もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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7章 世界が広がっていくよ

277.ユキマル進化です

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 メニュー欄からユキマルの詳細情報を呼び出す。進化という項目が選択可能になってた。

「ほう、ユキマルというと、ホワイトスライムか。どんな種族に進化できるんだ?」

 モンちゃんも興味津々だ。アドバイスもらえるかな。

「えっと……【ホーリースライム】【セイクリッドスライム】【フィッシャースライム】【リンケージスライム(光)】だって。……リンケージ?」

 ホーリーは聖属性で、セイクリッドは光属性、フィッシャーは水属性っていうのはわかりやすい。聖属性なんてあるんだーとは思うけど。
 でも、リンケージって想像もできないよ。

——————
【リンケージスライム(光)】
 光属性のスライム。同じパーティ内に他のスライム種がいると、お互いの攻撃力・防御力が二倍になる。進化すると、魔力・器用さの上昇率が高い。
——————

「強っ!?」

 説明を見て、思わず声が出た。それくらい驚いたんだ。
 攻撃力・防御力二倍はすごいでしょ。

「リンケージというと、他にスライムを育ててた時に発現する進化先か」

 モンちゃんが頷いてる。テイマーの中では知られてる種族らしい。

「おすすめ?」
「んー……それは好みの問題だな。同じパーティ内にもう一体スライムがいなきゃ利点がねぇし、進化でのステータス上昇率とかは他の進化先の方が良さそうだ」
「そうなんだー。迷う……」

 リンケージスライム自体はあまりステータスが高くないようなので、二倍という利点がどこまで良いものか評価が難しい。
 一緒にパーティに入れてたら、スラリンのステータスまで上げてくれるのは嬉しいんだけど。

 たぶんホワイトスライムの正統進化先はセイクリッドスライムだよね。光属性だし。名前的にはこれが聖属性でも良さそうなんだけど。

 とりあえず、ホーリースライムとセイクリッドスライムの詳細を確認。今さらユキマルをフィッシャースライムに進化させるつもりはないので。

——————
【ホーリースライム】
 聖属性のスライム。回復・浄化スキルの効果が二倍になる。進化すると、体力・魔力・精神力の上昇率が高い。

【セイクリッドスライム】
 光属性のスライム。回復や浄化などの光属性スキルを覚えやすい。進化すると、魔力攻撃力・精神力の上昇率が高い。
——————

 違いがよくわからん!
 新しいスキルを覚えさせるにはセイクリッドが良くて、スキルの効果を高めるにはホーリーが良いってことかな。あと、進化で上がるステータスはそれぞれ違うね。

「うーん、正直どれでもいいな」
「出てきた進化先はあんまり大きな違いはないな。フィッシャーを除けば」

 モンちゃんが『ホワイトスライムにまで漁をさせてるのか』とちょっと呆れた目をしてた。
 僕はそういう指示は出してないんだよ? スラリンとユキマルが率先して漁を楽しんでるだけ!

「ユキマルに聞いてみよー。【召喚】ユキマル!」
「ぴぅ(あれ? ここは……)」

 現れたユキマルがモンちゃんを見て『どうも』と頭を下げる。

「モモより礼儀正しいな」
「待って、僕、毎回ちゃんと挨拶してるよね?」
「『こんちゃー』とか『ばんわー』とかな。もれなく『モンちゃーん』って大声で呼んでくれてるよな」
「うん、礼儀正しいよね?」

 モンちゃんにジトッと見つめられたけど、ニコニコと笑みを返す。ちゃんと挨拶してるもん。

「ユキマルー。進化先どれがいい?」

 進化先を示したら、ユキマルは悩んだ感じで固まる。

「……ぴぅ(モモのおすすめは?)」
「フィッシャー以外なら、ユキマルの好きなのでいいよー。どれも強くなるのは間違いないし」

 なおも悩むユキマルを見て、モンちゃんが口を開く。

「進化を先送りして、新たな進化先が出てくるのを待つのもありだぞ」
「あぁ、そっかぁ……」

 灰色で謎のままの表示になってる進化先を眺めて頷く。でも、これがいいっていう進化先に心当たりはないんだよなぁ。

「ぴぅ(ボク、早く強くなりたい。だから……リンケージスライムになる!)」
「あ、それを選んだんだ?」
「ぴぅ(いつもスラリンと一緒だから、一緒に強くなって、モモの役に立ちたい!)」
「おお……なんて良い子……!」

 決意に満ちた眼差しのユキマルをぎゅっとハグする。
 ユキマルとスラリンは二体セットな感じでバトルに出してるから、仲間意識が強いのは納得。
 二体共が強くなるのは、僕にとってもありがたいことだし。

「——じゃあ、進化先はリンケージスライム(光)にするね!」
「ぴぅ(うん、お願いね)」

 進化を選択したら、光の渦がユキマルを包み込み、ファンファーレのような音楽が聞こえてきた。
 スラリンが進化した時も思ったけど、すごく華やかで綺麗な演出だ。

 演出が終わった後には、見た目がほとんど変わらないユキマルがいた。

「あ、ちょっと大きくなった?」
「ぴぅ(そう?)」

 誤差なくらいの変化だけど、成長してるように見える。
 鑑定して、ちゃんとリンケージスライム(光)になってるのを確認できたし、オッケー。

「進化おめでとう!」
「ぴぅ(ありがとう! これからもがんばるね)」

 ハイタッチして気合いを入れる。

「良かったな。なんか困ったことがあれば相談してくれ」
「うん、モンちゃん頼りにしてるよー」
「あんま厄介事は持ち込むなよ?」
「え? イグニスさんのお散歩予定とかは——」
「ラファイエット様と仲良くなったならそっちに言え」

 思い浮かんだことを告げたら、すぐに拒否された。ラファイエットさんに言い忘れたんだもーん。……今度会った時に聞こう。

「——スタ島に行くって言ってたが、いつの予定だ?」
「えっと……五日後の予定だよ。その前に王城でパーティーに参加するけど」

 連絡が来てたんだけど、王女様がリーダーの調査隊に参加するなら、王様に挨拶しようねってことになったんだ。挨拶の場がパーティーに決まったのは、絶対報酬で招待状をもらったからだと思う。

「王城パーティー……天兎アンジュラパが……?」
「なんかおかしい?」
「普通の天兎アンジュラパは城に行かねぇ……」
「そんなの今さらだよ?」

 モンちゃんの前にある桜餅をもらって、パクッと食べる。うまうま。ほのかな塩味がいいよねー。

「モモだからな……」

 何故か遠い目をしてるモンちゃんに首を傾げる。そんなに桜餅食べたかった? それなら早く食べちゃえば良かったのにー。

「しょうがないから、桜餅の代わりに雪うさぎ大福をあげるよ」
「別に菓子のことは嘆いてねぇんだけど?」
「じゃあいらない?」
「いる」

 雪うさぎ大福は大福餅の中にチーズ風味のアイスと桃ジャムが入ってるんだよ。見た目は赤い目の雪うさぎ。可愛いでしょー。自信作なのです!

 モンちゃんをニコニコと見つめたら、「うまいぞ」と感想をもらった。
 なんで複雑そうな顔をしてるのかわかんないけど、喜んでもらえたなら良かった♪

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