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9章 もふうさフィーバー
328.会議は順調
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もふもふアイランドのことを把握してない僕に、その意味を教えてくれたのはリリだった。
「もふもふ教みんなでカジノに通って、景品になってる無人島を入手して、もふもふアイランドを作ろうっていう計画を実行中なんだよ」
「……そういえば、景品に無人島ってあったね!」
思い出した。その情報をタマモに伝えたの、僕だったよ。
でも、そっか。早速計画が動き始めてたのかぁ。
もふもふ教所有の島だから、もふもふアイランドね。わかりやすくていいと思う。
なんか、島全体がもふもふしてそうなイメージを受ける名前だけど、実際にそうなったとしても面白いから、僕は好き。
「――あ、この前、タマモがカジノでがんばってたのも、そのため?」
釣り中にちょっと暇な時間があって、たまたま掲示板を覗いたら、タマモ――掲示板内では『もふらーさん』――が一世一代の賭けみたいな感じで挑んでるのがわかったから、珍しく僕も応援のコメントを書き込んだんだよね。
でも、その後すぐに大物が釣れる気配があって掲示板を閉じちゃったから、タマモの賭けの結果がどうなったのか知らないや。
こそっとリリに聞いてみると「勝ってたよ」とにこやかに教えられた。
掲示板内では「もふもふ神さまのご利益!」って盛り上がってたみたいだけど、偶然だと思う。
というか、確かあの時ってほぼ二分の一の確率で当たる賭け方じゃなかった? ご利益だったとしても、大したものじゃないよねぇ。
僕が冷静にそんなことを呟くと、リリは「いや、ここぞという場面でのタマモちゃんの運のなさは可哀想なくらいだから! きっとモモの応援のおかげだよ!」と真剣な表情で返してきた。
タマモ、どんだけ不運なの?
思い返してみると、前にビンゴ大会をした時も、最下位に近かったなぁ。そっか、あの時が特別不運だったんじゃなくて、タマモにとっては日常だったのか。
僕は自分が不運だと感じた経験があんまりないから、なんとなく面白いなぁと思っちゃう。タマモは真面目に困ってるのかもしれないけど。
僕とリリに挟まれて会話を聞いてたルトが「親近感がある……」とボソッと呟いたのは、自覚があって素晴らしいと思う。ルトも不運体質なところあるもんね。幸運値上げていこう?
「ルトはカジノ行かない方がいいね」
僕が生暖かい目でルトを見ながら微笑んで言うと、リリも真剣な顔で頷いた。
「ステータスの幸運値さえ効果ないんだもんね。ルトなら全財産消えても不思議じゃないかも」
「……わかってるから行ってないだろ」
リリにまで真剣に不運さを語られると、ルトはちょっと悲しくなったみたいで、ガックリと肩を落とした。
「どんまーい。僕の幸運を分けてあげられたらいいんだけどね~」
「なんか変なトラブル体質までもらいそうだから、いらねぇわ」
「喧嘩売ってる??」
僕はトラブルなんか起こしたことないよ?
ジトッとルトを見上げると、なぜかキョトンと見つめ返された。え、僕をからかうために言ったわけじゃないの?
そして、リリは「確かにー」と楽しそうに笑ってる。
僕はとっても心外なんだけど!?
「トラブルっていうか、なんか嵐みたいな状況に突入しちゃいそうだよね。たまになら楽しめるけど、しょっちゅうなのはちょっと嫌かも」
「リリ、僕はそんな状況になったことないよ!」
「「え……?」」
リリとルトから『それ本気で言ってるの?』と言いたげな目を向けられた。
ちょっと僕に対する認識を詳しく聞かせてくれないかな? 凄く誤解がある気がする。
僕がリリたちと話して拗ねている間に、話を進めたタマモが「では——」と嬉々とした声を上げた。
そこでようやく僕は会議に意識を向け直す。全然聞いてなくてごめんね。
「第二の議題『カジノで無人島入手』については、引き続き皆さまでメダル金を集めましょう、ということで。カジノが無理という方は、シーズンイベントでの遊具収集にご協力お願いします」
なるほど。みんなで協力し合えるように決めたんだね。
僕は……カジノでメダルを集めてみようかな。シーズンイベントはできる限りサブリングが欲しいんだよねぇ。目指せオールラウンダーなので!
