3 / 33
3 元聖女シリカ
しおりを挟む
早朝。
半ば着の身着のまま、小さい荷物だけを寄越され、シリカは聖神教会を後にした。
枢機卿直属の聖神教徒たち数人に拘束され、聖神教会の裏庭へと連れていかれる。
そこには小さな馬車と初老の御者が一人。
シリカは抵抗することもできずに、強制的に馬車へと押し込まれる。
十年も住んでいた場所をこんな風に追いやられるとは、夢にも思わなかった。
「二度と戻ってくるんじゃないぞ、元聖女!」
「教会にもう関わるなよ! もしも反故にしたら、わかっているな?」
昨日までは自分の護衛も担ってくれていた聖神教徒もいたのに。
しかし今はたった一人だった。
ああ、これが真実だったのだ。
そう思うも、誰を恨むでもなく、ただただシリカは悲しんだ。
たまたま聖女の素質があったから、利用されてしまった。
他の聖神教徒も内心では蔑んでいたのだろうか。
侍女も護衛も全員。
もしもそうならと考えるだけで、胸が痛んだ。
他愛無い話に花を咲かせることもあったというのに。
男たちの後ろには聖女補佐官のソフィーが立っていた。
彼女は何を言うでもなく、そこに佇み、じっとシリカを見ていた。
その瞳には、いつも通りの厳しさの中に、僅かな別の感情があるように思えた。
だがシリカに、その感情が何かをくみ取ることはできない。
疑問を口にすることなく、諦観の面持ちのままソフィーから視線を外した。
馬車が進み始める。
別れを惜しむものはおらず、ただ厄介払いされただけだった。
蹄鉄の音とガラガラと車輪が回る音だけが響く。
実感がない。
けれど頭では理解してしまっていた。
幸せだった日々はもう存在しない。
幸せになるはずだった未来もまた存在しないのだと。
薄暗く、ほとんど日が出ていない。
人気もなく、閑散としている通りを馬車が進む。
救ってきた数多の人々の笑顔、感謝を述べる顔、幸せそうな姿を思い浮かべてしまう。
もう二度と、そんな人たちに会うことはないのだろう。
「…………う」
僅かに漏れた声。
それを皮切りに、遠くの山々から日の出が見える。
徐々にそれは姿を現し、車内に日が差した。
「ううっ……」
シリカは込み上げる声と心の叫びを止められない。
手やまつ毛が震え、視界は徐々に不明瞭になる。
ぽつりと落ちた一滴の涙が、二つ三つと足元に落ちていく。
「うああ……ううっ」
嗚咽が車内に響き渡る。
しかし無情にも馬車はシリカの唯一の居場所から離れていく。
積み上げたすべてのものから引きはがされていく。
シリカは――追放されたのだ。
「うわあああああああああああ!」
シリカの頭の中はぐちゃぐちゃで、まともに考えられない。
ただただ悲しかった。
どうしてどうして、という言葉が駆け巡り、そしてそれはどこに行きつくことなく走り続ける。
悲哀の中に、憎しみも怒りもなかった。
けれども涙はとめどなく流れた。
「うあああ……うううっ……うわああああ!」
感情は止められず、泣き続けた。
きっとここに戻ることはもうない。
不必要だと、そう言われたのだから。
涙は溢れ、頬を濡らし続けた。
痛みとほとばしる熱が、現実を知らしめてくる。
その感覚に、シリカは身を委ねることしかできなかった。
●〇●〇●〇●〇
聖女が置かれる土地は、聖ファルムス国における特別行政区である。
聖ファルムス国にとって、聖神教団は切っても切り離せない関係であり、宗教的、文化的側面から見ても主柱とも言える存在だった。
教団による価値観や教えだけでなく、特に経済的な効果は――表向きには寄付とされる――聖ファルムス国にとって重要な収益となっている。
