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作戦し、実行する
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次は希望する使用人たちをスムーズにシャロットと共に送る方法を考える。
気まぐれや損得勘定を起こしてリッジ子爵について細かく調べる隙が無いように結婚を急かせつつ私達をクビにしてもらいましょう、とレノが妙案を立ててきた。
「旦那様は昔、シャロット様に対して憎しみの感情を隠すこと無く向けたことがお有りです。なので、敢えてシャロット様には恋人がいるから婚約の取り止めをしてくれるよう求めましょう」
「敢えて?」
「はい。恐らく旦那様はシャロット様と恋人を引き裂くために子爵に結婚を急かさせるでしょう。なので私達はクビをかけてシャロット様を守ろうとするのです。そうすれば旦那様は怒りに任せて私たちを解雇してしまわれると思います」
「ふむ…結婚は急ぐかもしれないが…クビまでそう上手くいくかね?」
普段領地へ足を運ばない者ほど領地の管理者の人選は難易度が上がる。
そして面倒でもある。
領地に住み、土地の事、レイナーラ家の者の事を詳しく知る領地の屋敷の使用人全員をクビにするような軽率な真似、私の感性では有り得ない。
「正直…私自身は領地の代行を長くしているのでどうされるかは分かりません。しかし私も年ですし流石に後継の代行候補はいるでしょう。なので引き継ぎの時期を早めて遠くないうちに用済みにされるのではないかと…。あと他の者は確実に旦那様はクビにしてしまわれます。そういう方です」
「ハハッ…なんせ器が矮小な男だからな…」
笑って返したが…ただ、この作戦はもしかするとレノを孤独で大変な環境に置いてしまうかもしれない。
しかし本人は覚悟の上での発案だった。
「レノ…お前一人が残った時には必ず手を回すからな」
「ラメノ侯爵様…。はい…その時には頼りにさせて頂きますよ」
レノは目に僅かに浮かんだ光るものを指で拭うと「私も年だ」と笑った。
その笑顔には清々しさすら感じた。
レノが婚約を止める要望を出すと、すぐにサルヴィーノ君へ結婚を急かせる手紙が来たらしい。
このまま使用人の皆で己のクビをかけて陳情するというので私もささやかながら助力になればと手を回した。
と、いっても王都にあるマイナーな機関の存在をルブランが知る機会を作った程度だ。
その機関は王都に住む領地持ち貴族の為にある。
代行を任せていた者が急死したり不正などで引き継ぎ無く解雇せざるを得ない時に領地管理を頼め、その能力は確かで万が一代行官に問題があればその保証もしてくれるという便利で信頼の置ける国の機関だ。
費用も火急の事態になった者が気軽に使えるよう初期はかなり安く、人材確保を怠る者が現れないよう継続して利用しているとして高くなるシステムだ。
だが出来てまだ10年ほどの新しい機関なのと、性質上常用する者は高額になる為居ないので認知度が低い。
なので恐らくルブランはこの機関を知らないだろうが知っていれば初期費用は安いだけにレノを早々にクビにするかもしれん。
私としては領地の使用人全員解雇など狂気の沙汰だが…。
あとレノは後継候補がいるだろうと言っていたが私は…何となくそう思えなんだ。
いなければレノだけがずっと残ることになってしまう。
領主代行している者の出奔は犯罪、友人を犯罪者にさせるわけにいかない。
ただ、この機関があるからと候補者も無しに軽率な真似をすれば適当な奴を雇うか高額な使用料を払い続ける羽目になるか…まぁ私には関係ない。
シャロットが優しい良い子だから余計だろうか…母の思いを蔑ろに扱ったこの領の後継を今や全く可愛いと思えないのだ。
もう一人の孫はロベルトよりはマシだが…たしか婚約者がいたはずだ。
嫁いでしまえば家の没落に巻き込まれる事はないだろう。
もし結婚が駄目になった時は…ロベルトと共に侯爵領に住まいを与えるくらいはしてやるか。
ここまで考えて私は1人苦笑いを浮かべる。
「あら、変な顔していかがしたの?」
妻に不思議そうにされてしまった。
「いや…ルブラン・レイナーラが取りそうな行動を考えていたんだが…いつの間にか没落すると決め付けてしまっていたんだよ」
「まぁ……あー…無理はないわねぇ」
妻も侯爵夫人として長く私のサポートをしてきた。
それだけに娘の夫が実は無能だったと既に理解している。
が、妻も流石に使用人全員解雇など有り得ないでしょうと笑っていた。
その『流石に有り得ない』行動をルブランがしたとレノから聞いた時、私はあまりに事が上手く運ぶことに無用な警戒を覚えたし、妻は目眩を起こした。
そうして無事、シャロットを助けてくれていたレイナーラ領の邸の使用人たちはレノを含め全員ただの領民に戻り、シャロットが個人で雇う使用人となった。
