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7章 世界が広がっていくよ
275.突き進んだよ
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青の扉の次は緑の扉。
ボス前のモンスター図鑑埋めとマップ完成はさっきと同じだから割愛。慣れたおかげで時間を短縮できた。
封印を解いたら竜巻のようなもので門が作られて、ちょっとびっくりした。触ったら巻き込まれそうだったから、注意しながら通ったよ。
風のボスは風豹というペールグリーン色のヒョウのようなモンスターだった。素早さがこれまで以上で対応が大変。
とはいえ、高い効果を持つアクセサリーと仲間たちの協力があったから、問題なく倒せたけど。
〈風のボス【風豹】討伐報酬として、アイテム【緑のピース】【風豹の毛皮】が贈られます〉
毛皮! これも良い錬金素材になりそう。
ボス素材って、その属性の攻撃力・耐性をアップさせる装備が作れるみたいなんだよね。
〈種族レベルが32になりました。土魔術がレベル3になり、【土壁】を覚えました〉
魔術レベルアップ! また防御系の魔術を覚えたねー。再度風豹と戦うことがあったら、今回よりも楽に倒せそう。
〈スラリンがレベル28になりました。ナッティがレベル26になりました。ユキマルがレベル30になりました。ユキマルが進化可能です〉
「えっ!?」
スラリンたちもレベルアップできて良かったねー、と喜ぼうとしたところで、驚きのアナウンスが聞こえた。
ユキマル、進化だと……!? 気になるー。でも——
「……今は急いでるから、あとで進化先確かめるね!」
「ぴぅ(わかったよ)」
ぽよん、と跳ねて答えたユキマルを撫で、ついでにスラリンとナッティを祝う。
「良いペースで進んでるから、次の扉に向かうよー」
「くまま(次はぼくもレベルアップしたいー)」
「そうだねー。僕がショコラのレベルに追いついたから、ショコラももうすぐじゃないかな」
ボスはもらえる経験値が多いみたいだから、レベリングも捗る。おかげで、ボス前のモンスターがちょっとずつ強くなっても、なんとか対応できるし。
みんなでわちゃわちゃと話しながら、転移魔法陣を使ってダンジョン広場に戻る。
「キュオ(次は黄色の扉よね?)」
「そうだよー。次は土属性ボスだね。あ、マップ埋めの間は、オギンはペタと交代しようか」
「キュオ(そうね。やっぱり狭いところは苦手よ)」
頷いたオギンを帰還させて、ペタを召喚。頻繁に交代できるんだから、サブ職でテイマーになれて良かったって改めて感じる。
「さて、黄色の扉も今日中にクリアしちゃうぞー!」
おー、と気合いを入れて、ダンジョン攻略継続。
◇◆◇
黄色の扉のマップを埋めて、封印を解いた先で出会ったボスは土黒蛇だった。
迷路内で出てくるモンスター同様、ボスも少しずつ強さを増してる気がする。
「間違った順番に攻略すると、もっと強いらしいけどねー」
「くるる(そうなんだー?)」
倒して消えていくボスを見ながら呟くと、近づいてきたペタが首を傾げた。
「うん。逆回りだと、即死覚悟の強さになるらしいよ。ただ、前のボスの素材で良い装備を作ればそれなりに戦えるって言ってる人もいるみたいだけど」
正直、どっちが正しい攻略順番なのかわからない。
僕の攻略の仕方だと、ボス討伐に有効なアイテムを後からゲットする感じになる。
逆回りで攻略すると、ボスの属性に対応した良い装備を持って挑めるんだよね。魔術のレベルが上がって強い攻撃をできる場合もあるし。
「——僕は自力で良い装備作ったから、全く問題ないけど」
ボス素材で装備を作ったら高くで売れるかもな~って思う。今のところ、そういうアイテムを売り出してる人はいないみたいだけど。
まだ周回できるほど楽に攻略できる人は多くないらしいからね。
「きゅぃ(モモすごーい、ってこと?)」
「えへへ、そうとも言う」
まぁ、買取に貴重な素材を入れてくれてる人たちのおかげって部分が大きいけどね!
「ぴぅ(次が最後?)」
「きゅーきゅい(木属性ボスよね)」
「うん! まだ全部をクリアした人はいない気がするし、がんばろうね」
そろそろ夜になりそうな時間だけど、今日中に終われそうだ。
というわけで、紫の扉に進んだ結果——
〈木のボス【木蹴羊】を倒しました。討伐報酬として、アイテム【紫のピース】【木蹴羊の蹄】が贈られます〉
〈火魔術がレベル5になり、【火炎絨毯】を覚えました〉
無事にボス討伐できましたー、パチパチ。
しかも、火魔術がレベル5になった! これで魔術学院に入れるよ。
〈〈あるプレイヤーにより、東の鉱山ダンジョン一階層のすべてのボスが初めて討伐されました〉〉
おお、ワールドアナウンス! 初クリアできたー!
〈東の鉱山ダンジョン一階層を初めて完全クリアした報酬として称号【五属性を制する】、アイテム【エレメントクラウン】が贈られます〉
——————
称号【五属性を制する】
基本五属性の攻撃力・耐性が5%上がる。
アイテム【エレメントクラウン】
五色の宝石で彩られた王冠。装備すると、基本五属性の攻撃力・耐性が20%上がる。
——————
「なんかすごそうなものもらえたね? 五属性全部に効果あるとか、便利すぎ! 称号は装備枠を使わないから、効果小さくてもありがたーい」
ルンルンしちゃう。
マイペースにいろいろ遊んでるけど、強くなるのも嬉しいんだ。もっとたくさんの場所に行けるようになるから。
〈スラリンがレベル29になりました。ナッティがレベル27になりました。ナッティが【鉄尾】を覚えました〉
「ナッティ新技覚えたね?」
「きゅーきゅい(尻尾が硬くなった気がするわ)」
「えっ!?」
柔らかい触り心地がなくなったのかと思ってショックを受けて、恐る恐るナッティの尻尾を触ってみた。……今まで通りのふわふわだった。スキルを使った時だけ硬いってことらしい。良かったー。
うんうん、と頷きながら転移魔法陣に進む。
クリアタイムは三時間十五分でした。これ、早いよね? 僕たちがんばったー。
攻略終わったけど、結局ピースってどう使ったらいいんだろう? と思いながら、最初の広場に戻ったところで、ぽかんと口が開いた。
「——お?」
五色の扉の近くに丸いくぼみができてる。でも、他のプレイヤーは気づいてないっぽい。
ただ僕はすごく注目を浴びてる。きっと初全クリアしたこと気づかれてるんだろうなぁ。僕が集中的にダンジョン攻略してること、もふもふ教の人なら把握してそうだし。
「とりあえず、パズルすればいいのかな?」
「きゅぃ(僕、やりたい!)」
「いいよー」
視線を感じながら壁際に向かえば、いろんな人に不思議そうにされる。気にせずアイテムボックスから取り出した五色のピースをスラリンに渡した。
ピース五個のパズルって、ほぼ悩む必要ないよね。
踏み台になってくれてるオギンの上で、スラリンが丸いくぼみにピースをはめていくのを、のんびりと眺めた。
「きゅぃ(完成!)」
「できたねー」
嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるスラリンにパチパチと拍手したところで、五色のピースがくるくると回転するのが見えた。
そして、五色の光が放たれる。
光が弱まった頃には、新たな扉——漆黒の門が現れていた。
〈〈あるプレイヤーが東の鉱山ダンジョン二階層を発見しました〉〉
〈二階層を初めて開放した報酬として【闇魔石】が贈られます〉
「なんかよくわからないけど、絶対モモさんがクリアしてるよね!? おめでとうございまーす!」
「モモさん最高! つよーい! おめでとう!」
途端に湧いた歓声。思ったよりもふもふ教の人がここにいたんだね。
振り返って、全力アイドルスマイルを浮かべる。
「ありがとー! みんなの応援のおかげだよ」
正確に言うなら、買取にレアアイテムをたくさん入れてくれたおかげだけど、それも応援だよね。
ふりふり、と手を振って歓声に応える。スラリンたちもそれぞれファンサしてるから、しばらくこの熱狂は冷めなさそうだ。
ボス前のモンスター図鑑埋めとマップ完成はさっきと同じだから割愛。慣れたおかげで時間を短縮できた。
封印を解いたら竜巻のようなもので門が作られて、ちょっとびっくりした。触ったら巻き込まれそうだったから、注意しながら通ったよ。
風のボスは風豹というペールグリーン色のヒョウのようなモンスターだった。素早さがこれまで以上で対応が大変。
とはいえ、高い効果を持つアクセサリーと仲間たちの協力があったから、問題なく倒せたけど。
〈風のボス【風豹】討伐報酬として、アイテム【緑のピース】【風豹の毛皮】が贈られます〉
毛皮! これも良い錬金素材になりそう。
ボス素材って、その属性の攻撃力・耐性をアップさせる装備が作れるみたいなんだよね。
〈種族レベルが32になりました。土魔術がレベル3になり、【土壁】を覚えました〉
魔術レベルアップ! また防御系の魔術を覚えたねー。再度風豹と戦うことがあったら、今回よりも楽に倒せそう。
〈スラリンがレベル28になりました。ナッティがレベル26になりました。ユキマルがレベル30になりました。ユキマルが進化可能です〉
「えっ!?」
スラリンたちもレベルアップできて良かったねー、と喜ぼうとしたところで、驚きのアナウンスが聞こえた。
ユキマル、進化だと……!? 気になるー。でも——
「……今は急いでるから、あとで進化先確かめるね!」
「ぴぅ(わかったよ)」
ぽよん、と跳ねて答えたユキマルを撫で、ついでにスラリンとナッティを祝う。
「良いペースで進んでるから、次の扉に向かうよー」
「くまま(次はぼくもレベルアップしたいー)」
「そうだねー。僕がショコラのレベルに追いついたから、ショコラももうすぐじゃないかな」
ボスはもらえる経験値が多いみたいだから、レベリングも捗る。おかげで、ボス前のモンスターがちょっとずつ強くなっても、なんとか対応できるし。
みんなでわちゃわちゃと話しながら、転移魔法陣を使ってダンジョン広場に戻る。
「キュオ(次は黄色の扉よね?)」
「そうだよー。次は土属性ボスだね。あ、マップ埋めの間は、オギンはペタと交代しようか」
「キュオ(そうね。やっぱり狭いところは苦手よ)」
頷いたオギンを帰還させて、ペタを召喚。頻繁に交代できるんだから、サブ職でテイマーになれて良かったって改めて感じる。
「さて、黄色の扉も今日中にクリアしちゃうぞー!」
おー、と気合いを入れて、ダンジョン攻略継続。
◇◆◇
黄色の扉のマップを埋めて、封印を解いた先で出会ったボスは土黒蛇だった。
迷路内で出てくるモンスター同様、ボスも少しずつ強さを増してる気がする。
「間違った順番に攻略すると、もっと強いらしいけどねー」
「くるる(そうなんだー?)」
倒して消えていくボスを見ながら呟くと、近づいてきたペタが首を傾げた。
「うん。逆回りだと、即死覚悟の強さになるらしいよ。ただ、前のボスの素材で良い装備を作ればそれなりに戦えるって言ってる人もいるみたいだけど」
正直、どっちが正しい攻略順番なのかわからない。
僕の攻略の仕方だと、ボス討伐に有効なアイテムを後からゲットする感じになる。
逆回りで攻略すると、ボスの属性に対応した良い装備を持って挑めるんだよね。魔術のレベルが上がって強い攻撃をできる場合もあるし。
「——僕は自力で良い装備作ったから、全く問題ないけど」
ボス素材で装備を作ったら高くで売れるかもな~って思う。今のところ、そういうアイテムを売り出してる人はいないみたいだけど。
まだ周回できるほど楽に攻略できる人は多くないらしいからね。
「きゅぃ(モモすごーい、ってこと?)」
「えへへ、そうとも言う」
まぁ、買取に貴重な素材を入れてくれてる人たちのおかげって部分が大きいけどね!
「ぴぅ(次が最後?)」
「きゅーきゅい(木属性ボスよね)」
「うん! まだ全部をクリアした人はいない気がするし、がんばろうね」
そろそろ夜になりそうな時間だけど、今日中に終われそうだ。
というわけで、紫の扉に進んだ結果——
〈木のボス【木蹴羊】を倒しました。討伐報酬として、アイテム【紫のピース】【木蹴羊の蹄】が贈られます〉
〈火魔術がレベル5になり、【火炎絨毯】を覚えました〉
無事にボス討伐できましたー、パチパチ。
しかも、火魔術がレベル5になった! これで魔術学院に入れるよ。
〈〈あるプレイヤーにより、東の鉱山ダンジョン一階層のすべてのボスが初めて討伐されました〉〉
おお、ワールドアナウンス! 初クリアできたー!
〈東の鉱山ダンジョン一階層を初めて完全クリアした報酬として称号【五属性を制する】、アイテム【エレメントクラウン】が贈られます〉
——————
称号【五属性を制する】
基本五属性の攻撃力・耐性が5%上がる。
アイテム【エレメントクラウン】
五色の宝石で彩られた王冠。装備すると、基本五属性の攻撃力・耐性が20%上がる。
——————
「なんかすごそうなものもらえたね? 五属性全部に効果あるとか、便利すぎ! 称号は装備枠を使わないから、効果小さくてもありがたーい」
ルンルンしちゃう。
マイペースにいろいろ遊んでるけど、強くなるのも嬉しいんだ。もっとたくさんの場所に行けるようになるから。
〈スラリンがレベル29になりました。ナッティがレベル27になりました。ナッティが【鉄尾】を覚えました〉
「ナッティ新技覚えたね?」
「きゅーきゅい(尻尾が硬くなった気がするわ)」
「えっ!?」
柔らかい触り心地がなくなったのかと思ってショックを受けて、恐る恐るナッティの尻尾を触ってみた。……今まで通りのふわふわだった。スキルを使った時だけ硬いってことらしい。良かったー。
うんうん、と頷きながら転移魔法陣に進む。
クリアタイムは三時間十五分でした。これ、早いよね? 僕たちがんばったー。
攻略終わったけど、結局ピースってどう使ったらいいんだろう? と思いながら、最初の広場に戻ったところで、ぽかんと口が開いた。
「——お?」
五色の扉の近くに丸いくぼみができてる。でも、他のプレイヤーは気づいてないっぽい。
ただ僕はすごく注目を浴びてる。きっと初全クリアしたこと気づかれてるんだろうなぁ。僕が集中的にダンジョン攻略してること、もふもふ教の人なら把握してそうだし。
「とりあえず、パズルすればいいのかな?」
「きゅぃ(僕、やりたい!)」
「いいよー」
視線を感じながら壁際に向かえば、いろんな人に不思議そうにされる。気にせずアイテムボックスから取り出した五色のピースをスラリンに渡した。
ピース五個のパズルって、ほぼ悩む必要ないよね。
踏み台になってくれてるオギンの上で、スラリンが丸いくぼみにピースをはめていくのを、のんびりと眺めた。
「きゅぃ(完成!)」
「できたねー」
嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるスラリンにパチパチと拍手したところで、五色のピースがくるくると回転するのが見えた。
そして、五色の光が放たれる。
光が弱まった頃には、新たな扉——漆黒の門が現れていた。
〈〈あるプレイヤーが東の鉱山ダンジョン二階層を発見しました〉〉
〈二階層を初めて開放した報酬として【闇魔石】が贈られます〉
「なんかよくわからないけど、絶対モモさんがクリアしてるよね!? おめでとうございまーす!」
「モモさん最高! つよーい! おめでとう!」
途端に湧いた歓声。思ったよりもふもふ教の人がここにいたんだね。
振り返って、全力アイドルスマイルを浮かべる。
「ありがとー! みんなの応援のおかげだよ」
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