遊具の他にも、景品として特殊効果のある武器とかアクセサリーとかもあるみたいだし、シーズンイベントの攻略がんばらないとね。
「では、第三の議題に移ります。議題は『教会建設』です――」
タマモが会議を進めていく。
教会建設についての話し合いでは、王都に作る教会についての意見を募って、それを参考に建築ギルドに建設をお願いすることになった。
その後、第四の議題『ライブコンサート配信計画』では、僕が「月一回くらいライブしよっかー」と提案すると、大歓声が起きた。喜んでもらえて嬉しい。
タマモたちがライブ演出を考えてくれると言ったから、お任せすることにしたよ。どんな感じになるのかなー。楽しみ!
第四の議題に関連して、第五の議題は『このワールド内及び、他のサーバーへの布教推進計画』になった。
みんながあれこれとアイディアを出してきて、それをタマモが嬉しそうに聞いている。みんなのやる気が凄い。
僕はこのクランを、もふもふ教っていう名前の普通とはちょっと違うクランだって認識してたんだけど、その認識を改めた方がいい気がする? めちゃくちゃ宗教って感じだし、普通のクランとは全然違うね?
教義は『もふもふ可愛い子を愛でよう』みたいな感じで、宗教なのか推し活なのかよくわかんないけど。
「――では、各自今回決めた内容に従って、もふもふ教の素晴らしさを広めてくださいますと幸いです。皆さまでもふもふ教を盛り上げていきましょう!」
「「「おー!」」」
いぇーい、って感じで拳を上げて、やる気を高めて会議は終了。
ライブとは違う熱量を感じて……いい経験になりました。うん。
「ちょっと引いてるだろ、モモ」
「ソンナコトナイヨ」
「めっちゃ片言じゃん。全然否定できてねぇぞ。言っとくけど、こいつらのコレは、モモが原因なんだからな」
ルトに呆れた感じで言われた。
でも、全然心当たりがないんだけどなぁ? ちょっぴり目を逸らしながら、心の中でそう主張する。言葉にしたら、絶対説得力なさそうなので、黙秘します!
まぁ……もふもふの魅力って凄いね! という結論で締めよう。
こういうのを現実逃避っていうんだよね?
「もふもふ教みんなでカジノに通って、景品になってる無人島を入手して、もふもふアイランドを作ろうっていう計画を実行中なんだよ」
「……そういえば、景品に無人島ってあったね!」
思い出した。その情報をタマモに伝えたの、僕だったよ。
でも、そっか。早速計画が動き始めてたのかぁ。
もふもふ教所有の島だから、もふもふアイランドね。わかりやすくていいと思う。
なんか、島全体がもふもふしてそうなイメージを受ける名前だけど、実際にそうなったとしても面白いから、僕は好き。
「――あ、この前、タマモがカジノでがんばってたのも、そのため?」
釣り中にちょっと暇な時間があって、たまたま掲示板を覗いたら、タマモ――掲示板内では『もふらーさん』――が一世一代の賭けみたいな感じで挑んでるのがわかったから、珍しく僕も応援のコメントを書き込んだんだよね。
でも、その後すぐに大物が釣れる気配があって掲示板を閉じちゃったから、タマモの賭けの結果がどうなったのか知らないや。
こそっとリリに聞いてみると「勝ってたよ」とにこやかに教えられた。
掲示板内では「もふもふ神さまのご利益!」って盛り上がってたみたいだけど、偶然だと思う。
というか、確かあの時ってほぼ二分の一の確率で当たる賭け方じゃなかった? ご利益だったとしても、大したものじゃないよねぇ。
僕が冷静にそんなことを呟くと、リリは「いや、ここぞという場面でのタマモちゃんの運のなさは可哀想なくらいだから! きっとモモの応援のおかげだよ!」と真剣な表情で返してきた。
タマモ、どんだけ不運なの?
思い返してみると、前にビンゴ大会をした時も、最下位に近かったなぁ。そっか、あの時が特別不運だったんじゃなくて、タマモにとっては日常だったのか。
僕は自分が不運だと感じた経験があんまりないから、なんとなく面白いなぁと思っちゃう。タマモは真面目に困ってるのかもしれないけど。
僕とリリに挟まれて会話を聞いてたルトが「親近感がある……」とボソッと呟いたのは、自覚があって素晴らしいと思う。ルトも不運体質なところあるもんね。幸運値上げていこう?
「ルトはカジノ行かない方がいいね」
僕が生暖かい目でルトを見ながら微笑んで言うと、リリも真剣な顔で頷いた。
「ステータスの幸運値さえ効果ないんだもんね。ルトなら全財産消えても不思議じゃないかも」
「……わかってるから行ってないだろ」
リリにまで真剣に不運さを語られると、ルトはちょっと悲しくなったみたいで、ガックリと肩を落とした。
「どんまーい。僕の幸運を分けてあげられたらいいんだけどね~」
「なんか変なトラブル体質までもらいそうだから、いらねぇわ」
「喧嘩売ってる??」
僕はトラブルなんか起こしたことないよ?
ジトッとルトを見上げると、なぜかキョトンと見つめ返された。え、僕をからかうために言ったわけじゃないの?
そして、リリは「確かにー」と楽しそうに笑ってる。
僕はとっても心外なんだけど!?
「トラブルっていうか、なんか嵐みたいな状況に突入しちゃいそうだよね。たまになら楽しめるけど、しょっちゅうなのはちょっと嫌かも」
「リリ、僕はそんな状況になったことないよ!」
「「え……?」」
リリとルトから『それ本気で言ってるの?』と言いたげな目を向けられた。
ちょっと僕に対する認識を詳しく聞かせてくれないかな? 凄く誤解がある気がする。
僕がリリたちと話して拗ねている間に、話を進めたタマモが「では——」と嬉々とした声を上げた。
そこでようやく僕は会議に意識を向け直す。全然聞いてなくてごめんね。
「第二の議題『カジノで無人島入手』については、引き続き皆さまでメダル金を集めましょう、ということで。カジノが無理という方は、シーズンイベントでの遊具収集にご協力お願いします」
なるほど。みんなで協力し合えるように決めたんだね。
僕は……カジノでメダルを集めてみようかな。シーズンイベントはできる限りサブリングが欲しいんだよねぇ。目指せオールラウンダーなので!
遊具の他にも、景品として特殊効果のある武器とかアクセサリーとかもあるみたいだし、シーズンイベントの攻略がんばらないとね。
「では、第三の議題に移ります。議題は『教会建設』です――」
タマモが会議を進めていく。
教会建設についての話し合いでは、王都に作る教会についての意見を募って、それを参考に建築ギルドに建設をお願いすることになった。
その後、第四の議題『ライブコンサート配信計画』では、僕が「月一回くらいライブしよっかー」と提案すると、大歓声が起きた。喜んでもらえて嬉しい。
タマモたちがライブ演出を考えてくれると言ったから、お任せすることにしたよ。どんな感じになるのかなー。楽しみ!
第四の議題に関連して、第五の議題は『このワールド内及び、他のサーバーへの布教推進計画』になった。
みんながあれこれとアイディアを出してきて、それをタマモが嬉しそうに聞いている。みんなのやる気が凄い。
僕はこのクランを、もふもふ教っていう名前の普通とはちょっと違うクランだって認識してたんだけど、その認識を改めた方がいい気がする? めちゃくちゃ宗教って感じだし、普通のクランとは全然違うね?
教義は『もふもふ可愛い子を愛でよう』みたいな感じで、宗教なのか推し活なのかよくわかんないけど。
「――では、各自今回決めた内容に従って、もふもふ教の素晴らしさを広めてくださいますと幸いです。皆さまでもふもふ教を盛り上げていきましょう!」
「「「おー!」」」
いぇーい、って感じで拳を上げて、やる気を高めて会議は終了。
ライブとは違う熱量を感じて……いい経験になりました。うん。
「ちょっと引いてるだろ、モモ」
「ソンナコトナイヨ」
「めっちゃ片言じゃん。全然否定できてねぇぞ。言っとくけど、こいつらのコレは、モモが原因なんだからな」
ルトに呆れた感じで言われた。
でも、全然心当たりがないんだけどなぁ? ちょっぴり目を逸らしながら、心の中でそう主張する。言葉にしたら、絶対説得力なさそうなので、黙秘します!
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