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6章 どたばた大騒動?
215.スキル習得のためなら
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狂水獣と何度も戦って、ついでにキーリ湖周辺でスラリンと採集をしてから、第三の街に帰ってきた。
スラリンに採集を指示してみたら、スキルとして習得できたんだよ!
レベルが1だから、採集したアイテムの品質が低くて、錬金術の素材としてはほぼ使えないけど。スラリンのできることが増えただけで嬉しい。
そのままモンちゃんに相談をしようと家に行ってみたんだけど、レアナさんに「今留守にしてるのよ」と申し訳なさそうに言われちゃった。また今度だね。
「なにしよっか?」
「きゅぃ(漁?)」
「ぴぅ(たくさん戦う?)」
「くるる(寝る)」
「くまま(チョコ食べたい)」
聞いてみたら、見事にバラバラの返事だった。とりあえず、ショコラにチョコクッキーをあげる。
これからの予定を考えながらのんびりと街中を歩いていると、屋敷の方まで帰ってきていた。改装の状況を確認しとこうかな。
ぽてぽてと屋敷内に入ったところで、「あ、作業終わりましたよー」という声が掛かる。
「え、もう終わったの?」
「はい! なんかよくわかんないですけど、改装に必要な材料をたくさん納品してくれる人たちがいて、予定より早く終わりました」
店舗改装をしてくれてた人が、にこにこと笑って報告してくれた。
ちょっとタマモたちの気配を感じるのは、きっと気のせいじゃないはず。次に会った時にお礼を言っておかないとなー。
「そっか。ありがとー。これ、もう今日から開店できる感じ?」
「そうっすね。このカウンターがある店舗部分の外側、和室部分も店舗として登録してるんで、人の立ち入り制限等は個別で設定できるようになってます」
「わかったよ。良かったら、お兄さんも買い物に来てね」
「あざっす。雰囲気良さげなんで、彼女と来ます」
ホクホク顔の作業員さんは、もふもふ好きの彼女がいるらしい。ぬいぐるみを置いている場所を見て、「絶対気にいるはず……」と呟いてる。
デート、楽しそうだねー。ご利用待ってます。
いくつかの確認をして立ち去った作業員さんを見送り、店舗内を確認する。
アイテムを販売するスペースは板張りでシンプルな内装だ。これなら男性でも気後れせず利用できるはず。……イートインスペースはダメかな?
「個室も作るかなぁ」
宿として運営するわけではないけど、和室の二部屋は長時間滞在できるよう設定することにした。衝立てを使ってプライベートな空間を確保。一部屋に五人滞在できる。
ここの利用料は安い宿並みに二千リョウにしよう。ぬいぐるみ一つを確実に使えるようにして、離れの温泉利用券も付けるから、お得なはず。
「きゅぃ(お店、お客さんがたくさん来るといいねー)」
「ぴぅ(店番、する?)」
「くるる(モモが言うなら、してもいい)」
「くまま(可愛さで客寄せしたらいいんでしょー?)」
カウンターに商品を並べている間、スラリンたちがにぎやかに話していた。新たなお店の始まりに、ワクワクしているのは僕だけじゃなかったみたいだ。
「お客さんの対応は、このカウンターが勝手にしてくれるから、スラリンたちは庭で寛いだり、遊んだりしてたらいいよ」
バトルに連れ出さない子はこの屋敷に残すつもりだ。きっとそれ見当てに店に通ってくれる人がいるはず。
「きゅぃ(そうなんだ?)」
「ぴぅ(遊ぶってなにしたらいいの?)」
不思議そうなスラリンとユキマルを眺め、少し考える。
遊びかー。軽く走り回れる程度の広さがある庭だけど、スラリンたちがなにをすればいいのか迷うのはしかたない。遊ぶなんてほとんどしたことがないはずだから。
「玉乗りの練習とか?」
スキルを習得するのも遊びになるのでは? という考えが浮かんで呟くと、スラリンの目がキラッと輝いた気がした。
「きゅぃ(それ、モモの役に立つ?)」
「そうだねー。スキルを覚えられたら、スキル屋さんで別のスキルに交換できるかもしれないし」
「ぴぅ(スキル覚えたい!)」
スラリンたちはやる気いっぱいのようだ。ペタやショコラも『いいよー』と賛成してくれているので、早速道具を用意することにした。
玉乗りの練習用の大玉。ジャグリング練習用のナイフやボール。綱渡りのロープを張って、輪くぐり用の輪っかを吊るす。
その他にもいろいろと道具を作ったら、庭の一部がアスレチック施設のようになった。
……風流だった庭が一変しちゃった気がするぞ?
作った後にちょっぴり後悔。
でも、なくすのも嫌なので、道具は庭の隅に設置した小屋に片付けられるようにした。これで、使うときだけ出せる。
「庭のこの部分に道具を設置して練習してね」
「きゅぃ(はーい)」
「この庭に面した部屋はスラリンたちを鑑賞するスペースにしよう」
屋敷の右手側の庭が、普段スラリンたちが遊ぶ場所。左手側と奥の庭は個室利用の人が鑑賞できる風流な場所。これでいいはず。
「イートインスペースで寛いでる人がいたら、挨拶して回ってもいいからね」
「くまま(チョコくれる?)」
「くれる人も多いんじゃないかなー。タマモに伝えとくね!」
確実にショコラに貢ぐ人がいると思う。それで癒やされるなら、双方にとっていいだろうし、黙認するよ。……販売カウンターにチョコのお菓子を増やしておこう。
「――開店は明日かな」
早速タマモに連絡する。
明日が楽しみだなー。
スラリンに採集を指示してみたら、スキルとして習得できたんだよ!
