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【転移39日目】 所持金738億8600万ウェン 「中世あるあるなので何の感慨も無い。」
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翌日。
ミュラー侯爵との面会。
まだ日は高い。
先方もまさか俺が戸板で運ばれて来るとは思っていなかったらしく、素直に驚いてくれた。
「色々言いたいことがあったんだがな。
君が死に掛けてるから、言いにくい。
何かズルくないか?
そういう交渉の仕方は。」
『すみません。
これでも大分マシになって来たんです。
ほら、左腕がちゃんと動いてるでしょ?』
「ああ、何か痙攣しとるね?」
『今朝まではピクリとも動かなかったんです。』
「あ、うん。
お大事に。
えっと…
コリンズ君だったか。
君、何でワシの味方してくれるの?」
『いや、別に味方という程のものではないのですが…
何か、ノリと言いますか、勢いと申しますか。
あー、私。
坊主が嫌いなんですよね。』
「いや、君。
ワシも坊主は袈裟まで憎いけどさ。
ノリで戦争するかね、普通?」
『申し訳御座いません。』
「いや、怒ってはいないけど…
で、こっちがアウグスブルグの息子かァ…
ワシもコイツに挨拶に来いとは言っとったけど…
首だけで来られてもな…
バッハ家の婚礼以来だから… 顔を見るのは10年ぶりかぁ…
久々に会ったと思ったら…
この有様だもんなぁ。」
俺の隣にはアウグスブルグ氏の首級が置かれているらしいが角度的に微妙に見えない。
せめてどんな人相か把握だけしておきたいのだが、まだ彼の顔は一度も見れてない。
「えっと…
ワシも戦場は長い方なんだけど。
こういうケースは初めてだからなあ。
何?
ワシがコリンズ君に恩賞を支払えばいいのかな?
うーん、これ前例がないケースだから
そもそも君をどう扱っていいのかわからん。
コリンズ君は何か希望ある?」
『まず自由都市に行きたいです。』
「ん?
普通に行けばよくね?」
『ああ、いえ。
そこに居られるアウグスブルグ氏から
《侵攻軍に加盟しなければ危害を加える》
と脅迫されまして。』
「ん?
それ条約違反じゃね?」
『私もそう反論したのですが
教団がバックに付いている、の一点張りで。』
「ああ、なるほどね。
話の流れがイメージ出来たわ。
それで腹を立ててワシの側についてくれた、と。」
『まあ自分でも私怨なのか公憤なのか
もはやわからなくなってるんですけど。』
「いや、そこまではまだ何となく理解出来るんだけどさ。
何でアウグスブルグ側の傭兵までが、こっちに味方しとるの?
ワシ、ケチで有名だから傭兵連中には嫌われておると思うんだけど。」
『事後承諾で申し訳ないのですが…
私が勝手に傭兵料を払ってしまったというか…』
「え?
総額で幾ら払ったの?
膨大な額でしょ!?」
『あ、いや。
戦争は全て母に任せておりまして。
細かい金額は母しか把握していないのです。』
「…君。
結構いい歳だろ?
流石にお母さんに戦争を任せちゃあ駄目だろ?」
『あ、はい。
私も不本意ではあるのですが、身体がこの調子でして。』
「うーーーん。
まあ、王国の価値観に口を出す気は無いけど…
連邦じゃあ、それギリギリアウトよ?」
『いや、本当に。
返す言葉も御座いません。』
「あーーーー、君には言いたいことが山ほどあるんだけど。
見た所死に掛け取るし、味方もして貰っとるし…
というか、実質的な敵将の首も持ってきてくれたし…
わかる?
この拳の振り下ろし所に困る心境。」
『はい、はい。
仰る通りで御座います。』
「まあ、身動き取れない相手に偉そうに説教するのも、絵面がね?
絵面が非常に宜しくないから。
お小言はここでオシマイ!
今回はありがとう!!」
『今後共、御指導鞭撻の程を宜しくお願い致します。』
「で、ワシは何をすれば良いの?」
『あ、じゃあ。
傭兵達と一緒にアウグスブルグ領を制圧して頂ければ。』
「だからあ。
ワシ、カネが無いんだって。
こんな大軍に支払う給料なんてどこにあるのよ!?」
『あ、報酬は本当に支払い済です。
後金や経費もキャッシュで払いますので。』
「もうそれミュラー軍じゃなくて、コリンズ軍じゃない?」
『ああ、いや。
私、この容体ですし、あんまり目立ちたくないんですよ。
カネだけ私が出しますので、支払い名義人に閣下のお名前を頂戴出来ないでしょうか?』
「いやいやいや!
