184 / 215
蒼い約束
15
しおりを挟む
「俺は只、あんたの依憑を叶える為に」
「あいつが死にたがってるのはな」
突然の俊介の言葉に、隆哉がビクリと反応する。地面に頬を乗せた俊介は目を閉じて、薄っすらとその口許に笑みを浮かべた。
「俺の所為だな。――あの時。彬が自分を責めるあの表情を見せた時、俺、一瞬思っちまったから。『このまま彬を、連れて逝っちまおうか』ってな。あいつにはそれが、判ったんだろう」
「でも高橋は、あんたの声は聴こえなかったって」
隆哉の台詞に、チロリと俊介が瞼を開く。
「前にも言ったろう? 声に出さなくても気持ちは伝わるって。あいつには、隠し事なんか出来ねぇよ」
この場面に不似合いな、ニヤリとした笑み。
それはきっと、俊介の心の奥底にある本当の『望み』だったのかもしれない。一瞬だけではなく、死んでからずっと抱いていた『想い』だったのかもしれない。――だから、隆哉には聴こえず、『親友』の彬にだけその『声』は届いた。
「それでも」
その笑顔から視線を逸らせた隆哉は、いつも通りの抑揚のない低い声で言った。
「あいつが死にたがってるのはな」
突然の俊介の言葉に、隆哉がビクリと反応する。地面に頬を乗せた俊介は目を閉じて、薄っすらとその口許に笑みを浮かべた。
「俺の所為だな。――あの時。彬が自分を責めるあの表情を見せた時、俺、一瞬思っちまったから。『このまま彬を、連れて逝っちまおうか』ってな。あいつにはそれが、判ったんだろう」
「でも高橋は、あんたの声は聴こえなかったって」
隆哉の台詞に、チロリと俊介が瞼を開く。
「前にも言ったろう? 声に出さなくても気持ちは伝わるって。あいつには、隠し事なんか出来ねぇよ」
この場面に不似合いな、ニヤリとした笑み。
それはきっと、俊介の心の奥底にある本当の『望み』だったのかもしれない。一瞬だけではなく、死んでからずっと抱いていた『想い』だったのかもしれない。――だから、隆哉には聴こえず、『親友』の彬にだけその『声』は届いた。
「それでも」
その笑顔から視線を逸らせた隆哉は、いつも通りの抑揚のない低い声で言った。
0
あなたにおすすめの小説
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
『 ゆりかご 』
設楽理沙
ライト文芸
- - - - - 非公開予定でしたがもうしばらく公開します。- - - -
◉2025.7.2~……本文を少し見直ししています。
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
――――
「静かな夜のあとに」― 大人の再生を描く愛の物語
『静寂の夜を越えて、彼女はもう一度、愛を信じた――』
過去の痛み(不倫・別離)を“夜”として象徴し、
そのあとに芽吹く新しい愛を暗示。
[大人の再生と静かな愛]
“嵐のような過去を静かに受け入れて、その先にある光を見つめる”
読後に“しっとりとした再生”を感じていただければ――――。
――――
・・・・・・・・・・
芹 あさみ 36歳 専業主婦 娘: ゆみ 中学2年生 13才
芹 裕輔 39歳 会社経営 息子: 拓哉 小学2年生 8才
早乙女京平 28歳 会社員
(家庭の事情があり、ホストクラブでアルバイト)
浅野エリカ 35歳 看護師
浅野マイケル 40歳 会社員
❧イラストはAI生成画像自作
ワシの子を産んでくれんか
KOU/Vami
ライト文芸
妻に先立たれ、息子まで亡くした老人は、息子の妻である若い未亡人と二人きりで古い家に残された。
「まだ若い、アンタは出て行って生き直せ」――そう言い続けるのは、彼女の未来を守りたい善意であり、同時に、自分の寂しさが露見するのを恐れる防波堤でもあった。
しかし彼女は去らない。義父を一人にできないという情と、家に残る最後の温もりを手放せない心が、彼女の足を止めていた。
昼はいつも通り、義父と嫁として食卓を囲む。けれど夜になると、喪失の闇と孤独が、二人の境界を静かに溶かしていく。
ある夜を境に、彼女は“何事もない”顔で日々を回し始め、老人だけが遺影を直視できなくなる。
救いのような笑顔と、罪のような温もり。
二人はやがて、外の世界から少しずつ音を失い、互いだけを必要とする狭い家の中へ沈んでいく――。
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
妹のために愛の無い結婚をすることになりました
バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」
愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。
婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。
私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。
落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。
思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる