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【転移23日目】 所持金20億5990万ウェン 「俺、こいう気難しいオッサンが大好きなんだよなあ。」
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「…別に怒ってないから。」
仏頂面のヤクザに面と向かって言われると怖い。
カインに押し切られたダグラス組は、やり場のない苛立ちを俺に向けていた。
『…ダグラスさんは護衛報酬幾ら要りますか?』
「…グリーブ社長と同額にしてくれ。
多くても少なくても角が立つ。
後、メンバー同士で顔合わせを済ませておきたい。」
結局、ダグラス組はグリーブ傭兵団と全く同じ契約条件で付いて行く事になった。
特例中の特例なのだが、今回ダグラス組はコリンズ家・グランツ家の両方からギャラを二重に受け取る。
===============================
【所持金】
18億4908万ウェン
↓
18億3908万ウェン
※ダグラス組に護衛契約前払金として1000万ウェンを支払い
===============================
『ダグラスさん、怒ってますよね?』
「…いや、別に。」
『少しくらいは怒ってるでしょ?』
「…いや。」
『本当は怒っ「うるせえッ ブッ殺すぞ!!!」
ひえっ!
怖い!!
…参ったなあ。
俺、こいう気難しいオッサンが大好きなんだよなあ。
だからこの人と旅を出来る事に滅茶苦茶テンション上がってる。
ホーント、マジで参っちゃうよ。
===============================
最後に迷ったのが例の娼婦の処分。
生かすか殺すか?
生かすなら連れて行くか否か。
殺すならどこでどう殺し、口裏をどのように合わせるか。
諸情報を総合する限り、あれは帝国皇帝の縁者の可能性がある。
何でも皇帝には娘が3人いると聞く。
公爵嫡男に嫁いだ聡明な長女。
将軍に嫁いだ清純な三女。
かなりアレなので最近は式典にも呼んで貰えない真ん中。
決めつけは良く無いが、アレがアレなのだろう。
===============================
【ヒルダ案】
原則的にアレは放置する。
どうせ高い確率で付いて来て
「護衛として雇って欲しい」
と言い出すに決まっているので
《既に護衛は十分に居るので不要。》
と断る。
どうせしつこく喰い下がるに決まっているので、予備馬車での乗合乗客としてのみ同乗を許可する。
現在、推定で現金は10万ウェン以下しか持ち合わせていない筈なので、足りない分はツケにして後日ダグラス組事務所に送金するよう指示する。。
国境で乗合馬車を解散。
キャラバンメンバーのみで検問へ。
どうせ身元を偽るように頼み込んで来るに決まっているので、正論と規則で突き離してそのまま置いていく。
スムーズにアレを置き去りにする為にも、予め全員でこっそり王国の身元証明書を準備しておく。
高い確率でアレは身元証明書類を用意出来ないので、最も入国審査が厳しい連邦に一旦入国し、連邦・首長国経由で自由都市を目指す。
===============================
「ここらが一番無難でしょう。」
ヒルダ案に皆が賛成したので何通りのロールプレイングを行う。
まあ、アレの処分はそんな所が妥当だろうな。
そもそも付いて来なければ余計な仕事が増えずに済むのだが…
あの性格では仲間も友人も作れていないだろうし、なりふり構わず追って来るだろう。
身元証明書はカインが担当し、俺は武器屋に使えそうな装備を買い込みに行く。
運が良ければ、級友に宿を売りつけるチャンスもあると見ているので、コレットが如何にも稼働中の宿屋風に内装を戻し始める。
===============================
『何かいいのあります?』
「無いな。」
『炸裂弾買いますよ?
後、凍結弾の在庫って幾つ位ありますか?』
「今ある炸裂弾は120発。
凍結弾は20発だけ。」
『凍結弾少なくないですか?』
「誰かさんが買い占めたからな。
御活躍だったそうじゃねえか。」
『あれ、かなり威力ありましたよ。
ちなみにもっと強い武器は無いんですか?』
「オマエは戦士でも軍人でもないんだろう?
だったら身を護る防具を揃えておけ。」
『じゃあ、長旅に向く防具を。』
「どれくらいの長旅?」
『あーーー、数週間。』
「…馬車の幌を良い物に換えておけ。
防刃コーティングや防熱シートをセットにした高級品がある。
カネが余ってるなら、車輪・車軸・幌や荷台床にカネを掛けた方がいい。
後、連邦産だが馬車用のミニ携帯トイレ。
騙されたと思って男女一式買っておけ。」
『な、なるほど。』
「南は熱射病や風土病の脅威がある。
万能薬を多めに揃えておけ。
ポーションとブレンドする抗生剤をストックしておくと捗るかも知れん。」
==========================
【所持金】
18億3908万ウェン
↓
18億3798万ウェン
※ゴードン武器店にて110万ウェン分購入
炸裂弾60万ウェン (1個5000ウェンを120個)
凍結弾40万ウェン (1個2万ウェンを20個)
男性用ミニ携帯トイレ5万ウェン
女性用ミニ携帯トイレ5万ウェン
※野戦用抗生剤を無償受領
==========================
『す、スミマセン。
なんかオマケして貰っちゃって。』
「いや。
オマエは上客だったし餞別だ。」
『…。』
「農協の厩舎には直接行かない方がいい。
ただでさえオマエは目立ってるからな。
必要な装備があれば、俺が代理発注しておいてやる。」
走って皆の所に帰り、全車のチューンを決断する。
カネで片が付くなら安いものだ。
再度、武器屋に戻り特急料金込みで計1000万ウェンを支払い、長距離走破用に改造することにする。
==========================
【所持金】
18億3798万ウェン
↓
18億2798万ウェン
※ゴードン武器店に馬車改造費1000万ウェンを支払。
==========================
夕方、ダグラスが普段使いしている情報屋が級友の行きつけの店を割り出してくれたので、組員2名を護衛に借りて接触を試みる。
彼らは例の制服姿。
遠目に確認するも知っている顔がいないので落胆する。
(あんまり仲の良くなかった奴とか、嫌いなタイプの女子ばかりが固まっていた。)
平原が居てくれれば接触するのだが…
しばらく向かいの店で気配を殺して張っていると不意に背後から声を掛けられる。
「遠市君じゃない!
今度は逃がさないからね!」
…和田和子か。
一番嫌いな奴に見つかってしまった。
「あれからも探したんだよ!
今、どこで何をしているの!?」
『宿屋でバイト。』
ここからはヒルダが以前描いたシナリオ通り。
「へえ、生活出来てるんだ?
それ非正規雇用?
給料幾ら位?」
『安いよ。
今の職場ももうすぐ潰れるから辞めるし。』
「潰れるの?」
『ああ。
元々営業意欲の無い未亡人が経営していたからな。
施設は立派なんだけど、投げ売りする気満々なんだ。
あ、そうだ。
もし知り合いで拠点を探している人が居れば紹介してくれよ。』
後半、ヒルダに覚え込まされたシナリオを再現するので精一杯で、やや棒読みだった気もするが和田が喰い付いてくる。
特に女性経営者からの引継ぎ・宿屋でありながら売春婦を置いてないという点が気になったらしい。
「遠市君、その宿ってどの辺?
女将さんに紹介してくれる事は出来る?」
…ヒルダよ。
アンタ、天才だな。
==========================
あっさり話が付いた。
実際の売買契約はダグラスの奥さん(かなり美人だ)が行う。
要は、王都内で胡桃亭が抱えている諸契約を誰かが引き継いでくれればよいのだ。
利権もあれば負債もある。
ポーションの設置義務もある。
よほどコレットの話が上手かったのか、和田の取り巻きの女子が数名走って来る。
詳細は省略するが猪首に肩パンされた、痛かった。
「一応、掃除はしているんですけど
ここは実質的に空き家なんです。
商売は主人に任せきりでしたので、私は経営のこと何もわからなくて。」
ヒルダは人の良さそうな顔でスラスラ嘘を吐く。
(俺もあの表情にコロっと騙された。)
この嘘の恐ろしさは、即興でも何でもなく綿密な練り込みと口裏合わせを終えている点だ。
「どなたか、使って下さる方が居られればと内々に売りに出したのですけど…
思った以上に挙手される方が多くて驚いているんです。
内見させてあげたいんですけど…
怖い男の人ばかりで…
ここは女所帯ですし、応対する自信もなくて…」
和田が満面のドヤ顔で背筋を伸ばす。
「女将さん!
提案があります!」
==========================
事前の宣言通り、ヒルダはキッチリ500万せしめた。
和田一党はそこまで現金を持っていた訳ではなかったと推測されるが…
言葉巧みに絞り取ってしまった。
しかも奴らは自分が一方的に得をした気になっている。
まあ、金額的にはそこまでマイナスではないだろう。
ヒルダが何気なく渡した《形式的な簡易契約書》を読めば、商工会費や軍隊による徴発義務、教団とのポーション契約も明記されており、割に合わない点の多さに気付く筈なのだが。
そこらの質問が全く無かった点からも、和田は契約書を読んでいるフリをしているだけなのだろう。
「早めに入居する事は出来ますか?」
と尋ねられたので、入れ違い退去をする事に決める。
どうやら和田達は訓練期間が終わるまでに女子だけで住める拠点を探しているらしい。
《セクハラがどうの、結婚がどうの》
と騒いでいたので、まあ色々あったのだろう。
俺には関係ないが。
別れ際に猪首が
「遠市君、アンタちゃんと定職に就かないとこの先やってけないよ?