本来であれば猊下、つまり聖ファルムス特別行政区の教皇が元首となるが、現在病床に臥せっている。
ゆえに現在は最高顧問である枢機卿が多大な権限を有している。
また聖ファルムス国と聖ファルムス特別行政区においての元首は異なり、聖ファルムスは国王が、聖ファルムス特別行政区では教皇が元首となっている。
特別行政区は聖ファルムス内に位置しているが、実質的には一国家のような扱いを受けながらも、聖ファルムス国の多大な支援や保護を受ける、特別な地区であると言える。
そんな聖ファルムス特別行政区において聖女はその象徴であり、聖神教徒に対する施し、治療を行える唯一の人間である。
しかし聖女自身に実権はほぼ与えられていない。
そして聖女となる乙女は聖神が決める。
対象は貴族だけでなく、平民も入るため、時として『教団側が望まぬ選定』が行われることもあった。
その実例がシリカである。
先代の聖女たちがどうなったのか具体的に知る者は少ない。
抽象的に、功徳を積んだのち今もなお聖神様に仕え、幸福な日々を過ごしている、と伝えられているだけだ。
だが、それは違ったのかもしれない。
そんなことは今更遅いことだけれど、とシリカは思考を放棄した。
「うえぇ……ううっ! ぐすっ……」
聖ファルムス特別行政区の聖神教会を出立して数時間。
涙はいまだに止まらずにいた。
呆れるほど感情が暴走を続ける中、御者がちらちらと小窓からシリカの様子を見ている。
しかしシリカは構わず号泣した。
それはもう見事に泣きじゃくった。
街道を進み、夜になってもそれは続いた。
三日三晩。
就寝と食事以外の時間泣きっぱなしだったのだ。
「ううっ……うえっ……えうっ!」
顔中液体だらけでそれは酷いありさまだった。
しかしシリカは泣き止まない。
そんな様子を見かねたのか、教団側の人間である御者でさえも「大丈夫か?」と声をかけるほどだった。
それが四日目の夜のことだった。
馬車を街道沿いに停車させ、二人で焚火を囲んでいる最中だった。
「……だ、大丈夫です……ぐすっ……えうぅっ!」
「お、落ち着け……って言っても無理なんだろうが」
人の好さそうな初老の男。御者は懐からハンカチを出すと渡してくれた。
三日間ほぼ知らぬ存ぜぬを何とか通していたのだが、さすがに見かねたのだろう。
男の境遇や立場はわからないが、敵意はシリカに向けられていない。
恐らくは中立の人間だろう。
当の本人であるシリカに、そんなことを考える余裕はない。
おずおずとハンカチを受け取ると、シリカは涙をぬぐった。
男はそわそわしながらシリカの表情を窺っていた。
しかし結局何を言うでもなく、ただ黙して焚火に薪を放り込んだ。
シリカも何も言わない。
だがほんの少しだけ人の温かさを感じたおかげか、僅かに落ち着きを取り戻した。
沈黙が暗闇に漂う。不思議とその空間に気まずさはなかった。
揺らめく火を見て、シリカは大きくうなずく。
「うん、もう大丈夫」
「だ、大丈夫ってあんた……」
勢いよく立ち上がるシリカ。
狼狽したのは御者の方だった。
「散々泣いてすっきりしました! もう大丈夫です!」
「……そ、そうかい」
御者に詳しい説明はしない。
そして御者も言及してこない。
互いに薄い関係。恐らくは旅が終われば二度と会うことのない赤の他人。
むしろシリカからすれば、御者は相対する立場と言えるかもしれない。
ただの仕事か、あるいは教団に属する人間なのかさえ知らない。
だがそんなことはどうだってよかった。
もうシリカは大丈夫なのだから。
(泣いてるだけじゃ何にも変わらない。だったら前向きにとらえた方がきっといいはず!)
与えられた絶望は、シリカを屈服させるには役者不足だった。
孤児の時代から散々辛酸をなめて生きていたのだ。
今更、孤独になろうが、知らない男に嫁がされようが大したことじゃない。
大事なのは自分がそこで何をするか、どう思うかなのだ。
シリカは思い出す。自分の信念を。
「死ななきゃ何とかなる!」
泣き顔から一転、満面の笑みで空を見上げる。
それは半ば無理やりだったが、それでもシリカは笑った。
散々泣いた。だからもう十分だ。
悲しい時や辛い時には笑おう。そうすればいつか心も前を向く。
シリカはそうやってずっと生きていた。
空には満点の星がキラキラと輝いている。
綺麗だった。
小さな幸せを一つ見つけられた。
これだけで少しだけ生きていてよかったと思える。
僅かな幸福も積み重ねていけば、大きな幸福になる。
それが人生を楽しむコツなのだとシリカは知っている。
シリカは不安を強引に押しのけて、期待だけを引っ張り出した。
ロンダリアとはどういう国なのか。
ヴィルヘルムという人はどんな方なのか。
そんな風に思いを馳せる。
過去は振り返らない。未来を望もう。
シリカはただ空を見上げ、そして笑みを浮かべ続けた。
半ば着の身着のまま、小さい荷物だけを寄越され、シリカは聖神教会を後にした。
枢機卿直属の聖神教徒たち数人に拘束され、聖神教会の裏庭へと連れていかれる。
そこには小さな馬車と初老の御者が一人。
シリカは抵抗することもできずに、強制的に馬車へと押し込まれる。
十年も住んでいた場所をこんな風に追いやられるとは、夢にも思わなかった。
「二度と戻ってくるんじゃないぞ、元聖女!」
「教会にもう関わるなよ! もしも反故にしたら、わかっているな?」
昨日までは自分の護衛も担ってくれていた聖神教徒もいたのに。
しかし今はたった一人だった。
ああ、これが真実だったのだ。
そう思うも、誰を恨むでもなく、ただただシリカは悲しんだ。
たまたま聖女の素質があったから、利用されてしまった。
他の聖神教徒も内心では蔑んでいたのだろうか。
侍女も護衛も全員。
もしもそうならと考えるだけで、胸が痛んだ。
他愛無い話に花を咲かせることもあったというのに。
男たちの後ろには聖女補佐官のソフィーが立っていた。
彼女は何を言うでもなく、そこに佇み、じっとシリカを見ていた。
その瞳には、いつも通りの厳しさの中に、僅かな別の感情があるように思えた。
だがシリカに、その感情が何かをくみ取ることはできない。
疑問を口にすることなく、諦観の面持ちのままソフィーから視線を外した。
馬車が進み始める。
別れを惜しむものはおらず、ただ厄介払いされただけだった。
蹄鉄の音とガラガラと車輪が回る音だけが響く。
実感がない。
けれど頭では理解してしまっていた。
幸せだった日々はもう存在しない。
幸せになるはずだった未来もまた存在しないのだと。
薄暗く、ほとんど日が出ていない。
人気もなく、閑散としている通りを馬車が進む。
救ってきた数多の人々の笑顔、感謝を述べる顔、幸せそうな姿を思い浮かべてしまう。
もう二度と、そんな人たちに会うことはないのだろう。
「…………う」
僅かに漏れた声。
それを皮切りに、遠くの山々から日の出が見える。
徐々にそれは姿を現し、車内に日が差した。
「ううっ……」
シリカは込み上げる声と心の叫びを止められない。
手やまつ毛が震え、視界は徐々に不明瞭になる。
ぽつりと落ちた一滴の涙が、二つ三つと足元に落ちていく。
「うああ……ううっ」
嗚咽が車内に響き渡る。
しかし無情にも馬車はシリカの唯一の居場所から離れていく。
積み上げたすべてのものから引きはがされていく。
シリカは――追放されたのだ。
「うわあああああああああああ!」
シリカの頭の中はぐちゃぐちゃで、まともに考えられない。
ただただ悲しかった。
どうしてどうして、という言葉が駆け巡り、そしてそれはどこに行きつくことなく走り続ける。
悲哀の中に、憎しみも怒りもなかった。
けれども涙はとめどなく流れた。
「うあああ……うううっ……うわああああ!」
感情は止められず、泣き続けた。
きっとここに戻ることはもうない。
不必要だと、そう言われたのだから。