もちろん資金の後ろ盾は私だ。
しかも大半はシャロットに付いて行ってくれるという。
私は彼らが充分な準備が出来るよう『契約成立金』の名目で纏った金が渡るよう手配した。
気まぐれや損得勘定を起こしてリッジ子爵について細かく調べる隙が無いように結婚を急かせつつ私達をクビにしてもらいましょう、とレノが妙案を立ててきた。
「旦那様は昔、シャロット様に対して憎しみの感情を隠すこと無く向けたことがお有りです。なので、敢えてシャロット様には恋人がいるから婚約の取り止めをしてくれるよう求めましょう」
「敢えて?」
「はい。恐らく旦那様はシャロット様と恋人を引き裂くために子爵に結婚を急かさせるでしょう。なので私達はクビをかけてシャロット様を守ろうとするのです。そうすれば旦那様は怒りに任せて私たちを解雇してしまわれると思います」
「ふむ…結婚は急ぐかもしれないが…クビまでそう上手くいくかね?」
普段領地へ足を運ばない者ほど領地の管理者の人選は難易度が上がる。
そして面倒でもある。
領地に住み、土地の事、レイナーラ家の者の事を詳しく知る領地の屋敷の使用人全員をクビにするような軽率な真似、私の感性では有り得ない。
「正直…私自身は領地の代行を長くしているのでどうされるかは分かりません。しかし私も年ですし流石に後継の代行候補はいるでしょう。なので引き継ぎの時期を早めて遠くないうちに用済みにされるのではないかと…。あと他の者は確実に旦那様はクビにしてしまわれます。そういう方です」
「ハハッ…なんせ器が矮小な男だからな…」
笑って返したが…ただ、この作戦はもしかするとレノを孤独で大変な環境に置いてしまうかもしれない。
しかし本人は覚悟の上での発案だった。
「レノ…お前一人が残った時には必ず手を回すからな」
「ラメノ侯爵様…。はい…その時には頼りにさせて頂きますよ」
レノは目に僅かに浮かんだ光るものを指で拭うと「私も年だ」と笑った。
その笑顔には清々しさすら感じた。
レノが婚約を止める要望を出すと、すぐにサルヴィーノ君へ結婚を急かせる手紙が来たらしい。
このまま使用人の皆で己のクビをかけて陳情するというので私もささやかながら助力になればと手を回した。
と、いっても王都にあるマイナーな機関の存在をルブランが知る機会を作った程度だ。
その機関は王都に住む領地持ち貴族の為にある。
代行を任せていた者が急死したり不正などで引き継ぎ無く解雇せざるを得ない時に領地管理を頼め、その能力は確かで万が一代行官に問題があればその保証もしてくれるという便利で信頼の置ける国の機関だ。
費用も火急の事態になった者が気軽に使えるよう初期はかなり安く、人材確保を怠る者が現れないよう継続して利用しているとして高くなるシステムだ。
だが出来てまだ10年ほどの新しい機関なのと、性質上常用する者は高額になる為居ないので認知度が低い。
なので恐らくルブランはこの機関を知らないだろうが知っていれば初期費用は安いだけにレノを早々にクビにするかもしれん。
私としては領地の使用人全員解雇など狂気の沙汰だが…。
あとレノは後継候補がいるだろうと言っていたが私は…何となくそう思えなんだ。
いなければレノだけがずっと残ることになってしまう。
領主代行している者の出奔は犯罪、友人を犯罪者にさせるわけにいかない。
ただ、この機関があるからと候補者も無しに軽率な真似をすれば適当な奴を雇うか高額な使用料を払い続ける羽目になるか…まぁ私には関係ない。
シャロットが優しい良い子だから余計だろうか…母の思いを蔑ろに扱ったこの領の後継を今や全く可愛いと思えないのだ。
もう一人の孫はロベルトよりはマシだが…たしか婚約者がいたはずだ。
嫁いでしまえば家の没落に巻き込まれる事はないだろう。
もし結婚が駄目になった時は…ロベルトと共に侯爵領に住まいを与えるくらいはしてやるか。
ここまで考えて私は1人苦笑いを浮かべる。
「あら、変な顔していかがしたの?」
妻に不思議そうにされてしまった。
「いや…ルブラン・レイナーラが取りそうな行動を考えていたんだが…いつの間にか没落すると決め付けてしまっていたんだよ」
「まぁ……あー…無理はないわねぇ」
妻も侯爵夫人として長く私のサポートをしてきた。
それだけに娘の夫が実は無能だったと既に理解している。
が、妻も流石に使用人全員解雇など有り得ないでしょうと笑っていた。
その『流石に有り得ない』行動をルブランがしたとレノから聞いた時、私はあまりに事が上手く運ぶことに無用な警戒を覚えたし、妻は目眩を起こした。
そうして無事、シャロットを助けてくれていたレイナーラ領の邸の使用人たちはレノを含め全員ただの領民に戻り、シャロットが個人で雇う使用人となった。
もちろん資金の後ろ盾は私だ。
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