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第十一話 竜薬草
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翌日、ピーちゃんはすっかり元気になっていた。
色んな薬草をかけ合わせて、品種改良しているとお母さんは言っていた。
よく分からないけど、僕の病気も良くなるかもしれないらしい。
そうなると良いんだけどね。
「あら、ピーちゃん。もうすっかり元気になったわね。やっぱりピーちゃんのあの肥料が効果あるみたいね。ピーちゃん、お願いがあるんだけど、またあの黒い石を拾ってきてくれない?」
僕の朝ご飯を持ってきたお母さんが部屋に入ってくると、窓枠で日向ぼっこしているピーちゃんを見て言った。
『いいよ。取ってくる』
「ありがとう、ピーちゃん。ピーちゃんの朝ご飯も持ってくるわね」
『わぁーい』
ピーちゃん、勇気の安売りも安請け合いも両方やめた方がいいよ。
アイツにもうボロ負けしたの忘れたの?
薬草で治せるのは怪我だけで、命は治せないんだからね。
木の実とお肉を食べるとピーちゃんは喜んで旅立っていった。
親指大のソーセージで命をかけるピーちゃんが僕は心配だよ。
『ただいま』
心配すること数日、ピーちゃんが帰ってきた。
今度は自分で窓を押し上げて部屋の中に入ってきた。
『楽勝だった。卵も返してきた』
まだ返してなかったんだね。
『しばらくは採取をお願いしたいって、包帯お姉さんからお願いされた』
「へぇー、ピーちゃん人気者だね」
包帯は冒険者ギルドのお姉さんが巻いてくれたんだね。
きっと喧嘩も止めてくれたんだろうね。ピーちゃんの命の恩人だよ。
『でも断った。討伐クエスト受けてきた』
「!」
ピーちゃん、なぜ断ったの? 人にも鳥にも向き不向きがあるんだよ。
『「おいおい、また採取か? チキンは討伐クエストの一つも出来ねえのかよ? 俺だったら恥ずかしくてギルドに来れねえよ」ってアイツが言ってきた! もう二度と言わせない‼︎』
またアイツが原因なの。ピーちゃんがめちゃくちゃ怒っている。
悪いこと言わないから、アイツには二度と関わらない方がいいよ。
「はぁー、それでどんなクエスト受けてきたの?」
怒っているピーちゃんに何を言っても無駄だと、ため息を吐くと聞いてみた。
『【ブラックバードの討伐】受けてきた。畑の野菜食べられて大変だって言ってた』
「…………」
それ、ピーちゃんが絶対受けたら駄目なクエストだよ。
世界中の鳥を敵に回したいの? もう迷子になっても誰も助けてくれないよ。
【種族:ブルーバード レベル12 筋力19 耐久9 敏捷20 器用5 知力5 魔力4 運4 残りポイント6】
とりあえず何を言っても無駄なので、レベルが2上がっていたピーちゃんのポイントを使った。
敏捷よりも今は耐久を上げた方が良さそうだ。耐久に6分けて、15にしておいた。
これで叩かれても、少しは痛くないはずだ。
「よし、ピーちゃん、特訓しようか」
そして、さらに特訓で強くなれる。
『特訓もういい。二度としない。特訓嫌い』
でも、ハッキリ断られてしまった。さすがは勇気のピーちゃんだ。
でも、断るべきはクエストの方だよ。挑発に怒らない勇気だよ。
一晩ゆっくり休むとピーちゃんは旅立っていった。
部屋には取ってきた魔竜石がたくさん置かれている。
臭くないけど、ここはトイレじゃないよ。
「うっ、すごく苦い……」
お母さんが喜んで石を片付けてくれたので、僕は薬草を食べた。
お母さんが花壇で育てた薬草で『竜薬草』と名付けたそうだ。
これを食べ続ければ竜のように強くなれるそうだ。
「そうなるといいんだけどな」
ベッドから立ち上がると窓の外の青空を見た。
お母さんの言う通りになるのか、お医者さんの言う通りになるのか。
僕はどっちを信じたらいいんだろうか。ピーちゃん、早く帰ってきてね。
色んな薬草をかけ合わせて、品種改良しているとお母さんは言っていた。
よく分からないけど、僕の病気も良くなるかもしれないらしい。
そうなると良いんだけどね。
「あら、ピーちゃん。もうすっかり元気になったわね。やっぱりピーちゃんのあの肥料が効果あるみたいね。ピーちゃん、お願いがあるんだけど、またあの黒い石を拾ってきてくれない?」
僕の朝ご飯を持ってきたお母さんが部屋に入ってくると、窓枠で日向ぼっこしているピーちゃんを見て言った。
『いいよ。取ってくる』
「ありがとう、ピーちゃん。ピーちゃんの朝ご飯も持ってくるわね」
『わぁーい』
ピーちゃん、勇気の安売りも安請け合いも両方やめた方がいいよ。
アイツにもうボロ負けしたの忘れたの?
