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【転移38日目】 所持金609億8600万ウェン 「このカネは戦争という名のドブに全額捨てる!」
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『皆さん、申し訳ありません。
まずは肝心な場面でお役に立てなかった事をお詫び致します。
また不慣れな荷主を手厚くサポートして下さっている事に深く感謝しております。』
人前でちゃんと話したことなど無かったが…
自然にこの言葉が出た。
恐らく、本気でそう思っているからだろう。
本当に申し訳無いのだが、俺は横たわったままである。
せめて半身だけでも起こそうとするが、無駄な努力に終わった。
『まずは皆の認識を統一させて下さい。
我々が滞在しているこの街の領主であるアウグスブルク家が、隣領ミュラー家に攻勢を掛けようとしている。
アウグスブルグ家は近隣の傭兵団に強制的に招集を掛け、我々もそれに巻き込まれている。
この私の認識に間違いはありますでしょうか?
補足や訂正があれば是非お聞かせ下さい。』
枕頭のキーンやカインが調査した情勢を説明してくれる。
・傭兵団はやや困惑気味。
・民心を得ているミュラー家と交戦したくないし、そもそもミュラー領が故郷の者も多い。
・対首長国の国境警備業務と聞かされて招集された傭兵団も存在する。
意外だな。
傭兵ってもっと好戦的なイメージがあった。
「要は。
王国と帝国の休戦条約正式締結。
これが良くも悪くも国際社会にインパクトを与え過ぎたのです。
各国の戦争計画に相当大きなズレが生じたようで…
ほら、各地で内戦が発生しているでしょう?
あれって、一部の地方軍閥が浮いた対外戦力を対内闘争に回し始めたためなんです。
その顕著な例が、この地の領主というわけです。」
カインが簡潔に締め括る。
《一度整えた戦闘態勢は、どこかに吐き出さなければ兵の集め損になる。》
軍事とはそういうものらしい。
『俺はまだ面識を得ていないのだが。
ケルヒャーという傭兵団と契約したと聞いた。
これは?』
ここで皆がヒルダを見る。
どうやら彼女の独断らしい。
「僭越ではありますが、予備費を使って傭兵隊長ケルヒャーとの交渉権を確保させて頂きました。
手付として200万ウェンを支払いました。」
皆の反応は悪くない。
少なくともこの場に反発している人間が居ない。
良いチョイスをしてくれたのだろうか?
「ケルヒャー隊長は齢54。
近隣の傭兵隊長の中では最年長となります。
検問を終えた後、幾つかの傭兵団が護衛の営業に来たのですが…
皆が熱心で強引な売込を試みて来る中、1人だけ場の整理を中立的に行っている者がおりました。
高齢ですが周囲からの人望を得ているように見えたので、当初は案内役として雇用しようとして声を掛けました。」
『それがケルヒャー隊長だったのだな?
どのような人物?』
「小兵で高齢ですが、極めて人当たりが良い人物です。
あまり積極的な営業は行いませんが、他の傭兵団の推薦には積極的です。
ケルヒャー傭兵団は正隊員が50騎、各騎が数名の従卒を従えております。
付近の傭兵団も概ね同規模なのですが…
ケルヒャー隊長の特色は、隊員の独立や離脱に全く掣肘を加えない点です。
これは近辺の傭兵団体の中では極めて異例とのことです。
なので。
結果として、付近の傭兵団にはケルヒャー隊長の元部下が多いです。
これが彼を推薦する理由です。」
いいな、その選考理由。
グリーブやダグラスも強く頷いている。
『グリーブさん。
傭兵団に1億払ったら…
余所者の私でも雇えますか?』
「…はい、かなり高い確率で味方してくれると思います。
仮に契約に至らなくとも、好意的な姿勢を示してくれることでしょう。」
『ケルヒャー含めて30団体がこの近辺に集結しているんですよね?』
「はい、厳密には29の傭兵団です。
零細も点在しておりますが、必ず29団のどれかに所属しておりますので
この29団体が全てと認識してほぼ間違いないか、と思われます。」
『6か月で前金1億を提示します。
それも29団体全てに。
キャラバンが自由都市に到着した時の成功報酬として更に1億。
勿論、全ての相手が交渉に応じるとは楽観しておりませんが、身の安全を図る為の戦力は揃うでしょう。』
周囲からため息が漏れる。
嬉しそうに忍び笑いをしている者もいる。
でもまあ、《身の安全》というのもあながち嘘じゃないよ。
戦争で勝てば敗者よりかは安全で居られるのだから。
『そして、ここに居る皆さんに対しては1人1億の追加ボーナスを支給します。
今から私の独断で危ない橋を渡ります。
その報酬を持ってキャラバンから離脱して頂いても結構です。
その場合も!
私の皆さんへの感謝の気持ちは絶対に変わらない事を約束します!』
寝転がったまま言う事じゃないよな。
我儘に付き合わせてゴメンな。
今から俺、戦争するわ。
だって手持ちの資金で戦争買えちゃうもん。
==========================
ケルヒャーの腹は最初から決まっていた。
聡明かつ冷徹なヒルダを見た瞬間に
「この女が見込んだ男が勝ち馬にならない筈がない!」
と確信したらしい。
『期待を裏切って申し訳ないです。』
「いやいや、名誉の御負傷であられる。」
『傷痕だけは歴戦の勇者だと言われましたw』
ケルヒャーが必死に笑いを堪える気配を感じる。
よし、読みが当たった。
こういうタイプには笑いを取りに行く位が丁度いい。
「仮にコリンズ社長自身が勇者で無かったとしても…
勇者達を適切に支援し続けて来られた事は、護衛団の皆さんの装備から見ても明白だ。
私もこの業界長いですが…
馬車の車輪一つとっても軍用の最高級品でしょう?
そしてあの鎧。
最初、王国の特殊部隊が集団脱柵してきたのかと思いました。
貴方は我々傭兵にとって、信頼できる経営者だと認識しております。」
『恐縮です。
そうありたいとは心掛けております。
さて。』
「はい。」
『1団体につき、前金で1億ウェンを払います。』
「ッ!?」
『この地域の全傭兵団と契約がしたい。
ケルヒャーさんに取りまとめをお願い出来ますか?
経費が必要なら仰って下さい。』
「…出来ます!
大至急やります。
経費は不要なんです、主だった連中は街の酒場でたむろしてますし。
酒場同士も大して離れてません。」
『私は無駄な流血が嫌いです。
29団体全てと話を付けて下さい。
明日の軍事招集までには話を付けておきたい。』
「…そ、それはww
やるんですかw」
『別にミュラー氏を支持している訳ではないのですが
どちらかと言えばあちらが善玉なのでしょう?
ひょっとすると…
《重税を課さないから資金に乏しく傭兵も集まらない》
そういうタイプの御仁なのではないですか?』
「入国されたばかりで随分お詳しいですな!?」
「ここの侯爵の真逆を言ってみただけですよ。」
2人で大笑いする。
ミュラーへの渡りも付けて貰った。
(そもそも彼の娘婿がミュラー領の出身だ。)
俺はコレットに命じ、準備金を別枠に移した。
このカネは戦争という名のドブに全額捨てる!
==========================
【所持金】
557億8600万ウェン
↓
507億8600万ウェン
※50億ウェンを軍事枠に移行
全決済権をヒルダ・コリンズに譲渡
==========================
そうだ。
俺、今まで利殖に意識が行き過ぎてたわ。
やっぱりカネってどう使うかだよ。
死にかけて、ようやく理解出来たわ。
カネなんて増えるだけじゃ意味はない。
どうやって使うかが問題なんだよ!
大切な物は使い道なんだよ。
意識を改革しよう。
心のどこかに《自由都市に着くまで財産が増えればラッキー》みたいな甘えがあった。
それは間違った考え方だ!
もう出し惜しみはしない!
何を勘違いしてたんだよ、俺。
元は貧困家庭の生まれじゃないか。
失う物なんて何もなかったじゃないか!
無一文に戻ったっていい!
俺は全てを吐き出して仲間を守るんだ!!
《102億ウェンの配当が支払われました。》
==========================
【所持金】
507億8600万ウェン
↓
609億8600万ウェン
※102億ウェンの配当を受け取り。
==========================
俺はずっと寝ていたから経緯が解らないのだが。
幌の外で大歓声があがり意識が戻る。
時間を尋ねようにもコレットが側に居ない。
誰かを呼ぼうにも大声も出せない。
外に出ようとしても相変わらず胸から下と左腕が動かない。
「おめでとうございます。
緒戦は勝利です!」
ヒルダが馬車に戻って来る。
「ルドルフ・フォン・アウグスブルグ以下郎党80騎。
悉く討ち果たしました!