ワシも武人の端くれだよ?
そんな自分だけが得をするような真似、出来る訳ないじゃない!
それは騎士道的に許されんことだよ?」
『勿論、カネの出どころは内密に致します。』
「駄目駄目駄目駄目。
例え誰も見てなくとも、ワシ自身が見とるもの。
己の中の騎士道に背く振舞は出来ない!
謂れのない金銭を受け取るなんて出来ないね!」
『あ、じゃあ貸付ということで。』
「だからあ。
返すアテが無いの。
先に行っとくね?
ワシ、年貢は三公七民って決めとるから。
戦場での略奪も厳しめに禁じとるし。
財政が悪化する事はあっても黒字には絶対ならんよ?」
『じゃあ、あげます。』
「イラン。」
『じゃあ、献上させて下さい。』
「イラン。」
『なんか受け取ってくれる方法はないですか?』
「ない。」
『じゃあ、無利息無担保無期限で貸付させて下さい。』
「イラン。
それ、実質的な贈与じゃね?」
『ど、どうしたらカネを受け取ってくれるんですか?』
「君は私に何をさせたいの?」
『あ、いや。
閣下がアウグスブルグを統治して下されば
年貢が下がって皆が喜ぶかな?と。
で、私も閣下という隠れ蓑に、ヘイトを擦り付けられるかも、と。』
「じゃあ、そう頼めよ。」
『あ、はい。
じゃあ、アウグスブルグを統治して下さい。』
「君、ガイジンじゃん?
連邦の内政に発言するのは内政干渉じゃん?」
『あ、すみません。』
「だから今、ワシの部下に住民アンケートを取らせている。」
『え!?』
「アウグスブルグ候の侵略に対するカウンター占領を歓迎するか否か。
はい/いいえ/わからない
の三択で回答して貰ってる。」
『ええ!?』
「有効回答数2000が集まった時点で集計するわ。
《はい》が9割を越えてたら暫定的に統治してやる。」
…き、気難しいジジイだ!?
や、ヤバい。
俺はこういう屈折した天邪鬼ジジイが好きで好きで堪らないのだ。
==========================
問題は、昼過ぎにはアウグスブルグ家の係累が概ね惨殺され終わっていた点だ。
ヒルダの賞金の懸け方が本当に上手いらしい。
ただでさえ法外な金額。
発見・通報・捕縛・連行の4パートに工程を細かく分けたオートメーション捕り物。
付近から搔き集めた娼婦にコミカルな替え歌と共に手配状を配らせる。
ルドルフ氏を殺害した直後には、もうこの作戦を立案し、傭兵団に不眠不休で実施させたらしい。
集計した訳ではないが、この女のキルレシオが洒落にならない事になっている。
「人心収攬の為にも正規軍に鎮撫して貰わねば困る。」
という口上を聞いて、ミュラー候はため息交じりに占領軍を進発。
三公七民に期待した人民が占領軍支援の為に一斉蜂起を起し全ての決着が着いた。
(アウグスブルグ家が一人残らず絶滅したので、本当に完全決着)
ルドルフ・フォン・アウグスブルグ氏殺害から24時間も経っていない、超スピード決着であった。
勝因はアウグス側の主要人物の寝込みを襲って一斉惨殺したことである。
男は拷問されて財産の在りかを吐かされ、女は一通り凌辱されてから、処刑されて各地に吊るされた。
そこらのチンケな領主が一夜で滅んだだけの話である。
中世あるあるなので何の感慨も無い。
《129億ウェンの配当が支払われました。》
==========================
【所持金】
609億8600万ウェン
↓
738億8600万ウェン
※129億ウェンの配当を受け取り。
==========================
数百年前に遡れば、アウグスブルグ家とミュラー家は同祖から別れた家柄なので、まあミュラーの占領行為には正当性がないとも言えなくもない。
「ねーよ。」
うん、無いな。
他ならぬ占領側の総大将が言うのだから間違いない。
「他にワシ、やることある?」
『あの…
連邦の皆さんに対して内政干渉する意図はありませんので。
そろそろ出発させて頂いて宜しいでしょうか?』
「正直に、ワシらに興味ないって言え。」
『あ、はい。
連邦の国情にはあまり興味なくて…
本当は首長国を通りたかったですよ…
豊かで文明度が高いと聞いていたので。』
「貧しく野蛮で悪かったな!」
『スミマセン。』
「他にワシにして欲しいことはあるか?」
『思いつきません。
あの、こちらから…』
「イラン。」
『ですよねー。』
「コリンズ君、恩賞居る?」
『嵩張らないものなら。』
「領地なんだけど?」
『あ、イラナイっす。』
「今時の若者はキャッシュ以外の支払いをとことん嫌がるよなー。」
それがミュラー侯爵との別れ際の会話である。
俺は来た時同様に戸板に寝かされたまま退出した。
==========================
ミュラー侯爵との会話で妙に印象に残ったものがある。
『あ、あの閣下。
どうして三公七民なのですか?』
「統治の原価率が3割だから。」
『そうなんですか!?』
「いや、ワシの経験則だけど。
それがどんな政体であれ、そんなもんだぞ?」
『マジっすかー。』
「うん、マジ。
若い頃、結構真面目に計算したから。」
『いや、そこではなく!