私達、もうすぐ初任給が30万ウェンも貰えるんだからね。」
と言った。
俺は給料など貰った事がないので、素直に偉いなと思った。
《2億5592万ウェンの配当が支払われました。》
おっと。
ゴメンな、俺は今から忙しい。
「用事がありますから」とヒルダが言うと、和田達は満足気に帰って行った。
===============================
【所持金】
18億2798万ウェン
↓
20億8390万ウェン
※2億5592万ウェンの配当を受け取り。
===============================
戻って来たカイン曰く、必要な書類は明日正午までには完成するので一括で取得しに行くとのこと。
街道情報をチェックしていたキーンが現在の治安状況を共有し、大まかな出発ルートが決まる。
==========================
【所持金】
20億8390万ウェン
↓
20億5990万ウェン
※カイン・R・グランツに2200万ウェンの利息を支払。
※ドナルド・キーンに200万ウェンの利息を支払。
==========================
その日は久しぶりキーンが泊まっていくことになった。
お互いに色々話したいことが貯まっていたので、俺の部屋で寝転がって酒を飲みながら遅くまで話し込んだ。
子供の頃の夢や女の好み、そんな他愛のない話題だった気がする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
流浪のプライベートバンカー
【ステータス】
《LV》 14
《HP》 (3/3)
《MP》 (2/2)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 2
《幸運》 1
《経験》 134774
次のレベルまで残り28282ポイント。
【スキル】
「複利」
※日利14%
下4桁切上
【所持金】
20億5990万ウェン
※カイン・R・グランツから11億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから2億ウェンを日利1%で借用
仏頂面のヤクザに面と向かって言われると怖い。
カインに押し切られたダグラス組は、やり場のない苛立ちを俺に向けていた。
『…ダグラスさんは護衛報酬幾ら要りますか?』
「…グリーブ社長と同額にしてくれ。
多くても少なくても角が立つ。
後、メンバー同士で顔合わせを済ませておきたい。」
結局、ダグラス組はグリーブ傭兵団と全く同じ契約条件で付いて行く事になった。
特例中の特例なのだが、今回ダグラス組はコリンズ家・グランツ家の両方からギャラを二重に受け取る。
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【所持金】
18億4908万ウェン
↓
18億3908万ウェン
※ダグラス組に護衛契約前払金として1000万ウェンを支払い
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『ダグラスさん、怒ってますよね?』
「…いや、別に。」
『少しくらいは怒ってるでしょ?』
「…いや。」
『本当は怒っ「うるせえッ ブッ殺すぞ!!!」
ひえっ!
怖い!!
…参ったなあ。
俺、こいう気難しいオッサンが大好きなんだよなあ。
だからこの人と旅を出来る事に滅茶苦茶テンション上がってる。
ホーント、マジで参っちゃうよ。
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最後に迷ったのが例の娼婦の処分。
生かすか殺すか?
生かすなら連れて行くか否か。
殺すならどこでどう殺し、口裏をどのように合わせるか。
諸情報を総合する限り、あれは帝国皇帝の縁者の可能性がある。
何でも皇帝には娘が3人いると聞く。
公爵嫡男に嫁いだ聡明な長女。
将軍に嫁いだ清純な三女。
かなりアレなので最近は式典にも呼んで貰えない真ん中。
決めつけは良く無いが、アレがアレなのだろう。
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【ヒルダ案】
原則的にアレは放置する。
どうせ高い確率で付いて来て
「護衛として雇って欲しい」
と言い出すに決まっているので
《既に護衛は十分に居るので不要。》
と断る。
どうせしつこく喰い下がるに決まっているので、予備馬車での乗合乗客としてのみ同乗を許可する。
現在、推定で現金は10万ウェン以下しか持ち合わせていない筈なので、足りない分はツケにして後日ダグラス組事務所に送金するよう指示する。。
国境で乗合馬車を解散。
キャラバンメンバーのみで検問へ。
どうせ身元を偽るように頼み込んで来るに決まっているので、正論と規則で突き離してそのまま置いていく。
スムーズにアレを置き去りにする為にも、予め全員でこっそり王国の身元証明書を準備しておく。
高い確率でアレは身元証明書類を用意出来ないので、最も入国審査が厳しい連邦に一旦入国し、連邦・首長国経由で自由都市を目指す。
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「ここらが一番無難でしょう。」
ヒルダ案に皆が賛成したので何通りのロールプレイングを行う。
まあ、アレの処分はそんな所が妥当だろうな。
そもそも付いて来なければ余計な仕事が増えずに済むのだが…
あの性格では仲間も友人も作れていないだろうし、なりふり構わず追って来るだろう。
身元証明書はカインが担当し、俺は武器屋に使えそうな装備を買い込みに行く。
運が良ければ、級友に宿を売りつけるチャンスもあると見ているので、コレットが如何にも稼働中の宿屋風に内装を戻し始める。
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『何かいいのあります?』
「無いな。」
『炸裂弾買いますよ?
