君との空へ【BL要素あり・短編おまけ完結】

Motoki

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緋い記憶

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 こいつが俊介に見えた事も、俊介の声が聞こえた事も、全て。

 瞬きもせず見据えたまま、こくりと唾を飲み込んで相手の反応を待つ。

「両方、ハズレ」

「は、あぁ?」

 カクリと拍子抜けする彬を、感情の出ない瞳で隆哉が見返した。

「おかしいな。勘はいいって聞いたのに」

 顎に手をあててぼんやりと呟く。「誰にだよ」と訊いた彬を完全に無視し、再び背を向けて歩き出した。

「家まで来てくれなくていいよ。目的地はもうすぐだから」

「えっ」

 小走りに駆け寄った彬が、今なんか変な事言ったぞ、と隣に並んで隆哉の顔を覗き込む。

「目的地? どーいうこった?」

 答えない相手に、「むー」と唸った彬は気を取り直して更に疑問をぶつけた。

「それに、勘がいいって聞いたっつったな。――一体誰が、お前にそんなベラベラと俺の事をしゃべるんだ?」

 訝しげに訊いてくる彬に、チラリと視線だけを隆哉が向ける。

「なるほど。あながちウソではなさそうだ。行けば解るし、会えば判る。とだけ答えとくよ」

「ああ? 誰かに会わせたいのか? さっぱり解んねぇ」
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