どうして原価で統治してるんですか!!』
「隣領の連中が嫌がるから楽しいww」
『わかります!!!』
「教団の連中が発狂して楽しいww
税率の低い領地の農民って信仰に現実逃避しないから
神聖教団式のコミュニティビジネスが通用しない。」
『おおおおおおおおwwwww』
「マジで面白いよww
皆が顔を真っ赤にして発狂してるからww
まあ、おかげで国内包囲網を敷かれてるんだけどさww」
『うあああああああああwwww』
俺、こういう糞ジジーが本当に好きなんだよ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
傭兵隊長
【称号】
ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 21
《HP》 (2/4)
《MP》 (4/4)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 4
《幸運》 1
《経験》 1125万8722ポイント
次のレベルまで残り1265万6948ポイント
【スキル】
「複利」
※日利21%
下8桁切上
【所持金】
所持金738億8600万ウェン
※カイン・R・グランツから14億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから82億ウェンを日利2%で借用
(両名共に配当受取拒絶中)
※バベル銀行の10億ウェン預入証書保有
【常備薬】
エリクサー 105ℓ
【コリンズキャラバン移動計画】
「15日目」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 (護衛団フルチューン)
↓
王国側国境検問所 (秋の愛国フェアに参加)
↓
非武装中立地帯 (死んだ。)
↓
連邦or首長国検問所 (連邦ルート選択)
↓
連邦アウグスブルグ侯爵領 ←今ココ
↓
自由都市(連邦領経由なら7日、首長国経由なら5日の計算)
ミュラー侯爵との面会。
まだ日は高い。
先方もまさか俺が戸板で運ばれて来るとは思っていなかったらしく、素直に驚いてくれた。
「色々言いたいことがあったんだがな。
君が死に掛けてるから、言いにくい。
何かズルくないか?
そういう交渉の仕方は。」
『すみません。
これでも大分マシになって来たんです。
ほら、左腕がちゃんと動いてるでしょ?』
「ああ、何か痙攣しとるね?」
『今朝まではピクリとも動かなかったんです。』
「あ、うん。
お大事に。
えっと…
コリンズ君だったか。
君、何でワシの味方してくれるの?」
『いや、別に味方という程のものではないのですが…
何か、ノリと言いますか、勢いと申しますか。
あー、私。
坊主が嫌いなんですよね。』
「いや、君。
ワシも坊主は袈裟まで憎いけどさ。
ノリで戦争するかね、普通?」
『申し訳御座いません。』
「いや、怒ってはいないけど…
で、こっちがアウグスブルグの息子かァ…
ワシもコイツに挨拶に来いとは言っとったけど…
首だけで来られてもな…
バッハ家の婚礼以来だから… 顔を見るのは10年ぶりかぁ…
久々に会ったと思ったら…
この有様だもんなぁ。」
俺の隣にはアウグスブルグ氏の首級が置かれているらしいが角度的に微妙に見えない。
せめてどんな人相か把握だけしておきたいのだが、まだ彼の顔は一度も見れてない。
「えっと…
ワシも戦場は長い方なんだけど。
こういうケースは初めてだからなあ。
何?
ワシがコリンズ君に恩賞を支払えばいいのかな?
うーん、これ前例がないケースだから
そもそも君をどう扱っていいのかわからん。
コリンズ君は何か希望ある?」
『まず自由都市に行きたいです。』
「ん?
普通に行けばよくね?」
『ああ、いえ。
そこに居られるアウグスブルグ氏から
《侵攻軍に加盟しなければ危害を加える》
と脅迫されまして。』
「ん?