ただ、凍結弾の残弾を使い果たしてしまいました。
炸裂弾の残弾は44発です。」
え?
ルドルフってあの人?
え?
死んだの?
「従卒、伝令も包囲殲滅しました。
時間稼ぎの為に、死体隠蔽工作をしておきました。」
超展開だな。
まだ約束の19時になってないだろう?
ヒルダは口を濁すが、相当卑劣な騙し討ちをおこなったらしい。
開戦祝いの名目で豪勢な宴を用意し、喜んで席に着いたアウグスブルグ一党を襲撃したとのこと。
(これでもオブラートに包んだ表現のようだ。)
ちなみに兵卒達も休憩用テントごと焼き殺された。
まあ、戦争だからね。
油断する方が悪いよね。
==========================
深夜。
ミュラー軍からの伝令が到達。
明日、国境近辺の集落に俺が出頭し交渉が始まるらしい。
急転に次ぐ急転だが、俺は寝ていただけだ。
多分、明日も起き上がれない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
傭兵隊長
【称号】
ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 20
《HP》 (2/4)
《MP》 (3/3)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 4
《幸運》 1
《経験》 938万2268ポイント
次のレベルまで残り91万4308ポイント
【スキル】
「複利」
※日利20%
下8桁切上
【所持金】
609億8600万ウェン
※カイン・R・グランツから14億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから82億ウェンを日利2%で借用
(両名共に配当受取拒絶中)
※バベル銀行の10億ウェン預入証書保有
【常備薬】
エリクサー 95ℓ
【コリンズキャラバン移動計画】
「14日目」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 (護衛団フルチューン)
↓
王国側国境検問所 (秋の愛国フェアに参加)
↓
非武装中立地帯 (死んだ。)
↓
連邦or首長国検問所 (連邦ルート選択)
↓
連邦アウグスブルグ侯爵領 ←今ココ
↓
自由都市(連邦領経由なら7日、首長国経由なら5日の計算)
まずは肝心な場面でお役に立てなかった事をお詫び致します。
また不慣れな荷主を手厚くサポートして下さっている事に深く感謝しております。』
人前でちゃんと話したことなど無かったが…
自然にこの言葉が出た。
恐らく、本気でそう思っているからだろう。
本当に申し訳無いのだが、俺は横たわったままである。
せめて半身だけでも起こそうとするが、無駄な努力に終わった。
『まずは皆の認識を統一させて下さい。
我々が滞在しているこの街の領主であるアウグスブルク家が、隣領ミュラー家に攻勢を掛けようとしている。
アウグスブルグ家は近隣の傭兵団に強制的に招集を掛け、我々もそれに巻き込まれている。
この私の認識に間違いはありますでしょうか?
補足や訂正があれば是非お聞かせ下さい。』
枕頭のキーンやカインが調査した情勢を説明してくれる。
・傭兵団はやや困惑気味。
・民心を得ているミュラー家と交戦したくないし、そもそもミュラー領が故郷の者も多い。
・対首長国の国境警備業務と聞かされて招集された傭兵団も存在する。
意外だな。
傭兵ってもっと好戦的なイメージがあった。
「要は。
王国と帝国の休戦条約正式締結。
これが良くも悪くも国際社会にインパクトを与え過ぎたのです。
各国の戦争計画に相当大きなズレが生じたようで…
ほら、各地で内戦が発生しているでしょう?
あれって、一部の地方軍閥が浮いた対外戦力を対内闘争に回し始めたためなんです。
その顕著な例が、この地の領主というわけです。」
カインが簡潔に締め括る。
《一度整えた戦闘態勢は、どこかに吐き出さなければ兵の集め損になる。》
軍事とはそういうものらしい。
『俺はまだ面識を得ていないのだが。
ケルヒャーという傭兵団と契約したと聞いた。
これは?』
ここで皆がヒルダを見る。
どうやら彼女の独断らしい。
「僭越ではありますが、予備費を使って傭兵隊長ケルヒャーとの交渉権を確保させて頂きました。
手付として200万ウェンを支払いました。」
皆の反応は悪くない。
少なくともこの場に反発している人間が居ない。
良いチョイスをしてくれたのだろうか?
