10 / 33
10 たった一言で
しおりを挟む
シリカはヴィルヘルムの部屋へ向かっていた。
廊下を歩いていても、守衛や侍女とすれ違うこともない。
城内とは思えないほどに人気がなかった。
(まずは陛下が普段どういう生活をしているのか、観察するのよ)
王の寝室は王妃の寝室からやや遠い場所にある。
恐らくは、襲撃された場合のことを考えてのことだろう。
まあ、城内には守衛があまりいないので襲撃を防ぎようがないのだが。
小国ゆえに暗躍する人間の存在はない、と考えているのだろうか。
それはそれとして。
廊下の影から寝室の扉を眺めるシリカ。
しばらくすると部屋からヴィルヘルムが現れる。
シリカの恰好と同様に、王族にしては質素な色合いと素材の衣服を身にまとっている。
彼は淀みなく歩き、執務室へと入っていった。
付き人はいないらしい。
王妃であるシリカもほぼ放置されているが、執事や侍女が付き添わないのは、この国の常識となっているのかもしれない。
単純に人がいないせいだろうが。
しばらくすると執事長のクラウスが、紙の束を持って執務室へと入り、数分後に出ていった。
彼も彼で忙しいらしい。
反面、自分は何をしているのかと空しくなるが、強引に邪念を振り切った。
(これは必要なことなのよ、シリカ! 王妃として陛下のことをまず知らなくては!)
やってることは遠くから監視しているだけなのだが。
直接話に行くという案もあるが、王たるヴィルヘルムの執務を邪魔するのも憚られた。
一先ずは様子を探る、これでいいとシリカは自分を納得させる。
それから数時間が経過し、昼食時になると食堂へ移動。
そこでまたしても距離がある食事の時間をヴィルヘルムと過ごし、再び二人とも元の場所へと戻る。
途中で何度もクラウスが、書類を手にしてやって来ては出ていくというのを繰り返した。
さらに数時間。
変化のない執務室の扉を睨み続けるシリカ。
かなり我慢強い性格である。
それも僅かに陰りが見え始めた。
(……私、何してるのかしら)
ただヴィルヘルムが執務に追われている様子を、扉越しに眺めているだけ。
しかも別に彼が仕事をしている姿を見られるわけでもない。
ただ扉を凝視するだけで、時間が過ぎている。
嘆息し、シリカは自分を卑下した。
とにかくヴィルヘルムはずっと仕事をしている、ということはわかった。
その仕事ぶりを見るに、どうやら不遜でも無知蒙昧でもなさそうだ。
初対面の時もそうだったが、話しぶりや気遣いから、噂通りの男には思えなかった。
ほとんど会話をしていないので確証はないのだが。
(そもそも、最初の時も、食事の時も……それに私に公務や勉学を強いないことに関してもそうだけど、どうも陛下は私と距離を取りたいみたいなのよね)
理由は判然としないが、それは間違いない。
余計なことをするなという意味であれば、自分の行動はヴィルヘルムにとっては邪魔でしかないだろう。
だが、何もするなというのはさすがに酷だ。
とりあえず陛下が仕事熱心な王であることはわかった。
執務室での業務を目にしたわけではないが、クラウスが何度も何かの書類を持ち運んでて来ていたし、遊び惚けているということは考えにくい。
一日中執務に追われるほど仕事があるのならば、王妃であるシリカにもできることはありそうだ。
何ができるかはまだわからないのだが。
(それがわかっただけで良しとしましょう)
うんうんと頷き、今日の収穫に満足するシリカ。
さて、と廊下から離れようと振り返った。
ふと視界に入った情景に思わず一人ごちる。
「……汚いわね」
悪態ではなく、純粋な感想だった。
壁際にホコリが溜まっているし、壁や床はところどころ汚れている。
掃除をさぼっているということはないだろう。
その証拠に、廊下の奥の方で一生懸命掃除をしているアリーナの姿が見えた。
ホウキでホコリやゴミを集めているが、かなり大雑把に見えた。
時刻はもうすぐ夕方。急いで終わらせようと焦っている様子だった。
シリカは迷いつつもアリーナに近づく。
「アリーナ、ご苦労様」
「あ! ど、どうも王妃様!」
アリーナは慌てて一礼するとすぐに掃除を再開した。