涙は溢れ、頬を濡らし続けた。
痛みとほとばしる熱が、現実を知らしめてくる。
その感覚に、シリカは身を委ねることしかできなかった。
●〇●〇●〇●〇
聖女が置かれる土地は、聖ファルムス国における特別行政区である。
聖ファルムス国にとって、聖神教団は切っても切り離せない関係であり、宗教的、文化的側面から見ても主柱とも言える存在だった。
教団による価値観や教えだけでなく、特に経済的な効果は――表向きには寄付とされる――聖ファルムス国にとって重要な収益となっている。
本来であれば猊下、つまり聖ファルムス特別行政区の教皇が元首となるが、現在病床に臥せっている。
ゆえに現在は最高顧問である枢機卿が多大な権限を有している。
また聖ファルムス国と聖ファルムス特別行政区においての元首は異なり、聖ファルムスは国王が、聖ファルムス特別行政区では教皇が元首となっている。
特別行政区は聖ファルムス内に位置しているが、実質的には一国家のような扱いを受けながらも、聖ファルムス国の多大な支援や保護を受ける、特別な地区であると言える。
そんな聖ファルムス特別行政区において聖女はその象徴であり、聖神教徒に対する施し、治療を行える唯一の人間である。
しかし聖女自身に実権はほぼ与えられていない。
そして聖女となる乙女は聖神が決める。
対象は貴族だけでなく、平民も入るため、時として『教団側が望まぬ選定』が行われることもあった。
その実例がシリカである。
先代の聖女たちがどうなったのか具体的に知る者は少ない。
抽象的に、功徳を積んだのち今もなお聖神様に仕え、幸福な日々を過ごしている、と伝えられているだけだ。
だが、それは違ったのかもしれない。
そんなことは今更遅いことだけれど、とシリカは思考を放棄した。
「うえぇ……ううっ! ぐすっ……」
聖ファルムス特別行政区の聖神教会を出立して数時間。
涙はいまだに止まらずにいた。
呆れるほど感情が暴走を続ける中、御者がちらちらと小窓からシリカの様子を見ている。
しかしシリカは構わず号泣した。
それはもう見事に泣きじゃくった。
街道を進み、夜になってもそれは続いた。
三日三晩。
就寝と食事以外の時間泣きっぱなしだったのだ。
「ううっ……うえっ……えうっ!」
顔中液体だらけでそれは酷いありさまだった。
しかしシリカは泣き止まない。
そんな様子を見かねたのか、教団側の人間である御者でさえも「大丈夫か?」と声をかけるほどだった。
それが四日目の夜のことだった。
馬車を街道沿いに停車させ、二人で焚火を囲んでいる最中だった。
「……だ、大丈夫です……ぐすっ……えうぅっ!」
「お、落ち着け……って言っても無理なんだろうが」
人の好さそうな初老の男。御者は懐からハンカチを出すと渡してくれた。
三日間ほぼ知らぬ存ぜぬを何とか通していたのだが、さすがに見かねたのだろう。
男の境遇や立場はわからないが、敵意はシリカに向けられていない。
恐らくは中立の人間だろう。
当の本人であるシリカに、そんなことを考える余裕はない。
おずおずとハンカチを受け取ると、シリカは涙をぬぐった。
男はそわそわしながらシリカの表情を窺っていた。
しかし結局何を言うでもなく、ただ黙して焚火に薪を放り込んだ。
シリカも何も言わない。
だがほんの少しだけ人の温かさを感じたおかげか、僅かに落ち着きを取り戻した。
沈黙が暗闇に漂う。不思議とその空間に気まずさはなかった。
揺らめく火を見て、シリカは大きくうなずく。
「うん、もう大丈夫」
「だ、大丈夫ってあんた……」
勢いよく立ち上がるシリカ。
狼狽したのは御者の方だった。
「散々泣いてすっきりしました! もう大丈夫です!」
「……そ、そうかい」
御者に詳しい説明はしない。
そして御者も言及してこない。
互いに薄い関係。恐らくは旅が終われば二度と会うことのない赤の他人。
むしろシリカからすれば、御者は相対する立場と言えるかもしれない。
ただの仕事か、あるいは教団に属する人間なのかさえ知らない。
だがそんなことはどうだってよかった。
もうシリカは大丈夫なのだから。
(泣いてるだけじゃ何にも変わらない。だったら前向きにとらえた方がきっといいはず!)