「ケルヒャー隊長は齢54。
近隣の傭兵隊長の中では最年長となります。
検問を終えた後、幾つかの傭兵団が護衛の営業に来たのですが…
皆が熱心で強引な売込を試みて来る中、1人だけ場の整理を中立的に行っている者がおりました。
高齢ですが周囲からの人望を得ているように見えたので、当初は案内役として雇用しようとして声を掛けました。」
『それがケルヒャー隊長だったのだな?
どのような人物?』
「小兵で高齢ですが、極めて人当たりが良い人物です。
あまり積極的な営業は行いませんが、他の傭兵団の推薦には積極的です。
ケルヒャー傭兵団は正隊員が50騎、各騎が数名の従卒を従えております。
付近の傭兵団も概ね同規模なのですが…
ケルヒャー隊長の特色は、隊員の独立や離脱に全く掣肘を加えない点です。
これは近辺の傭兵団体の中では極めて異例とのことです。
なので。
結果として、付近の傭兵団にはケルヒャー隊長の元部下が多いです。
これが彼を推薦する理由です。」
いいな、その選考理由。
グリーブやダグラスも強く頷いている。
『グリーブさん。
傭兵団に1億払ったら…
余所者の私でも雇えますか?』
「…はい、かなり高い確率で味方してくれると思います。
仮に契約に至らなくとも、好意的な姿勢を示してくれることでしょう。」
『ケルヒャー含めて30団体がこの近辺に集結しているんですよね?』
「はい、厳密には29の傭兵団です。
零細も点在しておりますが、必ず29団のどれかに所属しておりますので
この29団体が全てと認識してほぼ間違いないか、と思われます。」
『6か月で前金1億を提示します。
それも29団体全てに。
キャラバンが自由都市に到着した時の成功報酬として更に1億。
勿論、全ての相手が交渉に応じるとは楽観しておりませんが、身の安全を図る為の戦力は揃うでしょう。』
周囲からため息が漏れる。
嬉しそうに忍び笑いをしている者もいる。
でもまあ、《身の安全》というのもあながち嘘じゃないよ。
戦争で勝てば敗者よりかは安全で居られるのだから。
『そして、ここに居る皆さんに対しては1人1億の追加ボーナスを支給します。
今から私の独断で危ない橋を渡ります。
その報酬を持ってキャラバンから離脱して頂いても結構です。
その場合も!
私の皆さんへの感謝の気持ちは絶対に変わらない事を約束します!』
寝転がったまま言う事じゃないよな。
我儘に付き合わせてゴメンな。
今から俺、戦争するわ。
だって手持ちの資金で戦争買えちゃうもん。
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ケルヒャーの腹は最初から決まっていた。
聡明かつ冷徹なヒルダを見た瞬間に
「この女が見込んだ男が勝ち馬にならない筈がない!」
と確信したらしい。
『期待を裏切って申し訳ないです。』
「いやいや、名誉の御負傷であられる。」
『傷痕だけは歴戦の勇者だと言われましたw』
ケルヒャーが必死に笑いを堪える気配を感じる。
よし、読みが当たった。
こういうタイプには笑いを取りに行く位が丁度いい。
「仮にコリンズ社長自身が勇者で無かったとしても…
勇者達を適切に支援し続けて来られた事は、護衛団の皆さんの装備から見ても明白だ。
私もこの業界長いですが…
馬車の車輪一つとっても軍用の最高級品でしょう?
そしてあの鎧。
最初、王国の特殊部隊が集団脱柵してきたのかと思いました。
貴方は我々傭兵にとって、信頼できる経営者だと認識しております。」
『恐縮です。
そうありたいとは心掛けております。
さて。』
「はい。」
『1団体につき、前金で1億ウェンを払います。』
「ッ!?」
『この地域の全傭兵団と契約がしたい。
ケルヒャーさんに取りまとめをお願い出来ますか?
経費が必要なら仰って下さい。』
「…出来ます!