それ条約違反じゃね?」
『私もそう反論したのですが
教団がバックに付いている、の一点張りで。』
「ああ、なるほどね。
話の流れがイメージ出来たわ。
それで腹を立ててワシの側についてくれた、と。」
『まあ自分でも私怨なのか公憤なのか
もはやわからなくなってるんですけど。』
「いや、そこまではまだ何となく理解出来るんだけどさ。
何でアウグスブルグ側の傭兵までが、こっちに味方しとるの?
ワシ、ケチで有名だから傭兵連中には嫌われておると思うんだけど。」
『事後承諾で申し訳ないのですが…
私が勝手に傭兵料を払ってしまったというか…』
「え?
総額で幾ら払ったの?
膨大な額でしょ!?」
『あ、いや。
戦争は全て母に任せておりまして。
細かい金額は母しか把握していないのです。』
「…君。
結構いい歳だろ?
流石にお母さんに戦争を任せちゃあ駄目だろ?」
『あ、はい。
私も不本意ではあるのですが、身体がこの調子でして。』
「うーーーん。
まあ、王国の価値観に口を出す気は無いけど…
連邦じゃあ、それギリギリアウトよ?」
『いや、本当に。
返す言葉も御座いません。』
「あーーーー、君には言いたいことが山ほどあるんだけど。
見た所死に掛け取るし、味方もして貰っとるし…
というか、実質的な敵将の首も持ってきてくれたし…
わかる?
この拳の振り下ろし所に困る心境。」
『はい、はい。
仰る通りで御座います。』
「まあ、身動き取れない相手に偉そうに説教するのも、絵面がね?
絵面が非常に宜しくないから。
お小言はここでオシマイ!
今回はありがとう!!」
『今後共、御指導鞭撻の程を宜しくお願い致します。』
「で、ワシは何をすれば良いの?」
『あ、じゃあ。
傭兵達と一緒にアウグスブルグ領を制圧して頂ければ。』
「だからあ。
ワシ、カネが無いんだって。
こんな大軍に支払う給料なんてどこにあるのよ!?」
『あ、報酬は本当に支払い済です。
後金や経費もキャッシュで払いますので。』
「もうそれミュラー軍じゃなくて、コリンズ軍じゃない?」
『ああ、いや。
私、この容体ですし、あんまり目立ちたくないんですよ。
カネだけ私が出しますので、支払い名義人に閣下のお名前を頂戴出来ないでしょうか?』
「いやいやいや!
ワシも武人の端くれだよ?
そんな自分だけが得をするような真似、出来る訳ないじゃない!
それは騎士道的に許されんことだよ?」
『勿論、カネの出どころは内密に致します。』
「駄目駄目駄目駄目。
例え誰も見てなくとも、ワシ自身が見とるもの。
己の中の騎士道に背く振舞は出来ない!
謂れのない金銭を受け取るなんて出来ないね!」
『あ、じゃあ貸付ということで。』
「だからあ。
返すアテが無いの。
先に行っとくね?
ワシ、年貢は三公七民って決めとるから。
戦場での略奪も厳しめに禁じとるし。
財政が悪化する事はあっても黒字には絶対ならんよ?」
『じゃあ、あげます。』
「イラン。」
『じゃあ、献上させて下さい。』
「イラン。」
『なんか受け取ってくれる方法はないですか?』
「ない。」
『じゃあ、無利息無担保無期限で貸付させて下さい。』
「イラン。
それ、実質的な贈与じゃね?」
『ど、どうしたらカネを受け取ってくれるんですか?』
「君は私に何をさせたいの?」
『あ、いや。
閣下がアウグスブルグを統治して下されば
年貢が下がって皆が喜ぶかな?と。
で、私も閣下という隠れ蓑に、ヘイトを擦り付けられるかも、と。』
「じゃあ、そう頼めよ。」
『あ、はい。
じゃあ、アウグスブルグを統治して下さい。』
「君、ガイジンじゃん?
連邦の内政に発言するのは内政干渉じゃん?」
『あ、すみません。』
「だから今、ワシの部下に住民アンケートを取らせている。」
『え!?』
「アウグスブルグ候の侵略に対するカウンター占領を歓迎するか否か。
はい/いいえ/わからない
の三択で回答して貰ってる。」
『ええ!?』
「有効回答数2000が集まった時点で集計するわ。
《はい》が9割を越えてたら暫定的に統治してやる。」
…き、気難しいジジイだ!?
や、ヤバい。
俺はこういう屈折した天邪鬼ジジイが好きで好きで堪らないのだ。
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問題は、昼過ぎにはアウグスブルグ家の係累が概ね惨殺され終わっていた点だ。
ヒルダの賞金の懸け方が本当に上手いらしい。
ただでさえ法外な金額。
発見・通報・捕縛・連行の4パートに工程を細かく分けたオートメーション捕り物。
付近から搔き集めた娼婦にコミカルな替え歌と共に手配状を配らせる。
ルドルフ氏を殺害した直後には、もうこの作戦を立案し、傭兵団に不眠不休で実施させたらしい。
集計した訳ではないが、この女のキルレシオが洒落にならない事になっている。
「人心収攬の為にも正規軍に鎮撫して貰わねば困る。」
という口上を聞いて、ミュラー候はため息交じりに占領軍を進発。
三公七民に期待した人民が占領軍支援の為に一斉蜂起を起し全ての決着が着いた。
(アウグスブルグ家が一人残らず絶滅したので、本当に完全決着)
ルドルフ・フォン・アウグスブルグ氏殺害から24時間も経っていない、超スピード決着であった。
勝因はアウグス側の主要人物の寝込みを襲って一斉惨殺したことである。
男は拷問されて財産の在りかを吐かされ、女は一通り凌辱されてから、処刑されて各地に吊るされた。
そこらのチンケな領主が一夜で滅んだだけの話である。
中世あるあるなので何の感慨も無い。
《129億ウェンの配当が支払われました。》
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【所持金】
609億8600万ウェン
↓
738億8600万ウェン
※129億ウェンの配当を受け取り。
==========================
数百年前に遡れば、アウグスブルグ家とミュラー家は同祖から別れた家柄なので、まあミュラーの占領行為には正当性がないとも言えなくもない。
「ねーよ。」
うん、無いな。
他ならぬ占領側の総大将が言うのだから間違いない。
「他にワシ、やることある?」
『あの…
連邦の皆さんに対して内政干渉する意図はありませんので。
そろそろ出発させて頂いて宜しいでしょうか?』
「正直に、ワシらに興味ないって言え。」
『あ、はい。
連邦の国情にはあまり興味なくて…
本当は首長国を通りたかったですよ…
豊かで文明度が高いと聞いていたので。』
「貧しく野蛮で悪かったな!」
『スミマセン。』
「他にワシにして欲しいことはあるか?」
『思いつきません。
あの、こちらから…』
「イラン。」
『ですよねー。』
「コリンズ君、恩賞居る?」
『嵩張らないものなら。』
「領地なんだけど?」
『あ、イラナイっす。』
「今時の若者はキャッシュ以外の支払いをとことん嫌がるよなー。」
それがミュラー侯爵との別れ際の会話である。
俺は来た時同様に戸板に寝かされたまま退出した。
==========================
ミュラー侯爵との会話で妙に印象に残ったものがある。
『あ、あの閣下。
どうして三公七民なのですか?』
「統治の原価率が3割だから。」
『そうなんですか!?』
「いや、ワシの経験則だけど。
それがどんな政体であれ、そんなもんだぞ?」
『マジっすかー。』
「うん、マジ。
若い頃、結構真面目に計算したから。」
『いや、そこではなく!
どうして原価で統治してるんですか!!』
「隣領の連中が嫌がるから楽しいww」
『わかります!!!』
「教団の連中が発狂して楽しいww
税率の低い領地の農民って信仰に現実逃避しないから
神聖教団式のコミュニティビジネスが通用しない。」
『おおおおおおおおwwwww』
「マジで面白いよww
皆が顔を真っ赤にして発狂してるからww
まあ、おかげで国内包囲網を敷かれてるんだけどさww」
『うあああああああああwwww』
俺、こういう糞ジジーが本当に好きなんだよ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
傭兵隊長
【称号】
ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 21
《HP》 (2/4)
《MP》 (4/4)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 4
《幸運》 1
《経験》 1125万8722ポイント
次のレベルまで残り1265万6948ポイント
【スキル】
「複利」
※日利21%
下8桁切上
【所持金】
所持金738億8600万ウェン
※カイン・R・グランツから14億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから82億ウェンを日利2%で借用
(両名共に配当受取拒絶中)
※バベル銀行の10億ウェン預入証書保有
【常備薬】
エリクサー 105ℓ
【コリンズキャラバン移動計画】
「15日目」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 (護衛団フルチューン)
↓
王国側国境検問所 (秋の愛国フェアに参加)
↓
非武装中立地帯 (死んだ。)
↓
連邦or首長国検問所 (連邦ルート選択)
↓
連邦アウグスブルグ侯爵領 ←今ココ
↓
自由都市(連邦領経由なら7日、首長国経由なら5日の計算)
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同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
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勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
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日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
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異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
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間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
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いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
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