レベルが1だから、採集したアイテムの品質が低くて、錬金術の素材としてはほぼ使えないけど。スラリンのできることが増えただけで嬉しい。
そのままモンちゃんに相談をしようと家に行ってみたんだけど、レアナさんに「今留守にしてるのよ」と申し訳なさそうに言われちゃった。また今度だね。
「なにしよっか?」
「きゅぃ(漁?)」
「ぴぅ(たくさん戦う?)」
「くるる(寝る)」
「くまま(チョコ食べたい)」
聞いてみたら、見事にバラバラの返事だった。とりあえず、ショコラにチョコクッキーをあげる。
これからの予定を考えながらのんびりと街中を歩いていると、屋敷の方まで帰ってきていた。改装の状況を確認しとこうかな。
ぽてぽてと屋敷内に入ったところで、「あ、作業終わりましたよー」という声が掛かる。
「え、もう終わったの?」
「はい! なんかよくわかんないですけど、改装に必要な材料をたくさん納品してくれる人たちがいて、予定より早く終わりました」
店舗改装をしてくれてた人が、にこにこと笑って報告してくれた。
ちょっとタマモたちの気配を感じるのは、きっと気のせいじゃないはず。次に会った時にお礼を言っておかないとなー。
「そっか。ありがとー。これ、もう今日から開店できる感じ?」
「そうっすね。このカウンターがある店舗部分の外側、和室部分も店舗として登録してるんで、人の立ち入り制限等は個別で設定できるようになってます」
「わかったよ。良かったら、お兄さんも買い物に来てね」
「あざっす。雰囲気良さげなんで、彼女と来ます」
ホクホク顔の作業員さんは、もふもふ好きの彼女がいるらしい。ぬいぐるみを置いている場所を見て、「絶対気にいるはず……」と呟いてる。
デート、楽しそうだねー。ご利用待ってます。
いくつかの確認をして立ち去った作業員さんを見送り、店舗内を確認する。
アイテムを販売するスペースは板張りでシンプルな内装だ。これなら男性でも気後れせず利用できるはず。……イートインスペースはダメかな?
「個室も作るかなぁ」
宿として運営するわけではないけど、和室の二部屋は長時間滞在できるよう設定することにした。衝立てを使ってプライベートな空間を確保。一部屋に五人滞在できる。
ここの利用料は安い宿並みに二千リョウにしよう。ぬいぐるみ一つを確実に使えるようにして、離れの温泉利用券も付けるから、お得なはず。
「きゅぃ(お店、お客さんがたくさん来るといいねー)」
「ぴぅ(店番、する?)」
「くるる(モモが言うなら、してもいい)」
「くまま(可愛さで客寄せしたらいいんでしょー?)」
カウンターに商品を並べている間、スラリンたちがにぎやかに話していた。新たなお店の始まりに、ワクワクしているのは僕だけじゃなかったみたいだ。
「お客さんの対応は、このカウンターが勝手にしてくれるから、スラリンたちは庭で寛いだり、遊んだりしてたらいいよ」
バトルに連れ出さない子はこの屋敷に残すつもりだ。きっとそれ見当てに店に通ってくれる人がいるはず。
「きゅぃ(そうなんだ?)」
「ぴぅ(遊ぶってなにしたらいいの?)」
不思議そうなスラリンとユキマルを眺め、少し考える。
遊びかー。軽く走り回れる程度の広さがある庭だけど、スラリンたちがなにをすればいいのか迷うのはしかたない。遊ぶなんてほとんどしたことがないはずだから。
「玉乗りの練習とか?」
スキルを習得するのも遊びになるのでは? という考えが浮かんで呟くと、スラリンの目がキラッと輝いた気がした。
「きゅぃ(それ、モモの役に立つ?)」
「そうだねー。スキルを覚えられたら、スキル屋さんで別のスキルに交換できるかもしれないし」
「ぴぅ(スキル覚えたい!)」
スラリンたちはやる気いっぱいのようだ。ペタやショコラも『いいよー』と賛成してくれているので、早速道具を用意することにした。
玉乗りの練習用の大玉。ジャグリング練習用のナイフやボール。綱渡りのロープを張って、輪くぐり用の輪っかを吊るす。
その他にもいろいろと道具を作ったら、庭の一部がアスレチック施設のようになった。
……風流だった庭が一変しちゃった気がするぞ?
作った後にちょっぴり後悔。
でも、なくすのも嫌なので、道具は庭の隅に設置した小屋に片付けられるようにした。これで、使うときだけ出せる。
「庭のこの部分に道具を設置して練習してね」
「きゅぃ(はーい)」
「この庭に面した部屋はスラリンたちを鑑賞するスペースにしよう」
屋敷の右手側の庭が、普段スラリンたちが遊ぶ場所。左手側と奥の庭は個室利用の人が鑑賞できる風流な場所。これでいいはず。
「イートインスペースで寛いでる人がいたら、挨拶して回ってもいいからね」
「くまま(チョコくれる?)」
「くれる人も多いんじゃないかなー。タマモに伝えとくね!」
確実にショコラに貢ぐ人がいると思う。それで癒やされるなら、双方にとっていいだろうし、黙認するよ。……販売カウンターにチョコのお菓子を増やしておこう。
「――開店は明日かな」
早速タマモに連絡する。
明日が楽しみだなー。
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