与えられた絶望は、シリカを屈服させるには役者不足だった。
孤児の時代から散々辛酸をなめて生きていたのだ。
今更、孤独になろうが、知らない男に嫁がされようが大したことじゃない。
大事なのは自分がそこで何をするか、どう思うかなのだ。
シリカは思い出す。自分の信念を。
「死ななきゃ何とかなる!」
泣き顔から一転、満面の笑みで空を見上げる。
それは半ば無理やりだったが、それでもシリカは笑った。
散々泣いた。だからもう十分だ。
悲しい時や辛い時には笑おう。そうすればいつか心も前を向く。
シリカはそうやってずっと生きていた。
空には満点の星がキラキラと輝いている。
綺麗だった。
小さな幸せを一つ見つけられた。
これだけで少しだけ生きていてよかったと思える。
僅かな幸福も積み重ねていけば、大きな幸福になる。
それが人生を楽しむコツなのだとシリカは知っている。
シリカは不安を強引に押しのけて、期待だけを引っ張り出した。
ロンダリアとはどういう国なのか。
ヴィルヘルムという人はどんな方なのか。
そんな風に思いを馳せる。
過去は振り返らない。未来を望もう。
シリカはただ空を見上げ、そして笑みを浮かべ続けた。
133
あなたにおすすめの小説
追放聖女ですが、辺境で愛されすぎて国ごと救ってしまいました』
鍛高譚
恋愛
婚約者である王太子から
「お前の力は不安定で使えない」と切り捨てられ、
聖女アニスは王都から追放された。
行き場を失った彼女を迎えたのは、
寡黙で誠実な辺境伯レオニール。
「ここでは、君の意思が最優先だ」
その一言に救われ、
アニスは初めて“自分のために生きる”日々を知っていく。
──だがその頃、王都では魔力が暴走し、魔物が溢れ出す最悪の事態に。
「アニスさえ戻れば国は救われる!」
手のひらを返した王太子と新聖女リリィは土下座で懇願するが……
「私はあなたがたの所有物ではありません」
アニスは冷静に突き放し、
自らの意思で国を救うために立ち上がる。
そして儀式の中で“真の聖女”として覚醒したアニスは、
暴走する魔力を鎮め、魔物を浄化し、国中に奇跡をもたらす。
暴走の原因を隠蔽していた王太子は失脚。
リリィは国外追放。
民衆はアニスを真の守護者として称える。
しかしアニスが選んだのは――
王都ではなく、静かで温かい辺境の地。
婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?