薬草で治せるのは怪我だけで、命は治せないんだからね。
木の実とお肉を食べるとピーちゃんは喜んで旅立っていった。
親指大のソーセージで命をかけるピーちゃんが僕は心配だよ。
『ただいま』
心配すること数日、ピーちゃんが帰ってきた。
今度は自分で窓を押し上げて部屋の中に入ってきた。
『楽勝だった。卵も返してきた』
まだ返してなかったんだね。
『しばらくは採取をお願いしたいって、包帯お姉さんからお願いされた』
「へぇー、ピーちゃん人気者だね」
包帯は冒険者ギルドのお姉さんが巻いてくれたんだね。
きっと喧嘩も止めてくれたんだろうね。ピーちゃんの命の恩人だよ。
『でも断った。討伐クエスト受けてきた』
「!」
ピーちゃん、なぜ断ったの? 人にも鳥にも向き不向きがあるんだよ。
『「おいおい、また採取か? チキンは討伐クエストの一つも出来ねえのかよ? 俺だったら恥ずかしくてギルドに来れねえよ」ってアイツが言ってきた! もう二度と言わせない‼︎』
またアイツが原因なの。ピーちゃんがめちゃくちゃ怒っている。
悪いこと言わないから、アイツには二度と関わらない方がいいよ。
「はぁー、それでどんなクエスト受けてきたの?」
怒っているピーちゃんに何を言っても無駄だと、ため息を吐くと聞いてみた。
『【ブラックバードの討伐】受けてきた。畑の野菜食べられて大変だって言ってた』
「…………」
それ、ピーちゃんが絶対受けたら駄目なクエストだよ。
世界中の鳥を敵に回したいの? もう迷子になっても誰も助けてくれないよ。
【種族:ブルーバード レベル12 筋力19 耐久9 敏捷20 器用5 知力5 魔力4 運4 残りポイント6】
とりあえず何を言っても無駄なので、レベルが2上がっていたピーちゃんのポイントを使った。
敏捷よりも今は耐久を上げた方が良さそうだ。耐久に6分けて、15にしておいた。
これで叩かれても、少しは痛くないはずだ。
「よし、ピーちゃん、特訓しようか」
そして、さらに特訓で強くなれる。
『特訓もういい。二度としない。特訓嫌い』
でも、ハッキリ断られてしまった。さすがは勇気のピーちゃんだ。
でも、断るべきはクエストの方だよ。挑発に怒らない勇気だよ。
一晩ゆっくり休むとピーちゃんは旅立っていった。
部屋には取ってきた魔竜石がたくさん置かれている。
臭くないけど、ここはトイレじゃないよ。
「うっ、すごく苦い……」
お母さんが喜んで石を片付けてくれたので、僕は薬草を食べた。
お母さんが花壇で育てた薬草で『竜薬草』と名付けたそうだ。
これを食べ続ければ竜のように強くなれるそうだ。
「そうなるといいんだけどな」
ベッドから立ち上がると窓の外の青空を見た。
お母さんの言う通りになるのか、お医者さんの言う通りになるのか。
僕はどっちを信じたらいいんだろうか。ピーちゃん、早く帰ってきてね。
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