大至急やります。
経費は不要なんです、主だった連中は街の酒場でたむろしてますし。
酒場同士も大して離れてません。」
『私は無駄な流血が嫌いです。
29団体全てと話を付けて下さい。
明日の軍事招集までには話を付けておきたい。』
「…そ、それはww
やるんですかw」
『別にミュラー氏を支持している訳ではないのですが
どちらかと言えばあちらが善玉なのでしょう?
ひょっとすると…
《重税を課さないから資金に乏しく傭兵も集まらない》
そういうタイプの御仁なのではないですか?』
「入国されたばかりで随分お詳しいですな!?」
「ここの侯爵の真逆を言ってみただけですよ。」
2人で大笑いする。
ミュラーへの渡りも付けて貰った。
(そもそも彼の娘婿がミュラー領の出身だ。)
俺はコレットに命じ、準備金を別枠に移した。
このカネは戦争という名のドブに全額捨てる!
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【所持金】
557億8600万ウェン
↓
507億8600万ウェン
※50億ウェンを軍事枠に移行
全決済権をヒルダ・コリンズに譲渡
==========================
そうだ。
俺、今まで利殖に意識が行き過ぎてたわ。
やっぱりカネってどう使うかだよ。
死にかけて、ようやく理解出来たわ。
カネなんて増えるだけじゃ意味はない。
どうやって使うかが問題なんだよ!
大切な物は使い道なんだよ。
意識を改革しよう。
心のどこかに《自由都市に着くまで財産が増えればラッキー》みたいな甘えがあった。
それは間違った考え方だ!
もう出し惜しみはしない!
何を勘違いしてたんだよ、俺。
元は貧困家庭の生まれじゃないか。
失う物なんて何もなかったじゃないか!
無一文に戻ったっていい!
俺は全てを吐き出して仲間を守るんだ!!
《102億ウェンの配当が支払われました。》
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【所持金】
507億8600万ウェン
↓
609億8600万ウェン
※102億ウェンの配当を受け取り。
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俺はずっと寝ていたから経緯が解らないのだが。
幌の外で大歓声があがり意識が戻る。
時間を尋ねようにもコレットが側に居ない。
誰かを呼ぼうにも大声も出せない。
外に出ようとしても相変わらず胸から下と左腕が動かない。
「おめでとうございます。
緒戦は勝利です!」
ヒルダが馬車に戻って来る。
「ルドルフ・フォン・アウグスブルグ以下郎党80騎。
悉く討ち果たしました!
ただ、凍結弾の残弾を使い果たしてしまいました。
炸裂弾の残弾は44発です。」
え?
ルドルフってあの人?
え?
死んだの?
「従卒、伝令も包囲殲滅しました。
時間稼ぎの為に、死体隠蔽工作をしておきました。」
超展開だな。
まだ約束の19時になってないだろう?
ヒルダは口を濁すが、相当卑劣な騙し討ちをおこなったらしい。
開戦祝いの名目で豪勢な宴を用意し、喜んで席に着いたアウグスブルグ一党を襲撃したとのこと。
(これでもオブラートに包んだ表現のようだ。)
ちなみに兵卒達も休憩用テントごと焼き殺された。
まあ、戦争だからね。
油断する方が悪いよね。
==========================
深夜。
ミュラー軍からの伝令が到達。
明日、国境近辺の集落に俺が出頭し交渉が始まるらしい。
急転に次ぐ急転だが、俺は寝ていただけだ。
多分、明日も起き上がれない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
傭兵隊長
【称号】
ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 20
《HP》 (2/4)
《MP》 (3/3)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 4
《幸運》 1
《経験》 938万2268ポイント
次のレベルまで残り91万4308ポイント
【スキル】
「複利」
※日利20%
下8桁切上
【所持金】
609億8600万ウェン
※カイン・R・グランツから14億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから82億ウェンを日利2%で借用
(両名共に配当受取拒絶中)
※バベル銀行の10億ウェン預入証書保有
【常備薬】
エリクサー 95ℓ
【コリンズキャラバン移動計画】
「14日目」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 (護衛団フルチューン)
↓
王国側国境検問所 (秋の愛国フェアに参加)
↓
非武装中立地帯 (死んだ。)
↓
連邦or首長国検問所 (連邦ルート選択)
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クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
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神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
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魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
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