「一人で掃除をしているのですか?」
「は、はい! 侍女はあたし一人なので!」
「下女は?」
「いません!」
「では掃除や洗濯、私の身の回りの世話もすべてあなた一人で?」
「ええ、あたし一人ですね!」
やはりそうだった。
シリカは難しい顔をして考え込んでしまう。
するとアリーナが慌てて補足した。
「あ、あたし一人で何とかできますので、ご心配なさらないでください!」
明らかにできてはいないのだが、アリーナを責めるのは筋違いというものだ。
「他には誰が城内にいるのですか?」
「えーと、執事長と料理長が一人ずつで、あとは兵士の方々が十人くらい? ですね!」
警護と世話役すべて合わせても十人ほどとは。
これは思ったよりも大変な状況だ。
王や王妃に付きっきりでいられないのも無理はない。
「何をしている?」
いきなり声を掛けられシリカは驚き、肩を揺らした。
声に振り返ると、いつの間にか後ろに立っていたのはヴィルヘルムとクラウスだった。
何の音もしなかったので心臓がきゅっと委縮してしまった。
まさか陛下から関わってくるとは。
食事の時や今までの態度から、接することを敬遠していると思っていたのだが。
シリカは面食らい、僅かに動揺した。
「こ、これは陛下。ご機嫌麗しゅう。少し仕事のことを聞いていました」
「そうか」
それだけで会話は止まった。
仏頂面のままヴィルヘルムはシリカをじっと見つめる。
シリカはシリカでヴィルヘルムの意図がわからず、目を泳がせた。
気まずい空気が流れる中、シリカが慌てて口を開く。
「あ、明日にでも街を見てみたいのですが」
「構わん。クラウス。案内を頼むぞ」
「は! かしこまりました」
クラウスが流れるように礼をすると、ヴィルヘルムは小さく頷いた。
思ったよりもすんなり要望が通ったことに驚くと同時に困った。
会話がすぐに終わってしまう。
聞きたいことは山ほどあるのに、言葉にならなかった。
「他に何かあるか?」
「い、いえ。今のところは」
「そうか。ではな」
言葉を言い放つと同時に、すぐにスタスタと歩いて行ってしまった。
呆気に取られたままだったシリカは、小さく胸を撫で下ろす。
(び、びっくりしたわ。いきなりいらっしゃるんだもの)
ドキドキしている胸を両手で軽く抑えるシリカ。
(陛下から何かあるか、と聞いてきてくれた……)
思わず先ほどのやり取りを思い出し、笑みを浮かべてしまう。
そしてすぐに、なぜかそれがとても恥ずかしく思えて、目をぎゅっとつぶり、感情を抑制した。
「あ、あの王妃様。お顔が赤いですが、大丈夫ですか?」
「え? あ、そ、そう? だ、大丈夫。何もありませんよ」
頬に手を当てると確かに熱を持っていた。
これは一体何なのだろうか。
高揚なのか、それとも単純な気恥ずかしさなのだろうか。
あるいは……懸想? いや、それはない。
だって出会ってまだ数日なのだ。
互いのことも知らないし、会話だってほとんどしていないのに。
シリカは自分の感情がわからず、しどろもどろになりながら答えることしかできなかった。
「で、では私は戻ります」
アリーナに背を向けて、可能な限り動揺を見せないようにゆっくりと歩いた。
ヴィルヘルムの顔を思い出す。
やせ細り、目に力はなく、貧相な姿は気品と活力を薄れさせ、男しての魅力をほとんど失わせていた。
しかしシリカが思い出すのはそんな部分ではない。
彼の放った言葉。
もしかしたら嫌われているかも、厄介者だと思われているかも、気に入られなかったのかも、そんな風に考えもした。
だが彼の気遣いが、たった一つの「何かあるか?」という言葉が。
シリカの心に光芒を注いだ。
我ながら単純だと思いつつも、その感情に今は従おう。
これほどまでに心地がいいのだから。
せめて今だけは彼の心中を推し量らなくてもいいだろう。
少しの間だけ、喜びに浸りたい。
シリカはそう思った。
廊下を歩いていても、守衛や侍女とすれ違うこともない。
城内とは思えないほどに人気がなかった。
(まずは陛下が普段どういう生活をしているのか、観察するのよ)
王の寝室は王妃の寝室からやや遠い場所にある。
恐らくは、襲撃された場合のことを考えてのことだろう。