二周目聖女は恋愛小説家! ~探されてますが、前世で断罪されたのでもう名乗り出ません~
今川幸乃
恋愛
下級貴族令嬢のイリスは聖女として国のために祈りを捧げていたが、陰謀により婚約者でもあった王子アレクセイに偽聖女であると断罪されて死んだ。
こんなことなら聖女に名乗り出なければ良かった、と思ったイリスは突如、聖女に名乗り出る直前に巻き戻ってしまう。
「絶対に名乗り出ない」と思うイリスは部屋に籠り、怪しまれないよう恋愛小説を書いているという嘘をついてしまう。
が、嘘をごまかすために仕方なく書き始めた恋愛小説はなぜかどんどん人気になっていく。
「恥ずかしいからむしろ誰にも読まれないで欲しいんだけど……」
一方そのころ、本物の聖女が現れないため王子アレクセイらは必死で聖女を探していた。
※序盤の断罪以外はギャグ寄り。だいぶ前に書いたもののリメイク版です
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
【完結】公爵家のメイドたる者、炊事、洗濯、剣に魔法に結界術も完璧でなくてどうします?〜聖女様、あなたに追放されたおかげで私は幸せになれました
冬月光輝
恋愛
ボルメルン王国の聖女、クラリス・マーティラスは王家の血を引く大貴族の令嬢であり、才能と美貌を兼ね備えた完璧な聖女だと国民から絶大な支持を受けていた。
代々聖女の家系であるマーティラス家に仕えているネルシュタイン家に生まれたエミリアは、大聖女お付きのメイドに相応しい人間になるために英才教育を施されており、クラリスの側近になる。
クラリスは能力はあるが、傍若無人の上にサボり癖のあり、すぐに癇癪を起こす手の付けられない性格だった。
それでも、エミリアは家を守るために懸命に彼女に尽くし努力する。クラリスがサボった時のフォローとして聖女しか使えないはずの結界術を独学でマスターするほどに。
そんな扱いを受けていたエミリアは偶然、落馬して大怪我を負っていたこの国の第四王子であるニックを助けたことがきっかけで、彼と婚約することとなる。
幸せを掴んだ彼女だが、理不尽の化身であるクラリスは身勝手な理由でエミリアをクビにした。
さらに彼女はクラリスによって第四王子を助けたのは自作自演だとあらぬ罪をでっち上げられ、家を潰されるかそれを飲み込むかの二択を迫られ、冤罪を被り国家追放に処される。
絶望して隣国に流れた彼女はまだ気付いていなかった、いつの間にかクラリスを遥かに超えるほどハイスペックになっていた自分に。
そして、彼女こそ国を守る要になっていたことに……。
エミリアが隣国で力を認められ巫女になった頃、ボルメルン王国はわがまま放題しているクラリスに反発する動きが見られるようになっていた――。
【完結】濡れ衣聖女はもう戻らない 〜ホワイトな宮廷ギルドで努力の成果が実りました
冬月光輝
恋愛
代々魔術師の名家であるローエルシュタイン侯爵家は二人の聖女を輩出した。
一人は幼き頃より神童と呼ばれた天才で、史上最年少で聖女の称号を得たエキドナ。
もう一人はエキドナの姉で、妹に遅れをとること五年目にしてようやく聖女になれた努力家、ルシリア。
ルシリアは魔力の量も生まれつき、妹のエキドナの十分の一以下でローエルシュタインの落ちこぼれだと蔑まれていた。
しかし彼女は努力を惜しまず、魔力不足を補う方法をいくつも生み出し、教会から聖女だと認められるに至ったのである。
エキドナは目立ちたがりで、国に一人しかいなかった聖女に姉がなることを良しとしなかった。
そこで、自らの家宝の杖を壊し、その罪を姉になすりつけ、彼女を実家から追放させた。
「無駄な努力」だと勝ち誇った顔のエキドナに嘲り笑われたルシリアは失意のまま隣国へと足を運ぶ。
エキドナは知らなかった。魔物が増えた昨今、彼女の働きだけでは不足だと教会にみなされて、姉が聖女になったことを。
ルシリアは隣国で偶然再会した王太子、アークハルトにその力を認められ、宮廷ギルド入りを勧められ、宮仕えとしての第二の人生を送ることとなる。
※旧タイトル『妹が神童だと呼ばれていた聖女、「無駄な努力」だと言われ追放される〜「努力は才能を凌駕する」と隣国の宮廷ギルドで証明したので、もう戻りません』
【完結】金で買われた婚約者と壊れた魔力の器
miniko
恋愛
子爵家の令嬢であるメリッサは、公爵家嫡男のサミュエルと婚約している。
2人はお互いに一目惚れし、その仲を公爵家が認めて婚約が成立。
本当にあったシンデレラストーリーと噂されていた。
ところが、結婚を目前に控えたある日、サミュエルが隣国の聖女と恋に落ち、メリッサは捨てられてしまう。
社交界で嘲笑の対象となるメリッサだが、実はこの婚約には裏があって・・・
※全体的に設定に緩い部分が有りますが「仕方ないな」と広い心で許して頂けると有り難いです。
※恋が動き始めるまで、少々時間がかかります。
※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしておりません。本編未読の方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる