もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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7章 世界が広がっていくよ

264.いぇい、ピース!

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〈【炎獄鳥フレインフェルード】の初討伐報酬としてアイテム【火炎の祝福】が贈られます〉
〈火のボス討伐報酬としてアイテム【赤のピース】が贈られます〉

——————
【火炎の祝福】レア度☆☆☆☆☆
 ブレスレット。装備すると火耐性が50%アップする。火属性攻撃力が30%アップする。

【赤のピース】レア度☆☆☆☆
 赤色の鉱石の欠片。『ピース』を五種集めると何かが起こるかもしれない。
——————

 おお、凄そうなものもらった?
 火炎の祝福は、火属性の敵と戦う時に役立ちそう。木属性相手にもいいねー。

 それにしても——

「赤のピースってなに……」

 目の前に掲げてみたら、パズルのピースのように歪な形だった。
 赤の扉から入って赤のピースをゲットしたんだから、各扉ごとにボスがいて、倒したら新たなピースをゲットできるってことかな。全ボスを倒したら、なにが起きるの?

「んー、やってみないとわからないよね」

 先が長いなぁ。のんびりがんばろう。

〈種族レベルが31になりました。水魔術がレベル3になり、【水盾ウォーターシールド】を習得しました〉

 レベルアップだ! やったね。
 しかも、水魔術の防御用スキルを覚えられた。僕、こういう魔術を覚えるのは初めてかも? これまでは防御力と素早さ頼りで、ひたすら回避するしかなかったもんなぁ。
 これからは防御もがんばるぞ。

〈現在装備中の【桃源とうげん天杖てんづえ】の制限レベルを超えました。使用不可になります〉

「ふぁっ!?」
「きゅぃ(どうしたの?)」

 あまりの衝撃で変な声を上げて固まったら、スラリンが心配そうに話しかけてきた。

「僕、武器のレベル制限のこと、すっかり忘れてたぁ……」

 しょんぼりとしながら杖を眺める。
 魔術を使おうとしても、魔力が出口で止められてるような感覚がある。魔術発動体である杖が使用不可だからだろう。

 ひとまず桃源の天杖をアイテムボックスにしまって、岩犀ロックライノの杖を装備した。
 これは、第二の街の交易を阻害してたモンスターをイグニスさんが倒した時にもらった武器だ。装備レベル制限がないから使える。

 でも、桃源の天杖に愛着があるから、早めにアップグレードしなくちゃ。岩犀ロックライノの杖はゴツくて、僕のイメージに合わないし。

「ぴぅ(落ち込まないで……)」
「うん。考えもしなかったけど、ボスを倒せたこと喜ばなきゃね!」

 ユキマルに励まされて、意識的に気分を上げる。
 なにも情報がない中、あんなに強いボスを倒せたの凄いのでは? ピアの大活躍のおかげとも言えるけど、みんなで地道にがんばったもんね!

「みんな、がんばってくれてありがと!」
「くまま(お礼はお菓子でいいよー)」
「くるる(火を消すのは楽しかったー)」

 思ったより、ショコラとペタは余裕があった感じ?
 スラリンとユキマルはちょっと疲れてる様子で『もう一回はしばらく嫌かも』と伝えてきた。それは僕もです。

「もふー」

 ピアは近くの溶岩に近づいて、どこまでなら大丈夫かチキンレースみたいな危ういチャレンジをしてる。丸焼きになったピアは見たくないから、ほどほどのところでやめてね?

〈東の鉱山ダンジョン【赤の空間】を完全クリアしました。他の空間のクリアも目指しましょう。クリアする順番で何かが変化する可能性があります〉

 ヒントくれた? やっぱりどの空間から攻略するかも重要なんだね。
 ナッティの【罠探知】スキルでわかったんだし、なんらかの仕掛けがあるんだろうなぁ。

「とりあえず、完全クリアできたみたいだし帰ろっか」
「きゅぃ(賛成!)」

 スラリンから力強い頷きが返ってきた。どんだけ帰りたいの。思わずちょっと笑っちゃう。

 炎獄鳥フレインフェルードがいたところに大きな魔法陣ができてて、それが帰還用の転移システムらしい。
 みんなを連れて魔法陣に入ったら、ふわっと浮き上がるような心地がした。


 ざわざわ、と騒がしい声が聞こえる。

「えっ、どっから出てきた?」
「ここ、転移不可設定されてるよな?」
「モモさんともふもふな仲間たちだー! ……うん、なんか察した」
「これはさっきのあれだわ。さすがもふもふ神様」

 混乱してる人とは対照的に、悟りを開いたような穏やかな表情の人もいる。十中八九、悟ってるのはもふもふ教の人だね。

 ここはダンジョンに入ってすぐの広場の中央らしい。壁に五色の扉が並んでる。

 ——つまり、転移不可の場所に突然現れた僕らは、さっきのボス討伐との関連が濃厚に疑われるわけで……情報を知りたがる人がたくさんいるのも当然のこと。
 もふもふ教の人なら遠慮してくれるだろうけど、他の人はガンガン詰め寄ってきそう。

 キラッと目を輝かせた人を見て、僕は即座に判断する。

「みんな、一旦【帰還】! 僕も帰りまーす!」

 スラリンたちの姿が消えたことに驚いてる人混みの足元を駆け抜け、ダンジョンの外に出る。そして、すぐさま転移ではじまりの街に向かった。

 あとでタマモかルト経由で情報を流すし、攻略に必要なアイテム【破壊のツルハシ】を早めに売り出すから、それで勘弁してね~。

「タマモたちにはお世話になってるし、可愛いグッズもたくさん開発しよう……」

 疲れた時には可愛いの癒やし補給が効くはず!

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