まあ、城内には守衛があまりいないので襲撃を防ぎようがないのだが。
小国ゆえに暗躍する人間の存在はない、と考えているのだろうか。
それはそれとして。
廊下の影から寝室の扉を眺めるシリカ。
しばらくすると部屋からヴィルヘルムが現れる。
シリカの恰好と同様に、王族にしては質素な色合いと素材の衣服を身にまとっている。
彼は淀みなく歩き、執務室へと入っていった。
付き人はいないらしい。
王妃であるシリカもほぼ放置されているが、執事や侍女が付き添わないのは、この国の常識となっているのかもしれない。
単純に人がいないせいだろうが。
しばらくすると執事長のクラウスが、紙の束を持って執務室へと入り、数分後に出ていった。
彼も彼で忙しいらしい。
反面、自分は何をしているのかと空しくなるが、強引に邪念を振り切った。
(これは必要なことなのよ、シリカ! 王妃として陛下のことをまず知らなくては!)
やってることは遠くから監視しているだけなのだが。
直接話に行くという案もあるが、王たるヴィルヘルムの執務を邪魔するのも憚られた。
一先ずは様子を探る、これでいいとシリカは自分を納得させる。
それから数時間が経過し、昼食時になると食堂へ移動。
そこでまたしても距離がある食事の時間をヴィルヘルムと過ごし、再び二人とも元の場所へと戻る。
途中で何度もクラウスが、書類を手にしてやって来ては出ていくというのを繰り返した。
さらに数時間。
変化のない執務室の扉を睨み続けるシリカ。
かなり我慢強い性格である。
それも僅かに陰りが見え始めた。
(……私、何してるのかしら)
ただヴィルヘルムが執務に追われている様子を、扉越しに眺めているだけ。
しかも別に彼が仕事をしている姿を見られるわけでもない。
ただ扉を凝視するだけで、時間が過ぎている。
嘆息し、シリカは自分を卑下した。
とにかくヴィルヘルムはずっと仕事をしている、ということはわかった。
その仕事ぶりを見るに、どうやら不遜でも無知蒙昧でもなさそうだ。
初対面の時もそうだったが、話しぶりや気遣いから、噂通りの男には思えなかった。
ほとんど会話をしていないので確証はないのだが。
(そもそも、最初の時も、食事の時も……それに私に公務や勉学を強いないことに関してもそうだけど、どうも陛下は私と距離を取りたいみたいなのよね)
理由は判然としないが、それは間違いない。
余計なことをするなという意味であれば、自分の行動はヴィルヘルムにとっては邪魔でしかないだろう。
だが、何もするなというのはさすがに酷だ。
とりあえず陛下が仕事熱心な王であることはわかった。
執務室での業務を目にしたわけではないが、クラウスが何度も何かの書類を持ち運んでて来ていたし、遊び惚けているということは考えにくい。
一日中執務に追われるほど仕事があるのならば、王妃であるシリカにもできることはありそうだ。
何ができるかはまだわからないのだが。
(それがわかっただけで良しとしましょう)
うんうんと頷き、今日の収穫に満足するシリカ。
さて、と廊下から離れようと振り返った。
ふと視界に入った情景に思わず一人ごちる。
「……汚いわね」
悪態ではなく、純粋な感想だった。
壁際にホコリが溜まっているし、壁や床はところどころ汚れている。
掃除をさぼっているということはないだろう。
その証拠に、廊下の奥の方で一生懸命掃除をしているアリーナの姿が見えた。
ホウキでホコリやゴミを集めているが、かなり大雑把に見えた。
時刻はもうすぐ夕方。急いで終わらせようと焦っている様子だった。
シリカは迷いつつもアリーナに近づく。
「アリーナ、ご苦労様」
「あ! ど、どうも王妃様!」
アリーナは慌てて一礼するとすぐに掃除を再開した。
「一人で掃除をしているのですか?」
「は、はい! 侍女はあたし一人なので!」
「下女は?」
「いません!」
「では掃除や洗濯、私の身の回りの世話もすべてあなた一人で?」
「ええ、あたし一人ですね!」
やはりそうだった。
シリカは難しい顔をして考え込んでしまう。
するとアリーナが慌てて補足した。
「あ、あたし一人で何とかできますので、ご心配なさらないでください!」
