が出てくるのかー」
ズラッと進化先の名前が並ぶ。でも、灰色の文字で『???』と表示されているものが多い。おそらくこれは進化するための条件が達成できてないんだろう。
現在選択できるのは白字で表示されたモンスター名だけのようだ。
「えっと【ラージスライム】【フィッシャースライム】【トラップスライム】【セイクリッドスライム】に進化可能なのか」
スクロールしてモンスター名を確認した。
おそらくラージスライムがスライムの通常進化先だ。進化すると、今より物理攻撃力のステータスが高くなるらしい。サイズも大きくなるから、吸収・分解できる対象が増えそうだ。
フィッシャースライムはレア種。スキル【漁】を覚えてるから発現した進化先だと思う。進化すると、水属性になり、水中での素早さが上がるらしい。
この種が存在してるってことは、スライムが漁をするのって、モンちゃんが言うほど変なことではないんじゃないかな? 単に、そうやってスライムを育てる人が珍しかっただけで。
トラップスライムもレア種。闇属性のスライムで、罠やデバフ系のスキルを覚えやすく、ステータスは器用さや精神力が高い。
セイクリッドスライムもレア種。光属性のスライムで、回復や浄化などのスキルを覚えやすく、ステータスは魔力攻撃力や精神力が高い。
ユキマルのホワイトスライムとの違いがいまいちわからない。試してみるのは面白そうだけど。
「うーん……どうしよう?」
どれに進化しても、今より強くなるのは間違いない。
でも、まだ解放されてない進化先も気になるんだよなぁ。
「きゅぃ(なにを迷ってるの?)」
「スラリンの進化先だよー」
「きゅいー(僕はよくわからないけど、詳しい人に相談してみたら?)」
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