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7章 世界が広がっていくよ
276.ほのぼの報告した
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「——こんな感じで、依頼達成したよー」
ダンジョン攻略後すぐに、モンちゃんの家に来た。
レアナさんが用意してくれた桜餅を食べ、緑茶を飲み、ダンジョンの攻略について報告。モンちゃんは何故か目を瞑って固まってる。
桜餅うまうま。
桜、この世界にもあったんだねー。春になったら咲くのかな。みんなでお花見したいな。屋敷の庭に植えたらいいかも。
「……そうか。ありがとな」
モンちゃんがなんとも言えない表情で額を押さえながら頷く。
〈ミッション『新たなダンジョンの調査(一)』をクリアしました。報酬としてアイテム【暗黒のブレスレット】【上級回復薬】が贈られます〉
なんかアクセサリーをもらえた! 回復薬も嬉しいけど、アクセサリーの効果が気になる。鑑定しよ。
——————
【暗黒のブレスレット】レア度☆☆☆☆
闇の魔力が込められた黒水晶のブレスレット。闇属性攻撃力・耐性が10%上がる。精神力+10。
——————
闇属性のアクセサリーって初めて見たかも。効果はあんまり高くないけど、ダンジョンの二階層を攻略する時には便利だろうな。
なんたって、二階層は闇属性モンスターがたくさん出てくるっぽかったから。
開放後にちょっと覗いたら、スケルトンとかゾンビとか出てきた。ヤナのお友だちかな? 僕はそのままUターンして帰ってきたから、それ以上の情報はない。
……だって、ちょっと怖い雰囲気だったんだもん。依頼も受けてないし、攻略する必要は今のところない!
「モモの超スピード攻略はともかく……ついに二階層発見か」
「うん、暗くて闇属性モンスターがうじゃうじゃしてそうだったよ」
「それは、また調査を頼みたいな」
「えー……」
正直、モンちゃんにそう言われると予想してた。だけど即答できないのは、僕がホラー苦手だから。とはいえ、モンちゃんにはお世話になってるし、できる限り依頼を受けたいとも思ってる。
「——まぁ、できたら、ね」
「ああ。冒険者ギルドが他の冒険者にも依頼を出すだろうから、急ぐ必要はないぞ」
〈ミッション『新たなダンジョンの調査(二)』が開始しました〉
モンちゃんの言葉の後すぐにアナウンスが聞こえた。内容は、一階層の時と同じでマップとモンスター図鑑の完成だ。
時間がある時にボチボチとがんばろー。とりあえず、誰かが情報流してくれるまで手を出さないけど。
「もうすぐスタ島に行く予定だし、魔術学院にも入りたいし、たぶん依頼達成には時間がかかるよ」
「相変わらずモモは忙しいな。というか、スタ島……?」
不思議そうにしてるモンちゃんに、ラファイエットさんとの出会いや、イグニスさんからもらった情報のことを話す。
ラファイエットさんの名前では目を点にしてたし、イグニスさんが火を噴いたところでは「ぐあぁぁ、やっぱりお前かー……!」と頭を抱えてた。モンちゃんはリアクションが大きくて楽しい。
「あ、イグニスさんの火の影響でできた火炎結晶、少しいる? はじまりの街にお詫びで置いてきたけど、たくさんあったからまだ余ってるんだー」
レナードさんにも今度会った時にあげようと思う。新しい錬金術スキル教えてくれないかな。
「……くれる、つーなら欲しい」
「どうぞー」
テーブルの上に火炎結晶を置く。
黒い岩石がところどころ燃えるように赤く輝いててカッコいい。インテリアにも良いと思う。
「伝説級鉱石が当たり前のように出てくるとか、モモと話してると飽きねぇなぁ……」
「待って? 伝説級?」
知らない情報が出てきたんだけど!?
固まってる僕に、モンちゃんが「なんでそれは知らねぇんだよ」と呆れながら説明してくれた。
火炎結晶は限られたところでしか採れなくて、どう作られてるかもわからないから、数が限られてるんだって。昔見つかった鉱脈は、もう採り尽くされちゃったらしいし。
その鉱脈、昔イグニスさんが火を噴いたところだったりしない?
チラッとモンちゃんを見ると、目を逸らされた。絶対、僕の疑問と同じこと考えてる。その上で、関わりたくねぇって顔してる! ……気持ちはわかる。
イグニスさんが理由だったら、追加をお願いするわけにはいかないんだし、気づかなかったことにするのが正解か。変な貴族とかに頼まれたら嫌だもんね。
「また火炎結晶を採れる機会があったら教えるね」
「頼む。あんま頻繁に火を噴かれたくねぇんだけどな」
「それはイグニスさん次第だからー」
「古竜にはなんも言えん……」
遠い目をしてるモンちゃんにウンウンと頷いておく。僕が普通に話してるのは気にしないで。これでもちょっとは遠慮してるんだから。
「——火炎結晶の礼に、これやる」
「なに?」
渡されたのは本だった。鑑定~。
——————
【モンスタースキル集】レア度☆☆☆☆
モンスターが覚えているスキルが掲載されている。スキルリストがあれば、テイムモンスターが習得できる。
——————
「すごい! こういうのあるんだ?」
「モモなら有効活用できるだろ」
「うん! スキルリスト持ってるし、これ見ながら何を覚えさせるか考えるね」
良いものもらっちゃった。
スラリンたちをどう育てるか考えながら使わないとねー。
「——育てるといえば、ユキマルが進化可能なんだった!」
どんな進化先があるか、早く確かめなきゃ。
ダンジョン攻略後すぐに、モンちゃんの家に来た。
レアナさんが用意してくれた桜餅を食べ、緑茶を飲み、ダンジョンの攻略について報告。モンちゃんは何故か目を瞑って固まってる。
桜餅うまうま。
桜、この世界にもあったんだねー。春になったら咲くのかな。みんなでお花見したいな。屋敷の庭に植えたらいいかも。
「……そうか。ありがとな」
モンちゃんがなんとも言えない表情で額を押さえながら頷く。
〈ミッション『新たなダンジョンの調査(一)』をクリアしました。報酬としてアイテム【暗黒のブレスレット】【上級回復薬】が贈られます〉
なんかアクセサリーをもらえた! 回復薬も嬉しいけど、アクセサリーの効果が気になる。鑑定しよ。
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【暗黒のブレスレット】レア度☆☆☆☆
闇の魔力が込められた黒水晶のブレスレット。闇属性攻撃力・耐性が10%上がる。精神力+10。
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闇属性のアクセサリーって初めて見たかも。効果はあんまり高くないけど、ダンジョンの二階層を攻略する時には便利だろうな。
なんたって、二階層は闇属性モンスターがたくさん出てくるっぽかったから。
開放後にちょっと覗いたら、スケルトンとかゾンビとか出てきた。ヤナのお友だちかな? 僕はそのままUターンして帰ってきたから、それ以上の情報はない。
……だって、ちょっと怖い雰囲気だったんだもん。依頼も受けてないし、攻略する必要は今のところない!
「モモの超スピード攻略はともかく……ついに二階層発見か」
「うん、暗くて闇属性モンスターがうじゃうじゃしてそうだったよ」
「それは、また調査を頼みたいな」
「えー……」
正直、モンちゃんにそう言われると予想してた。だけど即答できないのは、僕がホラー苦手だから。とはいえ、モンちゃんにはお世話になってるし、できる限り依頼を受けたいとも思ってる。
「——まぁ、できたら、ね」
「ああ。冒険者ギルドが他の冒険者にも依頼を出すだろうから、急ぐ必要はないぞ」
〈ミッション『新たなダンジョンの調査(二)』が開始しました〉
モンちゃんの言葉の後すぐにアナウンスが聞こえた。内容は、一階層の時と同じでマップとモンスター図鑑の完成だ。
時間がある時にボチボチとがんばろー。とりあえず、誰かが情報流してくれるまで手を出さないけど。
「もうすぐスタ島に行く予定だし、魔術学院にも入りたいし、たぶん依頼達成には時間がかかるよ」
「相変わらずモモは忙しいな。というか、スタ島……?」
不思議そうにしてるモンちゃんに、ラファイエットさんとの出会いや、イグニスさんからもらった情報のことを話す。
ラファイエットさんの名前では目を点にしてたし、イグニスさんが火を噴いたところでは「ぐあぁぁ、やっぱりお前かー……!」と頭を抱えてた。モンちゃんはリアクションが大きくて楽しい。
「あ、イグニスさんの火の影響でできた火炎結晶、少しいる? はじまりの街にお詫びで置いてきたけど、たくさんあったからまだ余ってるんだー」
レナードさんにも今度会った時にあげようと思う。新しい錬金術スキル教えてくれないかな。
「……くれる、つーなら欲しい」
「どうぞー」
テーブルの上に火炎結晶を置く。
黒い岩石がところどころ燃えるように赤く輝いててカッコいい。インテリアにも良いと思う。
「伝説級鉱石が当たり前のように出てくるとか、モモと話してると飽きねぇなぁ……」
「待って? 伝説級?」
知らない情報が出てきたんだけど!?
固まってる僕に、モンちゃんが「なんでそれは知らねぇんだよ」と呆れながら説明してくれた。
火炎結晶は限られたところでしか採れなくて、どう作られてるかもわからないから、数が限られてるんだって。昔見つかった鉱脈は、もう採り尽くされちゃったらしいし。
その鉱脈、昔イグニスさんが火を噴いたところだったりしない?
チラッとモンちゃんを見ると、目を逸らされた。絶対、僕の疑問と同じこと考えてる。その上で、関わりたくねぇって顔してる! ……気持ちはわかる。
イグニスさんが理由だったら、追加をお願いするわけにはいかないんだし、気づかなかったことにするのが正解か。変な貴族とかに頼まれたら嫌だもんね。
「また火炎結晶を採れる機会があったら教えるね」
「頼む。あんま頻繁に火を噴かれたくねぇんだけどな」
「それはイグニスさん次第だからー」
「古竜にはなんも言えん……」
遠い目をしてるモンちゃんにウンウンと頷いておく。僕が普通に話してるのは気にしないで。これでもちょっとは遠慮してるんだから。
「——火炎結晶の礼に、これやる」
「なに?」
渡されたのは本だった。鑑定~。
——————
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モンスターが覚えているスキルが掲載されている。スキルリストがあれば、テイムモンスターが習得できる。
——————
「すごい! こういうのあるんだ?」
「モモなら有効活用できるだろ」
「うん! スキルリスト持ってるし、これ見ながら何を覚えさせるか考えるね」
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