明らかにできてはいないのだが、アリーナを責めるのは筋違いというものだ。
「他には誰が城内にいるのですか?」
「えーと、執事長と料理長が一人ずつで、あとは兵士の方々が十人くらい? ですね!」
警護と世話役すべて合わせても十人ほどとは。
これは思ったよりも大変な状況だ。
王や王妃に付きっきりでいられないのも無理はない。
「何をしている?」
いきなり声を掛けられシリカは驚き、肩を揺らした。
声に振り返ると、いつの間にか後ろに立っていたのはヴィルヘルムとクラウスだった。
何の音もしなかったので心臓がきゅっと委縮してしまった。
まさか陛下から関わってくるとは。
食事の時や今までの態度から、接することを敬遠していると思っていたのだが。
シリカは面食らい、僅かに動揺した。
「こ、これは陛下。ご機嫌麗しゅう。少し仕事のことを聞いていました」
「そうか」
それだけで会話は止まった。
仏頂面のままヴィルヘルムはシリカをじっと見つめる。
シリカはシリカでヴィルヘルムの意図がわからず、目を泳がせた。
気まずい空気が流れる中、シリカが慌てて口を開く。
「あ、明日にでも街を見てみたいのですが」
「構わん。クラウス。案内を頼むぞ」
「は! かしこまりました」
クラウスが流れるように礼をすると、ヴィルヘルムは小さく頷いた。
思ったよりもすんなり要望が通ったことに驚くと同時に困った。
会話がすぐに終わってしまう。
聞きたいことは山ほどあるのに、言葉にならなかった。
「他に何かあるか?」
「い、いえ。今のところは」
「そうか。ではな」
言葉を言い放つと同時に、すぐにスタスタと歩いて行ってしまった。
呆気に取られたままだったシリカは、小さく胸を撫で下ろす。
(び、びっくりしたわ。いきなりいらっしゃるんだもの)
ドキドキしている胸を両手で軽く抑えるシリカ。
(陛下から何かあるか、と聞いてきてくれた……)
思わず先ほどのやり取りを思い出し、笑みを浮かべてしまう。
そしてすぐに、なぜかそれがとても恥ずかしく思えて、目をぎゅっとつぶり、感情を抑制した。
「あ、あの王妃様。お顔が赤いですが、大丈夫ですか?」
「え? あ、そ、そう? だ、大丈夫。何もありませんよ」
頬に手を当てると確かに熱を持っていた。
これは一体何なのだろうか。
高揚なのか、それとも単純な気恥ずかしさなのだろうか。
あるいは……懸想? いや、それはない。
だって出会ってまだ数日なのだ。
互いのことも知らないし、会話だってほとんどしていないのに。
シリカは自分の感情がわからず、しどろもどろになりながら答えることしかできなかった。
「で、では私は戻ります」
アリーナに背を向けて、可能な限り動揺を見せないようにゆっくりと歩いた。
ヴィルヘルムの顔を思い出す。
やせ細り、目に力はなく、貧相な姿は気品と活力を薄れさせ、男しての魅力をほとんど失わせていた。
しかしシリカが思い出すのはそんな部分ではない。
彼の放った言葉。
もしかしたら嫌われているかも、厄介者だと思われているかも、気に入られなかったのかも、そんな風に考えもした。
だが彼の気遣いが、たった一つの「何かあるか?」という言葉が。
シリカの心に光芒を注いだ。
我ながら単純だと思いつつも、その感情に今は従おう。
これほどまでに心地がいいのだから。
せめて今だけは彼の心中を推し量らなくてもいいだろう。
少しの間だけ、喜びに浸りたい。
シリカはそう思った。
125
あなたにおすすめの小説
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
婚約破棄された侯爵令嬢ですが、帝国の次席秘書官になりました ――王の隣ではなく、判断を誤らせない場所へ
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として王宮に仕える侯爵令嬢ゼクレテァ。
彼女は華やかな場に立つことはなく、ただ静かに、しかし確実に政務と外交を支えていた。
――その役割が、突然奪われるまでは。
公の場で告げられた一方的な婚約破棄。
理由はただひとつ、「愛している相手がいるから」。
ゼクレテァは感情を見せることなく、その決定を受け入れる。
だが彼女が王宮を去った後、王国には小さな歪みが生じ始めた。
些細な行き違い、遅れる判断、噛み合わない政策。
それらはやがて、国家全体を揺るがす事態へと発展していく。
一方、行き場を失ったゼクレテァの前に、思いもよらぬ「選択肢」が差し出される。
求められたのは、身分でも立場でもない。
彼女自身の能力だった。
婚約破棄から始まる、
静かで冷静な逆転劇。
王の隣に立つことを拒んだ令嬢は、
やがて「世界を動かす場所」へと歩み出す――。
-
追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜
三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。
「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」
ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。
「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」
メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。
そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。
「頑張りますね、魔王さま!」
「……」(かわいい……)
一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。
「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」
国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……?
即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。
※小説家になろうさんにも掲載
二周目聖女は恋愛小説家! ~探されてますが、前世で断罪されたのでもう名乗り出ません~
今川幸乃
恋愛
下級貴族令嬢のイリスは聖女として国のために祈りを捧げていたが、陰謀により婚約者でもあった王子アレクセイに偽聖女であると断罪されて死んだ。
こんなことなら聖女に名乗り出なければ良かった、と思ったイリスは突如、聖女に名乗り出る直前に巻き戻ってしまう。
「絶対に名乗り出ない」と思うイリスは部屋に籠り、怪しまれないよう恋愛小説を書いているという嘘をついてしまう。
が、嘘をごまかすために仕方なく書き始めた恋愛小説はなぜかどんどん人気になっていく。
「恥ずかしいからむしろ誰にも読まれないで欲しいんだけど……」
一方そのころ、本物の聖女が現れないため王子アレクセイらは必死で聖女を探していた。
※序盤の断罪以外はギャグ寄り。だいぶ前に書いたもののリメイク版です
義母の企みで王子との婚約は破棄され、辺境の老貴族と結婚せよと追放されたけど、結婚したのは孫息子だし、思いっきり歌も歌えて言うことありません!
もーりんもも
恋愛
義妹の聖女の証を奪って聖女になり代わろうとした罪で、辺境の地を治める老貴族と結婚しろと王に命じられ、王都から追放されてしまったアデリーン。
ところが、結婚相手の領主アドルフ・ジャンポール侯爵は、結婚式当日に老衰で死んでしまった。
王様の命令は、「ジャンポール家の当主と結婚せよ」ということで、急遽ジャンポール家の当主となった孫息子ユリウスと結婚することに。
ユリウスの結婚の誓いの言葉は「ふん。ゲス女め」。
それでもアデリーンにとっては、緑豊かなジャンポール領は楽園だった。
誰にも遠慮することなく、美しい森の中で、大好きな歌を思いっきり歌えるから!
アデリーンの歌には不思議な力があった。その歌声は万物を癒し、ユリウスの心までをも溶かしていく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる