もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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9章 もふうさフィーバー

322.ビックリぴょん

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 できれば参加する方向で、メアリに詳細を聞いてみる。

「……どこで会議するの?」
「もちろん、もふもふ教教会ですわ」
「えっ、この街の教会、もう完成してるの!?」

 思わず食い気味に尋ねちゃった。タマモからそんな連絡はきてない――と思ったところで、通知が溜まってることに気づく。
 ログインしてすぐの通知チェックしてなかったや。

 確認してみたら、きちんとタマモから連絡がきてた。第三の街のもふもふ教教会が完成したことも、そこでもふもふ教会議をすることもお知らせしてくれてたみたいだ。
 気づいてなくてごめんねー。
 慌てて返信しながら、メアリの話を聞く。

「完成したのは昨日ですわね。第三の街の教会はたくさんの信徒を集めて会議を開けるくらい大きな空間を作ってあるんですのよ。ライブもできますわ」
「うわー、僕も見たいなぁ」

 第二の街の教会とは結構違うっぽい。どんなところなんだろう?

「いらっしゃったら? みなさん大歓迎のはずよ。モモさんはわたくしたちの神、もふもふ神さまですもの」
「うーん、でも、モンちゃんにも会いたいしなぁ」

 完全に『モンちゃんに会うぞ!』っていう気分だったんだよ。そのためにヒスイたちを連れてきたし。
 僕が悩んでたら、メアリが首を傾げて微笑んだ。

「わたくしたちは教会見学と歓談をするために会議開始時間より早く向かっているんですの。モモさんは用事を済ませてからいらっしゃるといいですわよ」
「あ、そうなんだ? そういえば、タマモからの連絡でも、会議開始時間はもうちょっと後だね」

 改めてタマモからの連絡を確認してから頷く。
 これなら、モンちゃんのところに挨拶に行ってからでも十分間に合いそうだ。教会見学はもふもふ教会議の後にしよう。

「来てくれるのかしら?」
「うん、行くよ。タマモにも連絡しておくね!」
「あの子、とっても喜びますわよ。もちろん、わたくしたちも同じくらい嬉しいですけれど」

 言葉通り、パッと顔を輝かせて微笑むメアリを見たら、さらに参加しないわけにはいかないって気分になった。
 僕、誰かに喜んでもらえるのホント好きなんだよねぇ。

「それなら僕も嬉しいな。また後でね」
「ええ、お待ちしていますわ」

 メアリと別れて、僕は人混みと違う方へ向かう。
 人混みからちょっと残念そうな「あぁ……」という声が聞こえてきたけど、メアリが何か説明した後は「やったー!」という歓声に変わった。

「きゅぃ(会議?)」
「ぴぅ(会議はお話し合いすることだよ)」
「にゃ(何を話し合うにゃ?)」
「ぴぅ(……なんだろう?)」

 僕がメアリと話してる間、コソコソと話していたスラリンたちも後からついてきてる。もふもふ教会議に興味津々みたいだから、帰還させずに一緒に参加しようかな。楽しめるといいね~。

「あっ、見て、仙桃ミルクマフィン売ってる!」

 近くの屋台で好きなお菓子を発見した。霊峰にいる天兎アンジュラパの好物は仙桃らしいし、僕も大好き。これ買っちゃおうかなー。

「きゅぃ(手土産?)」
「ううん、手土産はちゃんと用意してるよー」

 モンちゃんに会う時用に、いつもお菓子を作り置きしてるんだ。わりと頻繁に僕のお腹におさまるけど。美味しいもの食べると、つい手が止まらなくなって、いつの間にかたくさん食べちゃうんだよねぇ。

「ぴぅ(ボク、その横にある仙桃飴が好き)」
「僕も好き。美味しいよね」
「にゃ(イカはないにゃ?)」
「ここ、海が近くないからたぶんない」
「にゃ……」

 ヒスイがしょんぼりしてるので、後でイカを使ったご馳走を作ってあげよう。

 そんな感じで話しながら、屋台で買い食いして、ヒスイに街を案内しながら歩いていたら、モンちゃんの家に到着した。

 玄関扉は開きっぱなし。今日はテイマー講習会はないみたいだけど、ここはいつもお客さんウェルカムな感じだよね。
 いつも通りにモンちゃんに挨拶を、と声を出そうとした瞬間――

「モン――わあっ!?」

 いきなりバサッと何かが僕の目の前におりてきた。ビックリして、名前を呼ぶ勢いのまま叫んじゃったから、結構大きな声が出る。これ、絶対モンちゃんまで届いたな。

「――グルッ」
「鳥……? 鷲に似てるね、君」

 僕を驚かせたのは、鳥型のモンスターだった。誰か、っていうかモンちゃんのテイムモンスターかな?
 鷲っぽい凛々しい顔つきでカッコいい。

 そのモンスターは僕の前でのんびりと羽繕いを始めた。僕よりマイペースかも。
 僕を守ろうと前に出たスラリンたちが、拍子抜けした雰囲気で戸惑ってる。

「よう、モモ。会うのはスタ島行く前に挨拶に来た時以来か?」

 僕の叫び声を聞いて出てきたモンちゃんが、そう言いながら僕の頭をポンポンと撫でた。

「モンちゃん、おはよー。そして久しぶり? いや、あんま経ってない?」
「久しぶりっつーほどじゃないな。おはよ」

 今回は「モンちゃーん!」て呼びかけできなかったのが地味に残念。

「――アトロ、よくやった。戻っていいぞ」
「グルッ!」

 鷲っぽいモンスターはモンちゃんに「アトロ」と呼ばれて、嬉しそうにすり寄ってからどこかへ飛んでいった。

「やっぱりモンちゃんのテイムモンスター?」
「おう。最近テイムしたんだ。まだ弱いけど隠密力高いから、モモを驚かせるには十分だったな」

 モンちゃんがニヤッと笑う。ちょっぴり達成感がまじってるような?
 これは、もしかして――

「僕が『モンちゃん!』って呼びかけるのを邪魔するために、アトロに僕を驚かせるように指示を出してたね!?」

 絶対そうでしょ? え、そこまでするほど僕が「モンちゃん」って大声で呼ぶのイヤだった?

「ちょっとした意趣返しだな。たまにはモモも驚け」

 そう言って笑ったモンちゃんを見るに、ただ僕で遊んだだけだったらしい。本気で嫌がられてたわけじゃなさそう。よかったぁ。

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