後、凍結弾の在庫って幾つ位ありますか?』
「今ある炸裂弾は120発。
凍結弾は20発だけ。」
『凍結弾少なくないですか?』
「誰かさんが買い占めたからな。
御活躍だったそうじゃねえか。」
『あれ、かなり威力ありましたよ。
ちなみにもっと強い武器は無いんですか?』
「オマエは戦士でも軍人でもないんだろう?
だったら身を護る防具を揃えておけ。」
『じゃあ、長旅に向く防具を。』
「どれくらいの長旅?」
『あーーー、数週間。』
「…馬車の幌を良い物に換えておけ。
防刃コーティングや防熱シートをセットにした高級品がある。
カネが余ってるなら、車輪・車軸・幌や荷台床にカネを掛けた方がいい。
後、連邦産だが馬車用のミニ携帯トイレ。
騙されたと思って男女一式買っておけ。」
『な、なるほど。』
「南は熱射病や風土病の脅威がある。
万能薬を多めに揃えておけ。
ポーションとブレンドする抗生剤をストックしておくと捗るかも知れん。」
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【所持金】
18億3908万ウェン
↓
18億3798万ウェン
※ゴードン武器店にて110万ウェン分購入
炸裂弾60万ウェン (1個5000ウェンを120個)
凍結弾40万ウェン (1個2万ウェンを20個)
男性用ミニ携帯トイレ5万ウェン
女性用ミニ携帯トイレ5万ウェン
※野戦用抗生剤を無償受領
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『す、スミマセン。
なんかオマケして貰っちゃって。』
「いや。
オマエは上客だったし餞別だ。」
『…。』
「農協の厩舎には直接行かない方がいい。
ただでさえオマエは目立ってるからな。
必要な装備があれば、俺が代理発注しておいてやる。」
走って皆の所に帰り、全車のチューンを決断する。
カネで片が付くなら安いものだ。
再度、武器屋に戻り特急料金込みで計1000万ウェンを支払い、長距離走破用に改造することにする。
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【所持金】
18億3798万ウェン
↓
18億2798万ウェン
※ゴードン武器店に馬車改造費1000万ウェンを支払。
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夕方、ダグラスが普段使いしている情報屋が級友の行きつけの店を割り出してくれたので、組員2名を護衛に借りて接触を試みる。
彼らは例の制服姿。
遠目に確認するも知っている顔がいないので落胆する。
(あんまり仲の良くなかった奴とか、嫌いなタイプの女子ばかりが固まっていた。)
平原が居てくれれば接触するのだが…
しばらく向かいの店で気配を殺して張っていると不意に背後から声を掛けられる。
「遠市君じゃない!
今度は逃がさないからね!」
…和田和子か。
一番嫌いな奴に見つかってしまった。
「あれからも探したんだよ!
今、どこで何をしているの!?」
『宿屋でバイト。』
ここからはヒルダが以前描いたシナリオ通り。
「へえ、生活出来てるんだ?
それ非正規雇用?
給料幾ら位?」
『安いよ。
今の職場ももうすぐ潰れるから辞めるし。』
「潰れるの?」
『ああ。
元々営業意欲の無い未亡人が経営していたからな。
施設は立派なんだけど、投げ売りする気満々なんだ。
あ、そうだ。
もし知り合いで拠点を探している人が居れば紹介してくれよ。』
後半、ヒルダに覚え込まされたシナリオを再現するので精一杯で、やや棒読みだった気もするが和田が喰い付いてくる。
特に女性経営者からの引継ぎ・宿屋でありながら売春婦を置いてないという点が気になったらしい。
「遠市君、その宿ってどの辺?
女将さんに紹介してくれる事は出来る?」
…ヒルダよ。
アンタ、天才だな。
==========================
あっさり話が付いた。
実際の売買契約はダグラスの奥さん(かなり美人だ)が行う。
要は、王都内で胡桃亭が抱えている諸契約を誰かが引き継いでくれればよいのだ。
利権もあれば負債もある。
ポーションの設置義務もある。
よほどコレットの話が上手かったのか、和田の取り巻きの女子が数名走って来る。
詳細は省略するが猪首に肩パンされた、痛かった。
「一応、掃除はしているんですけど
ここは実質的に空き家なんです。
商売は主人に任せきりでしたので、私は経営のこと何もわからなくて。」
ヒルダは人の良さそうな顔でスラスラ嘘を吐く。
(俺もあの表情にコロっと騙された。)
この嘘の恐ろしさは、即興でも何でもなく綿密な練り込みと口裏合わせを終えている点だ。
「どなたか、使って下さる方が居られればと内々に売りに出したのですけど…
思った以上に挙手される方が多くて驚いているんです。
内見させてあげたいんですけど…
怖い男の人ばかりで…
ここは女所帯ですし、応対する自信もなくて…」
和田が満面のドヤ顔で背筋を伸ばす。
「女将さん!
提案があります!」
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事前の宣言通り、ヒルダはキッチリ500万せしめた。
和田一党はそこまで現金を持っていた訳ではなかったと推測されるが…
言葉巧みに絞り取ってしまった。
しかも奴らは自分が一方的に得をした気になっている。
まあ、金額的にはそこまでマイナスではないだろう。
ヒルダが何気なく渡した《形式的な簡易契約書》を読めば、商工会費や軍隊による徴発義務、教団とのポーション契約も明記されており、割に合わない点の多さに気付く筈なのだが。
そこらの質問が全く無かった点からも、和田は契約書を読んでいるフリをしているだけなのだろう。
「早めに入居する事は出来ますか?」
と尋ねられたので、入れ違い退去をする事に決める。
どうやら和田達は訓練期間が終わるまでに女子だけで住める拠点を探しているらしい。
《セクハラがどうの、結婚がどうの》
と騒いでいたので、まあ色々あったのだろう。
俺には関係ないが。
別れ際に猪首が
「遠市君、アンタちゃんと定職に就かないとこの先やってけないよ?
私達、もうすぐ初任給が30万ウェンも貰えるんだからね。」
と言った。
俺は給料など貰った事がないので、素直に偉いなと思った。
《2億5592万ウェンの配当が支払われました。》
おっと。
ゴメンな、俺は今から忙しい。
「用事がありますから」とヒルダが言うと、和田達は満足気に帰って行った。
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【所持金】
18億2798万ウェン
↓
20億8390万ウェン
※2億5592万ウェンの配当を受け取り。
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戻って来たカイン曰く、必要な書類は明日正午までには完成するので一括で取得しに行くとのこと。
街道情報をチェックしていたキーンが現在の治安状況を共有し、大まかな出発ルートが決まる。
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【所持金】
20億8390万ウェン
↓
20億5990万ウェン
※カイン・R・グランツに2200万ウェンの利息を支払。
※ドナルド・キーンに200万ウェンの利息を支払。
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その日は久しぶりキーンが泊まっていくことになった。
お互いに色々話したいことが貯まっていたので、俺の部屋で寝転がって酒を飲みながら遅くまで話し込んだ。
子供の頃の夢や女の好み、そんな他愛のない話題だった気がする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
流浪のプライベートバンカー
【ステータス】
《LV》 14
《HP》 (3/3)
《MP》 (2/2)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 2
《幸運》 1
《経験》 134774
次のレベルまで残り28282ポイント。
【スキル】
「複利」
※日利14%
下4桁切上
【所持金】
20億5990万ウェン
※カイン・R・グランツから11億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから2億ウェンを日利1%で借用
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クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
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神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」
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書道が大好き(強制)なごくごく普通の
一般高校生真田蒼字、しかし実際は家の
関係で、幽霊や妖怪を倒す陰陽師的な仕事
を裏でしていた。ある日のこと学校を
出たら目の前は薄暗い檻の中なんじゃ
こりゃーと思っていると、女神(駄)が
現れ異世界に転移されていた。魔王を
倒してほしんですか?いえ違います。
失敗しちゃった。テヘ!ふざけんな!
さっさと元の世界に帰せ‼
これは運悪く異世界に飛ばされた青年が
仲間のリル、レイチェルと楽しくほのぼの
と商売をして暮らしているところで、
様々な事件に巻き込まれながらも、この
世界に来て手に入れたスキル『書道神級』
の力で無双し敵をバッタバッタと倒し
解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに
巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、
時には面白く敵を倒して(笑える)いつの
間にか世界を救う話です。
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