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8章 新たな地へ
308.技術は見て盗め
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リリとルトから異世界の住人の曲芸士がいる場所を聞いて、王都にやって来ました~。ついでに魔術学院で魔術士の上位職の情報をゲットしたいな。
「んー、ここにいると思うんだけどなぁ?」
テクテクと王都を進み、やってきたのは緑色の塔だ。緑色は商業施設の証である。
僕が探してる曲芸士さんは、ここで曲芸を披露して商売してるらしい。
塔に入ってすぐのところはエントランスホールになっていて、各階の案内板があった。
「なんかいっぱい書いてあるー」
歌、演劇、ダンス、絵画、演奏、曲芸——芸術系の催し物がいろいろあるんだね!
行きたいところがいっぱいあるぞ。目的は曲芸だったけど、ダンスを見に行った方が今は役立つ? 歌も教えてもらえたら嬉しいけど……
「まずはちょこっとダンスを見てこようかな」
四階~と歌いながら移動。
どんなダンスを見られるんだろう?
エレベーターみたいのに乗って四階に着いた途端、音楽が聞こえてきた。通路がすでに賑やか!
たくさんの小ホールが並んでいるようで、扉がガラスだからちょっと中を窺える。
「ここはー……アロハ?」
フラダンスっぽい踊りをしている人が見えた。ダンスショーを見ながら食事を楽しめる感じらしい。
楽しそうだな~。でも、僕の体型じゃ、あんな滑らかなダンスは難しい気がする……
通路を歩きながら、ちょこちょことガラス扉を覗いて確認。
社交ダンスやブレイキンを披露してる人たちもいた。ダンスって幅広いね~。ブレイキンはカッコいいけど、僕のイメージには合わないかも。
さらにテクテクと歩いて見つけたのは、ストリートダンスを披露してるところ。たくさんの人が交替でステージに上がってる。
自由な感じで楽しそう! これなら僕も挑戦できるかな?
ドキドキしながら扉を開けてみる。
「こんにちはー……」
大きめの音楽が鳴っていた。
見てる人や出番を待ってる人が「イェーイ!」とか「フー!」とか盛り上がってる。あんまり馴染みのない雰囲気だぞ?
ちょっぴり困惑してたら、扉の近くにいた男の人が、「初めて?」と声をかけてくれた。
「うん、そうなんだ。ここって見てダンスを勉強できる?」
「もちろん。音楽に合わせて、見ながらダンスを真似てみなよ。周りの人がアドバイスをくれると思うよ」
ニコッと笑って中へどうぞと勧められた。思ってたより友好的な感じでありがたい。
トテトテとステージ近くに行くと、「お、うさぎのお客さんが来たぞー」とか「よし、いっちょムーンウォーク見せちゃろ」とか歓迎してくれる。
ムーンウォークカッコいい!
見様見真似でやってみたけど、なんか違う。周りの人が教えてくれるけど、根本的に足の長さが足りてない気がするね、残念!
「うさぎちゃんはスライドステップとか簡単なのをしながら、全体で表現する方が向いてんじゃない?」
華やかな服装の女性が「こう」と言いながら、リズムに乗って体を揺らし、左右にステップを踏む。「これに前後の動きをまぜるとダイナミックになるよー」と教えてくれた。
なるほど。基本のステップに腕振りをいろいろ入れるだけでも、なんかカッコいい感じになるんだね。
「んー、こんな感じ?」
リズムに乗ってステップを踏んで、時折ターンやジャンプをまぜてみる。飛翔で飛んだら歓声が上がった。
いつの間にか、ステージより僕の方に視線が集まってる気がするね?
ステージの人も、「これやってみなよー」とダンスを披露してくれるから、負けじと真似てみる。
僕に合わせたダンスを考えてくれてるのか、なんとか様になってる! 楽しいなー。
「ルンルル、ルルルン♪」
「うさぎちゃん、最高ー!」
「フゥ! 素晴らしいダンサーの誕生だー!」
みんなおだてるの上手いね? 調子に乗って、空中宙返りも披露しちゃったよ。
「キャー! カッコいい!」
「そりゃ、羽のあるやつしかできねーわ!」
「ヤバ、俺ら超えてる!」
みんな楽しそうで、僕もテンション上がる。
ステージに上がっちゃえ、と言われてぴょんと飛び乗った。ステージ上のダンサーを真似て一緒にダンス!
たくさんの笑顔が見えて、これがパフォーマンスの力だよなぁと実感する。
〈行動蓄積によりスキル【リズム】【影分身】を習得しました〉
わっつ?
なんかスキルを習得したぞ……
雰囲気を壊さないように、笑顔でお礼を言いながらステージからフェードアウト。
入り口のところにあった料金箱に参加費千リョウを入れて外に出る。
落ち着いたので、新スキルの詳細確認だー!
——————
スキル【リズム】
リズムよく動くと、機敏さ補正が10%アップする
スキル【影分身】レベル1
自分の分身を作る
分身の動きはレベルが上がるごとに本物に近づく
レベル1では分身を五分間維持できる
クールタイムは十分
——————
リズムスキルの機敏さ補正がどれくらい効果あるのかわかんないけど、あって損はないよね。
気になるのは影分身スキルの方だよ!
なんでこれを覚えられたんだろう? ……スライドステップをスピードアップして挑戦したから?
元から持ってたステップスキルの効果で素早さがアップしてたから、残像ができるくらいの動きになってた……?
まぁ、習得条件はどうでもいいや。
この影分身、パフォーマンスで使えるかな~。ステルススキルと合わせて、消失マジック的なことできそうだけど……それって歌唱中にするもんじゃないよね。
うーん、でも、パフォーマンスに組み込めるよう考えてみようかな!
「んー、ここにいると思うんだけどなぁ?」
テクテクと王都を進み、やってきたのは緑色の塔だ。緑色は商業施設の証である。
僕が探してる曲芸士さんは、ここで曲芸を披露して商売してるらしい。
塔に入ってすぐのところはエントランスホールになっていて、各階の案内板があった。
「なんかいっぱい書いてあるー」
歌、演劇、ダンス、絵画、演奏、曲芸——芸術系の催し物がいろいろあるんだね!
行きたいところがいっぱいあるぞ。目的は曲芸だったけど、ダンスを見に行った方が今は役立つ? 歌も教えてもらえたら嬉しいけど……
「まずはちょこっとダンスを見てこようかな」
四階~と歌いながら移動。
どんなダンスを見られるんだろう?
エレベーターみたいのに乗って四階に着いた途端、音楽が聞こえてきた。通路がすでに賑やか!
たくさんの小ホールが並んでいるようで、扉がガラスだからちょっと中を窺える。
「ここはー……アロハ?」
フラダンスっぽい踊りをしている人が見えた。ダンスショーを見ながら食事を楽しめる感じらしい。
楽しそうだな~。でも、僕の体型じゃ、あんな滑らかなダンスは難しい気がする……
通路を歩きながら、ちょこちょことガラス扉を覗いて確認。
社交ダンスやブレイキンを披露してる人たちもいた。ダンスって幅広いね~。ブレイキンはカッコいいけど、僕のイメージには合わないかも。
さらにテクテクと歩いて見つけたのは、ストリートダンスを披露してるところ。たくさんの人が交替でステージに上がってる。
自由な感じで楽しそう! これなら僕も挑戦できるかな?
ドキドキしながら扉を開けてみる。
「こんにちはー……」
大きめの音楽が鳴っていた。
見てる人や出番を待ってる人が「イェーイ!」とか「フー!」とか盛り上がってる。あんまり馴染みのない雰囲気だぞ?
ちょっぴり困惑してたら、扉の近くにいた男の人が、「初めて?」と声をかけてくれた。
「うん、そうなんだ。ここって見てダンスを勉強できる?」
「もちろん。音楽に合わせて、見ながらダンスを真似てみなよ。周りの人がアドバイスをくれると思うよ」
ニコッと笑って中へどうぞと勧められた。思ってたより友好的な感じでありがたい。
トテトテとステージ近くに行くと、「お、うさぎのお客さんが来たぞー」とか「よし、いっちょムーンウォーク見せちゃろ」とか歓迎してくれる。
ムーンウォークカッコいい!
見様見真似でやってみたけど、なんか違う。周りの人が教えてくれるけど、根本的に足の長さが足りてない気がするね、残念!
「うさぎちゃんはスライドステップとか簡単なのをしながら、全体で表現する方が向いてんじゃない?」
華やかな服装の女性が「こう」と言いながら、リズムに乗って体を揺らし、左右にステップを踏む。「これに前後の動きをまぜるとダイナミックになるよー」と教えてくれた。
なるほど。基本のステップに腕振りをいろいろ入れるだけでも、なんかカッコいい感じになるんだね。
「んー、こんな感じ?」
リズムに乗ってステップを踏んで、時折ターンやジャンプをまぜてみる。飛翔で飛んだら歓声が上がった。
いつの間にか、ステージより僕の方に視線が集まってる気がするね?
ステージの人も、「これやってみなよー」とダンスを披露してくれるから、負けじと真似てみる。
僕に合わせたダンスを考えてくれてるのか、なんとか様になってる! 楽しいなー。
「ルンルル、ルルルン♪」
「うさぎちゃん、最高ー!」
「フゥ! 素晴らしいダンサーの誕生だー!」
みんなおだてるの上手いね? 調子に乗って、空中宙返りも披露しちゃったよ。
「キャー! カッコいい!」
「そりゃ、羽のあるやつしかできねーわ!」
「ヤバ、俺ら超えてる!」
みんな楽しそうで、僕もテンション上がる。
ステージに上がっちゃえ、と言われてぴょんと飛び乗った。ステージ上のダンサーを真似て一緒にダンス!
たくさんの笑顔が見えて、これがパフォーマンスの力だよなぁと実感する。
〈行動蓄積によりスキル【リズム】【影分身】を習得しました〉
わっつ?
なんかスキルを習得したぞ……
雰囲気を壊さないように、笑顔でお礼を言いながらステージからフェードアウト。
入り口のところにあった料金箱に参加費千リョウを入れて外に出る。
落ち着いたので、新スキルの詳細確認だー!
——————
スキル【リズム】
リズムよく動くと、機敏さ補正が10%アップする
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分身の動きはレベルが上がるごとに本物に近づく
レベル1では分身を五分間維持できる
クールタイムは十分
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リズムスキルの機敏さ補正がどれくらい効果あるのかわかんないけど、あって損はないよね。
気になるのは影分身スキルの方だよ!
なんでこれを覚えられたんだろう? ……スライドステップをスピードアップして挑戦したから?
元から持ってたステップスキルの効果で素早さがアップしてたから、残像ができるくらいの動きになってた……?
まぁ、習得条件はどうでもいいや。
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